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床暖房の費用やメリット・デメリット。電気代・ガス代は高い?

家選びネット公式 (ie-erabi.net) 2021-04-30
間取り・設備


床暖房を検討するとき「電気代やガス代はいくらかかる?」「カーペットやラグは敷ける?」といった疑問を持つ方もいるでしょう。新築やリフォーム時に後付け設置する場合の費用を知りたい方もいるかもしれません。今回は、床暖房の仕組みや種類、設置価格などについて詳しく解説します。


床暖房の仕組み


床暖房とは、床を加温して部屋を暖める暖房システムのこと

床暖房は、床材の下にパネルヒーターや温水パイプを設置し、床そのものを加温して部屋を暖める暖房方法です。床から直接伝わる熱(伝道熱)と部屋全体に広がる熱(ふく射熱)の組み合わせによって、足元から暖かくなる仕組みとなっています。


床暖房には専用のフローリング(仕上げ材)が必要

床暖房を設置したい場合は、床暖房専用のフローリングを使用する必要があります。通常のフローリングだと、床暖房による熱によって木材がひび割れてしまったり、反り返ってしまったりする場合があるためです。


最近では、無垢フローリングなど質感にこだわった「床暖房専用の仕上げ材」も販売されています。部屋の雰囲気にあったフローリングを選べるのではないでしょうか。


【温水循環式・電気ヒーター式】床暖房の暖房方式は2種類ある


床暖房には「温水循環式」と「電気ヒーター式」があり、それぞれ床を暖める方法が異なります。どちらの方式を選ぶかは、ライフスタイルや使用時間、部屋の広さを考えて検討するとよいでしょう。ここでは、それぞれの暖房方式の特徴を解説します。


温水循環式

温水循環式の床暖房は「床の下に温水を流して床を暖める仕組み」です。お湯で暖めるため、やわらかい温かさを感じられるのが特徴です。温水の熱源として電気やガス、灯油を使用します。電気ヒーター式に比べて、床全体を均一に暖められるでしょう。


電気ヒーター式

電気ヒーター式の床暖房は「電熱線を床下に張り巡らせて床を暖める仕組み」です。電気の使い方によって、以下のように細かく種類が分かれ、費用やランニングコスト、暖まり方に違いがあります。

種類
仕組み
電熱線式
発熱体の熱線部分に電気を通して発熱する方式
蓄熱式
夜間電力を利用して蓄熱体を温めておき、昼間に自然放熱させる方式
PTCヒーター式
床面が必要以上に暖まらないよう、発熱をきめ細かく抑制する方式


床暖房の電気代・ガス代はいくらかかる?


床暖房のランニングコストとして電気代やガス代がかかります。床暖房のタイプや広さ、設定温度や室温などによって違いはありますが、一ヶ月あたりの光熱費は、電気ヒーター式だと6,000円程度、温水循環式だと3,500円程度と言われています。(8畳の部屋で1日8時間程度使用した場合)


床暖房は後付けリフォームも可能。設置費用の目安は?


床暖房を設置するときの初期費用

床暖房の初期費用は、電気ヒーター式に比べ、温水循環式の方が高くなるケースが多いでしょう。ただし、採用する種類や床暖房を設置する範囲によって異なります。毎月の光熱費は温水循環式の方が安くなるケースが多いため、長期的なコストを考えて検討できるとよいのではないでしょうか。


床暖房を後付けするとき場合の費用

リフォームなどで床暖房を後付けすることもできます。1畳当たりの設置費用は、直貼りする場合だと5~8万円程度床下へ取り付ける場合は、床を全面張り替える必要があるため、8~11万円程度が相場だと言われています。双方のメリット・デメリットを比較して検討してみてはいかがでしょうか。


床暖房のメリット


《メリット1》足元から暖まる

床暖房は足元からじんわりと暖まります。エアコンだと、暖かい空気が上に留まったままで床付近がなかなか暖まらず、「足元だけが冷えたまま」という方も多いでしょう。床暖房ならそのような心配がありません。


《メリット2》安全性が高く小さな子どもがいても安心して使える

床暖房は石油ストーブなどとは違い火を使わない暖房器具なので、小さな子どもがいても安心して使用できます。まだ歩く前の赤ちゃんがいる家庭では、低温やけどをしないよう低めの温度設定にして、マットを敷くなどの工夫をすると、快適に使えるでしょう。


《メリット3》空気が汚れず、乾燥も防げる

床暖房は火を燃焼させることがないので、空気が汚れたり、乾燥したりする心配がありません。また、カビなどによる臭いも発生せず、エアコンのように塵や埃が舞うことがないのも嬉しいメリットです。


床暖房のデメリット


《デメリット1》設置費用が高く、メンテナンスが必要

床暖房の設置費用は、ヒーターやホットカーペットなど他の暖房器具に比べると大がかりな工事が必要となるためお金がかかります。また温水循環式床暖房の場合は、定期的にメンテナンスも必要です。不凍液と呼ばれる液体を使用している場合は、年に1度程度不凍液を補充するほか、10年に一度は全量を交換しなければなりません。不凍液交換の目安費用は、3~5万円程度です。


《デメリット2》暖まるまでに時間がかかる

床暖房によって部屋全体を暖めるには、ある程度の時間が必要です。部屋の広さにもよりますが、1時間程度はかかると考えましょう。朝起きた時に暖まった状態にしたい場合は、タイマー機能を利用するのがおすすめです。


《デメリット3》修理費用が高い

床暖房が故障してしまい修理が必要となる場合もあるでしょう。故障の原因にもよりますが、部分的に壊れていて修理をする場合は、20~30万円程度が修理費用の相場となります。


床暖房を快適に使うためのポイント


床暖房を設置するなら、できるだけ快適に使いたいですよね。ここでは、床暖房を設ける際に知っておきたいポイントをご紹介します。


断熱性・気密性の高い家にする

床暖房で効率よく部屋を暖めるためには、断熱性・気密性の高い家にすることが大切です。寒さの厳しい北海道などの地域でも、断熱性・気密性の高い家であれば床暖房で寒い冬を越せると言われています。住宅性能にもこだわって、家づくりを進めていけるとよいでしょう。


他の暖房器具と併用する

床暖房は暖まるまでに時間がかかるため、最初のうちは暖まるスピードの速い暖房器具と併用するのがおすすめです。ある程度部屋が暖まれば、床暖房のみで暖かさを持続させることができます。


床暖房対応のカーペットやラグを使う

床暖房の上で長時間過ごす場合は、床暖房対応のカーペットやラグを使うと、低温やけどの心配をすることなく快適に過ごせます。カーペットやラグの種類はさまざまあるので、好みの肌触りやデザインのものを探してみてはいかがでしょう。ただし、床暖房の中には、カーペットやラグの使用を推奨していないタイプもあるため、説明書をよく確認してくださいね。


ハウスメーカーの家に床暖房システムを設置しよう


ハウスメーカーで建てる家に、床暖房システムを取り入れたいと考えている方もいるのではないでしょうか。大手ハウスメーカーの中には、床暖房の機能性の高さはもちろんのこと、こだわりのある多数の仕上げ材(床材)を用意しているところもあります。家づくりのプロである営業担当者に相談しながら、床暖房の設置を検討してみてはいかがでしょうか。


床暖房のメリット・デメリットを理解して検討しよう


今回は床暖房の仕組みや種類に加え、電気代やガス代などの費用やメリットやデメリットなどをご紹介しました。床暖房は足元から部屋全体を暖めてくれる暖房システムです。暖房方式は電気ヒーター式と温水循環式があり、ライフスタイルなどに合わせて検討するとよいでしょう。


床暖房にはさまざまなメリットがありますが、設置費用や月々の光熱費は、エアコンやホットカーペットなど他の暖房器具に比べて高い傾向にあります。メリット・デメリットを比較して、床暖房の設置を検討してみてくださいね。


床下暖房のメリット・デメリットを詳しく知りたい方はこちら
床下暖房のメリット・デメリット。床暖房との違いや仕組みを解説

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