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建築確認申請とは?不要なケースや費用、建築時の流れなどを解説

家選びネット公式 (ie-erabi.net) 2022-03-28
基礎知識

建築確認申請はなぜ必要なのでしょうか。「申請不要なケースはある?」「申請書提出の流れや費用は?」「申請しなかった場合はどうなる?」などさまざまな疑問を持つ方もいるかもしれません。今回は、建築確認申請の概要や家づくりの流れ、建築確認後に設計を変更したい場合や、交付書類を紛失した場合の対応などについて分かりやすく解説します。


建築確認申請とは


新築一戸建てなど建築物を建てるときは、建築確認申請をして、検査済証の交付を受ける必要があります。建築確認申請をしないまま家を建ててしまった場合はどうなるのでしょうか。まずは、建築確認が必要な理由について解説します。


建築確認申請が必要な理由。しなかったらどうなる?

建築確認とは、新築や増改築をする建物が建築基準法に適合したものであるかを確認するための制度です。自治体等に建築確認申請書を提出し、「建ぺい率や容積率が守られているか」「住環境や建物の耐久性に問題がないか」など、多岐にわたって確認を受け、住宅性能や安全性が合法と判断されれば、着工に進むことができます。


建築確認申請をしないまま、工事を始めたり家を建てたりした場合は、違法となってしまいます。施工会社や敷地の所有者に対して、違反を是正するための措置をとることが求められ、従わない場合は施工の停止や使用禁止命令などが下されます。さらにこの命令に従わない場合は、罰金刑や懲役刑が課されることもあります。


DIYが得意な方は「自分で建築物を建てよう」と考えるかもしれませんが、建築確認申請を怠らないよう十分注意しましょう。


建築確認申請が不要なケースもある 

これまで建築確認の必要性について述べましたが、一定の条件に該当する場合は、建築確認が不要となります。建築確認申請が不要なケースは以下の通りです。

  • 防火地域、準防火地域以外で計10㎡以内の増築や改築を行う場合
  • 建築基準法上による建築物に該当しない場合
  • 都市計画区域外などで四号建築物を建築する場合 など

たとえば、ガレージやプレハブ物置、カーポートなどの増築は、「防火地域、準防火地域以外で合計10㎡以内」という条件を満たすことで、建築確認が不要となります。また、地面に置くだけのプレハブ物置なら、「建築基準法による建築物に該当しない」という理由で建築確認が不要となることが考えられるでしょう。


また、上記にあるように、都市計画区域や準都市計画区域などで四号建築物に該当する建物を建築する場合も、確認申請が不要です。


四号建築物とは「建築基準法6条1項の四号に規定される建築物」のことで、一号から三号の建築物以外の建築物を指し、次のような建物が該当します。

  • 一定規模以上の特殊建築物ではない
  • 木造建築物は2階建て以下、延べ面積500㎡以下、高さが13m以下、軒高が9m以下
  • 非木造建築物は1階以下、延べ面積200㎡以下

都市計画地域外など一定の地域において、上記のような条件を満たす建物は建築確認が不要となります。木造2階建てや平屋建て、コンテナハウスなどがこれに該当するケースがあるため確認してみるとよいでしょう。


注意点として、確認申請が不要であっても建築基準法は原則すべての建築物に適用されます。建物によっては固定資産税が課税されるケースもあるため、建築物を建てる際は、建築確認の要否だけでなく、固定資産税についても確認しておくと安心でしょう。


建築確認申請の流れと期間


建築申請は、建築主に代わって工務店やハウスメーカーなどが代理人となり申請業務を行うことがほとんどですが、建築確認申請の流れを理解しておけば、家づくりのスケジュールも立てやすいでしょう。ここでは、建築確認申請を踏まえた家づくりの流れや期間を解説します。


建築確認申請をして家づくりを行うときの流れ


着工前の「建築確認」

新築一戸建てを建てる場合、1回目の建築確認は着工前に行われます。自治体または自治体による民間の指定確認検査機関に申込を行い、設計図などの書類をもとに確認を受けます。問題がなければ「建築確認済証」が交付され、これをもって工事に着手することができます。


工事中の「中間検査」

工事中は、「3階建て」など自治体が指定した一部の建築物についてのみ、「中間検査」が行われます。中間検査は、建物完成後に外からの目視で確認できなくなる箇所についての確認が主な目的です。工事の工程チェックが終わり合格すると「中間検査合格証」が交付され、次の工程に進むことができます。


完成後の「完了検査」

家が完成したら、申請通りに建てられているか現地確認を行う「完了審査」があり、問題なければ「検査済証」が交付されます。建築物がいつでも使用開始できる状態となり、この後「引き渡し」が行われるのが一般的です。


建築確認申請にかかる期間

着工前の建築確認や完了検査などの審査にかかる日数は、1週間程度が多いようです。何も不備がなければスムーズに進みますが、不備があった場合は、再度審査を受けることになるため、数週間程度かかることもあります。


建築確認申請にかかる費用相場


建築確認申請時には、それぞれの検査ごとに手数料がかかります。例えば、東京都のケースを見ると、床面積の合計が30㎡を超え100㎡以内の場合、着工前の確認申請で9,400円、中間検査申請と完了検査申請にそれぞれ11,000円かかります。手数料は自治体ごとに異なるため、申込先の自治体ホームページを確認してみるとよいでしょう。


また確認申請は、先述のように自治体のほか「自治体が指定した民間検査機関」に申し込むことも可能で、手数料は民間検査機関の方がやや割高となっているようです。いずれにしろ、手数料は決められた期日内に現金で支払う必要があるため、早めに費用相場を確認し準備しておくとよいでしょう。


参考:東京都都市整備局「建築基準法関係申請・通知手数料」


建築確認を申請する際の必要書類


建築確認申請時に準備する書類

建築確認申請時に必要な書類は、建築確認申請書のほかに、付近見取図や配置図、公図の写しなど各種図面が必要となります。代理人による手続きを行う場合は、委任状も忘れてはいけません。各自治体のホームページに必要書類が記載されている場合が多いので、チェックしてみてください。


自分で全ての書類を準備するのは難しい

建築確認をする際、建築確認申請書は見本や書き方をインターネット上で見つけることができます。しかし、見取図などの各種図面は、建築士でないと作成が難しいものが多いでしょう。


自分でガレージやカーポート、家などを建てる「セルフビルド」の場合、申請手続きが心配な方もいるのではないでしょうか。確認申請は、建築士などのプロに代行を依頼することもできます。図面等の準備に不安がある方は、信頼できる代行業者を探してみるとよいでしょう。


建築確認申請後の変更には、再び申請が必要


建築確認を経て工事を開始した後の設計変更には、再び申請が必要となります。理由は、設計を変えることで、住宅性能に関する計算が変わってしまうためです。


計画変更の申請を行った場合は、改めて確認が完了するまで工事を進めることができません。工期が伸びることでスケジュールや資金面で問題が起きないか、変更申請前に十分検討しましょう。


建築確認で交付された書類を紛失した場合の代用


建築確認においては、着工前の建築確認後に「建築確認済証」が、完了検査のあとに「検査済証」が交付されます。「建築確認済証」は住宅ローンを組む際の審査や、家を建てた後の登記時のほか、建物の売却時にも必要となるため、大切に保管しておくことが重要です。


もし「建築確認済証」や「検査済証」を紛失した場合、再発行はされません。ただし、各自治体の「建築確認台帳」に建築確認通知書と検査済証の記録が残されているため、「台帳記載事項証明書」を発行することで、その代用が可能となります。


また、自治体で保管している「建築計画概要書」も代用として使用できます。建築計画概要書とは、その名の通り建築物に関する事項や検査履歴が記載されており、建築確認番号・検査済番号などを知ることができます。建築確認概要書がいつから保管されているかは、各自治体によってさまざまですので、気になる場合は問い合わせをして確認してみてください。


安心してお任せできる大手ハウスメーカーで家づくり


大手ハウスメーカーで家づくりを検討している方もいるのではないでしょうか。家づくりのプロであるハウスメーカーには知識豊富な営業マンが揃っており、家づくりの相談だけでなく、建築申請なども安心して任せることができるでしょう。住宅相談会や住宅展示場を訪れるなどして、気になることを相談してみるのもおすすめです。


建築確認申請をして、安心・安全な家づくり


建築確認申請は、安心して暮らせる家を建てるために欠かせません。建築確認を行うことで、法律に適合していることが認められ、工事を開始することができます。建築確認は着工前と完成後に行われますが、工事中に中間検査が必要な建築物もあります。


それぞれの検査で費用が必要となるため、事前に費用相場を確認しておくとよいでしょう。着工後の設計変更や紛失時の対応についても十分理解し、トラブルのない家づくりができるとよいですね。

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