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24時間換気システムとは?種類ごとの特徴やお手入れ方法を解説

家選びネット公式 (ie-erabi.net) 2023-09-19
間取り・設備

24時間換気システムは、新築一戸建て住宅に導入が義務付けられています。その換気方式には種類があるため、何を選んだらよいのか悩む方もいるでしょう。今回の記事では、24時間換気システムがどのようなものか、仕組みや種類に応じた特徴、お手入れ方法とハウスメーカーの実例などをご紹介します。


24時間換気システムの基礎知識


まずは、24時間換気システムの概要や基本的な仕組みについて確認していきましょう。

24時間換気システムとは

24時間換気システムとは、住宅内の空気の入れ替えを常時行う設備のことです。給気口と排気口を使って、外の空気と中の空気を入れ替える仕組みで、窓を開けなくても部屋全体の空気を入れ替えられます。


2003年の建築基準法の改正によって、「全ての建築物に機械換気設備の設置」が義務付けられました。24時間換気システムの導入が義務付けられた背景には、高気密・高断熱住宅の普及があります。住宅の気密性や断熱性が高まったことにより、室内の換気が不十分となり、シックハウス症候群が増加するという弊害が生じたのです。


シックハウス症候群とは、建材や家具に含まれる化学物質のほか、結露によるカビなどが原因で、頭痛やめまい・目の刺激感といった症状を引き起こす健康被害です。シックハウス症候群を防ぐために、空気を循環させ、こもらせない24時間換気システムの設置が義務化されました。


参考:厚生労働省「シックハウス対策のページ」


24時間換気システムの仕組み

24時間換気システムでは、外と接する給気口から外気を取り込み、室内の空気を排気口から出すという「空気循環」を機械制御で行います。


「窓を開けて行う自然換気」や「換気扇を付ける局所換気」とは異なり、機械による常時換気によって換気量の安定化を図ります。さらに、室温を均一化し余分な水蒸気を排出し結露を防ぐことも特徴です。


しかし、湿度の高い梅雨期や高温多湿な夏場は、家のなかの水蒸気を外に排出しても、湿気が入りやすい傾向にあります。24時間換気システムを導入している場合であっても、窓を閉め切らずに定期的な空気の入れ替えを心がけることが大切です。


24時間換気システムは常時稼働が基本

24時間換気システムは常に動かすことが基本です。24時間稼働によって、木材・鉄骨材の腐食やサビを抑え、住宅の耐久性の維持にも役立ちます。空気循環を停止してしまうと、化学物質や湿気が家にこもり、シックハウス症候群やアレルギー症状などを引き起こす可能性が高まるため注意しましょう。


なお、24時間稼働による電気代を懸念する方もいるかもしれませんが、24時間換気システムは省エネで低コストが特徴の住宅設備です。1カ月稼働しても電気代は、数百円しかかかりません


ただし、災害による放射能汚染や過度な大気汚染が懸念される場合は、24時間換気システムを一時的に停止する必要があります。緊急事態に備え、念のためシステムの停止方法は確認しておくとよいでしょう。


参考:国土交通省「快適で健康的な住宅で暮らすために改正建築基準法に基づくシックハウス対策 」


24時間換気システムは3種類!


新築一戸建て住宅の24時間換気システムには、「第一種換気システム」「第二種換気システム」「第三種換気システム」という3つの換気方式があります。それぞれの方式別の仕組みとメリット・デメリットをご紹介します。


換気システムの種類
メリット
デメリット
第一種換気

・安定した換気状態を維持できる

・室温が変わらない

・コストがかかる
第二種換気
・汚れた空気を取り込みにくい
・結露が起こりやすい
第三種換気

・室内に空気がたまりにくい

・結露がしにくい

・全ての部屋に吸気口が必要

・外気の影響を受けやすい


1.第一種換気システム

第一種換気は、給気と排気の両方に機械を使う方式。効率の高い機械換気によって、空気の循環を最もコントロールしやすいのがメリットです。給気する際は、熱交換器を使い外気を室温に近づけてから取り入れるため、冷暖房のロスが少ないでしょう。

一方で、デメリットはコスト面です。給気も排気も機械に頼るため、電気代などのコストは他の方式に比べて高くなります。複数台設置する必要があると、機械分のコストが上乗せされることを知っておきましょう。


2.第二種換気システム

第二種換気システムは、給気のみ機械を使い、排気は自然の力で行う方式。機械で外気を強制的に取り込み、室内の空気を常に室外へ押し出す状態のため、室内に塵やほこりが蓄積しにくいのがメリットです。一般的に無菌室や工場のクリーンルームで活用されています。

デメリットとしては、室内の空気が外に出にくいため、結露が発生しやすいことが挙げられます。そのため、住宅ではほとんど採用されていません。


3.第三種換気システム

第三種換気システムは二種換気と逆の仕組みで、給気は自然の力で行い、排気は機械を使う方式。安定した換気効果が期待でき、室内の空気がたまりにくいため結露に強いと言われています。他の換気方法と比べてコストが低く、人気のある換気方式です。

ただし、すべての部屋に給気口を設置する必要があるため、外気温の影響を受けやすいことがデメリットです。人によっては、冬は給気口付近が寒いと感じる場合があるでしょう。


選び方のポイントは「空気循環の機能」と「予算」のバランス

新築一戸建て住宅に採用する24時間換気システムを選ぶとき、「第一種換気システム」と「第三種換気システム」、どちらの方式にするか悩む方もいるかもしれません。

選ぶ際は、「空気循環の機能」と「予算」のバランスで検討するのがオススメです。家族にアレルギー体質の方がいるなど、家の中の空気を効果的に循環させたい場合には第一種換気システム。コストをかけずに安定した換気効果が期待できればよい場合は、第三種換気システムを選択するなど、優先順位を考えて決めることをオススメします。

一方で、どの方式を採用できるかは、建築を依頼するハウスメーカーによって異なる場合もあります。気になる場合には購入検討時に確認してみましょう。


24時間換気システムのお手入れ方法


24時間換気システムを上手に活用するためには、フィルターや吸気口の掃除が不可欠です。ここでは、24時間換気システムのお手入れ方法をご紹介します。なお、お手入れ時は、24時間換気システムのスイッチを切ってから実施することを心がけましょう。


吸気口フィルターの掃除や交換を行う

吸気口フィルターは、汚れが溜まると目詰まりを引き起こし、うまく換気されないことがあります。3カ月に1回を目安に、すべての吸気口の汚れを取り除くようにしましょう。


吸気口フィルターの一般的な掃除方法は以下の通りです。なお、取り付けてある製品によっては、取り扱い方法が異なるケースがあります。必ず取扱説明書を確認してから実施してください。

【1】吸気口のカバーを外して、吸気口内の汚れを取り除く

【2】フィルター部分を取り出す

【3】掃除機でフィルター部分のホコリを吸い取り、水洗いする

【4】フィルターを十分に乾かす

【5】フィルターとカバーを取り付ける

※フィルターの劣化が気になる場合は、交換する


排気口の汚れを取り除く

吸気口だけでなく、排気口の掃除も忘れずに行うことが大切です。カバーを外し、掃除機やウエスを使って内部の汚れを取り除きましょう。排気口においても、水分が残ったままだとカビの原因になるため、水気はしっかりと拭き取ります。


24時間換気システムのお手入れ時の注意点

24時間換気システムの掃除方法やメンテナンス頻度は、換気システムの種類によって異なります。さらに、住んでいる地域によっては、24時間換気の汚れ具合に差が出ることも考えられるでしょう。引き渡しの際には、ハウスメーカーや工務店などに、メンテナンス方法や頻度を確認し、適切な方法で使用することが大切です。


【実例】ハウスメーカーの24時間換気システム


ハウスメーカーで新築一戸建て住宅を建てた場合、どのような24時間換気システムが設置できるのでしょうか。その実例をいくつかご紹介します。


空調を一括コントロールする換気システム

一戸建て住宅全体の空調を一括コントロールしてくれる、独自の運転機能がついた換気システムを設置できます。時間帯別で温度や湿度の調節が管理できるため、家族の快適な暮らしを実現するほか、省エネにもつながるでしょう。


高性能フィルターでアレルギー物質を除去する換気システム

空調設備に高性能フィルターを装備することで、埃や花粉、カビの胞子を取り除き、PM2.5の流入も防ぐことができます。特に小さな子どもがいるご家庭などでは、きれいな空気で過ごせることで住まいの安心につながるでしょう。


脱臭機能も装備可能な換気システム

室内でペットを飼う場合には、嫌な臭いに悩まされることもあるかもしれません。脱臭機能を装備したフィルターは、不快な臭いを分解・排出し、いつでもきれいな空気の中で過ごせることが特徴です。「臭いに悩まされたくない!」という方は、新築一戸建て購入の際に検討してみてはいかがでしょうか。


ハウスメーカーではそれぞれ独自の換気システムを採用している場合が多いです。新築一戸建て住宅を依頼するハウスメーカーを決定する際には、どのような換気システムが設置できるのか確認し、希望の暮らしに合わせた検討ができるとよいですね。


24時間換気システムで快適な新築一戸建て住宅に


新築一戸建て住宅を建てるときの24時間換気システムの設置が必要な理由や、換気方式の違いによるメリット・デメリット、お手入れ方法などをご紹介しました。


ハウスメーカーによって、それぞれ独自の換気システムが設置できるため、住宅の購入を検討する際には、採用方式や対応可能なオプション、必要なコストなどさまざまな視点から検討してみてはいかがでしょうか。24時間換気システムの特徴を知り、快適で安心な住まいづくりができるとよいですね

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