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二世帯住宅はデメリットだらけ?その理由と失敗回避のポイントを紹介

家選びネット公式 (ie-erabi.net) 2024-06-11
選び方

「二世帯住宅の購入を検討しているけれど、デメリットだらけという情報は本当?」と、気になっている方もいるかもしれません。今回は、二世帯住宅にデメリットが多いと言われる理由と、二世帯住宅ならではのメリットを解説します。トラブルを回避するためのポイントもあわせてご紹介しますので、参考にしてみてください。


二世帯住宅はデメリットだらけ?


安心して暮らせる社会づくりが求められるなか、国は「三世代同居に対応した良質な新築住宅の取得」「三世代同居に対応した長期優良住宅化リフォーム」を推進しています。


一方で、三世代が暮らすための住まいである「二世帯住宅」に対して、「デメリットだらけというのは本当?」という声が聞かれることがあります。核家族化が進み、三世代同居の数が減少傾向にあるなか、二世帯住宅を建てるかどうか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。


実際に、親世帯と子世帯がいっしょに暮らす二世帯住宅では、世帯間でトラブルが起こることもあるようです。一方で、二世帯住宅にはメリットも多く、工夫次第でデメリットを回避することができるでしょう


ここからは、二世帯住宅がデメリットだらけと言われる理由と、二世帯(三世代)がいっしょに暮らすメリットについて詳しくご紹介します。


二世帯住宅が「デメリットだらけ」と言われる理由


二世帯住宅と聞くと、デメリットが多いと感じる方もいるかもしれません。まずは、二世帯住宅が「デメリットだらけ」と言われる6つの理由について解説します。


<理由1>お金に関して揉める

親世帯と子世帯がいっしょに暮らす場合、「共有スペースを分離させると建築費が高くなる」「水道光熱費をどのような割合で負担するのかで揉める」というケースがあります


二世帯住宅は、いくつかのタイプに分かれます。共有スペースが完全に分かれる「完全分離タイプ」は、キッチンやお風呂などの設備が2つずつ必要になるため、その分建築費用が高くなります。


親世帯の金銭的な援助が望めない場合は、子世帯の負担が大きくなることに注意が必要です。親世帯が援助をする場合であっても、建築費が予想以上に高額になるとお互いの理想の住まいを建築できない可能性もあるでしょう。


また、世帯ごとにメーターを分けて支払う場合を除いて、全てもしくは一部の設備を共有する「完全同居タイプ」や「一部共有タイプ」では、世帯ごとに水道光熱費などを把握するのが難しくなります。


最初に負担割合を決めていた場合でも、片方の世帯の使用頻度が多いともう一方の世帯が不公平に感じ、トラブルに発展してしまう可能性もあるでしょう。


<理由2>生活リズムが合わず、生活音が気になる

親世帯と子世帯で生活リズムが異なると、お互いのストレスになってしまうこともあります。例えば、「子世帯が夜遅くまで起きている」「親世帯が朝早くから起きている」など、世帯によって就寝・起床時間が異なることもあります。その場合、生活音によって安眠が妨害され、ストレスを感じると考えられるでしょう。


<理由3>プライバシー空間が足りないなど、何かと気を遣う

共有スペースが多い間取りの場合は、お互いのプライバシーを確保しにくく、さまざまな場面で気を遣わなければなりません。顔を合わせなくても、生活音から今何をしているかや家にいるかなど行動を察知されやすく、「常に誰かに見られているような気がして十分リラックスできない」という声も聞かれます。


また、キッチンや洗面台、リビング、トイレなど共有するスペースが多いと、家事や掃除を行うにも、相手が使用するタイミングによっては気を遣うことも増えます。プライベートな空間にあるにもかかわらず、思うように共有スペースを使えないことはデメリットと感じやすいポイントでしょう。


<理由4>干渉されることが多い

お互いの生活に対する過干渉がストレスの原因になってしまうことも、二世帯住宅がデメリットだらけとされる理由の一つです。いっしょに生活をしていると、親世帯が子どもの生活に対して世話を焼いたり、反対に子世帯が親を心配して口を出してしまったりするケースも考えられます。


それぞれが気にかけてくれるのはありがたいものですが、頻度が多いと対応に疲れてしまうこともあるでしょう。


<理由5>中古での売却が難しい

二世帯住宅は、一般的な単世帯住宅に比べて買い手が見つかりにくく、売却が難しいという点も知っておきたいところです。完全分離タイプの二世帯住宅なら、一方の世帯住宅を賃貸に出すという選択肢がありますが、玄関、浴室、キッチンなどがすべて1カ所の完全同居タイプだと、売却しにくいかもしれません。


<理由6>相続トラブルが起きることもある

親からの遺産相続に関して、兄弟間でトラブルが起こることもあるようです。遺産の多くが二世帯住宅である場合、現金や預貯金のように分割して相続することが困難になります。生前の住宅資金の援助額も含め、ほかの相続人との間で不公平感が出て揉める可能性があるでしょう。


デメリットだらけではない!二世帯住宅に暮らすメリット


二世帯住宅での暮らしには、デメリットだけでなく、メリットもたくさんあります。ここからは二世帯住宅ならではの8つのメリットをご紹介します。


<メリット1>協力して子育てができる

子世帯にとっては、親世帯と同居することで子育ての協力を得やすいのが嬉しいポイントです。特に子世帯が共働きの場合は、幼い子どもの預け先やお迎えに苦労することも。二世帯住宅であれば、親が働いている間に祖父母に子どもの面倒を見てもらうこともでき、安心して仕事に専念できるでしょう。


また、親世帯にとっては、孫の成長を間近で見られることで生活に刺激や張りが生まれるのではないでしょうか。


<メリット2>家事を分担できる

二世帯住宅で家事を分担して行えると、それぞれの負担を減らすことができます。親世帯は年齢を重ねるごとに体力が低下し、若いときのように体が思うように動かない場面が暮らしの中で増えてくるかもしれません。一方で、子世帯は仕事のある日の家事がうまく進められないと悩むこともあるでしょう。


「重くなりがちな日用品の買い物は、子世帯が行う」「子世帯が仕事の日の夕食は、親世帯が用意する」というようにお互いの抱える悩みを補う形で協力し合えると、生活面での心理的負担が軽減されるかもしれません。


「平日の家事は親世帯が中心に行い、週末は子世帯が引き受ける」など、家庭のライフスタイルに合わせて分担するのもオススメです。


<メリット3>防犯面で安心感がある

二世帯住宅は、単世帯住宅に比べて誰もいない時間が少なくなります。誰かしらが在宅しているため、防犯面で安心感が得られるのも嬉しいメリットではないでしょうか。どちらかの世帯が旅行に行く場合も、安心して出かけられます。


<メリット4>将来な経済的な負担が減る

水道光熱費はトラブルの原因にもなりやすいですが、世帯ごとの負担について同意を得られているのであれば、将来的な経済的負担を大きく減らせるメリットがあります。


お風呂やキッチンを共有して使う場合、水道光熱費を折半にすることで費用を安く抑えることが可能です。水道光熱費は、メーターがいっしょであれば基本料金を1軒分に抑えられるため、人数が倍になっても使用量まで倍増することはありません。


単世帯に比べると毎月の経済的な負担を減らせるため、その分を住宅ローンの返済や貯蓄に回すことができるでしょう。


<メリット5>病気の際にサポートを得られる

誰かが病気になったときのサポートを得られやすいのも、二世帯住宅のメリットです。子世帯であれば、仕事のときに病気の子どもを祖父母に見ていてもらうことが可能です。自身が体調不良のときは、子どもの身の回りの世話をお願いできる安心感もあるでしょう。


また、親世帯は、ケガや病気をしたときに子世帯が近くにいると、病院への送迎や手続きなど任せることもできます。将来、介護が必要になったときにも、子世帯がサポートしてくれると心強いでしょう。


<メリット6>家づくりの資金面で助け合える

家づくりには多額の資金を要しますが、二世帯住宅の場合は、金銭面で協力し合うことができます。たとえば、親世帯の土地に子世帯がローンを組んで建て替えるケースも多いようです。


住宅ローンを組む場合は、リレーローンやペアローンなど、親と子で返済していく借入方法を選択することもできます。単独では融資が困難な金額であっても、親子で返済することで、より多額の融資を得られるでしょう。


<メリット7>相続時に相続税を減額できる

親から子に土地を相続する場合、「小規模宅地等の特例」の対象に該当すれば、相続税を減額できます


「小規模宅地等の特例」とは、一定の要件を満たすことで相続税の課税評価額が最大80%減額される制度のこと。要件として、「親・子世帯が同じ敷地内(上限330m²)に、同居あるいは生計を共にしていること」などが挙げられます。


例えば、土地の課税評価額が1,000万円だった場合、制度が適用されると課税評価額が200万円に減額されます。相続前に、要件に該当するかどうか確認しておくとよいでしょう。


参考:国税庁「No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)」


<メリット8>補助金制度を活用できる

二世帯住宅の建築・改修時には、さまざまな補助金制度を活用することができます。2024年に実施されている制度は以下の通りです。


子育てエコホーム支援事業

子育てエコホーム支援事業とは、「高い省エネ基準を満たす新築住宅の建築・購入」もしくは「特定のリフォーム」を実施する、主に子育て世帯や若い夫婦世帯を対象とした補助金制度です。あらかじめ、本事業に登録をしたエコホーム住宅事業者と工事請負契約を締結のうえで新築またはリフォーム工事を依頼し、条件を満たすことで補助金が給付されます。


【対象者】

・子育て世帯

申請時点において、2005年4月2日以降に出生した子を有する世帯

・若者夫婦世帯

申請時点において夫婦であり、いずれかが1983年4月2日以降に生まれた世帯

※リフォームについては世帯を問わない


【補助金額】

新築

・認定長期優良住宅:1住戸につき100万円(50万円)

・ZEH住宅:1住戸につき80万円(40万円)

※( )内は、「市街化調整区域」かつ「土砂災害警戒区域または浸水想定区域」に該当する場合。ただし、例外を除く

リフォーム

・一戸あたり20万~60万円

※世帯の形態やリフォームの内容によって異なる


参考:国土交通省「子育てエコホーム支援事業」


【関連記事】【2024年度】子育てエコホーム支援事業とは?条件や補助対象をわかりやすく解説


長期優良住宅化リフォーム推進事業

長期優良住宅化リフォーム推進事業とは、住宅の性能向上リフォームや三世代同居に向けた改修などに対する補助制度です。所有している住宅、または購入した中古住宅の「リフォーム」が対象となります。


【補助金額】

評価基準型
・1住戸につき80万円
認定長期優良住宅型
・1住戸につき160万円

なお、三世代同居に対応する改修工事を行う場合は、50万円を上限として上記金額に加算されます。


参考:国立研究開発法人 建築研究所「令和6年度長期優良住宅化リフォーム推進事業」


二世帯住宅で失敗を回避するためのポイント


二世帯住宅を購入する場合、先述したようなデメリットをなるべく回避するためには、どのようなことを意識するとよいのでしょうか。失敗を防ぐためのポイントを解説します。


お互いの世帯の「暮らし方」を共有する

二世帯住宅を検討する際は、まずお互いの生活スタイルの洗い出しから始めると、それぞれの世帯に対する認識が深まります。間取りやお金に関するルールを相談する前に、以下の項目について情報・意見を出し合いましょう。


・今まで過ごしてきた生活リズム

・生活する際に気になるポイント

・家のなかで長い時間過ごす場所

・新しい家で叶えたい生活


今までの暮らし方だけでなく、これから叶えたい生活についても具体的に話し合うことで、お互いの生活リズムやプライバシーを尊重した生活を確保しやすくなります。


お互いが暮らしやすい「間取り」を取り入れる

間取りの工夫によって、生活リズムの違いによるストレスやプライバシーの問題を軽減できます。二世帯住宅の間取りには、大きく分けて次の3つのタイプがあります。


  • 完全同居タイプ(すべての設備を共有する)
  • 部分共用タイプ(玄関やキッチンなど一部の設備を共有する)
  • 完全分離タイプ(すべての設備を別々に設ける)


それぞれの特徴を把握したうえでお互いが暮らしやすいタイプを選び、間取りを工夫しましょう。



メリット
デメリット
完全同居タイプ
建築費や生活費を安く抑えやすい
共有スペースが多いことで、プライバシーを確保しにくく、何かと気を遣わなければならない
部分共用タイプ
親世帯と子世帯で適度な距離感を保ちやすい、生活上のストレスが少ない
完全にプライバシーを確保できるわけではないため、生活音などに対する対策が必要となる
完全分離タイプ
世帯のプライバシーを確保しやすく、必要であればすぐに様子を確認できるなどの安心感がある
設備がそれぞれで必要になるため、建築コストが高くなる



親世帯と子世帯がどのくらいの距離感で過ごせると心地よいのかは、家庭によって異なります。完全同居・部分共用タイプの場合は、それぞれの生活スタイルを考慮し、誰がいつ家事をするのかを念頭に入れプランニングすることが大切です。設備だけでなく、洗濯物を干すスペースや収納スペースなども含めて、何を共有するのか双方で話し合い、採用する間取りを検討しましょう。


また、生活時間のズレから生じる音の問題は、長い時間過ごす場所が上下のフロアで重ならないことがポイントとなります。2階の音は1階に響きやすいため、子世帯のリビングが2階になる場合には、真下に親世帯の寝室やリビングにならないよう工夫するとよいでしょう。


光熱費や生活費などに関する「お金の分担」を決める

光熱費や生活費をどのように分担するのかを、世帯間であらかじめ話し合っておきましょう。お互いがストレスをためず共同生活を送るには、お金に関する不平等感をなくしておくことが大切です。


たとえば、親世帯が現役で働いている間は親世帯が多めに負担し、親世帯が高齢化し収入が少なくなった際には、子世帯が多めに負担するのも1つの方法です。実際に暮らしはじめる際は、より具体的な負担割合のルールを決めておくと、トラブルが少なくなるでしょう。


快適に過ごすための「暮らしのルール」を決める

キッチンやお風呂などの設備を共用する場合は、家事の分担や入浴の時間など、暮らしのルールについても話し合っておきましょう。「使いたいときに使えない」ということが頻発すると、ストレスの原因となってしまいます。平日と週末で過ごし方が変わる場合は、それぞれのケースについて話し合っておくのもオススメです。


なお、ルールは前もってすべてを決めておく必要はありません。「気になることが出てきた際にはその都度調整していく」など、話し合うスタンスができていれば、ストレスを軽減しやすくなるでしょう。


事前に相続について「兄弟姉妹を含めて相談」する

相続を巡るトラブルを回避するため、二世帯住宅を立てる前に、子世帯の兄弟姉妹を含めて話し合いをしておくと安心です。将来的な変化に備えて、親世帯が介護を必要になったときや亡くなったときのことを相談しておきましょう。


建物の活用法などを、兄弟姉妹を含めて事前に話し合うことで、いざ問題が起きたときに、話し合いをスムーズに進められることも期待できます。


二世帯住宅の得意なハウスメーカーに依頼しよう


二世帯住宅を大手ハウスメーカーで建築したいと考えている方もいるのではないでしょうか。二世帯住宅と一口にいっても、間取りスタイルはさまざま。


大手ハウスメーカーなら、これまでの実績と経験から得られた知恵や技術を用いて、家庭に合わせたプランを提案してくれます。資料請求などを通じて、理想的な家づくりができるハウスメーカーを探してみてはいかがでしょうか。


【関連記事】大手ハウスメーカーの特徴を一覧で比較!検討初期に知りたい基本情報まとめ


二世帯住宅のデメリットを理解して、暮らしやすい工夫を取り入れよう


「二世帯住宅はデメリットだらけ?」と気になっている方に向けて、そのように言われる理由や、失敗を回避するための工夫をご紹介しました。二世帯住宅でトラブルなく暮らすには、間取りの工夫だけでなく、お金の負担や生活のルールを双方で話し合うことが大切です。


二世帯住宅ならではの魅力も沢山あるので、メリットとデメリットを比較しながら、自分たちの生活に合った満足のできる二世帯住宅を検討してみてはいかがでしょうか


【関連記事】二世帯住宅とは?定義やメリット・デメリット、税金・補助金制度も紹介

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