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ビルトインガレージとは。実用的な間取りやおすすめのシャッターを紹介

家選びネット公式 (ie-erabi.net) 2023-07-28
間取り・設備

住宅の内部に駐車スペースを組み込む、ビルトインガレージ。「家の間取りはどうするの?」「注意すべき点は?」など、ビルトインガレージ付きの家づくりに興味がある人もいるのではないでしょうか。平屋建てや木造注文住宅でもビルトインガレージが可能なのか気になる人もいるかもしれません。今回の記事では、ビルトインガレージのメリット・デメリットや、20坪・30坪・40坪の間取りを考えるコツなどをご紹介します。


ビルトインガレージとは、建物の1階部分にあるガレージのこと


注文住宅を検討するとき、ビルトインガレージが気になる方もいるのではないでしょうか。ここでは、ビルトインガレージの特徴や活用の仕方についてご紹介します。


ビルトインガレージの特徴。木造住宅でも建てられる?

ビルトインガレージ(インナーガレージ)とは、建物の一部分に車を格納するスペースを設け、車の出入り口にシャッターやドアを設置したガレージのことです。ビルトインガレージのある家を、ガレージハウスと呼ぶこともあります。ビルトインガレージ付き住宅は、2階建てや3階建ての家に見られることが多いですが、平屋建てでも建築できます。


ビルトインガレージの特徴は「大きな開口部」であり、車1台あたりの間口は3m〜3.5mが目安です。そのため、一般的な住宅よりも建築の工法に制約を受けやすく、建物を支えるための強度が必要となります。鉄筋コンクリート造が最も設計しやすいでしょう。木造注文住宅の場合は、強度に不安が残ることも考えられますが、梁や柱を補強することで強度を持たせることが可能です。


また、ビルトインガレージは後付けもできます。その際は庭を減らして増築するほか、不要な居室を解体してリフォームするといった手段を取るケースが多いようです。


ビルトインガレージを設置する理由は?

ビルトインガレージはどのように活用できるのか、気になっている人もいるのではないでしょうか。実際に、ビルトインガレージ付き住宅に住んでいる方の声をご紹介します。


「ビルトインガレージでは普段、車やバイクを置いて機械いじりを楽しんでいます。室内からも愛車を眺められるように、家の間取りを工夫しました」(40代男性)


「うちは敷地面積が狭く、建物外に駐車場を作れなかったのでビルトインガレージにしました。周辺の駐車場も借りることも検討しましたが、ビルトインガレージを作る方が経済的で利便性もよかったです」(30代男性)

ビルトインガレージを、趣味の場や土地を有効活用する目的で取り入れた方以外に、子どもの遊び場にできて満足しているとの声も聞かれました。ここからは、具体的なビルトインガレージのメリット・デメリットや間取り事例をご紹介します。


ビルトインガレージの6つのメリット


建物とは別に立てるガレージやカーポートと比べた際に、ビルトインガレージにはどのようなメリットがあるのか、具体的な6つのポイントを見ていきましょう。


<メリット1>固定資産税が安くなる

ビルトインガレージ付きの住宅は、ビルトインガレージのない住宅と比較して固定資産税が安くなるケースが多いでしょう。なぜなら、建物全体の延べ床面積のうち、ビルトインガレージの床面積が5分の1までの広さなら、そのスペースは延床面積の計算外となる容積率の緩和措置が受けられるからです。


例えば、延床面積が100㎡で20㎡以下のビルトインガレージを作れば、駐車スペース部分は延床面積に含まれず固定資産税の対象外となるとされています。


ただし、ガレージの入り口に電動シャッターを付けるなど、設備によっては固定資産税の評価対象となる可能性もあります。また、ビルトインガレージの評価方法は自治体によって異なるため、あらかじめ営業担当者に固定資産税についても相談しておくと安心でしょう。


【関連記事】一戸建てにかかる固定資産税の計算方法や支払い時期。マンションと税額の違いはある?


<メリット2>土地が狭くても駐車スペースを確保できる

敷地面積が狭い場合、駐車スペースの確保が難しいケースがあるでしょう。しかし、ビルトインガレージであれば、居住する建物の一部が車の格納スペースになるため、土地が狭くても駐車スペースを整備できます。


また、ガレージにおける容積率の緩和措置によって、都市部のような土地が狭い地域でも、広い家を立てられるといったメリットがあります。


<メリット3>風雨や紫外線、いたずらなどから愛車を守れる

ビルトインガレージなら、外付けのカーポートとは異なり、車を風雨や紫外線から守れることで経年劣化を防ぎ、愛車を長くきれいに保つことできます。さらに、シャッターやドアを閉めておけば、車へのいたずらや盗難など不要なトラブルにも巻き込まれにくく、防犯面においても安心して生活できるでしょう。


<メリット4>天気が悪い場合でも、車の乗り降りが楽

ビルトインガレージは、建物の中に駐車場を作るため、天気が悪いときでも楽に乗り降りができます。小さい子どもがいるときは、体を濡らさずにチャイルドシートに載せられるのは嬉しいポイントです。


車からLDKまでの導線が短くなるよう間取りを工夫すれば、買い物帰りなどは、ガレージからパントリーやキッチンへの荷物の持ち運びが楽になるでしょう。


<メリット5>自然光や通風に有利な2階リビングの間取りにしやすい

ビルトインガレージの場合、1階スペースはガレージで削られることになります。しかし、その分2階以上に居住スペースを設けるため、眺望や採光に有利な2階リビングの間取りにしやすくなるメリットもあります。


別棟でガレージを設ける場合とは違い、居住する建物の基礎と屋根もガレージと共有することになるため、その分の費用は抑えられるでしょう。


【関連記事】2階リビングのメリット・デメリット。建築時のポイントやリフォーム費用も紹介


<メリット6>趣味部屋や第2のリビングなど多様な活用ができる

ビルトインガレージを書斎や趣味部屋、第2のリビングとして活用するという使い方もできます。最近では、子どものプレイスペースとして活用し、水遊びやボール遊びを行うといったケースも。ガレージとは別にそれらのスペースを確保する必要がないため、ライフスタイルに応じて多様な活用方法を実現できるのはメリットです。


ビルトインガレージは、もともと敷地の広さに制限があるため取り入れる方が多いもの。アウトドア用品やタイヤの保管場所などにも使用でき、限られたスペースを有効活用できるのも嬉しいポイントでしょう。


ビルトインガレージの6つのデメリット


メリットが多いビルトインガレージですが、家づくりに取り入れる際はデメリットを把握しておくことも大切です。住み始めてから後悔ポイントにならないよう、デメリットを確認していきましょう。


<デメリット1>建ぺい率に算入されるので、居住空間が削られる

ビルトインガレージを作る場合、ガレージの面積も建ぺい率や容積率の計算に算入されるため、居住空間を削る必要が出てくることを理解しておきましょう。容積率はガレージの条件によって緩和規定の対象となりますが、居住空間とのバランスを考えた住まいづくりを心がけたいものです。


例えば、ビルトインガレージを設置するために、2階にLDKを設置すると、荷物を持った移動など生活動線が不便になりますが、2階のリビングが広くなり日当たりが良いといったメリットがあります。


将来にわたってどのような暮らしをしたいかを意識しながら、ライフスタイルに合った間取りを検討しましょう。


【関連記事】建ぺい率とは?計算方法や容積率との違いをわかりやすく解説!


<デメリット2>ガレージによっては駐車の難易度が高くなる

ビルトインガレージは壁に囲まれた駐車スペースになるので、ガレージの広さや形状によっては、駐車が難しいと感じるケースがあります。今は小型車で駐車に問題ないと思っていても、将来大きな車に乗り換える可能性もあるかもしれません。長いスパンでの利便性を考えてガレージ設計をすることが大切になるでしょう。


<デメリット3>建築費用が高くなる

ビルトインガレージ付き注文住宅の建築費用は、家の規模やこだわりによって異なりますが、一般的な相場として一坪あたり50〜90万円程度かかります。シャッターや換気扇など、付属設備のグレードが上がると更に費用は高額になるでしょう。単純に駐車スペースとしての利用を考えているのであれば、ビルトインガレージの設置費用と、周辺の駐車場賃料と比較しながら、ビルトインガレージ付きの住宅を検討するとよさそうです。


<デメリット4>土地の条件によっては3階建てになることも

ビルトインガレージは、居室空間が2階以上、土地の条件によっては3階建てになる場合があります。3階建てとなると、老後の階段の上り下りを考慮した間取りを検討する必要があるでしょう。


<デメリット5>広い間口部が必要な場合、建築工法の制約を受けやすい

車を2台以上格納するなど、間口の広いビルトインガレージを設ける場合、建物を建てる際の建築工法が限られてしまうことがあります。「鉄筋コンクリート(RC)造」だと耐久性に優れているため間口を広く取りやすいですが、「木造軸組工法(木造住宅の建築工法の一種)」の場合は、柱や梁を補強する必要があります


しかし、柱や梁などの補強材をデザインの一部として取り入れ、外観のデザインと調和させることで、おしゃれに見せることも可能です。


<デメリット6>音や振動が気になる

ガレージ内でエンジンをかけるため、車やバイクの種類によってはエンジン音や振動が気になることがあるでしょう。ガレージの真上に寝室があると、車が出入りするたびに睡眠が妨げられるといったことも予想されるため、音や振動を考慮した間取りが重要です。


シャッター音も、種類によっては近所迷惑になるケースがあります。ビルトインガレージのシャッターを検討する際には、開閉時にどのくらいの音が出るのかをきちんと確認しましょう。


ビルトインガレージを設置する際に抑えておきたいポイント



ここからは実際にビルトインガレージを設ける際に抑えておきたいポイントをお伝えします。


<ポイント1>ガレージ内の床材は、水や汚れに強い素材を選ぼう

ガレージ内の床材は、重量のある車が載ってもひび割れず、水に濡れたり油で汚れたりしても大丈夫な素材を選びましょう。摩擦を軽減できるコンクリートが一般的です。耐油性や耐水性のことも考慮するならば、コンクリートの上に樹脂塗料を塗っておくのもオススメです。


ほかにもガレージ内をオシャレに演出してくれるタイル敷などがありますが、割れにくく、傷つきにくいものを選ぶ必要があり、コンクリートより高価な点が難点です。


ガレージ内で洗車をしたり、車やバイクをいじって油が飛散したりすることが考えられる方は、施工担当の方と使用する床材について十分相談しましょう。


<ポイント2>エアコンや換気扇などの設備を取り付けておこう

ビルトインガレージを趣味部屋も兼ねて利用する場合、ガレージで長時間過ごすことも考えてエアコンや換気扇を設置しておくと便利です。


室温を一定にするためにもエアコンがあると調整がききます。また、車やバイクはガレージに保管すると排気ガスだけでなく、ガソリンやオイルなどが揮発して不快な臭気が室内に充満するため、換気扇を設置するのがオススメ。


換気扇は、キッチンに付けるような簡易タイプから、車の排気管付近に付ける専用タイプとさまざまな種類がありますので、自分に合ったタイプを選びましょう。


<ポイント3>ガレージの広さには余裕をもたせておこう

ガレージの広さを決める際は、今の車の大きさで合わせず、可能な限り余裕をもたせておきましょう。将来福祉車両を使うことになった場合、スロープが出せなかったり、車いすで移動できなかったりすると不便です。


また、ガレージ内にタイヤを保管するなど、住み始めたら何かと荷物が増えることも考えられます。広さに余裕をもたせておくことで、将来的に利便性が高くなるでしょう。


<ポイント4>シンクも設置しよう

ガレージ内には、シンクがあると便利です。車をいじったあとに手を洗ったり、洗い物が発生したりと、シンクを使う場面は意外に多いもの。ビルトインガレージを検討している方は、一緒にシンクを設置し、給水管と排水管も合わせて備えておきましょう。


<ポイント5>電気自動車に対応した充電設備を検討しておこう

日本では、2035年までに乗用車新車販売を電気自動車100%にするという、次世代自動車の普及を促進する方針が決まりました。今後、電気自動車を所有する可能性を考え、戸建て建設時に、電気自動車に対応した充電用の200Vコンセントを設置しておくとよいでしょう。


設備が雨に濡れるなどの心配がないビルトインガレージだからこそ、事前に設置しておくことの利点と言えます。


参考:国土交通省「グリーン社会の実現に向けた国土交通分野における環境関連施策・プロジェクトについて(主要取組概要)」


<ポイント6>土地探しの段階から建築会社に相談する

自分たちが選んだ土地に、ビルトインガレージを備え付けられるかの判断は素人には難しいものです。土地の契約後に、この土地では難しいとなったら後戻りはできません。そのため、ビルトインガレージの設置を希望する場合には、土地探しの段階から建築会社に相談が大切です。


その際、広さやシャッターの種類といったビルトインガレージに対する条件を決めておくと、希望通りのガレージを手に入れることにつながるでしょう。


【20坪・30坪・40坪】ビルトインガレージ付き注文住宅の間取りを考えるコツ


ビルトインガレージ付き注文住宅は、どのような間取りが可能なのか気になる方もいるのではないでしょうか。ここでは、間取りを考えるときのコツをご紹介します。


【20坪】住まい全体に一体感のある狭小住宅の間取り

20坪程度の敷地にビルトインガレージ付き注文住宅を建てる場合は、できるだけ生活空間を広げられるよう工夫したいですね。例えば、リビングを2階におき、天井を高くとることで空間を広く見せるといった間取りはどうでしょう。子ども部屋は、広い部屋を間仕切りできるようにしておけば、ライフスタイルにあわせて部屋数などをアレンジするなどの工夫ができます。


【30坪】ビルトインガレージを収納場所としても活用する間取り

30坪程度の敷地にビルトインガレージ付き注文住宅を建てる場合は、収納スペースの確保に頭を悩ませる方もいるかもしれません。そこで、ビルトインガレージを収納スペースとして活用できるよう、間取りを工夫してみるのもひとつの方法です。特にアウトドア用品などを持っている場合には、ガレージに収納スペースがあると使い勝手がよいでしょう。


【40坪】愛車を眺められるビルトインガレージのある間取り

40坪程度の敷地がある場合には、広さや空間に余裕をもった家づくりができるでしょう。「少しでも長く愛車を眺めていたい」というような方におすすめなのが、居室からビルトインガレージを眺められる間取りです。例えば、ビルトインガレージにリビングや寝室、書斎を隣接するアイデアがあります。


その際、ガレージもとことんおしゃれにもこだわるのもよいですね。ただし、ガレージと居室が近いため、車やバイク、シャッター開閉時の騒音が問題にならないかどうか十分検討することが大切です。


ビルトインガレージのシャッター選び。種類ごとの特徴は?

ビルトインガレージにシャッターを取り付けることで、外からの侵入を防いだり、風雨から愛車を守ったりすることができます。シャッターは基本動作として「手動式」と「電動式」といった選択肢があります。そのほかに、どのような種類を選ぶことができるのか、主なシャッターの種類と特徴をご紹介します。


【タイプ1】巻き上げタイプのシャッター

チェーンを使って巻き上げるタイプのシャッターです。巻き上げ時の音が大きいですが、重たいシャッターでも比較的持ち上げやすいでしょう。巻き取ったシャッターはコンパクトに収納できる仕組みになっているため、設置場所を選びません。


【タイプ2】スイングアップタイプのシャッター

シャッター部分が一枚の扉になっており、外側に跳ね上げるように開くタイプのシャッターです。シャッターの開閉音が静かで、デザイン性が高いといった特徴があります。なお、シャッターを折り曲げることなく天井に収納するため、ガレージ前方にシャッターを開くスペースが必要となります。ガレージの設置場所や周囲の状況によっては、設置できないケースがあるため確認が必要でしょう。


【タイプ3】オーバースライダー式のシャッター

天井に設置されたレールに沿うようにスライドさせて収納するタイプのシャッターです。開閉スピードが速く、音が静かで騒音を抑えられるという特徴があります。ある程度天井の高さが必要となるなど設置条件があるため、気になる場合には早めに相談してみるとよいでしょう。


ハウスメーカーでビルトインガレージのある住まいを建てよう


ハウスメーカーでビルトインガレージ付き注文住宅を建てたいと考えている方もいるでしょう。ハウスメーカーにはそれぞれ独自の特徴や強みがあるほか、得意な工法もさまざまです。


ハウスメーカーのパンフレットなどを参考にして、ビルインガレージの施工実績が沢山あるハウスメーカーを探してみてはいかがでしょうか。


【関連記事】大手ハウスメーカーの特徴を一覧で比較!検討初期に知りたい基本情報まとめ


ビルトーンガレージの特徴を理解して、間取りを検討しよう


今回は、ビルトインガレージのメリット・デメリットや注文住宅の間取りを考えるときのコツなどをご紹介しました。ビルトインガレージは、固定資産税を安く抑えられるほか、愛車を風雨やいたずらから守れるといったメリットがあります。一方、デメリットとして、建ぺい率の計算に算入されるため、居室空間を削らなければならないことや、駐車が難しいケースもあることを覚えておきましょう。


ビルトインガレージ付きの住宅は間取りの工夫次第で、20坪や30坪でも暮らしやすい住まいになるはずです。ハウスメーカーの実例などを参考に、営業担当者と十分話し合い、理想的なビルトインガレージの住まいが建てられるとよいですね

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