近隣商業地域とは。高さ制限などの建築規制や家を建てるメリット・デメリット

基礎知識 2021-01-16
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「近隣商業地域とは?」「高さ制限や日影規制、容積率や建ぺい率を知りたい」など、住宅を建てる際に気になることもありますよね。固定資産税や騒音問題などデメリットについて知りたい方もいるかもしれません。今回は、用途地域の一つ「近隣商業地域」に注目し、商業地域との違いや特徴を解説します。


近隣商業地域とは、住民が日用品の買物などをするための地域


近隣商業地域とは、商業を優先する用途地域

近隣商業地域とは、周りの住民が日用品の買物などをするための地域です。都市計画法で定められた「用途地域」の1つで、商業系地域としては近隣商業地域以外に「商業地域」があります。


近隣商業地域と商業地域の違い

近隣商業地域と商業地域の違いは、分かりやすく言うと「まちの賑やかさ」です。近隣商業地域は「駅周辺」や「商店街」のほか、商業地域周辺の国道や県道といった「幹線道路沿い」が多く指定されます。


商業地域は、近隣商業地域よりも更に商業に特化した地域です。建築規制等が緩やかで、銀行や映画館、飲食店や百貨店などが集まります。「ターミナル駅周辺」や「大都市の都心部」に指定されるケースが多く、オフィス街を形成している地域も多くあります。


近隣商業地域の用途制限。建築できる建物は?住宅は建てられる?


近隣商業地域は住居系地域に比べて用途制限は緩やかで、次のような施設の建築が可能です。


  • 商業施設
  • 事務所
  • 住宅
  • 店舗
  • 病院や学校などの公共施設
  • ホテル
  • 車庫や倉庫 など


このほか、娯楽施設であるパチンコ屋やカラオケボックス、映画館なども建てられます。150平米以下の危険性や環境を悪化させるおそれが少ない工場、300平米以下の自動車修理工場といった建築物も認められているのが特徴です。


ちなみに、商業地域は近隣商業地域とほぼ同じですが、キャバレーなどの風俗施設も認められている点が、近隣商業地域と異なります。


近隣商業地域の建築制限


高さ制限(道路斜線制限・北側斜線制限・隣地斜線制限)

近隣商業地域で建物を建築する際は、次のような2つの高さ制限が適用されます。


  • 道路斜線制限(どうろしゃせんせいげん)

道路の日照や採光、通風を確保するほか、周辺に圧迫感を与えないよう建築物の高さを規制したルール

  • 隣地斜線制限(りんちしゃせんせいげん)

隣千の日照や採光、通風等、良好な環境を保つため建築物の高さや形状を規制したルール


近隣商業地域では、低層住居地域に定められている、建物自体の高さを規制した「絶対高さ制限」や、敷地の北側隣接地の日照を確保するための「北側斜線制限」はありません。


日影規制

近隣商業地域では日影規制も適用されます。日影規制とは「日影による中高層の建築物の制限」を略したものです。冬至の日(12月中旬)を基準とし、一定時間以上の日影が生じないよう、建物の高さが制限されます。


マンションなどの乱立により、日照権の訴訟が頻発したことで「日影規制」が制定されました。近隣商業地域では、高さ10メートルを超える建築物が規制を受けます。


容積率

容積率(ようせきりつ)とは、敷地面積に対する建築物の延べ面積の割合を指します。近隣商業地域の容積率は100~500%で「中高層住居専用地域など低層住居専用地域以外の住居地域」や「準工業地域」と同じ値です。商業地域の容積率は200~1300%であり、 建てられられる建物の規模に大きな違いが見られます。


ちなみに、前面道路の幅員が12m未満の場合には、「指定した容積率」と「前面道路の幅員に0.6を乗じた容積率」を比較して小さい方が適用されます。


たとえば、都市計画で指定した容積率が「400%」、前面道路の幅員が「5m」の場合で計算すると容積率は300%(5m×0.6×100=300) となります。


建ぺい率

建ぺい率とは、敷地面積に対する建築物の建築面積の割合のこと。近隣商業地域の建ぺい率は60~80%で、都市計画により指定されます。商業地域の建ぺい率は80%なので、エリアによっては近隣商業地域の方が商業地域に比べて制限が厳しくなるでしょう。


近隣商業地域に暮らすメリット・デメリット