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パティオとは?一戸建てに設けるメリット・デメリットと活用例を紹介

家選びネット公式 (ie-erabi.net) 2022-11-21
間取り・設備

パティオとは、スペイン語で「中庭」のこと。パティオを新築住宅に取り入れたいと考えている方もいますよね。今回の記事では、パティオのある暮らしのメリット・デメリットに加え、実用的に使うためのコツや、間取りの実例をご紹介します。おしゃれなパティオのある住まいづくりに、是非役立ててください。


パティオとは、スペイン語で「中庭」のこと


パティオとは、スペイン語で「中庭」「裏庭」のことを言います。日本とは違い土足文化のあるスペイン地方において、パティオは「屋外のもうひとつの部屋」と位置づけられています。多彩なタイル張りの床や噴水などを設置するほか、植木を植え、家具を置くなど、暑い気候のなかで涼を得るためのオープンスペースとして使われているのです。


パティオは、食事を楽しんだり、景色を眺めたりと、住む人のさまざまな使い方に合わせてアレンジできるのが特徴で、このようなパティオがある住宅は「コートハウス」とも呼ばれます。


日本で見られるパティオはどんなもの?

日本の建築住宅におけるパティオは、単純に「中庭」を指す場合もあれば、マンションなどの集合住宅の場合は入居者だけが利用できる「屋外共同スペース」を指すこともあります。庭やスペースのことを広い意味で「パティオ」と呼んでいるようです。


中庭として一戸建て住宅にパティオを設ける場合は、壁や窓で四方を囲んで完全なプライベート空間を楽しめる「ロの字(回廊型)」タイプや、三方向だけを壁や窓で囲い開放感を演出した「コの字」タイプなどがあります。


「パティオ」と「テラス」との違いは?

パティオもテラスも、屋外スペースに設けられているため、同じものと考えている方もいるでしょう。どちらも法的に明確な違いがあるわけではありませんが、


  • パティオ:空に開かれたオープンな中庭・裏庭
  • テラス:地面から一段高くなった場所


という意味で使い分けられているケースが多いでしょう。住宅の1階にあるテラスは、掃き出し窓で室内とつながる一体感がある点が特徴です。


パティオのメリット3つ


パティオがある住宅にはどのようなメリットがあるのでしょうか。以下に3つご紹介します。


<メリット1>自然光を取り入れやすい

パティオがある住宅は、家の中に太陽光を取り入れやすいメリットがあります。家の中心にパティオを設けることで、一般的に採光を取り入れにくい北側の部屋にも心地よい自然光を取り込めるでしょう。


また家の中心にパティオがあると、そこから風の通り道ができ、家の中に自然の空気を流すことも可能です。風の通り道ができることで空気の循環が良くなり、カビや結露の発生を防ぐこともできます。


<メリット2>日常的な癒やしのプライベート空間になる

パティオは、プライバシーを守りつつ、屋外の環境を楽しむことができる点もメリットとして挙げられます。例えば、都市部に多く見られる「土地が狭く、隣の家との距離が近くて落ち着かない」といった敷地条件だとしても、外からの視線を気にすることなくプライベートな屋外空間を楽しむことができる点は大きなメリットではないでしょうか。


スペインでは日常のオアシスとして人々に活用されているパティオ。日本でも、パティオがある住宅は日常的に癒やしをもたらしてくれる特別な空間となることでしょう。


<メリット3>子どもやペットを安心して遊ばせられる

家の中にあるパティオは、壁や窓で囲まれているため、子どもやペットを安心して遊ばせられるのも魅力のひとつ。外部の人間の浸入を防げるためセキュリティにも優れていますし、子どもやペットが道路に飛び出してしまう危険性もありません。家族が安心して伸び伸びと過ごせる空間として利用できます。


パティオを設けて後悔することも。デメリット3つ


パティオがある住宅にはメリットがある一方、デメリットもあります。パティオを検討中の方は、デメリットを把握して後悔のないようにしましょう。


<デメリット1>メンテナンスの費用や手間がかかる

パティオは、長期的にメンテナンス費用やその手間がかかってきます。どの角度からも中庭を眺められるように窓が多く使われていることが多いパティオは、窓拭きの手間や、屋外のため雑草などの手入れも伴ってきます。状況によっては業者への依頼が必要となることもあることを知っておきたいですね。


<デメリット2>災害時に水が溜まりやすい

パティオは、雨が降ったときに水がたまり、水害を受ける危険性があります。通常の雨でも、水がきちんと屋外に排出されなければ、パティオや隣接する居室を傷めてしまうかもしれません。突然の集中豪雨や台風による大雨などに見舞われた場合、被害は大きくなると考えられます。


日常的に水がある状態だと、虫やカビの発生も考えられます。水のトラブルを避けるためには、排水設備に万全を期すことが重要です。とくにロの字型(回廊型)タイプのパティオは、パティオの四方を建物で取り囲んでいるため、排水設備を設けないと水の逃げ場がなく、雨水などが住宅に浸入してくることも考えられるでしょう。排水に関して、設計段階で十分な対策を検討する必要があります。


<デメリット3>断熱性が劣る

パティオは、その景観を楽しむため窓が多くなる傾向があります。一般的に窓は、熱や冷気が逃げやすくなる部分。パティオから熱や冷気が漏れやすくなり、それに伴って空調費が高くなってしまう可能性もあります。窓を多くとるパティオは、家の断熱性を低くしてしまうのです。


対策としてパティオを囲む窓は、ペアガラスやトリプルガラスなど、断熱性の高いタイプを選ぶようにし、室内の熱や冷気が逃げないようにするとよいでしょう。


おしゃれで実用的なパティオにするコツ


プライバシーを守りながら、屋外の開放感を楽しめる空間として近年注目を集めているパティオ。ここからは、おしゃれで実用的に使えるパティオにするコツをご紹介します。


デッキを敷いて幅広い用途として使おう

パティオに「デッキ」を敷くことで、使いやすさがぐっと上がります。デッキで子どもたちが遊んだり、ヨガを楽しんだりなど、使い方の幅が広がることでしょう。一部をデッキにし、デッキ以外の部分は芝生やタイルなどを敷くと、全体のデザインにメリハリがつけられるためオススメです。


また、パティオ全面をデッキにして各部屋とつなぐことで、パティオを廊下代わりにすることも可能。家族みんなが自然と集まってくる空間にすることができます。家族の暮らしに合わせたデザインを検討しましょう。


ソファを置いてアウトドアリビングに

パティオにテーブルやソファを置いて、アウトドアリビングとして楽しむ活用方法もあります。来客がある際は、パティオでパーティーを開くこともできるでしょう。パティオは壁に囲まれていますが、空に向かって開かれた空間でもあることから、外部からの視線を気にすることなく開放感を味わえます。天気がよい日に気分をかえて外で食事したり、ティータイムを楽しむ時間にしたりすることができますね。


関連記事:アウトドアリビングとは。置きたい家具・設備や間取りの実例を紹介


あえて上階にパティオを設けても

2階以上に設置したパティオは、1階に設置したパティオよりも風が通り抜ける心地よい空間となります。上階ならカーテンやシェードがなくても外から覗かれる心配もなく、よりプライベートな時間を過ごすことができるでしょう。


上階にパティオを設ける場合の床材は、手入れ面を考慮して「デッキ材」にするのがオススメです。また、パティオに接する窓は大胆に大きめにとることで、室内から見える外の景色も変わることでしょう。上階にパティオを設けた家だからこそ可能な間取りを実現することができます。


和モダンなパティオで楽しむ優雅な大人な時間を

パティオに植える植栽に竹などの四季の移ろいを感じられる和のアイテムを取り入れてみるのはいかがでしょうか。「パティオは洋風の中庭」というイメージを持っている方も多いかもしれませんが、和のアイテムを上手に取り入れることで、洋風のパティオとはひと味違ったオリジナリティのある雰囲気にすることができます。


和モダンにデザインされたパティオは、例えば都会などで住宅の周辺が現代的な建築物ばかりだったとしても、茶などを楽しむ優雅な大人の時間を楽しむ空間になることでしょう。


二世帯住宅の境界スペースとして、和モダンなパティオを設置するのもひとつの方法。二世帯住宅の場合、居住する家族の年代が幅広くなるため、和モダンなデザインのパティオは世代間ギャップが生まれにくくおすすめです。


居住空間が別々になるタイプの二世帯住宅を検討中の方は、程よくプライバシーを確保する空間としてこのようなパティオを取り入れてみてもよいかもしれませんね。


パティオを設けるときに注意したいポイント


ここからは、実際にパティオをつくるときに抑えておきたいポイントをお伝えします。


パティオでの過ごし方を明確にする

パティオを設ける際は、どのような過ごし方をしたいのか、イメージを明確化しておきましょう。過ごし方によってパティオの大きさ、形、採光がとりやすい位置かどうかなどの設置条件が変わってきます。パティオでは次のような過ごし方が考えられます。


  • ガーデニングを楽しむ場
  • 景色を眺める場
  • 語らいの場 


たとえばパティオでお茶を楽しみたい場合は、木陰をつくったり、オーニングやパラソルなど日陰をつくったりする工夫が必要です。パティオで後悔しないためには、過ごし方を考慮した上でのプランニングが大切でしょう。


採光面を考慮して建物の高さを検討する

パティオを設置する際は、太陽の光が差し込みやすいよう建物の南側の高さを低めにしたり、採光面を考慮して建物の高さと広さのバランスをとったりすることが重要です。


パティオに植栽計画がある場合、日当たりや風通し、気温、湿度などを考慮した間取りにしにして、植物が育つ心地よい空間にする必要があります。戸建て建設予定の地域や風土にあった建物の高さを検討しましょう。不明点がある場合は、プランナーに聞くと相談にのってくれます。


大手ハウスメーカーで叶えられるパティオのある間取り実例


パティオを戸建てに取り入れた場合、どのような家づくりができるのか、ハウスメーカーで建てられる施工実例をご紹介します。


<実例1>ダイニングとリビングをつなぐパティオでさまざまな使い方ができる間取り

ダイニングとリビングの間にパティオを設けて、パティオを中心とした開放的な空間を可能にした実例があります。開放感のある大きな掃き出し窓とつながるパティオは、素足でも出られるデッキ材を採用。まるでワンフロアのように、室内とパティオにつながる空間を楽しめます。


隣の家の視線が気になる場合は、隣家との間に大きめのパラソルを設置することで、プライバシーを確保できます。パティオに使用する材や窓の取り方次第で、さまざまな使い方ができ、心置きなく家族とおだやかな時間を過ごせる空間となりそうです。


<実例2>パティオの周囲をガラスで囲んで外部の視線を気にせず過ごせる間取り

都会などの狭小地に戸建てを建てる場合は、家の隣にマンションなどの集合住宅があることもあるでしょう。マンションだと高層階からの視線も気になるところ。そのような条件でも工夫次第で素敵なパティオをつくることが可能です。


隣接しているマンションからの視線は、パティオをフロントガラスで囲むことで解決してくれます。ガラスとガラスの間を縦横に隙間を開けて、自然通気を取り込めるようにしておくと風の通り道も確保できます。背の高い樹木を植えるのも、視覚的効果をもたらすでしょう。都心に住みながら外部の視線を気にすることなく、自然を感じることができるオススメの間取りです。


パティオを設けて後悔のないおしゃれな一戸建てを建てよう


パティオとは何か、その意味やメリット・デメリット、間取りの実例をご紹介しました。パティオを設けることで、空間にメリハリが生まれ、おしゃれでこだわりのある空間を演出することができます。


ただし、建築後に後悔することがないよう、パティオを設ける際は具体的な使い方のプランニングをしておくことが大切です。後悔のない理想的なパティオのある家を建てられるとよいですね。


関連記事:庭付き一戸建てを建てよう。庭の活用方法やつくり方実例を紹介

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