バリアフリーの注文住宅で快適な暮らし。間取りのポイントや補助金制度を紹介 

間取り・設備 2020-05-20
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バリアフリー住宅を新築、リフォームしたいと考えている方もいるのではないでしょうか。バリアフリー住宅の間取りや設計の工夫、住宅展示場を見学する際のポイントが気になる方もいるかもしれません。今回の記事では、バリアフリーとは何かや、設計時のポイント、補助金制度などについてご紹介します。


バリアフリーで高齢者や障がい者が暮らしやすい家づくり


そもそもバリアフリーとは、どのような意味かご存知でしょうか。言葉は知っていても、具体的な意味を知らないという方もいるかもしれませんね。ここではバリアフリーとは何かや、バリアフリー住宅の特徴をご紹介します。


バリアフリーとは?ユニバーサルデザインとの違い

バリアフリーとは、直訳すると「障壁の除去」という意味です。この言葉が指す「バリア」とは、物理的なバリアのほかに、制度、文化、情報、意識上のバリアといった意味も含まれます。「バリアを取り除くことで、誰もが暮らしやすい社会を実現しよう」という考え方のもと、バリアフリーという言葉が使われます。


バリアフリーと一緒に使われることが多い言葉として「ユニバーサルデザイン」があります。「ユニバーサルデザイン」とは、どのような人でも使いやすいデザインのことを指します。新たなバリアを生み出さないために、たくさんの人々が利用しやすいユニバーサルデザインの製品やサービス、環境が必要であるとされています。


バリアフリー住宅の特徴

小さな子どもから高齢者、障がい者まで、誰もが暮らしやすいよう設計した住宅を、バリアフリー住宅と呼びます。注文住宅を建てるとき、バリアフリー住宅に興味がある人もいるのではないでしょうか。


例えば「部屋と部屋の間に段差をつくらない」「廊下や階段に手すりを付ける」といったバリアフリー対策は広く知られていますが、このほかにもさまざまな工夫をすることが可能です。具体的にどのようなことを意識してバリアフリー住宅の設計を考えるとよいのでしょう。設計実例を交えながら、間取りのポイントを解説します。


【設計実例紹介】バリアフリー住宅の間取りのポイント


「リビング」は段差をなくし、テーブルにも配慮を

リビングは、家族みんなの憩いの場としたいですよね。「段差をなくす」「手すりをつける」「滑りにくい床材にする」ことは一般的なことですが、このほかにも家族に合わせた空間づくりが大切です。


例えば、車椅子を使うご家族がいるケースを考えてみましょう。車椅子のままテーブルに入れるようにしたい場合は、車椅子が入れる高さのテーブルを選ぶ必要があります。シーンに合わせて高さを調整できるテーブルもあるので検討してみるといかもしれません。このほか、車椅子から移乗(ほかの椅子へ移ること)ができる場合は、スムーズに別の椅子へ移れるよう間取りや家具の配置を十分検討したいですね。


「浴室」は滑りにくい素材選びが大切

浴室は身体の清潔を保つために必要な場所なので、誰もが安心安全に使えると嬉しいですよね。入浴中にケガをしないよう、床材は滑りにくく、やわらかい素材のものを選ぶとよいでしょう。また、介護が必要な場合を考えて、介護者とともに浴室へ入れるよう、浴室やバスタブの広さを検討しましょう。車椅子の利用を考えて、シャワー用車椅子で入れるよう浴室の間口を広めにとることもポイントの一つです。


「トイレ」は広さと間取りが重要

生活する上で欠かせないトイレ。新築時はバリアフリー設計にしておらず、後にリフォームをしてバリアフリー化する方も多いようです。トイレの場合は、段差のない床にする、クッション性のある床材を使う、L字手すりを設置するといった工夫が可能です。


このほか、寝室から近い場所にトイレを配置する間取りにすれば、寝床からトイレに行きやすく高齢者が暮らしやすい家になるでしょう。車椅子の利用を考える場合は、出入り口を広めにとり、トイレ内のスペースは約1坪の広さがあると安心です。


「廊下」「階段」は幅の確認や手すり、照明の設置に工夫を

廊下や階段は安心、安全に住戸内を移動できるよう設計や仕様を検討しましょう。廊下の場合、伝い歩きだと、幅員は780mm以上確保すれば大丈夫ですが、車椅子を使用する場合は、最低850mm以上確保したいところです。


このほか、廊下や階段では転倒を防ぐため「手すりを設置する」「滑りにくい床材を使う」といったことも検討しましょう。足元が暗くならないよう、照明にも配慮できるとさらに安心です。


「洗面台」「キッチン」は使いやすい高さがカギ

洗面台やキッチンは、車椅子を使う方や、立ったままの姿勢が辛いという方が利用しやすいよう、座ったままでも作業しやすい高さやサイズ、カタチを考えましょう。例えば、座った時に足を納められるよう、足元にスペースを作っておくほか、移動時には手すりがあると便利です。


また、将来を見据えて、高さの調節ができるキッチンを選ぶのもよいですね。コストはかかりますが、高齢になってもキッチンを負担なく使うことができるのではないでしょうか。


「玄関」は引き戸に、段差をなくす工夫をしよう

玄関は、土間から玄関ホールに上がる段差が気になるところ。スロープをつけたり、フラットにしたりして、段差をなくすとよいでしょう。また玄関ドアは、押したり引いたりして開閉する開き戸よりも、開口幅の広い引き戸がおすすめです。


引き戸なら、出入りが追い付かず足がドアに挟まれる、風で急に扉が閉まってしまう、という危険性がありません。このほか、靴の脱ぎ履きなどで利用できる腰掛けスペースをつくったり、足元を照らす照明を作ったりしておくと便利です。


道路から玄関までのアプローチ(通路)はスロープがあると便利

道路から玄関までのアプローチもバリアフリー化しておきたい場所のひとつです。段差がある場合はスロープを作ったり、手すりを設けたりする方法があります。


スロープを作る際には、雨の日を考慮し、スロープの水はけをよくするほか、屋根をつけておくと安心して利用できます。新築時にスロープを設けない場合も、いずれスロープを設けられるよう、玄関まわりは余裕を持った敷地を確保しておきたいですね。


バリアフリー住宅を新築・リフォームする場合の補助金や減税制度


バリアフリーの住宅を新築、リフォームする場合には、国や自治体の補助金や減税制度を利用することができます。具体的にどのような制度を活用できるのか解説します。


介護保険制度による補助金

介護保険制度には「居宅介護(介護予防)住宅改修費」という項目があり、一定の条件を満たした場合、介護のためのリフォームに対して補助金が支給されます。対象者は、要支援や要介護に認定されている介護保険の被保険者で、支給額は支給限度基準額(20 万円)の 9 割(18 万円)が上限となります。


参考:厚生労働省「介護保険における住宅改修」


自治体による助成金

自治体のなかには「バリアフリー化支援金」や「高齢者住宅整備金」などの名称で、助成金制度を運用しているケースがあります。こちらは、要介護認定を受けていない方でも対象となる可能性もあるので、詳しい概要については、自治体ホームページなどで確認してみてください。


バリアフリー改修工事でローン控除や減税制度も活用

一定のバリアフリー改修工事を行った場合に活用できる、国の制度がいくつかあります。改修後居住を開始した年の所得税額が一定額控除される特例措置や、住宅ローンを組んだ場合に適用される所得税の特別控除、固定資産税の特例措置などです。バリアフリー改修工事をする際には、ぜひ活用しましょう。


参考:国土交通省「バリアフリー改修に関する特例措置」


バリアフリーを実現!住宅展示場見学の際に意識したいこと


バリアフリー住宅を建てるために住宅展示場を見学しよう、と考えている人もいるのではないでしょうか。住宅展示場を見る際のポイントをいくつかご紹介します。


車椅子を想定した間取りや動線を確認

車椅子でも不自由なく暮らす家づくりをするためには、間取りや動線が重要となります。「廊下や扉の間口を広めにとる」「玄関や居室の段差をすべてなくす」など、どこに、どのような配慮が必要なのかイメージしながら、住宅展示場を見学してみてはいかがでしょう。


住宅の空調システムや気密性を確認

高齢者の事故で多いヒートショックを防ぐために、寒暖差の少ない家づくりができるかどうかをチェックしましょう。住宅展示場を訪れた際には、住宅に採用できる空調システムや気密性を確認しておくと安心です。


将来のリフォームを想定して見学を

注文住宅を建てる際、ライフスタイルに合わせて将来的にリフォームを検討するという方もいるでしょう。実際、壁に手すりをつけるとなると、ある程度の強度が必要となります。住宅展示場を見学するときに壁の強度を確認しておくと、いざ手すりが必要になった際の対応を考えやすいでしょう。


バリアフリー住宅で誰もが暮らしやすい住まいを設計しよう!