角地のメリット・デメリット。後悔しない外構・トラブルを避けるポイントを解説
「角地とは?」「外構づくりのコツを知りたい」など、角地に家を建てる際に気になることもありますよね。今回は、角地の定義やメリット・デメリット、ショートカット対策など、角地でのマイホームづくりで後悔やトラブルを避けるためのポイントを解説します。
角地とは、2つの道路が交差する角にある土地のこと
交差している2本の道路に接する土地のことを「角地」と言います。2方向が道路と接するため、開放的で風通しや日当たりのよい家が建てられるほか、建ぺい率が加算されるメリットもあり、人気の高い土地の一つです。
角地に家を建てるとき、後悔やトラブルのない家づくりのポイントを知りたい、という方もいるのではないでしょうか。まずは、角地のメリット・デメリットを見ていきましょう。
角地に家を建てるメリット
<メリット1>建ぺい率アップ!条件を満たせば角地緩和が適用される
角地に家を建てる場合、建ぺい率が10%加算されるケースがあり、これを「角地緩和」と言います。角地緩和が適用されることで、通常よりも建物の建築面積を増やすことが可能です。
角地として指定される条件は、特定行政庁によって異なるため、お住まいの自治体で確認しましょう。東京都の角地緩和の条件については、下記ホームページも参考にできます。
参考:東京都都市整備局「Q5:東京都における建蔽率の角地緩和を教えてください。」
https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/tamakenchikushidou/faq.html
<メリット2>設計・間取りの自由度が高い
角地は2方向が道路に接しているため、玄関位置を選べるなど設計や間取りの自由度が高くなるでしょう。日当たりの場所を選んでリビングにするなど、快適に暮らせる住まいづくりが検討しやすい土地です。
<メリット3>立地が良いため資産価値が高い
角地は立地のメリットが多くあるため、同じ住宅街・面積の角地以外の土地と比べて資産価値が高くなります。人気のある土地のため、将来売却する場合も比較的売れやすいでしょう。
角地に家を建てるデメリット。トラブルを避けるための注意点
角地に家を建てる場合のデメリットは何でしょうか。ここでは、建築後のトラブルを回避する方法や注意点をご紹介します。
<デメリット1>日差し対策として遮熱・断熱対策が大切
角地の日当たりが良すぎる場合には、日差し対策が必要となる場合があります。具体的には家づくりのなかで、遮熱・断熱対策を取り入れるといった方法を検討するとよいでしょう。
「日差しが暑くて過ごしにくい」と後悔しないよう、ハウスメーカーにシミュレーションを依頼し対策を検討できるとよいでしょう。
<デメリット2>人目に付きやすく、プライバシーへの配慮が必要
角地は人目に付きやすい立地のため、住まいのプライバシーにも配慮が必要です。フェンスやブロック塀などで周囲を覆うなど、設計時には外構にも注目し安心して暮らせるプライベート空間を確保したいですね。
<デメリット3>道路斜線制限による建物の高さ制限に注意
建築基準法による規制で、建物の高さを制限する「道路斜線制限」があります。角地は2方向に道路が接するため、2つの道路斜線制限を気にしなければなりません。場合によっては3階建ての建物が建てられないということも考えられるため、早めに建築条件を確認しておく必要があります。
<デメリット4>土地代や家づくりにコストがかかる
角地の土地代は、角地以外の近隣土地に比べて割高となります。住み始めてから毎年の支払いが必要となる固定資産税もその分高くなることを覚えておきましょう。家づくりにかかる費用も、プライベート空間を確保するための外構づくりに費用がかかるケースが多いです。
【施工例あり】角地の外構づくり。後悔しないためのポイントは?
車や人の通りが多い角地で、安心安全な家づくりをするためには、外構の設計にも工夫が必要です。角地のマイホームに後悔しないための、外構づくりのポイントを解説します。
オープン外構?セミクローズ外構?目隠し対策を検討
外構の作り方は「オープン外構」や「セミクローズ外構」などといったパターンがあります。「オープン外構」は、敷地の周りに塀などを作らない外構のこと、「セミクローズ外構」は、敷地の一部を塀やフェンスなどで目隠ししている外構のことを指します。
角地の場合は、プライバシー面を外構でしっかりカバーしたいもの。日々の生活を安心して過ごせるよう、目隠しフェンスを設置するなど周囲の視線を感じないような外構の工夫ができるとよいでしょう。
ただし、目隠ししすぎて泥棒に狙われやすい家となってしまわないよう注意が必要です。塀やフェンスの高さなどをハウスメーカーとしっかり相談したいですね。
人の侵入を防ぐ!ショートカット対策も忘れずに
角地の家では、人の通行時に無断で敷地に侵入されるケースもあるようです。オープン外構の場合だと、徒歩だけでなく自転車などでもショートカットに使われることも考えられます。
角地でのショートカット対策としては、コーンやカーポールを置く方法が手軽で簡単です。花を植えたプランターを置くのも効果的でしょう。外構の雰囲気を損なわないよう手段を検討してみてください。
駐車場は使いやすく配置して、生活しやすい動線を確保
2方向の道路に接している角地では、使いやすい場所に駐車場を配置することも可能です。駐車スペースの検討時には、出入り時の見通しが良いかどうかも確認しておくと安心でしょう。玄関の位置にも配慮して、生活しやすい動線を確保したいですね。
安全性を確保する「隅切り」を知って間取りを設計
角地の場合「隅切り」が必要となるケースがあります。隅切りとは「土地の角を切り取って道路にすること」を言い、通行時に曲がり角を通りやすくしたり、見通しを確保したりする目的です。
隅切りの部分は、空地にしておく必要があるため、活用できる敷地面積を早めに確認しておきたいですね。隅切りが必要かどうかは各自治体によって判断はさまざまですので、土地のある自治体窓口で確認しましょう。
【東西南北】角地の日当たりは方角によってさまざま
角地は、ほかの建物との隣接面が少なく、日当たりのよい家が建てられると言われています。しかし、角地が位置する方角によっては、日当たりの良さを十分に享受できない場合も。ここでは、角地の方角で日当たりがどう変わるかのか解説します。
南東角地:朝日が差し込み、日中の日当たりがよい
南東角地とは、土地の南側と東側が道路に面している角地のことです。朝日が入り込みやすく、日中も日当たりは良好でしょう。ほかの方角と比べ、もっとも日当たりが良い立地と言えます。
南西角地:昼~夕方の日当たりがよい
南西角地とは、土地の南側と西側が道路に面している角地のことです。東側に建物がある場合、朝は陽ざしが遮られてしまいますが、昼から夕方にかけての日当たりは良好です。夏場は西日が入りやすく対策が必要かもしれません。
北東角地:朝は日差しを取り入れやすい
北東角地とは、土地の北側と東側が道路に面している角地のことです。東側に建物がないため、朝の陽ざしが入り込みやすいでしょう。南側に建物があると、日中の日当たりが悪くなることもあります。
北西角地:日当たりの確保に工夫が必要
北西角地とは、土地の北側と東側が道路に面している角地のことです。朝や日中の日差しが入り込みにくい一方で、西日は入りやすくなります。隣家とある程度の距離をとるなど、工夫をすることで、日中の日差しを確保したいですね。
【間取りプラン紹介】大手ハウスメーカーで角地に家を建てよう
大手ハウスメーカーに依頼して、角地に注文住宅を建てたいと考えている方もいるかもしれません。ここでは、大手ハウスメーカーでどのような家が建てられるのか、実際の間取りプランとともにご紹介します。
隅切り角地など形状に合わせた柔軟な設計プラン
敷地に制約があっても、土地の形状に合わせた柔軟な設計プランを提供しているハウスメーカーがあります。仮に隅切りが必要な場合でも、家の外壁を斜め45度にすることで土地を最大限に活用した家づくりが可能です。厳しい制限に適応できるシステムが整っていることで、角地のよさを十分引き出した注文住宅を実現できるでしょう。
プライバシーに配慮した中庭のある設計プラン
車や人通りの多い角地では、プライバシーに配慮した家づくりを検討したいですよね。他人の視線が気にならないよう、角地のマイホームに中庭を作った間取りプラン例もあります。大手ハウスメーカーなら、近隣の窓の高さを検証して中庭の塀の高さを決めるなど、細部にまでこだわりを持った注文住宅の建築も可能です。
関連記事:大手ハウスメーカーの特徴を一覧で比較!検討初期に知りたい基本情報まとめ
角地のメリット・デメリットを理解して、住み心地良いマイホームを建てよう
角地の定義や、角地に家を建てるメリット・デメリットをご紹介しました。角地は開放感があり、設計・間取りの自由度が高いといったメリットがあります。一方で、道路斜線制限や隅切りといった建築制限が設けられる土地があることも覚えておきましょう。
大手ハウスメーカーでは、角地を最大限に活用した設計・間取りプランを提供しており、理想マイホームを購入できるでしょう。角地のメリット・デメリットを理解して、後悔やトラブルのない家づくりができるとよいですね。