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外断熱・内断熱の違いとは?工法の特徴やメリット・デメリットを解説

家選びネット公式 (ie-erabi.net) 2022-03-18
間取り・設備

外断熱と内断熱の違いは何でしょうか。工法の特徴やメリット・デメリット、断熱材の種類について気になる方もいるかもしれません。今回は、外断熱と内断熱それぞれの特徴に加え、双方を併用した「付加断熱」、断熱リフォームについても分かりやすく解説します。


外断熱と内断熱の違いは「断熱材を入れる場所」。失敗しない選び方が大切


「断熱性の高い家」という言葉を広告などで目にしたことのある方もいるのではないでしょうか。断熱とは、その言葉通り「熱を断つ」ことです。


家づくりにおいては、外気温の影響を減らすために「断熱材」を建物の内部に入れるのが一般的。そうすることで、「外は寒くても、家の中はあたたかい」快適な住まいを実現することができるのです。


断熱方法には、断熱材を入れる場所によって「外断熱」「内断熱」の2種類があり、工法や特徴などに違いがあります。ここからは、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。


外断熱とは?工法の仕組みと特徴


外断熱とは、断熱材を外壁と柱の間に入れる工法

外断熱とは、建物の外壁仕上げ材の「すぐ内側」に断熱材を敷く工法のことを言います。木造住宅に施行する場合は「外張り断熱工法」とも呼び、断熱材で建物全体を包み込むのが特徴です。


外断熱のメリット

・気密性が高く、結露が起きにくい

建物を断熱材で包み込む「外断熱」は、非常に気密性の高い工法だと言えます。外と室内で極端な気温差が出ないので、結露が起きにくいというメリットもあります。


結露が起きにくいことで「建材が腐る」「カビやダニなどが繁殖する」といったリスクが減り、家の寿命を伸ばしたり、健康的な暮らしを手に入れたりすることができるでしょう。


・住宅のランニングコストを抑えられる

外断熱は初期コストがかかるものの、ランニングコストは抑えられると言われています。室内の温度を均一に保てることで、冷暖房効率が上がり、電気代が節約できるからです。さらには、結露が起きにくいことで、柱などの構造体が守られ、無駄なメンテナンス費用もかからずに済みます。


外断熱のデメリット

・外壁が厚くなる

外断熱を取り入れる場合、外壁が厚くなってしまうため、建物の土地や間取りにある程度の余裕が必要となります。敷地に余裕のない狭小地においては、あまり向いていない工法と言えるかもしれません。


・十分な換気が必要

気密性が高い外断熱の住宅を建てる場合には、汚れた空気が室内に長時間とどまることのないよう、十分な換気が必要です。新鮮な空気を取り込むための換気計画を設計時に検討するとよいでしょう。


・素材によってはシロアリ対策が必要

断熱材の素材によっては、シロアリ被害に遭ってしまう可能性も考えられます。シロアリは発泡プラスチック系断熱材を好みますが、外断熱の場合は、シロアリに侵入されやすく、断熱材の中に入り込まれると、柱などの木材が食べられてしまいます。


シロアリの侵入を防ぐ防蟻メッシュや、防蟻加工を施した断熱材を使用するなど、シロアリ対策が必要となることを覚えておきましょう。


内断熱とは?工法の仕組みと特徴


内断熱とは、断熱材を建物の内側に入れる工法

内断熱とは、「柱と柱の間」や「壁の内側」に断熱材を敷き詰める断熱方法です。日本では昔からある断熱工法で、木造住宅に施工する場合は「充填断熱工法」と呼ばれることもあります。


内断熱のメリット

・外壁に影響がなく、デザインを損なわない

内断熱を採用する場合は、外断熱とは異なり外壁に影響を与えません。外観のデザインを損なうことなく、断熱性を高めることができるでしょう。狭小地などでも取り入れやすい断熱工法と言えます。


・外断熱に比べて初期費用が安い

内断熱は、初期費用が安いこともメリットです。作業工数の多い外断熱工法に比べると、工事費用が安く済みます。使用できる断熱材が限られている外断熱と違い、ほとんどの断熱材を使えるため、予算に合わせた断熱材選びをすることも可能でしょう。


・技術面での安心感がある

内断熱は、昔から取り入れられている断熱方法なので、技術面において安心です。多くの施工会社が内断熱の技術を持ち合わせており、家づくりの選択肢も広がるのではないでしょうか。


内断熱のデメリット

・気密性が低く、結露対策が必要

内断熱は外断熱に比べると気密性が低くなります。湿気がたまることで、結露が起きやすくなります。結露によって部材が傷み、住宅の劣化が早まることも考えられるため、結露対策が重要となるでしょう。


・断熱材がない部分では熱損失が生じやすい

内断熱では、柱やコンセント部分などに断熱材が入りません。断熱材と柱の間には必ず小さな隙間ができるため、住宅の中には「断熱性能の弱い部分」が出来てしまいます。外断熱に比べると、熱損失が生じやすい断熱方法と言えるでしょう。


・配線や配管の場所を変更しにくい

断熱材の素材によりますが、内断熱工法を採用した場合は、施行後に配管や配線の場所を変更しにくいケースがあります。設計時や断熱工事を行う際は、あとで変更が必要になることのないよう注意しましょう。


断熱材の種類はさまざま。住まいにあわせて選ぼう


外断熱に使われる断熱材は、「繊維系」と「発泡プラスチック系」の主に2種類です。 それぞれ特徴やコストは異なるため、理想的な住まいを実現できる断熱材選びをしましょう。ここでは、断熱材の特徴について説明します。


繊維系断熱材

繊維系断熱材とは、細かい繊維の間に空気を閉じ込めることで機能する断熱材のことを言います。繊維系断熱材は「無機系」と「木質繊維系」に分かれ、無機系では、ガラスを溶かして繊維状に加工した「グラスウール」が、 木質繊維系では、古紙を再利用し綿状に粉砕して作られた「セルロースファイバー」が、その代表例です。


発泡プラスチック系断熱材

発泡プラスチック系断熱材とは、プラスチック素材の中に無数の細かい泡を閉じ込めている構造の断熱材を指します。発泡プラスチック系として「押し出し発泡ポリスチレン」や「ビーズ法ポリスチレン」「ウレタンフォーム」などの種類があり、特徴はさまざまです。素材の違いによって、断熱材自体の熱の通しやすさや、閉じ込めている泡の大きさ、数などが異なり、断熱性能に違いが見られます。


断熱方法を検討する際に知っておきたいポイント


マイホームに採用する断熱方法を検討する際に、知っておきたいポイントをご紹介します。


木造住宅と鉄筋コンクリート(RC)造で「断熱方式」は違う

「外断熱」「内断熱」と一口に言っても、木造と鉄筋コンクリート(RC)造とでは断熱方式に違いがあります。鉄筋コンクリート(RC)造の場合、断熱層が構造躯体の内側にある場合を「内断熱」、外側にある場合を「外断熱」と言います。


 一方で木造の場合、構造躯体の中に断熱施行する方法を「充填断熱工法」、外側に施工する方法を鉄筋コンクリート造と区別して、「外張り断熱工法」と呼びます。


多くの場合「充填断熱 = 内断熱」「外張り断熱 = 外断熱」として使われていますが、知識として知っておくとよいでしょう。


外断熱と内断熱を併用した「付加断熱」という方法もある

外断熱と内断熱の両方を使った「付加断熱」という断熱工法が、「W断熱」や「ハイブリッド工法」などと呼ばれ、近年さまざまな施工会社で採用されています。


付加断熱は、断熱性能を高めやすいという特徴があります。一方で、施行技術が必要なため、業者によっては欠陥住宅となってしまうことも考えられるでしょう。付加断熱を取り入れたい場合は、施工実績のある会社を選ぶことも大切です。


断熱リフォームは注意点を理解して検討を


「冷暖房効率を上げたい」「結露対策をしたい」といった理由から断熱リフォームを検討している方もいるのではないでしょうか。断熱リフォームを行う場合は、外壁や屋根、内壁や床に断熱材などを取り入れたり、窓を追加して二重窓にしたりするといった方法があります。


断熱リフォームにかかる費用は、施工方法や施工場所によって異なりますが、一戸建て住宅全体を断熱リフォームする場合は、300~500万円以上かかると言われています。リフォーム会社とよく相談して、住まいにあった断熱対策を取り入れてみてはいかがでしょうか。


大手ハウスメーカーで断熱性の高い家づくり


大手ハウスメーカーでは断熱性の高い住まいを提供しています。例えば、つながりやバランスに配慮して、適材適所にさまざまな断熱材をつかうことで、快適な住まいを実現しているハウスメーカーがあります。


このほか、外壁・天井・床・窓すべてを高断熱化し、一年を通じて快適な空間を保ち、冷暖房のコストを大幅に削減すると謳っているハウスメーカーもあります。資料請求をしたり、住宅展示場へ足を運んだりして、ハウスメーカーの特徴を比べてみてはいかがでしょうか。


外断熱と内断熱の違いを知って、住宅にあった断熱方法を選ぼう


今回は、外断熱と内断熱の違いやそれぞれの特徴についてご紹介しました。断熱工法や断熱材にはさまざまな種類があるためメリットとデメリットを比較して、住んでいる地域や住宅構造、予算面にも配慮した断熱方法を選べるとよいでしょう。


住まいの暮らしやすさに直結する「断熱対策」について十分検討し、後悔のない暮らしを手に入れられるとよいですね。

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