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サイディング外壁の特徴・種類からメンテナンス・リフォーム方法までをまとめて紹介

家選びネット公式 (ie-erabi.net) 2023-06-13
間取り・設備

サイディング外壁の種類やメリット・デメリットをご存知ですか。おしゃれな外観にするための配色や、組み合わせのポイントが気になる方もいるかもしれません。今回は、サイディングに注目し、種類ごとの特徴やメンテナンス・リフォーム方法などをまとめてご紹介します。サイディングの特徴を覚えて、安心・安全な家づくりを行いましょう。


「サイディング」とは外壁に使われる壁材のこと


サイディングは外壁の一種ですが、どのような外壁を指すのか詳しく知らない方もいるでしょう。まずは、サイディング外壁の概要と、「モルタル外壁」との違いを紹介します。


サイディングとは

サイディングとは、住宅に使用する外壁材のひとつです。工事費用が安価なことや工場生産のため安定した品質といった特徴から、近年日本で最も採用されている壁材だと言われています。施工時は、壁の広さに合わせて一定サイズのサイディングボードを外壁に貼り付けていく方法をとります。


サイディングは種類が豊富で、日本では主に以下の4つのサイディングが使用されています。

  • 窯業系サイディング
  • 金属系サイディング
  • 樹脂系サイディング
  • 木質系サイディング


それぞれに応じて、性能や価格が異なるのもサイディング外壁の特徴です。家づくりに取り入れる際は、4種類の特徴を理解して比較検討することが大切でしょう。


モルタル外壁との違い

モルタルは、壁の表面にセメントと砂を混ぜた塗材を手作業で塗るため、継ぎ目がなくきれいな仕上がりが魅力です。デザインの自由度が高く、アールといった複雑な形にも対応できます。一方で、職人が手作業で仕上げていくため、施工に時間がかかり、費用も高い傾向にあります。


一方のサイディングは、工場で作られた壁材を建物の壁に張り付けて仕上げる方法となるため、施工期間が短く低コストが特徴です。モルタルよりも耐水性が高く、デザインやカラーが豊富なのも人気が集まる理由のひとつと言えるでしょう。一方で、サイディングボードの継ぎ目に施したコーキング材は経年劣化するため都度補修が必要となります。


サイディング外壁の種類と特徴

ここからは、サイディング外壁の「窯業系」「金属系」「樹脂系」「木質系」の4種類の具体的な特徴を見ていきましょう。それぞれの種類別のメリット・デメリット、価格を解説します。


窯業(ようぎょう)系サイディング

窯業系サイディングは、日本の新築戸建て住宅の約70%で採用されている外壁材で、価格相場は1㎡に対して3,000円からです。セメントや繊維質が主な原料となり、素材を練り板状に窯で固める方法で製造されています。あらゆるデザインやカラーから自分好みの外壁を選択したい方にオススメの種類となります。


<メリット>

  • デザイン性が高く種類が豊富
  • コストが安い
  • 防火性・耐震性に優れている
  • 工期が短い


窯業系サイディングの最大の特徴は、デザイン性が高く種類が豊富なこと。レンガやタイル柄、石柄調などさまざまな種類から選ぶことが可能です。防火性能に優れ、衝撃や地震などの揺れにも比較的強く、低価格であることも選ばれる理由でしょう。最近では、色褪せや変色を抑える加工を施したモデルや、汚れが落としやすい効果のあるモデルなど、機能性に優れたサイディングボードが登場しています。


<デメリット>

  • 熱を蓄積しやすい
  • 全体的に改修する際にコストがかかる


デメリットとしては、素材の特性上、熱を蓄積するため、夏場は室内の温度が高くなりやすいことが挙げられます。気になる場合は、遮熱効果や断熱効果のある塗料を使用するといった対策を検討しましょう。


金属系サイディング

金属系サイディングは、窯業系サイディングに次いで選ばれている種類です。ガルバリウム鋼板・ステンレス・アルミといった耐久性に優れた金属などを原料とし、断熱材を用いた裏打ち材と組み合わせて成型されています。価格相場は、1㎡あたり4,000円からとなります。モダン・スタイリッシュな外観にしたい方にオススメです。


<メリット>

  • 遮音性・断熱性が高い
  • メンテナンスが簡単


金属系は、断熱性に優れた素材のため、寒さに強いため寒冷地に建てる場合は安心です。窯業系サイディングに比べて軽量な上、メンテナンスの手間がかからないことも特徴です。


<デメリット>

  • 傷やへこみがつきやすい
  • 他の種類に比べてコストが高い


デメリットとしては、薄い素材であるため、傷やへこみなどが付きやすいことが挙げられます。また、窯業系に比べて初期費用が高い傾向です。


【関連記事】ガルバリウムの家を建てるメリット・デメリット。おしゃれでかっこいい家づくりのコツ

樹脂系サイディング

樹脂サイディングは、強度のある樹脂素材を使った外壁材です。北米で考案された外壁材で、アメリカやカナダで普及しており、扱いやすいことから近年日本でも注目されるようになってきました。価格相場は、1㎡あたり7,000円からですが、メンテナンス頻度が少なく済むため、メンテナンス費用を抑えられます。


<メリット>

  • 塩害や冷害に強い
  • 補修メンテナンスがほとんどいらない


樹脂系は、塩害や冷害などに強く、高い耐候性を持っていることが特徴です。海沿いや寒暖差の大きい地域でもサビが発生せず、劣化しにくいのが最大のメリットです。補修メンテナンスがほぼ必要なく、長期にわたって美しい状態が保たれるのは嬉しいポイントでしょう。


<デメリット>

  • 遮音性が欠ける
  • 対応できる施工会社が少ない


軽く薄い素材であるため、他の素材と比べると遮音性が劣る傾向にあります。現状では、日本で対応できる施工会社が少ないという点がデメリットとなるでしょう。


木質系サイディング

木質サイディングは、天然木に塗装を施した外壁材です。一枚板を使う場合や集成材を使う場合などがあり、使う物によって価格やデザインが異なります。一般的に、1㎡あたり5,000円からとなります。木の質感を活かした味わいのある外観に仕上がるため、カントリー風や山小屋風の住宅に憧れを持つ方にオススメです。


<メリット>

  • 自然そのものの仕上がり
  • 断熱性が高い


木質系は、天然木を使用するため温もりあるこだわりの外観を演出できるのが魅力です。さらに、熱を吸収しにくい外壁材のため、断熱性が高いのも特徴です。


<デメリット>

  • コストが高い
  • こまめなメンテナンスが必要


他のサイディングに比べて価格が高く、木製で耐水性が低く経年劣化しやすいことがデメリットと言えます。施行難易度が高く、施工業者が限られていることも知っておきましょう。


サイディング外壁を取り入れる際の注意点


デザインやカラーが豊富なサイディング外壁。種類によっては低価格・短工期で仕上げられるメリットがある一方で、家づくりに採用する場合には注意すべき点があります。4つの具体的な注意点を確認しましょう。


注意点1》定期的な塗装メンテナンスが必要

サイディングの寿命は、種類によって異なりますが概ね20~40年と言われています。外壁を良い状態に保つには、定期的なメンテナンスが欠かせません。約10年ごとに塗装メンテナンスが必要となり、コーキング材の劣化やひび割れが見つかった場合には、その都度補修することが望ましいでしょう。


注意点2》外壁につなぎ目ができる

サイディングを使った外壁には通常、つなぎ目ができてしまいます。また、目地や隙間などには、水密性・気密性を目的としたコーキング(シーリング)を施さなければなりません。選んだ色やデザインによっては、経年劣化でつなぎ目やコーキング部分が目立つ場合があるため、デザインを選ぶ際には担当者に確認しましょう。


注意点3》防水性能が低い

サイディング自体には、防水性能がありません。サイディングに「塗装」や「シーリング」を行って防水性をもたせるのです。雨や紫外線などにより外壁の防水機能が低下してしまうと、建物は傷みやすくなります。雨や台風が多い地域でサイディングを採用する場合は、防水性に特化した塗料を検討するのがオススメです。


注意点4》外壁の穴あけに注意が必要

外壁が完成したあとに、照明器具の取り付けや防犯カメラ・宅配ボックスを設置したいと考えている方もいるかもしれません。そのような場合に「穴あけ」が必要となる場合、サイディング外壁では特に注意が必要です。


電動ドリルなどを使い、自分で穴をあける場合は、深くあけてしまわないよう気をつけましょう。サイディング外壁が割れてしまった場合は、高額の修復費用がかかるケースもあります。


サイディング外壁のメンテナンスと塗装リフォーム


サイディング外壁は、経年劣化によってさまざまな症状が出てくるため、メンテナンスやリフォームの内容は事前に把握しておくことが大切です。メンテナンスやリフォームが必要となる症状や必要な費用を見ていきましょう。


サイディング塗装の劣化例

  • 色あせ
  • チョーキング(触ると手に白い粉がつく状態)
  • 塗装のはがれ
  • カビやサビ

サイディングの表面に施されている塗装は、時間の経過とともに劣化します。上記のような症状が現れた場合には、塗装の耐久性が低下し、雨水が染み込み家の内部構造を劣化させる危険性が高まるため早めの対処が必要です。


塗り替え塗装は10年ごとが目安となり、費用は塗料の種類によって異なります。一般的な2階建ての住宅の場合、シリコン塗装で約70〜150万円程かかるでしょう。


サイディングのコーキング(繋ぎ目)劣化例

  • ひび割れ
  • 断裂(深く裂けている状態)
  • 肉やせ(隙間ができている状態)
つなぎ目を埋めるコーキングに上記のような劣化症状が見られた場合は、その都度補修が必要となるため、定期的点検が不可欠と言われています。サイディング外壁は、サイディングボードを貼り合わせて施工するため、ボードとボードの間に隙間ができます。その隙間を埋める役割としてコーキング材を使用しますが、経年劣化は避けられません。


症状が出た場合は、コーキングの打ち直しを検討しましょう。打ち直しは、自分で補修することも可能ですが、高所作業が必要な場合や難しい場合は業者に修理を依頼しましょう。打ち直し工事の相場は、一般的な2階建て住宅で約15〜20万円と言われています。


塗装と打ち直し工事で高所作業が必要な場合は、足場の費用がプラスされることを覚えておきましょう。


サイディング外壁の塗装リフォーム

サイディングボードの塗装は、約10年ごとのメンテナンスが必要と先述しましたが、外壁の状況によっては外壁リフォームが必要となります。外壁リフォームは、次のような2通りの方法があります。


  • 重ね張り(カバー)工事

重ね張り工事とは、サイディングに大きな穴や剥がれがあり、塗装だけでは対応できない場合、上から新しいサイディングを張り付ける方法です。サイディングの素材によって材料費が異なりますが、一般的な戸建て住宅の場合は、130〜220万円程度の費用に諸経費、高所作業費などが追加されます。


  • 張り替え工事

張り替え工事とは、サイディングの下地までダメージが及んでいる場合に、古いサイディングを撤去し新しいサイディングに張り替えを行うことです。費用は約150〜230万円程度となり、重ね張り工事に比べて少し高くなりますが、耐久性や見た目の美しさを得ることができます。


なお、万が一、自然災害によって外壁が破損してしまった場合は、火災保険が適用され原状回復できるケースもあります。火災保険のタイプによって適用条件が異なるため、新築する際には、保険内容を確認しておくと良いでしょう。


サイディング外壁を組み合わせておしゃれに見せるコツ


サイディング外壁を組み合わせて、おしゃれな外観に仕上げたいと考えている方もいるのではないでしょうか。ここでは、外壁材の組み合わせを考えるときのポイントについて解説します。


色の組み合わせは比率を考えよう

外壁を2色の組み合わせにしようと考えている場合は、比率が大切です。「6:4」から「7:3」程度の比率がバランスよく見えます。まずはベースとなる色を決め、シミュレーションをしながら最適な比率を決めていくと良いでしょう。


同系色、セパレーションカラーを取り入れよう

外観は目立つので配色で後悔したくありませんよね。色を選ぶとき、暖色系や寒色系など同系色を選べば失敗が少ないでしょう。淡い色同士を組み合わせたい場合は、色の堺になる箇所に黒や白などのセパレーションカラーを取り入れると引き締まった印象になります。ただし、5色以上使うとまとまりのない印象になるため、3~4色で組み合わせるのがオススメです。


外壁以外の色との相性を意識しよう

家全体をイメージ通りの素敵な印象に仕上げるために、外壁だけでなく外壁以外の部分との相性も意識しておくとよいでしょう。屋根や雨樋、窓サッシなどは、外壁の色との組み合わせによっては目立ってしてしまうケースがあります。外観のイメージを左右するパーツの色を把握した上で、全体のバランスを確認しましょう。


サイディング外壁の得意なハウスメーカーで家を建てよう


大手ハウスメーカーでの家づくりを検討している方もいるのではないでしょうか。ハウスメーカーでは、オリジナルの外壁を採用しているケースも多くあります。


例えば、以下のような外壁を提供しているハウスメーカーがあります。


  • 窯業系サイディング基材と、鉄板・鋼製フレームを組み合わせたハイブリッド構造の外壁
  • 厚みのあるサイディングによって深堀りの造形デザインを実現し、耐久性だけでなく美しさにこだわりぬいた外壁 など


住宅展示場を訪れたり、パンフレットを見たりして、理想の住まいづくりができるハウスメーカーを探してみてはいかがでしょうか。


サイディング外壁の種類や特徴を知って家づくり


サイディング外壁は、日本でもっとも多く採用されている外壁材です。デザインが豊富で工期が短く済むなど多くのメリットがある一方、美しい状態を保つには、定期的なメンテナンスが欠かせません。10年ごとの塗装メンテナンスが必要であることも覚えておきましょう。


大手ハウスメーカーなどでは、サイディングにオリジナリティをプラスした外壁を提供してるケースが多くあります。サイディング外壁の種類や特徴を知って、より安心・安全な家づくりを検討しましょう

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