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10坪の狭小住宅。2階建て・平屋の間取りや価格、家づくりのコツは?

家選びネット公式 (ie-erabi.net) 2022-05-09
間取り・設備

10坪の土地でどのような狭小住宅が建てられるのでしょうか。「2階建て・平屋の間取り」や「狭小住宅の価格相場」が気になる方もいるでしょう。今回は、10坪の土地に建てる狭小住宅の概要や間取り事例、メリット・デメリットや間取りの工夫点をご紹介します。


10坪の土地に建てる狭小住宅


「狭小住宅」という言葉に明確な定義はありませんが、一般的に15坪(50㎡)程度の土地に建てられた住宅のことを指します。土地の価格が高い東京や大阪などでは「都心部に住みたいが、できるだけ土地代を安く抑えたい」といった理由から、狭小住宅を選ぶ方も多くいます。


狭小住宅を検討している方のなかには、「10坪の土地にどのような家が建てられるのか」ということを知りたい方もいるでしょう。今回は、10坪で建てられる狭小住宅について詳しくご紹介します。


10坪の土地で建てられる家の広さ

10坪は、畳で表すと20畳弱くらいの広さです。しかし、同じ敷地面積であっても、建てられる家の広さは、土地によって異なります。定められた「建ぺい率」「容積率」の割合によって、建てられる家の大きさが異なるためです。


ここで言う「建ぺい率」とは、面積に対する建築面積の割合です。日照の確保や災害を防ぐ目的で用途地域ごとに定められています。「容積率」とは敷地面積に対する建築延べ面積の割合で、住環境を保護するために用途地域ごとに50〜1300%の範囲で制限があります。


建ぺい率や容積率に加えて、建築できる家の種類や大きさが決まる、主な制限は次のとおりです。


  • 建築できる建物の種類や大きさ、用途の制限を定めた「用途地域」
  • その土地に建てられる建物の高さ上限を定めた「高さ制限」
  • 道路の通風や採光を確保するため道路に面する建物の高さ上限を定めた「道路斜線制限」


これらの制限は、家の広さに影響するものとして把握しておくとよいでしょう。


関連記事:用途地域とは?検索の仕方や13種類の特徴。住宅建築時のポイントも解説


10坪の土地に建てる狭小住宅の価格相場

10坪の土地に狭小住宅を建てる場合の費用は、「土地代」と住宅の「建築費用」に大きく分けられます。


土地価格は、土地の大きさや、東京や大阪など住む地域によって異なります。一方、住宅価格は、施工会社や建築内容によって異なりますが、狭小住宅を建てる場合の坪単価(建物の本体価格を延床面積で割ったもの)は、50〜70万円程度が多いようです。例えば、18坪の家を建てた場合、本体価格は900万円〜1,260万円程度となるでしょう。


ただし、これはあくまで本体価格のみで、屋外給排水工事などの「付帯工事費用」や「諸費用」などは別途かかるため、実際の金額はこれ以上かかります。狭小住宅を建てる際は、事前に施工会社などに見積もりをしてもらうとよいでしょう。


【10坪】狭小住宅の間取り事例


10坪の狭小住宅の間取り事例をご紹介します。ハウスメーカーや工務店、建築家のいる設計事務所など、建築依頼先に相談する際の参考にしてみてください。


間取り1:吹き抜けで開放的な空間をつくった2階建ての住まい

建築面積10坪の住宅密集地に、吹き抜けを設けて開放的な空間をつくった2階建ての間取り事例があります。


隣家との距離が近い狭小住宅では、日照の確保に工夫が必要なケースが多々あります。吹き抜けを設けることで、部屋に採光を取り入れやすくなるほか、風通しもよくなるでしょう。


間取り2:2階にLDKを配置し、家族が集う広いスペースを確保した2階建ての住まい

「家族が集うスペースを広く明るい空間にしたい」という理由から、LDKを日当たりのよい2階に配置した狭小住宅の間取り事例もあります。1階が暗くなりがちな住宅密集地でよく見られる間取りです。


2階のLDKに合わせて大きなバルコニーを配置すると、バーベキューなどを楽しむために便利な動線も確保できます。


間取り3:LDKを中心に動線がまとまった平屋の住まい

コンパクトな住まいにはなりますが、平屋の狭小住宅を建てることもできます。LDKを中心に水回りや居室がまとまった家づくりをすると、高齢になっても暮らしやすい住まいとなるでしょう。


扉を引き戸にするなど、細かな工夫を取り入れて、限られたスペースを有効活用できるとよいですね。


狭小住宅のメリット


狭小住宅を建てた場合に得られるメリットを3つご紹介します。


<メリット1> 土地代や税金が抑えられる

狭小住宅には、土地代や税金が抑えられるメリットがあります。


同じ地域に家を建てる場合、当然ながら広い土地よりも狭い土地の方が土地代が安くなります。浮いたお金は建物代金にあて、デザイン性の高い住宅を建てることもできるでしょう。


建築時や入居後に支払いが必要となる固定資産税や登録免許税、不動産取得税といった「税金」も安く抑えることができます。税金を計算する際に用いる「評価額」は、土地や建物の大きさに比例するためです。


<メリット2>土地の選択肢が増える

東京や大阪などの都心部で家を建てたい場合など、土地の選択肢が増えることも狭小住宅を建てるメリットです。都心や駅周辺など利便性の高いエリアは人気がありますが、値段が高い傾向にあります。


狭い土地なら、価格が抑えられていたり売れ残っていたりするケースもあるため、予算内で土地を手に入れることができるかもしれません。


<メリット3>楽に掃除ができる

狭小住宅は居住スペースが狭い分、掃除が楽になるでしょう。設計時に家事動線などが考えられているケースも多いため、効率よく掃除することができます。メンテナンス箇所が少なくなることも狭小住宅のメリットです。


狭小住宅を建てる際のデメリット・注意点


狭小住宅を建てるデメリットや注意点も知っておきたいところです。ここからは、気をつけたいポイントをご紹介します。


<デメリット1> 居住スペースが狭くなる

狭小住宅のデメリットとして、居住スペースが狭くなることが挙げられます。デッドスペースを活用して収納スペースを確保するなど、暮らしやすくするための工夫を検討しましょう。圧迫感を感じさせない間取りを取り入れることが大切です。


「子供が増える」または「子供が成長して家を出る」場合など、現在だけでなく将来の家族構成を見据えた間取りにすることもポイントです。


<デメリット2>防音や耐震対策などの建築コストがかかる場合がある

住宅密集地に狭小住宅を建てる場合、防音や耐震などの対策費用がかかり、逆に建築コストが高くなる場合もあります。


隣地との距離が近い場合は、防音壁を使うなど住宅の「防音性能」を高める必要があるでしょう。狭小住宅は縦に長い住宅となる場合が多いため「土地の地盤を補強する」「耐震に強い工法で建てる」などの耐震対策も必要となります。


<デメリット3>駐車場(ガレージ)について検討が必要

車を所有している場合、駐車場をどのように確保するのかも検討しなければなりません。狭小地に駐車場を設ける場合、建物スペース以外はほとんどが駐車スペースとなってしまいます。前面道路が狭い場合は、駐車する場合に高い運転技術が必要となるケースもあるでしょう。


狭小住宅の場合、ガレージと住宅が一体となった「ガレージハウス(ビルトインガレージ)」を選ぶのも1つの方法です。また、お金はかかりますが「近隣に駐車場を借りる」ことも選択肢として検討するとよいでしょう。


狭小住宅で快適に暮らすための間取りの工夫