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ロフトのある家のメリットとデメリット。多様な活用法と設計ポイント

家選びネット公式 (ie-erabi.net) 2025-06-16
間取り・設備

新築一戸建てを建てる際、ロフトを設置するか迷っている方もいるのではないでしょうか。空間を有効活用したいけれど、本当に必要か、どのようなメリット・デメリットがあるのか気になりますよね。今回の記事では、ロフト付きの家の魅力を徹底解説するとともに、収納や趣味スペースとしての具体的な活用アイデア、設置時の注意点、そして実用的な間取り事例までご紹介します


ロフトとは?


まず、ロフトとは何か、その定義や特徴、よく似た空間との違いについて見ていきましょう。


ロフトの定義と特徴

ロフトとは、部屋の一部を2層式にした上部空間を指すのが一般的です。元々欧米では「屋根裏部屋(グルニエ)」を意味しますが、日本では屋根裏の空間を有効活用したスペースとして使われます。


ロフトは新築一戸建て住宅だけでなく、リノベーションで設けることもできますが、ロフトと呼ぶには建築基準法に則った規定があり、主に以下の条件を満たす必要があります。


  • 天井高は1.4メートル以下
  • 直上・直下階の天井高は2.1m以上
  • 床面積は直下階の2分の1未満
  • 窓は床面積の20分の1以下
  • 固定階段の設置は認められないことが多い(はしごや可動式の階段を使用)


これらの規定を満たさない場合、その空間はロフトではなく、建築基準法上「3階」や「2階部分」とみなされ、扱いが変わってしまいます。建築に関する法令は、自治体ごとに細かいルールが設けられているため、事前に確認することをおすすめします。


【関連記事】ロフト付き平屋の間取りは?固定階段は設置できる?気になる疑問を解説


小屋裏収納・スキップフロアとの違い

ロフトと似たような空間に「小屋裏収納(屋根裏収納)」や「スキップフロア」がありますが、それぞれ以下のような特徴を持ちます。



小屋裏収納(屋根裏収納)スキップフロア
特徴    
  • 屋根裏空間を収納として活用
  • 床面積に算入されない場合が多く、天井高は1.4m以下に制限
  • 階層を半階ずつずらして空間を分割する設計手法
  • 制限なし(通常の居室扱い)

主な用途

季節物、レジャー用品、頻繁に出し入れしない物の収納リビング・ダイニングのゾーニング、書斎、子供の遊び場など


このように、ロフトが「居室の一部に設けられた上部空間」であるのに対し、小屋裏収納は「収納に特化した屋根裏空間」、スキップフロアは「フロアの高さをずらした多層空間」という違いがあります。


なお、小屋裏収納は、建築基準法上「小屋裏物置等の空間」に分類され、ロフトと同じ「居室ではない空間」として扱われます。居室と開口部でつながっている場合はロフト、つながっていない場合は小屋裏収納と分類されるのが一般的です。


【関連記事】小屋裏収納を設けるメリット・デメリット。階段・はしごの選び方や工夫を紹介

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ロフトのある家のメリット


住まいにロフトを設けることには、多くの魅力があります。ここでは、ロフトがもたらす主なメリットをご紹介します。


収納スペースが増え、デッドスペースを有効活用できる

ロフトを作る際にはさまざまな制約がありますが、それをクリアすることで普段使われにくい屋根裏などのデッドスペースを有効活用できます。コンパクトな敷地で一戸建てを検討している方にとって、限られた空間を最大限に生かし、収納スペースを増やせるのは、部屋を広く使うことができるため非常に重宝するでしょう。


多目的に使えるプライベート空間が増える

ロフトの基本的な使い方は収納ですが、それ以外にも多目的に活用できる点が魅力です。空間を緩やかに区切ることができるため、子どもが遊ぶ空間や、趣味の部屋、書斎など、工夫次第でさまざまな使い方が可能です。少しこもり感のある空間は、自分だけの特別な場所として、日常の癒やしやリフレッシュにもつながるでしょう。


空間に奥行きが生まれ、部屋が広く見える

部屋にロフトを設ける場合、必然的にその下の空間の天井を高く設計する必要があります。これにより、縦方向への広がりが生まれ、空間全体に奥行きができて、部屋が実際よりも広く感じられます。屋根勾配を活用すると、より十分な天井高を確保できるのでおすすめです。


リビングにロフトを作ることで、より開放的な空間を演出できます。特に平屋のリビングにロフトを設けると、その効果を感じやすいでしょう。


固定資産税を抑えられる場合がある

ロフトは、先述したさまざまな条件を満たすことで「小屋裏物置等の空間」と見なされ、住まいの延床面積(居住スペース)から除外できる場合があります。延床面積に算入されないことで建物の評価額が下がり、結果として固定資産税を抑えられる可能性があるのは、家計にとって大きなメリットといえるでしょう。ただし、これには建築基準法上の厳密な条件があるため、事前に確認が必要です。


【関連記事】一戸建てにかかる固定資産税の計算方法。減税措置やマンションと税額の違いはある?


ロフトを作るデメリットと後悔しないための対策


ロフトのある家は魅力的な一方で、計画段階で考慮すべきデメリットも存在します。後悔しない家づくりのために、それぞれのデメリットと、それらを解決するための対策を知っておきましょう。


初期費用がかかる

ロフトを設けるには、1部屋作るのと同じくらいの費用が追加でかかるといわれています。はしごや簡易階段の設置費用はもちろん、屋根裏空間の構造補強、断熱や換気工事などがかかるケースもあります。事前にハウスメーカーと綿密に打ち合わせを行い、全体の予算にどの程度影響するのかを把握しておきましょう。


同じ広さの敷地面積で比較した場合、2階建て住宅よりも、階数の少ないロフト付き平屋の方が基礎工事や構造体のコストを抑えられる傾向にあります。建築コストを抑えつつ空間の有効活用を図りたい方にとって、ロフト付き平屋は魅力的な選択肢となるでしょう。


夏は暑く、冬は寒くなりやすい

ロフトは屋根に近いため、外気温の影響を受けやすくなります。夏は熱がこもりやすく、冬は冷気が溜まりやすいという特性があり、温度管理も難しいため、季節によっては何かしらの対策をしないと、ロフトで遊んだり作業したりするのは不向きに感じるかもしれません。


  • 屋根や壁の断熱性能を高める
  • 換気扇やシーリングファンで空気を循環させる
  • ロフト専用のエアコン設置する
  • 採光と通風を確保する天窓を設置する など


1年を通して快適に過ごすためには上記のような対策が有効です。


上り下りが大変で使わなくなる可能性もある

ロフトへの昇降には、一般的にはしごや可動式の階段を使うため、物の持ち運びが大変だったり、足元が不安定に感じられたりすることもあるでしょう。特に、小さな子どもや高齢の方がいる家庭では、安全性への配慮が必要になります。


このデメリットを放置すると、ロフトが次第に物置状態になり、使われなくなる可能性もあります。そうならないためにも、昇降方法の検討や安全性を高める工夫をすることが大切です。収納スペースとして使う場合は、あらかじめ何を収納するのか考え、重いものや頻繁に出し入れするものは階下に収納するなど、将来を見据えて収納計画を立てましょう。


掃除の手間が増える

ロフトは高い位置にあるため、日々の掃除やメンテナンスに手間がかかることがあります。天井が低いなど、ロフトの形状によっては掃除機が届きにくく、ホコリも溜まりやすいため、掃除が大変に感じるかもしれません。


カビが生える心配もあるため、定期的な換気を心がけ、手の届きやすい場所に掃除道具を置いておくなど工夫しましょう。必要であれば、高所作業に対応した掃除用具を準備することも検討してみてください。



ロフトの有効活用アイデアとレイアウトのコツ



ロフトを設けると、床面積が増えるだけでなく、その特性を活かすことで、より暮らしを豊かにすることができます。ここでは、ロフトの有効活用アイデアと快適なレイアウトのコツをご紹介します。


季節物などの収納場所

ロフトの最も基本的な使い方は、収納スペースとして活用することでしょう。普段使わない季節家電、オフシーズンの衣類、レジャー用品、思い出の品、子どもの成長記録など、かさばる物をまとめて収納するのに最適です。透明な収納ケースを活用したり、使う頻度に応じて場所を分けたりすることで、出し入れの手間を軽減できます。ただし、熱や湿気に弱いデリケートな物の保管は避けた方が良いでしょう。


書斎・趣味のスペース

ロフトは、集中したいときにぴったりの書斎やワークスペースになります。日常の喧騒から離れた場所にあるため、静かに読書を楽しんだり、趣味に没頭したりする隠れ家的な空間としても最適です。


デスクやイス、本棚や収納を配置することで、コンパクトながらも充実したプライベート空間になるでしょう。採光や照明計画も工夫し、コンセントも忘れずに設置するのがポイントです。


寝室

天井高が低いロフトは、落ち着いた寝室やゲストルームとしても活用できます。包み込まれるような空間が、より深い眠りを誘うでしょう。ベッドや布団を置けば、必要な家具は最小限で済み、空間を広く使えます。


ただし、夏場の熱さと冬場の冷え込みには注意が必要なので、エアコンやシーリングファン、換気扇などを設置し、快適な温度を保つ工夫をしましょう。


子供の遊び場・隠れ家

子どもにとって、ロフトは秘密基地のような特別な遊び場になります。階段の上り下りだけでもワクワクするでしょう。おもちゃを広げて遊んだり、友だちとおしゃべりしたりと、創造性を育む空間にもなるかもしれません。ただし、安全のため、手すりや落下防止ネットを検討し、床の滑り止め対策などもしっかり行いましょう。


洗濯物を干すスペース

ロフトは、洗濯物を干す場所としても非常に便利です。特に、屋外に干しにくい雨の日や花粉の時期、梅雨時などには重宝します。高い位置にあるため、空気の流れが良く、サーキュレーターや除湿機と併用すれば、効率的に洗濯物を乾かすことができるでしょう。


生活感の出やすい洗濯物を隠しつつ、乾かすことができるため、リビングなどの居住スペースをスッキリ保つのにも役立ちます。


【実例紹介】ハウスメーカーが提案するロフトのある住まい


ロフトのある暮らしをより快適にするため、多くのハウスメーカーが独自の工夫を凝らした住まいを提案しています。


あるハウスメーカーでは、独自の屋根断熱方法に加え、家全体の温度を快適に保つ全館空調システムを取り入れた住まいを提供しています。これにより、通常は温度管理が難しいロフト空間でも1年中快適な空調を保つことができます。子どもの遊び場だけでなく、趣味の道具やコレクションの整理、ストック場所としても安心して活用できます。


また、狭い土地に住宅を建てる場合でも、吹き抜けとロフトを組み合わせることで、開放感あふれる広々とした住まいを実現しているハウスメーカーもあります。このように、ハウスメーカーごとに得意な技術や提案の幅は異なるため、じっくり相談しながら、ご自身のライフスタイルにあったロフト作りを考えてみてください。


まとめ|ロフト設置はメリット・デメリットと活用法を考慮して検討しよう


ロフトを設置する際は、メリット・デメリットと活用法を十分に考慮することが大切です。ロフトは、収納スペースや書斎、趣味の部屋など多目的に活用でき、部屋全体を広く見せる効果も期待できます。


一方で、設置には費用がかかるほか、将来的に使わなくなる可能性もあります。ロフトの必要性について家族でしっかり話し合い、ライフスタイルに合った使い方ができるかを検討しましょう。ハウスメーカーと相談し、最適なロフトのプランを立てられるとよいですね。

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