ベランダの防犯対策は設計が鍵!一戸建てのベランダで後悔しないポイントを解説
ベランダは、空き巣などから狙われやすい侵入経路のひとつです。とくに一戸建ての場合、窓やベランダからの侵入が半数以上と多く、しっかりとした防犯対策が必要です。
この記事では、「ベランダに防犯対策は必要?」「効果の高い防犯グッズの選び方は?」といった疑問を持つ方に向けて、狙われにくいベランダをつくるポイントを解説。家をつくる際にできる防犯対策からおすすめの防犯グッズ、さらに「そもそも新築にベランダは必要なのか?」という根本的な悩みまで詳しく解説します。
ベランダの防犯対策は必要か?
侵入窃盗の被害は、玄関や窓だけでなく、ベランダから侵入されるケースも少なくありません。「戸建ての2階だから」「マンションの高層階だから」という油断は禁物。階層に関係なく、ベランダからの被害報告は多いことから、住宅のセキュリティを考える上でベランダへも防犯対策は必須といえます。
警察庁が発表した調査によると、空き巣などの侵入窃盗の認知件数は令和6年で4万3,036件でした。そのうち、住居への侵入窃盗は1万6,000件と、前年から8.4%減少しているものの、1日あたり約44件もの住宅が被害に遭っている計算になります。ここでは、侵入窃盗被害の発生場所や侵入経路について詳しく見ていきます。
空き巣など侵入窃盗被害の約30%が一戸建て
令和6年における空き巣などの侵入窃盗の発生場所と認知件数の割合は以下の通りです。
- 一戸建て住宅:29.0%
- 共同住宅(3階建て以下):6.8%
- 共同住宅(4階建て以上):3.7%
一戸建て住宅を狙った侵入窃盗は、全体件数の約3割を占めています。アパートやマンションなどの共同住宅と合わせると、全体の約4割にも上る結果となりました。
出典:警察庁「住まいる防犯110番」
一戸建て住宅の侵入経路は窓やベランダが半数超え
一戸建て住宅における、侵入窃盗の侵入経路の割合は、以下の通りです。
- 窓:52.9%
- 表出入口:22.0%
- その他の出入口:15.1%
窓が全体の52.9%と半数以上を占めており、中でも腰高窓や出窓に比べ、人が出入りしやすい掃き出し窓は圧倒的に狙われやすい傾向にあります。掃き出し窓があり、外から見えにくいベランダは死角になりやすいため、とくにしっかりとした防犯対策をおこなう必要があるでしょう。
出典:警察庁「住まいる防犯110番」
狙われにくいベランダを作るポイント
被害に遭わないためには、空き巣などの侵入窃盗犯から狙われにくいベランダをつくることが大切です。家づくりの段階で押さえておきたいポイントをご紹介します。
プライバシーを守りつつ、「死角」をつくらない
空き巣などの侵入窃盗犯は、できるだけ人目につかない開口部から侵入を試みます。そのため、周囲からの見通しが悪いベランダは狙われやすいです。
特に、「ベランダのフェンスが高い」「開口部が道路から見えにくい」「隣家との距離が近い」「庭木で覆われている」といった場合は注意が必要です。プライバシーを守りつつも、「死角」をつくらない見通しの良いベランダにするのが狙われにくいポイントです。
「足場」をつくらない
2階以上の建物の場合でも、ベランダから侵入されるケースは少なくありません。雨どいやエアコンの室外機などを「足場」にして、ベランダから侵入されるため注意が必要です。設計段階で、雨どいや室外機がベランダの近くにならないよう防犯対策を考えましょう。
そもそも「ベランダを設けない」
最近では、防犯面やコスト面の問題から、あえて「ベランダをつくらない」というのも選択肢のひとつです。外に干した洗濯物の盗難や、家族構成の推測、花粉の付着などを避けるために、部屋干しできるランドリールームを作るケースが増えています。
また、ベランダは建築費用だけでなく、防水などのメンテナンス費用もかかります。周辺の立地やライフスタイル、予算などに鑑みて、「バルコニーは本当に必要かどうか」を検討してみましょう。
家を建てる際に採用したいベランダの防犯設備
注文住宅で家を建てる場合、あらかじめ防犯性の高い設備を採用することで安心できる家づくりが実現できます。設計時に検討しておきたい、おすすめの防犯設備をご紹介します。
防犯ガラスを採用する
侵入窃盗の手段として、窓ガラスを打ち破る手口が非常に多いです。そのため、住宅の窓ガラスには、2枚のガラスの間に強靭な中間膜を挟み込んだ「防犯ガラス」の採用をおすすめします。万が一、侵入者がガラスを叩き割ろうとしても、貫通させるまでに時間がかかるため、犯行を断念させる効果が期待できます。
防犯カメラを設置する
防犯カメラの設置は、防犯意識の高さを周囲に印象づけ、犯罪を未然に防ぐ効果が高まります。万が一、侵入されてしまったとしても、映像が残るため証拠になります。防犯カメラは家を建てた後でも設置できますが、新築時に計画することで、後付けよりもコストを抑えられる上、配線を壁の中に通せるため美観を保てるメリットがあります。
シャッターを設置する
ベランダやガレージなどの窓にシャッターを設置するのも非常に有効な防犯対策です。電動シャッターにすれば、リモコンひとつで開閉できるため力も不要な上、オートロックやタイマーなどの機能を使えば閉め忘れも防止できます。さらに、台風や強風時の飛来物による被害を防げるなど、防災面でも優れています。
ベランダの安心を高める防犯グッズ
ベランダ窓からの侵入を防ぐには、新築時の設備に加えて、防犯グッズの活用もおすすめです。ここでは、後付けできる防犯グッズを紹介します。
補助錠(補助鍵)
窓に備え付けの鍵のほかに、補助錠を設置しましょう。特にクレセント錠の場合、ガラスを割られると簡単に解錠できてしまうため、防犯性が低く狙われやすい傾向にあります。侵入窃盗犯の多くは、侵入に5分以上かかると約7割が諦めるといわれています。補助錠を取り付けることで、窓が動かなくなるため侵入防止に役立ちます。
人感センサーライト
ベランダに人の動きを感知して点灯するセンサ-ライトを設置するのも、防犯対策として効果的です。明かりがつくことで住人や周囲が犯行に気付きやすいため、犯人は嫌がるでしょう。電池式や充電式など、工事不要のものもあるので簡単に設置できるのもメリットです。
防犯ブザー・アラーム
窓の異常を感知した際に警報音がなる防犯ブザーや防犯アラームも、おすすめの防犯グッズです。空き巣などの不審者が窓を勝手に開けたり、破壊したりする際の振動などを感知して大音量を鳴らして周囲に知らせます。大きな音が鳴るため、侵入者への強い牽制となります。
防犯フィルム
窓ガラスが防犯ガラスでない場合、防犯フィルムを貼り付けるのがおすすめです。窓を割れにくくし、穴が開いても広げにくくする効果が期待できます。防犯フィルムはCP認証を受けた350μm以上の厚みがある、「防犯性能の高い建物部品目録」にあるものを選ぶのが最適です。ただし、防犯フィルム本来の防犯性能を発揮させるためには、専門の施工業者に依頼する必要があります。
忍び返し
ベランダの柵や雨どいなど、侵入ルートになりそうな箇所に忍び返しを取り付けることも防犯効果が期待できます。尖った金属などが物理的に不審者の侵入を防ぐため、よじ登り防止に効果的です。
防犯砂利
防犯対策として、ベランダの下や家の周辺に防犯砂利を敷く方法もあります。一般的な砂利よりも歩いた時に大きな音が出るため、不審者の侵入に気付きやすくなります。大きな音を嫌う空き巣などへの牽制にも効果的です。
日常で意識したい防犯習慣
被害に遭いにくくするためには、防犯設備や防犯グッズを整えた上で、日頃から高い防犯意識を持つ必要があります。ここでは、日常で意識すべき防犯習慣をご紹介します。
短時間でも戸締りを徹底する
空き巣などの侵入窃盗被害に遭わないためには、戸締りを意識してベランダや窓もしっかりと施錠することが大切です。住宅における侵入窃盗で最も多いのが、意外にも施錠されていない開口部からの侵入です。
「ゴミ出しの短時間だから」「二階だから」とベランダや窓の施錠を怠ることなく、常に戸締りを徹底する習慣を身に着けましょう。
ベランダや庭に物を置かない
ベランダや庭などにはできるだけ物を置かず、常に綺麗な状態にしておくのも立派な防犯対策になります。物やゴミが置かれて雑然とした家は、空き巣などにとっての「足場」や「隠れ場所」といった好都合な環境を作ってしまい、狙われやすい傾向にあります。常に整理整頓されたベランダや庭は、見た目が美しいだけでなく、防犯意識が高い印象を与えて侵入防止に繋がります。
注文住宅の防犯対策はハウスメーカーに相談しよう
注文住宅を検討している場合、間取りを決める段階から防犯対策についてハウスメーカーに相談するのがおすすめです。
大手ハウスメーカーなら、豊富な実績と経験に基づき、設計の段階から的確なアドバイスが期待できます。防犯対策で失敗しないためにも、自分たちだけで悩まず、まずは信頼できるプロに相談してみてはいかがでしょうか。
ベランダの防犯対策を取り入れて安心・安全な暮らしを実現しよう
ベランダの防犯対策について、必要性からおすすめの防犯設備やグッズ、狙われにくいベランダをつくるポイントを解説しました。ベランダは採光性に優れ、空間に開放感をもたらしてくれる一方で、空き巣など侵入窃盗の侵入経路として使われるリスクがあります。だからこそ、設計段階から防犯意識を持ち、適切な対策をおこなう必要があります。
これから注文住宅を建てるなら、まずは自分たちのライフスタイルにベランダが必要かどうかを話し合うことから始めてみてください。安心・安全な暮らしを実現するためにも、この記事でお伝えした対策をヒントに防犯性の高い家づくりを叶えましょう。