新築のエアコン取り付け費用の相場。室外機の位置など配慮すべきポイントも解説
新築の部屋にエアコンを設置するとき、取り付けのタイミングや費用の相場、室外機などの設置場所について気になる方もいるようです。今回は、新築住宅にエアコンを設置する際の取り付け費用相場や依頼先についてのほか、エアコン取り付け時に配慮したいポイントなどをご紹介します。
新築住宅のエアコン取り付けで気になるのは「位置」や「費用」
新築住宅を購入する際、エアコンの取り付け位置や費用に関して悩むことがあるかもしれません。新築計画中の方からは「床暖房ではなくエアコンを選んだが、取り付けにどの程度費用がかかるのか気になる」「室外機や配管は、見た目上問題のない位置に設置できるだろうか」といった疑問や不安の声が聞かれることもあります。
新築住宅のエアコン設置で失敗しないためにも、エアコンの取り付けに関して、しっかり知識を身に付けておきたいですね。まずは、エアコン取り付け費用について解説します。
エアコンの取り付け費用が決まる要因
エアコンを設置する場合、エアコン本体を購入する費用のほかに、取り付け費用がかかります。ここでは、取り付け費用を左右する2つの要因について解説します。
エアコンを取り付けるタイミング
エアコンを新築建築中に取り付けるか、建築後に後付けするかで、取り付け費用が異なります。一般的に、建築中の部屋にエアコンを取り付ける場合は、後付けに比べ工事費用が高くなります。しかし、配管を壁の内側に通すことで、きれいな見た目に仕上げられるため、来客時に使用するリビングなどの部屋には、あえて建築中のタイミングを選ぶ方も多いでしょう。
エアコンを後付けする場合、すでに配管を通すための穴あけ工事が出来ていれば、設置費用は1万円前後が相場となります。しかし、エアコン設置時に壁の穴あけ工事が必要な場合は、その分の費用が加算されるため、事前に工事費用を確認しておくとよいでしょう。
エアコンの取り付けに必要なオプションがあるかどうか
エアコンを設置するための基本的な工事は「エアコン標準取り付け工事」などと言われます。エアコン取り付けに関するサービスをセットにしたもので、業者ごとに配管パイプの長さや室外機の置き方、設置場所が決められています。
新築にエアコンを設置するにあたり、「エアコン標準取り付け工事」では対応できない工事が必要となった場合には、オプション料金が加算されることになります。
具体的な例だと、室外機がベランダや庭などに平地置きができない場合、屋根に土台を付けて設置したり、天井から吊るしたりといった追加工事が必要となるため追加料金の対象となります。取り付け工事を依頼する前に、設置場所周辺の詳細を伝え、どの程度の費用がかかるか確認しましょう。
新築のエアコン取り付けで失敗しない!配慮したい4つのポイント
新築の家にエアコンを取り付ける際には、どのような点に配慮するとよいのでしょうか。ここでは、新築検討時に知っておきたい、エアコン設置のポイントをご紹介します。
室外機の位置
新築時には室内のエアコン(=室内機)の位置にばかり注目しがちですが、室外機や配管の位置も配慮したいところです。新築の失敗例として、室外機が家の正面にしか設置できなかったというケースがあります。
室外機の設置場所を決める際には、次のようなポイントを意識するのがオススメです。
- 室外機を水平に設置できる場所
- 雨が直接当たりにくい場所
- 直射日光を避けられる場所
- 室内機と室外機の距離が近い場所
- 通気性が優れている場所
- 壁からの位置が、前面約25㎝、側面約5㎝、背面約5㎝を離せる場所 など
エアコン室内機と室外機の位置が離れている場合、配管が長くなります。そうなると、冷たい空気が配管を流れている間に暖まってしまうなど、エアコン効率が悪くなる要因となります。新築時には、室内機の配置だけでなく、室外機の設置場所にも配慮できるとよいでしょう。
スリーブを入れる配管穴の場所
エアコンを設置する際には、壁に配管用の穴をあけ、穴を保護するためのスリーブと呼ばれる筒を入れて配管を通します。本来であれば、構造を補強する部材「筋交い」を避けて穴あけ工事をする必要があります。しかし、エアコンを後付けする際は「筋交いを抜かれた」「真柱を傷付けられた」といった失敗の声も聞かれるのが現状です。
そのような失敗を避けるためには、建築会社に耐力壁の位置を記載した図面をもらい、取付け業者に確認してもらった上で穴あけ工事を行うのがオススメです。
コンセントの形状と電圧
エアコンを設置するには、電源が必要です。エアコン用のコンセントがないと設置が難しい場合もあります。家電メーカーなどによっては、エアコンのプラグの形状が異なるケースがあるため、設置したい場所のコンセントの形状を事前に確認しておくとよいでしょう。また、エアコンによって、必要な電圧も異なります。エアコン購入前に、コンセントの電圧やアンペアも確認し、電圧の変更工事が無いように注意していきましょう。
気密施工の必要性の有無
近年の新築住宅は、冬は温かく、夏は涼しいといった「高断熱・高気密住宅」が人気です。気密性が高い家は、窓を小さくしたり断熱材を入れたりするなど、外気の侵入を防ぐ工夫がされています。
高気密・高断熱住宅にエアコンを後付けする際、壁に穴をあける必要が出てくると穴あけ工事により気密性を損ねてしまうことが考えられるでしょう。そうならないために、穴をあける際は気密性を損ねないような施工が必要となります。
エアコンを後付けする場合は、高断熱・高断熱仕様の家であることをあらかじめ業者に伝えておくことで、トラブルを未然に防ぎましょう。また、入居時すぐのエアコン設置を予定していない部屋は、建築の段階で配管穴のみ対応をしておき、必要な時期が来たらエアコンを設置するといった方法もオススメです。
新築住宅にエアコン取り付ける際の依頼先
《方法1》ハウスメーカーや工務店
ハウスメーカーや工務店にエアコンの取り付けを依頼して、エアコンを取り付ける方法があります。この場合、ハウスメーカー等が仲介して専門業者に依頼する運びになります。住宅構造を把握している建築会社が専門業者に引き継いでくれるため、エアコン取り付けも安心して任せられるでしょう。
取り付けるエアコンの種類や取り付け方によって工事費用は異なりますが、家電量販店に依頼する場合に比べると、取り付け費用は高くなるケースが多いです。気になる場合には、見積もりを出してもらうとよいでしょう。
《方法2》家電量販店
新築が完成した後、家電量販店に依頼して、エアコンを後付けする方法もあります。家電量販店でエアコンを購入する場合は、標準工事費込みで価格が設定されていることが多いでしょう。エアコン取り付けのみの標準取り付け工事であれば、1万円前後が相場となりそうです。
《方法3》取り付け専門業者
持ち込みのエアコンを取り付けたい場合、新築設備工事を専門としたプロの取り付け業者に依頼する方法もあります。専門業者は高度な技術を持ち合わせており、安心して任せられるでしょう。
業者によっては、エアコンと地デジアンテナ工事を同時施工してくれるなど、オプション工事を用意しているところもあります。依頼先によってかかる費用は異なりますが、エアコンの標準工事のみの場合だと、1~3万円前後が相場となります。
新築に取り付けるエアコン工事費用を安く抑える3つのコツ
新築に取り付けるエアコンの工事費用をできるだけ節約したいと考えている方もいるのではないでしょうか。ここでは、エアコンの取り付け費用を抑えるための3つのコツをご紹介します。
1.取り付け工事の見積もりを比較する
エアコン取り付け工事の依頼先を検討する際には、見積もりを取って費用を比較してみてはいかがでしょう。相見積もりをすることで、工事費用の相場を知ることもできます。工事内容は依頼先によって異なる場合もあるため、内容を確認し、お得に設置工事できる依頼先を探せるとよいですね。
2.依頼先の繁忙期を避けたタイミングで設置工事をする
3月から4月の引越しシーズンと、6月から7月の夏のシーズンはエアコン取り付けの依頼が増え、取り付け業者は繁忙期となります。その期間は、取り付け費用が割増料金となっているケースがあり、希望日に工事してもらえないというケースも出てくるでしょう。急ぎでない場合は、繁忙期を避けたタイミングでエアコンの取り付け依頼をすると、費用負担を減らせます。
3.家電量販店ならまとめ買いで割引してもらえることも
家電量販店などで、家電をまとめ買いをすると、交渉次第で割引をしてもらえるケースがあります。新築時に、冷蔵庫や掃除機など新しい家電を購入予定だという方は、家電量販店でのまとめ買いも検討してみてはいかがでしょうか。