
角地緩和の条件とは?建ぺい率や容積率との関係をわかりやすく解説
角地緩和の条件や、緩和された場合は建ぺい率・容積率がどうなるのか具体的に知りたい方もいるでしょう。角地緩和と「隅切り」の関係について気になる方もいるかもしれません。今回は、家づくりをする上で知っておきたい「角地緩和」について詳しく解説します。
角地緩和とは、建ぺい率の上限が緩和されること
角地緩和とは、街区の角地又はこれに準ずる敷地で特定行政庁が指定するものの場合、建ぺい率の上限が緩和されることを指します。建築基準法第53条3項2号で規定されており、条件に当てはまる場合、建ぺい率が10%加算されます。建ぺい率がアップすることで、建築面積を増やすことが可能です。
建ぺい率とは?家づくりで上限が設けられるワケ
建ぺい率は、なぜ設けられているのでしょうか。まずは、家づくりの際に知っておきたい「建ぺい率」について、詳しくご紹介します。
建ぺい率とは、敷地面積に対する建築面積の割合
建ぺい率とは「敷地面積に対する建築面積の割合」のこと。簡単に説明すると、その土地面積に対して、どのくらいの規模の建物が建てられるのかを表したものです。
建ぺい率が設けられている理由として、敷地内に一定の空間を空け、日照や通風を確保するとともに、近隣で火災が起きた際の安全性を高めることが挙げられます。建ぺい率を超えた建物を建てた場合、違法となってしまうため注意しましょう。
建ぺい率の計算方法
建ぺい率は、以下の方法で算出できます。
建ぺい率(%)= 建築面積 ÷ 敷地面積 × 100 |
たとえば敷地面積が100㎡で建築面積が50㎡だった場合、建ぺい率は50%となります。見方を変えると、敷地面積100㎡の土地で建ぺい率が50%と定められている場合、その土地には50㎡までの建物が建築できます。
用途地域によって建ぺい率は異なる
建ぺい率は商業地域を除き、自治体ごとの都市計画で定められた用途地域により、上限が設けられています。用途地域ごとの建ぺい率は、以下の通りです。
住居系地域8種類
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商業系地域2種類
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工業系地域3種類
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角地緩和で容積率は変わらない
建ぺい率が上乗せされる角地緩和ですが、敷地面積に対する延べ床面積の割合を表す「容積率」は変わりません。つまり、角地緩和の適用有無に関わらず、その土地面積の中で建てられる家全体の広さ(建物面積)は同じであることを覚えておきましょう。
そもそも、角地緩和によって建ぺい率がアップする理由は、建物の高さを規制する「道路斜線制限」が関係していると言われています。角地など前面道路が2つ以上ある場合、道路斜線制限は、より厳しくなるのが一般的です。
その分、建ぺい率をアップし、低層部分の床面積を広げ、容積率を確保できるよう配慮した仕組みが「角地緩和」であるとも言えます。
角地緩和の条件
角地は販売価格が高い傾向にありますが、日当たりの良さや間取りの自由度など、土地としての魅力が高いため人気です。ここからは、角地緩和が適用される土地の、一般的な条件を3つご紹介します。
角地緩和に当てはまる土地
《条件1》街区の角にある土地の場合
土地が角地(道路の交差点に面した場所)にある場合、建ぺい率の上限が緩和されます。
《条件2》道路に挟まれた土地の場合
交差点に面した角地ではなくても、土地の両側に道路が面している場合は角地としての扱いとなり、建ぺい率の上限が緩和されます。
《条件3》公園、河川などに隣接する土地の場合
公園や広場、河川などに面している土地の場合、角地と同等とみなされ、建ぺい率の上限が緩和されます。
緩和条件は特定行政庁により異なる
緩和条件の詳細は、特定行政庁により異なることも把握しておきましょう。土地を購入する場合、事前にその土地が所在する自治体で確認しておきたいですね。東京都の角地緩和の条件については、下記ホームページも参考にできます。
参考:東京都都市整備局「Q5:東京都における建蔽率の角地緩和を教えてください。」
角地の場合は「隅切り」にも注意しよう
角地を購入する場合、各自治体ごとに定める「隅切り(すみきり)」という建築制限についても注意が必要です。ここからは、隅切りの意味を解説します。
隅切りとは、土地の一部を道路や空き地にすること
隅切りとは、交差点の見通しを良くして車両や歩行者の安全を確保するため、角地の角の一部を道路や空き地にすることです。隅切りの部分には、建築物だけではなく門や塀などの工作物を建てることも、通常禁止されています。
東京都を例に挙げると、建築基準法第42条第2項の規定による道路で、道路幅員が各6m未満の道路が交わる角敷地(角度は120度未満)は、角の底辺2mの2等辺三角形の部分を道路状に整備しなければならないとされています。
隅切りの規定は自治体によってさまざま
隅切り規定の詳細は自治体ごとに定められており、「隅切り」が角地緩和の条件となっている場合もあります。自治体により、隅切りの長さの違いや隅切り部分を道路にするのか空き地にするのかなど、ルールもさまざまです。土地を購入する際には、事前に自治体の窓口で、規定について確認しておきましょう。
大手ハウスメーカーなら角地のマイホーム購入も安心
大手ハウスメーカーには豊富な実績があるため、角地緩和が適用される角地においての家づくりも安心して任せられるでしょう。角地の特性を生かし、土地を最大限に活用した家づくりが期待できます。
営業担当者の知識も豊富なので、角地緩和に対する疑問にも答えてくれるでしょう。大手ハウスメーカーで、角地を活かした新築一戸建てを検討してみてはいかがでしょうか。
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角地緩和の条件を知って、角地を活かした家づくり
角地緩和とは何か、角地緩和の条件や建ぺい率や容積率との関係などについてご紹介しました。角地緩和の条件や、隅切りなどの建築制限は自治体により異なるため、家づくりの際には早めに確認しておくとよいでしょう。
豊富な実績を持つ大手ハウスメーカーでは、角地を活かした家づくりを提案してくれるでしょう。角地緩和について十分理解して、理想の住まいを手に入れられるとよいですね。