バルコニーは床面積に算入されない。幅2m超など算入時の規定も解説
「バルコニーは床面積に算入される?」「幅2m以上ある場合はどうなる?」など、バルコニーを設ける場合の床面積について、疑問を持つ方もいるでしょう。開放性のあるバルコニーは、床面積不算入となるのが原則ですが、ケースによっては算入される場合もあります。今回は、バルコニーが床面積に算入されない理由や、屋根付きの場合など算入されるケースを解説します。
バルコニーづくりで知っておきたい床面積
近年、部屋と同じ感覚で野外空間を利用したいと、バルコニー付きの新築住宅を検討している方が増えています。実際にバルコニー付き住宅を検討する場合、「バルコニーの面積が、床面積に算入されるのか」という点は、容積率を満たすマイホームを建築するために確認しておきたいポイントの一つとなるでしょう。
容積率とは「敷地面積に対する延べ床面積の割合」のこと。延べ床面積は、例えば2階建ての住宅の場合、1階と2階の合計床面積を指します。
そもそも容積率は、快適な住環境を守る事が目的の建築制限で、「都市計画法」に基づき制定された「建築基準法」で、その基準が決められています。用途地域や建築物の構造に応じて定められた容積率の範囲内で家を建てなければ、違反建築となってしまう事を知っておきましょう。
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バルコニーは床面積に算入されない
開放性のある場所は床面積に算入されない
バルコニーやベランダなど、外に開放されている場所は床面積に算入されないのが原則です。バルコニーとは、住戸から外に張り出している屋根のないスペースのこと。専用の屋根を設置する場合は「ベランダ」と言います。
床面積に算入されるのは、モノを保管したり、人が常時滞在したりと屋内的用途に供する場所です。つまり、壁に囲まれてないバルコニーなどの野外空間は、原則として床面積に算入されません。
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バルコニーが3方壁に囲まれている場合も不算入
バルコニーが3方壁に囲まれている場合はどうでしょう。もしバルコニーが壁に囲まれていたとしても、屋根がなく十分な開放性が認められれば、床面積には算入されません。しかし、3方壁で囲んだ場所に屋根をつけ、ベランダという形をとった場合は、屋内的用途で使用するとみなされ、床面積に算入される可能性があります。
バルコニーが床面積に算入されるケース
ケースによっては、バルコニーが床面積に含まれることもあります。ここでは、どのような場合にバルコニーの面積が床面積に算入されるのか解説します。
バルコニーの幅が2mを超える場合
バルコニーは外壁から2m以上突出していなければ、床面積に算入されません。しかし、2mを超える幅の場合には、バルコニー全体の幅から2mを差し引いた残りの部分が床面積に算入されます。
屋根のあるインナーバルコニーの場合
屋内の一部をバルコニーとする「インナーバルコニー」は、原則として床面積に算入されます。これは、インナーバルコニーが屋内的用途に供するとみなされるためです。インナーバルコニーは、天候に左右されず、一つの部屋のように使えるなどのメリットもありますが、床面積への影響も考えて検討するとよいでしょう。
バルコニーに格子を設ける場合
バルコニーに格子を設ける場合、原則として床面積に算入されます。理由は、格子によって開放性が阻害され、屋内的用途があるとみなされるためです。ただし、特定行政庁によっては、床面積不算入とするケースもあるようです。あらかじめ建築予定地が定める算定方法を確認しておくとよいでしょう。
バルコニー以外で床面積不算入の部分とは
バルコニー以外で延べ床面積に算入されない場所は、ほかにもあります。以下に算入されない場所の例をまとめました。
- ベランダ
- ウッドデッキ
- 玄関ポーチ
- 吹き抜け
- ビルトインガレージ(延べ床面積の5分の1以内という条件付き)
- ロフト(天井高1.4m以下、はしごの固定はしないなどの条件付き)
- 屋外階段(開放部分の割合や高さなどの条件付き) など
上記の中には一定の条件を満たすことで、緩和措置を受けられる場所もあります。建築基準法で延べ床面積に算入されない部分をうまく活用することで、狭小地であっても広々とした空間づくりが可能になるでしょう。
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