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屋上のある家、メリットとデメリットを徹底解説。間取りポイントや対策も

家選びネット公式 (ie-erabi.net) 2021-02-26
間取り・設備

屋上のある家を後悔することなく建てるには、メリット・デメリットをよく知った上で、対策や間取りを考えることが大切です。今回は、屋上のある家の魅力のほか、デメリットとその対策、注文住宅を建てる際に意識したい間取りのポイントなどを解説します。


屋上のある家で後悔しないために知っておきたいこと


屋上のある家を建てるかどうか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。一戸建ての屋上は「屋上テラス」や下の階の屋根を利用したスペースを意味する「ルーフバルコニー」、空が近くに感じられる開放的な空間という意味で「スカイテラス」などとも呼ばれます。最近では注文住宅のほか、建売住宅でも屋上のある家を目にする機会が増えました。


以前は、木造住宅の屋上バルコニーには面積規制があったため設けるのが難しかったのですが、2008年に面積の制限が撤廃されています。


屋上は延床面積に算入されないため、家の大きさを制限する容積率に影響がありません。限りのある敷地面積(土地面積)の中で「居住空間を広げたい」「開放的な新築の家をつくりたい」という方にとっては、魅力のある選択肢ではないでしょうか。


一方で、屋上のある家を建てた方の中には、「屋上の防水処理が甘く、雨漏りをするようになってしまった」「結局使わなくなってしまった」と後悔している方もいるようです。屋上を作って後悔しないためには、何を意識して家づくりをするとよいのでしょうか。ここからは、屋上のある家のメリット・デメリットや、屋上づくりのポイントについてご紹介します。


【関連記事】バルコニーは床面積に算入されない。幅2m超など算入時の規定も解説


屋上のある家のメリット5つ


屋上のある家を建てた場合、どのような楽しみ方ができるのでしょうか。屋上のある家に住む方の意見をもとに、楽しみ方の事例をご紹介します。


《メリット1》屋上でバーベキューなどアウトドアを楽しめる

屋上があれば、バーベキューなどのアウトドアリビングとして活用できます。小さなテントを張って、ミニキャンプをするのもよいですね。キャンプ場など外へ出かけるのとは違い、キッチンやトイレがすぐそばにあるため、小さな子どもがいても安心です。


《メリット2》洗濯物を干す場所として活用できる

空に近い屋上は、洗濯物を干す場所としても活用できるでしょう。庭に洗濯物を干す場合、立地によっては周囲の目が気になることもあるかもしれません。屋上のスペースなら、プライバシー空間を確保しやすく、気持ちよく洗濯物を干せます。


《メリット3》夏はプール、冬は露天風呂などスカイバスを満喫できる

屋上にスカイバスを設置すれば、夏はプール、冬は露天風呂などを楽しむことができます。お気に入りのテーブルやリクライニングチェアを置くなど、ラグジュアリー空間を演出するのもよいですね。


《メリット4》緑化して屋上庭園をつくれる

敷地内に庭をつくれない場合は、代わりに屋上で庭づくりをしてみてはいかがでしょう。草花だけでなく、野菜や果物を育てるのもよいですね。芝生や植物を植える本格的な屋上庭園が難しい場合には、人工芝やウッドデッキを設置するのもおすすめです。


《メリット5》子どもやペットの遊び場として利用できる

屋上のスペースを子どもやペットの遊び場として利用すれば、土地面積が限られている場合でも十分に広々とした遊び場を確保できます。子どもが家の前の道路で遊ぶ場合は、車の通行などが気になりますが、屋上ならその点安心です。犬を飼っている場合は、ドッグランとして活用することもできるでしょう。


屋上のある家を建てるデメリット4つと対策


屋上のある家には、どのようなデメリットがあるのでしょうか。ここでは、家を建てる前に知っておきたいことや対策について解説します。


《デメリット1》家の本体価格が高い(特に雪の多い地域)

屋上のある家を建てるなら、屋上にかかる負荷を考えて、頑丈な家づくりをしなければなりません。特に雪の多い地域では、雪が積もることも想定しておく必要があります。


このほか、屋上の防水工事に加え、手すりや排水設備の設置が必要となるため、屋上のない家に比べると建築費用が高くなってしまいます。


《デメリット2》雨漏りを防ぐために、定期的な防水工事が必要

屋上をつくる場合、屋根の形状は「陸屋根」となります。陸屋根の場合、屋根に角度がないため雨を排水するという役割を果たせません。そのため、雨漏りのリスクが高くなります雨や雪による雨漏りを防ぐためには、約10年ごとのサイクルで、定期的な防水工事をする必要があるでしょう。


木造一戸建ての屋上で採用される防水工事の種類は大きく分けると4種類あります。

  • ウレタン塗膜防水
  • シート防水
  • FRP防水
  • アスファルト防水


ウレタン樹脂を塗布して、防水層を形成する「ウレタン塗膜防水」、塩化ビニールやゴム製のシートを専用の接着剤や機械で固定する「シート防水」は、低コストで比較的簡単に施工できます。


一方、ガラス繊維を混ぜたプラスチック樹脂で防水層を形成する「FRP防水」や新築時の防水工事として用いられることの多い「アスファルト防水」は、他の工法に比べて費用が高いです。


防水層の物理的耐用年数は短いもので10年、長いもので20年、施工費用は1平方mあたり3000~8000万円程度が相場のようです。いずれも製品のグレードによって異なります。


《デメリット3》落下防止やプライバシーに配慮した工夫が必要

屋上のスペースを安全・安心に利用するためには、落下防止やプライバシーへの配慮も欠かせません。落下防止のためには、フェンスや柵を設置するなど、万が一に備えた対策をしておきましょう。小さな子どもがいる場合には、一人で登ってしまうことのないよう配慮しておきたいですね。


周囲に自宅の屋上よりも高い建物がある場合には、プライバシーも気になるところです。上からの視線対策として、タープやオーニングテントを利用する方法があります。横からの視線対策には、ラティス(木製の格子状に組まれた柵のこと)を利用してプライベート空間を確保するのもよいでしょう。


《デメリット4》安全に使用するために、こまめな手入れとメンテナンスが必要

屋上を安全に使用するために、こまめな手入れや定期的なメンテナンスも大切です。例えば、排水溝にゴミや落ち葉が溜まったままだと雨漏りのリスクが高くなるため、こまめな掃除が必要です。フェンスや柵を設置している場合は、傷んでいる箇所がないか定期的にチェックするようにしましょう。


屋上のある家を購入するときに意識したいこと


屋上のある家を購入するとき、どのようなことを意識するとよいのでしょう。ここでは、購入時のポイントを解説します。


屋上のある家を建てるのが得意な住宅メーカーを選ぶ

屋上のある家は、家への負荷を考えた丈夫な家づくりをしなければならないため、実績のある住宅メーカーに依頼するのがおすすめです。屋上づくりが得意な住宅メーカーの中には、屋上に対して独自の保証や工夫をしているところもあります。資料請求をしたり、住宅展示場を見に行ったりして、住宅メーカーを検討してみてはいかがでしょうか。


木造住宅よりも鉄骨住宅の方が安心

木造住宅でも陸屋根を取り入れることは可能です。しかし、使用する木材の性質上、水がしみ込んで家が傷みやすいため、鉄骨住宅に比べて雨漏りリスクが高くなります。どうしても木造住宅で屋上をつくりたい場合は、高性能な防水工事を施せる、実績のある住宅メーカーを探しましょう


屋上のある家を中古で購入する場合は、欠陥がないか確認する

屋上のある家を中古で購入したいと考えている方もいるかもしれません。屋上付き中古住宅を検討するときは、「防水工事がきちんとできているか」「こまめなメンテナンスをやっているか」等を購入前にチェックすることが大切です。ご自身で確認するのが難しい場合は、契約前にホームインスペクション(住宅診断)を受けるのもおすすめです。


屋上のある家の間取りを考えるときのポイント


新築の注文住宅で屋上のある家を検討する際には、屋上の使い方にあわせた「間取り」や「動線」を考えたいですね。例えば、屋上で食事を楽しみたいと考えている場合は、キッチンから屋上までの動線を考えて、2階にキッチン・ダイニングを配置するのも、一つの方法です。そうすることで、屋上とキッチンの往来が楽になり、屋上という空間をより活用できるのではないでしょうか。


また、「意気込んで作ったのに屋上を使わなくなった」という後悔をしないためには、ライフステージの変化など先々のことも考えて、昇り降りしやすい階段を設置することが大切なポイントです。階段幅を広くとるなど、誰もが使いやすい階段にしておくと安心でしょう。


《実例紹介》大手ハウスメーカーで屋上のある家づくり


大手ハウスメーカーで屋上のある家を建てたいと考えている方もいるかもしれません。大手ハウスメーカーでは、これまでの実績や独自の技術を活かし、グレードの高い屋上のある家を提供しています。


例えば、屋上でガーデニングや自家菜園を存分に楽しめるよう、独自の防水処理技術を施し、保水マットと人工軽量土壌を敷き詰めることが可能なハウスメーカーがあります。このほか、外観デザインにこだわるハウスメーカーや、制震性能が高く地震に強い家づくりが得意なハウスメーカーなどもあるので、カタログなどを見て家づくりの参考にしてみてはいかがでしょうか。


屋上のある家はメリット・デメリットを理解して検討を


今回は、屋上のある家を建てるメリット・デメリットや、屋上を作る際の間取りのポイントなどをご紹介しました。屋上は延床面積に算入されないため、容積率を気にすることなく、居住空間を広げることができます。屋上があればアウトドアや屋上庭園を楽しんだり、子どもやペットの遊び場として活用したりすることができます


一方で、注文住宅で建てる場合は本体価格が高くなるほか、防水工事など定期的なメンテナンスを欠かせないことがデメリットです。屋上の家を建てる際には、使い方に合わせた間取りや動線を検討して、後悔のない家づくりができるとよいですね

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