
床暖房はマイホームに必要か?メリット・デメリットや設置時の注意点
床暖房がマイホームに必要かどうか検討するとき、メリット・デメリットや設備にかかる費用が気になる方もいるのではないでしょうか。今回の記事では、床暖房の種類や、エアコンと比較したメリット・デメリット、実際に床暖房を設置する場合の注意点をご紹介します。
マイホームに床暖房は必要?
マイホームに床暖房が必要かどうか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。新築時にはどのような暖房設備を選べばよいのか気になる方もいるかもしれません。暖房設備の一つである床暖房について気になることを、マイホーム購入検討者に聞いてみました。
「新築マイホームに設置する暖房設備として、エアコンを使うか床暖房を設置するかで悩んでいます。床暖房のメリットとデメリットを知って比較検討したいです」(30代男性)
「床暖房は工事費や光熱費が高いと聞きます。実際に床暖房をつけるとなると、工事の費用や電気代はどのくらいかかるのでしょうか」(20代女性)
マイホームに床暖房を設置するメリット・デメリットや、床暖房にかかる工事費や電気代などの費用が気になるといった声がありました。今回の記事では、床暖房の種類や特徴、実際に設置する場合の注意点などをご紹介します。ぜひ家づくりの参考にしてください。
床暖房の種類は「温水式」と「電気式」
床暖房は大きく分けて2つの種類があります。ここでは、それぞれの種類の特徴をご紹介します。
「温水式」床暖房
温水式床暖房は、電気、ガス、灯油などの燃料で沸かしたお湯を、床暖房パネルに循環させることで部屋を暖める床暖房システムです。どのようにお湯を沸かすかによってコストや特徴が異なりますが、電気式の床暖房に比べてランニングコストが安いのが一般的です。リビングなど広い範囲を暖めたい場合におすすめです。
「電気式」床暖房
電気式床暖房は、発熱体に電気を通し放熱する方式の床暖房システムです。熱源機が必要ないので比較的設備費は安いですが、光熱費などのランニングコストは割高になります。キッチンや浴室などの部分暖房や、使用時間が短いお部屋におすすめです。
床暖房のメリット
マイホームの暖房設備として、エアコンと床暖房で迷っている方もいるのではないでしょうか。ここでは、床暖房のメリットをご紹介します。
床暖房のメリット1:裸足でも快適!部屋全体が暖まる
床暖房は「ふく射熱」と「熱伝導」と「自然対流」を組み合わせて部屋を暖めます。「ふく射熱」とは熱線が物体に当たって熱となるもので、壁や天井、家具などにも吸収され、その熱が再び放射され室内の空気を暖めます。
室温がそれほど高くなくても暖かさを感じることができるほか、高気密・高断熱の家なら、床暖房だけでも家全体を暖かく保つことができるでしょう。また、床暖房の場合は、足元から暖かくなるというのも嬉しいメリット。熱が上にこもらず、のぼせにくいとも言われています。
床暖房のメリット2:音や風を気にする必要がない
床暖房の場合は、音や風を気にする心配がありません。風が出ないので、ホコリなどのハウスダストが舞い上がりにくいのもうれしいですね。一方で、エアコンは温風による対流方式で温めるため、使用時の音や風が気になる方もいるかもしれません。
床暖房のメリット3:季節ごとの出し入れや掃除が不要
床暖房は床面そのものが暖房設備となっているので、季節ごとに出し入れをする必要がありません。また、エアコンは定期的にフィルター掃除などをする必要がありますが、床暖房は掃除をする必要がなく手間がかからないといったメリットがあります。
床暖房のデメリット
床暖房にはメリットも多くある一方、デメリットもあります。エアコンと比較したときのデメリットをいくつかご紹介します。
床暖房のデメリット1:設置費用がかかる
床暖房は、エアコンに比べると設置する際の初期費用が高くなる場合が多いでしょう。電気式床暖房(6〜10畳)の場合は最低30~40万円、温水式床暖房(6〜10畳)の場合は最低50〜60万円と言われています。家づくりの予算を考えるときには、床暖房の設置費用も考慮して検討するとよいでしょう。
また、リフォームで床暖房の設置を考えている方は、既存の暖房機器を活かせるよう床下に断熱材を使用するという方法もあります。床以外にも、窓や天井、壁の断熱性を上げることで、設置費用を抑えつつも熱が逃げにくい家となるでしょう。
床暖房のデメリット2:光熱費が高い
床暖房の光熱費がいくらになるかは、住んでいる地域や住宅性能、使用頻度によって異なるため一概には言えません。しかし、床暖房とエアコンを同じ条件で使った場合、床暖房のほうがエネルギー効率が低く、エアコンに比べて割高になると言われています。
床暖房のデメリット3:メンテナンス費用が高い
マイホームで快適に暮らすためには、一定期間ごとにメンテナンスが必要です。床暖房の場合は、不凍液と呼ばれる液体が使用されているタイプだと10年程度でハウスメーカーに不凍液を交換してもらう必要があります。不凍液の交換には、約15畳の床暖房で3~5万円程度かかると言われています。
さらに、床暖房が故障してしまった場合には、高額の修理費用がかかります。「床暖房が突然故障して高額な修理費用が必要となった」といったことにならないよう、定期的な点検を業者に依頼するなど、メンテナンス計画を立てておくと安心ではないでしょうか。
床暖房を設置する場合の注意点
マイホームに床暖房を設置する場合には、どのようなことに注意するとよいのでしょう。知っておきたい注意点を解説します。
床暖房部分は放熱を妨げないように配慮を
床暖房部分には、座布団やカーペット、脚のないソファーなど放熱を妨げるものを置かないようにしましょう。置かれた物が接触しているところから放熱できなくなり、接触部分の温度が高くなるため、床材のひび割れや変色の原因になる場合があるためです。ソファーやベッドなどを置きたい場合は、脚があり、床面から5cm以上離れているものにするとよいでしょう。
重たいものを置くときは床暖房パネルの耐荷重を確認する
床暖房部分にソファなどの重たいものを置きたいときは、床暖房パネルの耐荷重を確認してそれ以上の重さのものを置かないようにしましょう。ピアノなどを置くときは、脚部にインシュレーターや敷板などを敷き、重量を分散させることで設置できる場合があります。施工前に家具などのレイアウトを考えておくと安心ではないでしょうか。
床暖房の設置はメリット・デメリットを把握して検討を
床暖房がマイホームに必要かどうか悩む方は多いようです。今回は、床暖房の種類やメリット・デメリットなどをご紹介しました。床暖房は足元から暖まり、風や音を気にしなくてもよく快適に使えるといったメリットがあります。一方で、設備費用やメンテナンス費用、光熱費などのランニングコストがエアコンに比べて高いといったデメリットがあることも覚えておきましょう。メリット・デメリットを把握して、床暖房が必要かどうか家族で話し合ってみてくださいね。