用途地域とは?検索の仕方や13種類の特徴。住宅建築時のポイントも解説

基礎知識 2021-11-02
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用途地域とは、わかりやすく言うと「土地の使い方が定められた地域」のことです。用途地域について種類や制限、調べ方を知りたいという方や「用途地域がまたがる場合はどうなる?」「無指定とは?」といった疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。今回は13種類の用途地域に注目し、法律にもとづく制限や特徴について詳しく解説していきます。


用途地域とは、土地の用途や建築規制が定められた地域のこと


用途地域は13種類、3つのタイプに分かれる

用途地域とは「行政によって土地の使い方や建物の建て方が決められているエリア」のことです。大きく「住居系」「商業系」「工業系」の3つに分類され、さらに13種類の地域に分かれています。


では、なぜ用途地域を定める必要があるのでしょうか。たとえば、家の近くに「工場」や「商業施設」「ビル」などが入り乱れた状態のまちは、住みづらく、景観もよくありません。そうならないよう、互いの利便や生活環境を守るために土地の用途を定めたものが「用途地域」なのです。


用途地域は、都市計画法にもとづく「地域地区」の一つ

行政は都市計画法にもとづき、それぞれの実情にあわせた都市計画を立てます。


都市計画では、まちを「都市計画区域」と「都市計画区域外」に分け、さらに都市計画区域を「市街化区域」「市街化調整区域」「非線引き区域」の3つに区分します。


このなかで用途地域は、市街化区域(=市街化を進める地域)において指定されている「地域地区」の一つです。地域地区とは、土地に一定の規制を定めたエリアのことで、市街化区域内には土地利用や防火・防災、景観に関するものなど、全21種類の地域地区があります。


用途地域が定められていない地域「無指定」とは

日本のすべての土地に、用途地域が定められているわけではありません。用途地域が指定されていない地域や区域区分がされていない土地は、通称「無指定」「無指定区域」などと呼ばれます。


具体的には「非線引き区域」や「市街化調整区域」が無指定と呼ばれます。非線引き区域とは、先述したように都市計画区域のうち、市街化区域と市街化調整区域(=農地や森林を守る地域)以外のエリアのことです。「非線引き区域」のなかで用途地域の定めがない地域は「白地地域」と言われ、この地域が「無指定」と呼ばれるのが一般的です。広義な意味合いとして、人があまり住んでいない「都市計画区域外」が無指定と呼ばれるともあります。


無指定地域の場合、用途地域のような区域による建築規制はありません。しかし、市街化調整区域内では開発許可によって建築がコントロールされます。白地地域においては、地方自治体の条例によって各種制限を設けている場合があることを覚えておきましょう。


用途地域がまたがる場合は、過半を占める方が適用される

2つの用途地域がまたがる土地の場合は、過半の敷地面積を占める用途地域の規制が適用されます。そのような土地に家を建てる場合は、適用される用途地域の制限によって、建築可能な家の高さや大きさが変わるため、どちらの規制が適用されるのかあらかじめ確認しておくことが大切です。


用途地域の調べ方


用途地域はどのような方法で調べられるのでしょうか。ここでは、用途地域の調べ方を2つご紹介します。


自治体窓口で調べる

用途地域は、土地がある地域の自治体窓口へ行くと確認できます。自治体によっては、電話やメール等による照会を行っているところもあるようなので、直接出向くことが難しい場合は、問い合わせてみるとよいでしょう。


インターネットで検索する

各自治体のホームページで、用途地域等の都市計画情報を確認することもできます。検索ワードに「自治体名 + 用途地域」と入力し、検索する方法が最も簡単かもしれません。ただし、インターネットによる情報は、あくまでも参考にとどめ、正確な情報は直接自治体に確認することが望ましいでしょう。


用途地域13種類の特徴をわかりやすく紹介


用途地域は全13種類にあり、用途にあわせて「住居系」「商業系」「工業系」に区分されます。ここでは、それぞれの用途地域のまち並みや特徴について解説します。


住居系

住居系の用途地域は、住環境の維持が優先される地域です。基本的に大きな工場や商業施設は建てられません。13種類の用途地域のうち、8種類が住居系の地域です。


● 第一種低層住居専用地域

第一種低層住宅専用地域は、1~2階建て程度の低層住宅において良好な住環境を保護する地域です。閑静な家が建ち並ぶ住宅街をイメージするとよいでしょう。診療所や小中学校のほか、飲食店やクリーニング店など日常生活に関わる小規模な店舗は建築できますが、コンビニエンスストアは設置できません。


●第二種低層住居専用地域

第二種低層住居専用地域は、主に低層住宅の良好な住環境を保護する地域です。小中学校に加え、コンビニなど150㎡以下の店舗を建築できます。コンビニエンスストアの建築が認められており、第一種低層住居専用地域に比べると利便性の高い地域となっています。


● 第一種中高層住居専用地域

第一種中高層住居専用地域は、3階建て以上の中高層住宅を保護する地域です。中規模のマンションが立ち並ぶ町並みをイメージするとよいでしょう。低層住居専用地域で認められているものに加え、大学や病院、500㎡以下までの店舗、飲食店などを建築できます。


●第二種中高層住居専用地域

第二種中高層住居専用地域は、主に中高層住宅の環境を保護する地域です。病院や小規模なスーパーといった利便施設に加え、1,500㎡以下までの一定の店舗や事務所などが建築できます。ボーリング場などの遊戯施設や工場の建設は認められていません。


● 第一種住居地域

第一種住居地域は、住居環境を保護する地域です。3,000㎡までの中規模店舗や事務所、ホテルや旅館などの建築が可能です。遊戯施設も条件付きで建設可能なほか、50㎡以下の工場も建てられます。住居専用地域に比べると、さまざまな建物が混在している地域と言えるでしょう。


● 第二種住居地域

第二種住居地域は、主に住居の環境を保護する地域です。第一種住居地域で建築可能な建物に加え、10,000㎡以下の店舗や事務所のほか、カラオケ店やパチンコ、ホテルなどを建築できます。さらには、環境への影響が少ない小規模工場等の建築も認められている地域です。


● 準住居地域

準住居地域は、利便性と住居環境の調和を目指した地域で、幹線道路沿いのエリアなどをイメージするとよいでしょう。道路の沿道を活かした店舗や小規模の映画館、倉庫等に加え、住環境を悪化させない小規模工場などが建てられます。


●田園住居地域

田園住居地域は住宅と農地が調和して、良好な居住環境と営農環境を形成する地域で、2019年4月に追加されました。住宅のほか、幼稚園から高校までの教育施設や図書館に加え、病院や小規模店舗など生活に必要とされる建物の建築が可能です。


商業系

商業系の用途地域は、商業その他の利便を増進するための地域です。「危険性が高い」または「悪影響を及ぼす可能性がある」工場を除き、多種多様な建物を建築できます。商業系に該当する2つの地域を見ていきましょう。


●近隣商業地域

近隣商業地域は、近隣住民が日用品の買い物などをするための地域です。住宅に加えて、病院や学校などの公共施設や映画館などの娯楽施設を建てられるほか、小規模な工場も認められています。キャバレーやナイトクラブ、風俗営業店の建築はできません。


● 商業地域

商業施設は、主に商業、その他の利便を増進するための地域です。銀行や映画館のほか、飲食店や百貨店、小規模工場など多種多様な建物が集まります。近隣商業地域では禁止されているキャバレーやナイトクラブ、風俗営業店の建築も可能です。


工業系

工業系の用途地域は、主に工場の利便を増進するための地域で、3つの地域に分かれています。


●準工業地域

準工業地域は、主に軽工業の工場やサービス施設等が建ち並ぶ地域です。危険性が高い、または住環境悪化の恐れがある工場は建てられませんが、それ以外の建物はほとんど建築できます。


● 工業地域

工業地域は、主に工業の利便を増進する地域で、基本的にどのような工場でも建てられます。住宅や店舗も建築可能ですが、学校や病院、ホテルや映画館などは認められていません。


●工業専用地域

工業専用地域は工場のための地域で、唯一「住宅」の建築が認められていない地域です。コンビナートや工業団地などが該当します。基本的にどのような工場でも建てられますが、住宅のほかに、店舗や学校、病院やホテルなどの建築は認められていません。


参考:国土交通省「土地の使い方と建物のルールの話」


用途地域によって住宅の建築制限はさまざま


秩序あるまちづくりのため、それぞれの用途地域には、土地の利用目的に沿った各種規制が設けられています。たとえば建物を建てる場合には、用途以外に容積や形態等について次のような最低限のルールが定められています。


・高さ制限

その土地に建てられる建物の高さの上限を制限するものです。用途地域のほか高度地区の種別、都市計画などによってそれぞれの上限値が指定されています。


・道路斜線制限

その土地に建てられる建物の高さの上限を制限するものです。敷地が接している前面道路の反対側の境界線から一定のこう配で示された斜線の内側が高さの上限で、用途地域ごとに、こう配の値が指定されています。


・日影規制

一定の高さ以上の建築物に対し、近隣の日照を確保し、まったく日が当たらないことのないように建物の高さを制限する規制です。


・建ぺい率

敷地面積に対する建築面積の割合


・容積率

敷地面積に対する建築延べ面積の割合 など


同じ広さの土地であっても、用途地域の違いで、建てられる家の大きさや高さは異なります。建築制限を知りたい場合は、各自治体の窓口で調べられます。土地を購入する際には、後悔のないよう用途地域についても確認しておくとよいですね。


用途地域の特徴を活かし、ハウスメーカーで家づくり


用途地域によって、建てられる家のカタチはさまざまです。大手ハウスメーカーなら、それぞれの用途地域の建築制限を守りながらも、住みよい暮らしを実現できる設計・間取りの提案を期待できるでしょう。一生に一度のマイホームづくりを安心して任せられるハウスメーカーが見つかるとよいですね。


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用途地域の違いを知って、建築規制を守った家づくりをしよう