準住居地域とは?工場の騒音は大丈夫?建築制限やメリット・デメリットを紹介

基礎知識 2021-11-01
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「準住居地域とは?」「高さ制限や建ぺい率、容積率が気になる」という方もいるのではないでしょうか。準住居地域は工場や倉庫業の倉庫、飲食店なども建築できるエリアなので、周辺の騒音などが心配な方もいるかもしれません。今回は、準住居地域の特徴や建築制限、メリット・デメリットを詳しくご紹介します。


準住居地域とは?特徴や建物の用途制限を紹介


準住居地域とは、都市計画法で定められている用途地域の一つです。用途地域とは、土地の使い方に関するルールが定められたエリアのことで、「住居系」「商業系」「工業系」で区分された全13地域があります。


住居系

第一種低層住居専用地域

第二種低層住居専用地域

第一種中高層住居専用地域

第二種中高層住居専用地域

第一種住居地域

第二種住居地域

田園住居地域

準住居地域


商業系

近隣商業地域

商業地域


工業系

準工業地域

工業地域

工業専用地域


では、用途地域の1つである準住居地域とは、どのようなエリアなのでしょうか。


関連記事:用途地域とは?検索の仕方や13種類の特徴。住宅建築時のポイントも解説


準住居地域は、住宅以外に工場や倉庫、飲食店や事務所も建築可能なエリア

準住居地域は、道路の沿道において自動車修理工場やディーラーなど自動車関連施設等の立地と「住宅」の調和を図る地域です。幹線道路沿いの地域が主に該当し、倉庫業の倉庫や飲食店、事務所のほか、マンションや店舗なども建てられます。


準住居地域に建てられる建築物

準住居地域は、以下のような建築物を建てられます。


  • 住宅、共同住宅、寄宿舎、下宿
  • 店舗等(床面積10,000m²以下)
  • 事務所等
  • ホテル・旅館
  • 幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、病院や図書館等
  • 工場(危険や環境悪化の恐れが非常に少なく、作業場床面積が50㎡以下)
  • カラオケボックス、パチンコ屋等(床面積10,000m²以下)
  • 倉庫業倉庫 など

準住居地域は、ほかの住居系地域に比べて、建てられる建築物が多くあります。上記で挙げたもの以外に、床面積200㎡未満の劇場や映画館、ガソリンスタンド等も建築可能です。しかし、キャバレーなどの風俗業を営む建物や、一定の基準を超える危険性や環境悪化の恐れのある工場などは建築できません。


準住居地域における建築制限は比較的緩やか


準住居地域は、ほかの住居専用地域と比べると建築制限が緩やかなエリアです。ここからは、準住居地域の建築制限について詳しく紹介します。


高さ制限:住居系用途地域の中でもっとも制限が緩やか

建物の高さに関する制限は、大きく分けて次のような4つの規制があります。


  • 絶対高さ:建物自体の高さ制限
  • 北側斜線制限:北側に建つ建物の採光を確保するための制限
  • 道路斜線制限:道路の通風や採光を確保するための制限
  • 隣地斜線制限:隣の敷地の通風や採光を確保するための制限


準工業地域は住居系用途地域の中で、高さ制限が比較的緩やかです。「絶対高さ」や「北側斜線制限」については、制限がありません。「道路斜線制限」や「隣地斜線制限」は自治体ごとに定めた制限があるため、家づくりをする際は事前に確認しておきましょう。


日影規制:日影の規制範囲は緩やか

「日影規制」とは、近隣の敷地の日照を確保し、住環境を保護するためのルールです。準住居地域では、地方公共団体が条例で指定する区域における「高さ10mを超える建築物」に対して、日影規制が適用されます。日影規制によって建物の高さに制限ができることを覚えておきましょう。


建ぺい率:住居専用地域に比べて、建ぺい率は大きい

建ぺい率とは「敷地面積に対する建築面積の割合」のことです。準工業地域の建ぺい率は、50%・60%・80%のいずれかが指定され、住居専用地域に比べると上限が高くなります。


建ぺい率は、土地や建物の条件により緩和されることも覚えておきましょう。建ぺい率80%の地域を除いた「防火地域」に建つ耐火建築物や角地などは、条件次第で建ぺい率を10%上乗せできるケースがあります。


容積率:低層住居専用地域に比べて、容積率は大きい

容積率とは「敷地面積に対する延床面積の割合」のことです。準住居地域の容積率は、100%・150%・200%・300%・400%・500%のいずれかが指定されます。低層住居専用地域に比べると、容積率は大きくなるでしょう。


容積率は、敷地の前面道路の幅により左右されるので、地域ごとに定められた割合そのままは適用されません。敷地の前面道路の幅員が12m未満の場合「道路の幅員に係数0.4を掛けた容積率」と「指定された容積率」のうち、小さいほうの割合が適用されることも覚えておきましょう。


準住居地域に家を建てるメリット


準住居地域はほかの地域と比べて、どのような特徴をもつ地域なのでしょうか。家づくりにおける準住居地域のメリットをご紹介します。


他の住居系地域に比べると制限が緩く、敷地を有効活用できる

準住居地域は建築規制が緩やかなため、ほかの住居系地域に比べ敷地を有効活用できます。低層住居専用地域では建築できない、3階建ての住宅も建築可能です。「敷地いっぱいに住宅を建てたい」「無駄なく敷地を使いたい」方にはオススメの地域と言えるでしょう。


近隣にスーパーや飲食店があり利便性が高い

準住居地域は、スーパーや飲食店なども多くあり、買い物や外食がしやすい地域です。大型商業施設も近くに立地しているなど、利便性の良さがメリットでしょう。学校や病院といった生活に欠かせない公共施設も建てられます。


主要道路が近く、車での移動がしやすい

準住居地域は、国道など主要幹線道路沿いのエリアに位置する場合が多くあります。車での移動が便利なため、通勤や買い物に困りません。ガソリンスタンドも近くにあるため、車利用者にとっては生活しやすい地域です。


準住居地域に家を建てるデメリット


家づくりにおいては、メリットだけではなくデメリットを知ることも大切です。準工業地域で家を建てる場合のデメリットをご紹介します。


騒音や排気ガスが気になることもある

準住居地域は、車や人の往来が多い主要道路沿いや商店街近くのエリアが該当するため、騒音や排気ガスが気になる場合があります。小さいお子さんのいるご家庭など、静かな空気の良い場所で暮らしたい方には、住みづらく感じられるかもしれません。


準住居地域での家づくりを検討する場合は、事前に土地の周辺環境や地域地区の特徴などをチェックしておきましょう。


マンションが建ちやすく、日当たりが悪くなることも

準住居地域は、日影規制が厳しくないため周囲に高層マンションが建ちやすく、敷地の日当たりが悪くなるケースもあります。ビルや大きな工場、デパートなどが建てられる点も、把握しておきましょう。


土地選びの際は、不動産などの物件情報とあわせて、住宅環境もしっかり確認するとよいですね。


準住居地域の建築制限を理解して、満足のいく家づくりを