
3階建ての間取りや外観の選び方。高さを活かした家づくり
「3階建ての間取りで工夫できることは?」「建物の高さ制限はある?」など、3階建て住宅を建てる際に気になることもありますよね。外観の決め方について知りたい方もいるかもしれません。今回は3階建て住宅を建てるコツや、メリット・デメリットなどを解説します。
3階建ての家を建てる!間取りや高さに関して気になること
注文住宅で3階建て住宅を建てる際には、どのようなことが気になるでしょうか。実際に3階建てを検討している方の声をご紹介します。
「3階建ては階段が多く、老後が心配です。現時点だけではなく、将来のことも考えて暮らしやすい間取りにするには、どのような点に注意するとよいのでしょう」
「家を建てる場合、地域によって建物の高さに関する制限が異なると聞いたことがあります。実際に、どのくらいの高さの3階建てを建てられるのか知りたいです」
3階建て住宅を建てる場合、暮らしやすい間取りのポイントや、高さ制限について知っておきたいと考える方が多いようです。3階建て住宅の家づくりで後悔しないためには、どのような知識をもっておくとよいのでしょう。3階建ての間取りのポイントや実例を見ていきましょう。
3階建ての間取りを考えるときのポイント
<ポイント1>暮らしやすさを意識した動線を検討
3階建て住宅を建てる際には、生活動線や家事動線を意識して間取りを検討しましょう。動線が悪いと、何度も階段を行ったり来たりしなければならず、日常生活が大きなストレスとなってしまいます。
特に水回りの配置は重要なポイント。「トイレと寝室」「洗濯機置き場と物干しスペース」など同じフロアに配置したいものを検討して間取りに取り入れられれば、毎日の生活がグッと楽になります。
また、寝室やリビングは「南東向きと西北向きのどちらがよい?」と気になる方もいるかもしれません。家づくりのプロであるハウスメーカーの担当者に相談すれば、日当たりなどに配慮した適切なアドバイスをもらえるでしょう。
<ポイント2>収納スペースを工夫し、使い勝手のよい部屋づくり
都心部では、狭小地に3階建て住宅を建てる方も多くいます。床面積が狭い場合、広い生活スペースを確保するためには、収納スペースの工夫が大切です。例えば、使い勝手のよい「造りつけ収納」を建築時に依頼するのも一つの方法。住まいに合わせて収納を作れるため、スペースを無駄なく使えるでしょう。
また、必要な場所に必要なものを収納できるよう、それぞれの部屋に収納スペースを用意しておくのもおすすめです。「居住空間にモノがあふれる」「わざわざ階段の昇り降りして必要なモノを取りに行かなければならない」といった事のないように設計したいですね。
<ポイント3>階段の位置で、プライバシーに配慮
3階建て住宅の場合、階段をどこに配置するかもポイントの一つです。家族とのコミュニケーションを充実させたい場合には、家族が集まるリビングに階段を設置するとよいでしょう。
家族のプライバシーをある程度確保して生活したい場合は、リビングではなく廊下に階段を配置し、リビングを通らずに各階へ行けるようにするとよいかもしれませんね。毎日の生活をイメージして、階段の位置を検討してみてください。
3階建て住宅の間取り実例
ここでは、大手ハウスメーカーで建てられた3階建て住宅の間取り事例をご紹介します。家づくりの参考にしてみてください。
<実例1>ビルトインガレージのある二世帯住宅の3階建て
1階にビルトインガレージを配置した、3階建て二世帯住宅の事例があります。LDKや浴室などの水回りは、親世帯と子世帯が別々に使えるよう1階と2階に配置し、居室は2階と3階に3部屋配置している間取りです。
親世帯が主に1・2階を、子世帯が2・3階を使用することで、ほどよい距離感を保ち、各世帯のプライバシーを確保した生活を送ることができます。また、ビルトインガレージがあることで、車の乗り降りがとても便利になるでしょう。
関連記事:ビルトインガレージとは。実用的な間取りやおすすめのシャッターを紹介
<実例2>屋上テラスを設けた開放感のある3階建て
3階建て住宅におしゃれな屋上テラスを設け、開放感のある住まいを実現した間取りがあります。土地が狭く玄関横に庭を作れない場合でも、屋上を活用して自然と触れ合えるプライベート空間を確保した設計プランです。屋上を作れば、家庭菜園や洗濯物を干すスペースのほか、子どもやペットの遊び場など色々活用できるでしょう。
関連記事:屋上のある家で後悔しない!メリット・デメリットや間取りのポイントを解説
3階建て建築時に知っておきたいこと
建築できる3階建ての高さは、用途地域などによって制限がある
住宅を建てる場合、用途地域などに応じて建物に対する高さ制限が設けられています。周囲の道路状況、隣地との関係などさまざまな要素によって制限を受けるため、建築予定地によって高さの上限はそれぞれ異なります。
どのくらいの高さまで建築可能であるか知りたい場合には、ハウスメーカーの担当者や建築家などプロに確認を依頼するとよいでしょう。
3階建ての外観は、敷地の条件や法律によって制約を受ける
3階建て住宅の外観も、すべて自由に決められるわけではありません。具体的には、建築基準法上、防火・耐火性能を求められるため外壁材料の制約を受けます。工法や構造によっても、高さのある3階建ての場合は制約を受ける部分があるでしょう。
また、ハウスメーカーによって得手不得手が異なるため、外観にこだわりたい場合は、3階建ての得意なハウスメーカーに建築依頼するとよいかもしれません。
3階建てのメリット
<メリット1>2階建てに比べて土地代を抑えられる
同じ居住空間(延床面積)を持つ2階建てと3階建てを比較した場合、3階建ての方が2階建てよりもコンパクトな土地に建てられるため、土地代を安く抑えることができます。
例えば「駅の近くが良い」など、優先したい立地条件から土地を探すと「土地代が高くてマイホームが建てられないかもしれない」と悩む方もいます。そんなとき、3階建て住宅なら満足のいく家づくりができるのではないでしょうか。
<メリット2>階数ごとに使い方を工夫できる
3階建て住宅は、階数で区切られているため、工夫次第で家族構成やライフスタイルにあった住まいを実現できるでしょう。プライバシーを確保しやすいことも魅力です。屋上や地下室を設ける事も可能なので、暮らしに合わせて検討してみましょう。
<メリット3>高さがあるので豪雨などによる冠水対策が可能
3階建て住宅の場合は、建物の高さがあるため台風や豪雨などによる被害を避けやすいと言えます。例えば、1階をビルトインガレージなどとし、2階・3階を居住スペースとすれば、居住地域で冠水被害が起こった場合でも、大事な家財を守りやすいでしょう。
3階建てのデメリット
<デメリット1>建築価格が高くなる
同じ床面積の家を建てる場合、3階建ての注文住宅の建築費用は、2階建ての注文住宅に比べて2~3割高くなることが一般的です。しかし、土地代は2階建てよりも安く済むことが多いでしょう。住宅購入の予算を考えるときは、「建物+土地」にかかるトータル費用で検討するとよさそうです。
<デメリット2>階段を使った昇り降りが大変
生活する上で階段の昇り降りが必要となることも、3階建て住宅のデメリットと言えます。例えば、3階部分は物置とし、1、2階を生活スペースの中心にするなど、長く住むことを考えて部屋の使い方を決められるとよいですね。
<デメリット3>平屋や2階建てに比べて揺れやすい
3階建て住宅は高さがあるので、平屋や2階建てに比べると揺れやすくなります。外観デザインばかり追求して、構造的に無理のある住宅とならないよう注意が必要です。3階建てを建てる際には、設計時に工法や耐震性についても検討したいですね。
老後を考えた、3階建て検討時のポイント
「3階建ては階数が多いため老後が心配」という方もいるのではないでしょうか。ここでは、3階建て住宅を建てる際に検討するとよいポイントを解説します。
<ポイント1>住み替えるなら、住宅の資産価値も考えて立地を選ぶ
マイホームを持つ場合、将来的に住み替える可能性があるかどうか考えましょう。例えば、子どもが独立したら、3階建て住宅を売却してライフステージに合わせた家に住み替えるのも一つのプランです。将来売却を検討するなら、土地選びの際には、住宅の資産価値も考えて立地選びをするとよいでしょう。
<ポイント2>住み続けるなら、ホームエレベーターの設置も検討
老後も3階建ての家に住み続けたいと考えているなら、ホームエレベーターの設置も検討してみてはいかがでしょうか。高齢になって「足腰が痛くて階段を昇り降りが大変」となるのは避けたいもの。ホームエレベーターの設置にはコストがかかりますが、老後も快適に過ごすことができるでしょう。
3階建ての間取りを工夫して、快適に暮せる家づくり
今回は3階建ての注文住宅を建てる際の間取りのポイントや実例、建築時に知っておきたいポイントなどをご紹介しました。3階建て住宅を建築する場合、高さや外観づくりにおいて制約を受けますが、工夫次第で暮らしやすくおしゃれな家づくりができるでしょう。
間取りは実例などを参考に、毎日の生活をイメージして検討してみては。メリット・デメリットや老後のことも考えて、満足のいく3階建て住宅を建てられるとよいですね。