2階トイレはいる?いらない?費用やメリット・デメリット、検討時のポイントを紹介
「2階トイレはいる?いらない?」と注文住宅の間取りを考える際に悩んでいる方もいるのではないでしょうか。後悔や失敗をしないためのポイントを知りたい方もいるかもしれません。今回の記事では、2階トイレを設置するメリットやデメリットのほか、費用や検討時のポイントなどをご紹介します。
2階にトイレを設置するメリット
一戸建て住宅の2階にトイレを設置する間取りは、どのような家庭に向いているのでしょうか。まずは、2階トイレを設置するメリットから見てみましょう。
<メリット1>朝のトイレ渋滞を緩和できる
家族の人数が多いほど、トイレは混雑しやすいもの。特に、通勤や通学の時間が家族の間で重なってしまう「朝」の時間帯はトイレ渋滞が起きやすく、家族のストレスとなってしまうこともあるでしょう。トイレを2つ設置することで、家族がスムーズに利用できます。
<メリット2>来客時でもトイレを利用しやすい
1階と2階のそれぞれにトイレがあると、友人が泊りに来た時など来客時に「1階はゲスト用、2階は家族用」など使い分けることができます。お互いに気兼ねなくトイレを使えるのは嬉しいメリットですよね。
<メリット3>夜中にトイレへ行くとき、階下に行かなくて済む
2階にトイレを設置しておけば、夜中にトイレへ行きたい時に階段を下りる必要がありません。1階にしかトイレがない場合は、階段を降りる際に転倒し足を踏み外してしまうことや、トイレが遠いために子どもが間に合わないことなども想定されるでしょう。2階トイレがあれば、そういった心配が減るため安心です。
2階にトイレを設置するデメリット
つづいて、2階トイレを設置する場合のデメリットをご紹介します。
<デメリット1>掃除の手間が増える
トイレの数が増えると必然的に掃除をする箇所が増えるため、手間は増えます。トイレを設計する際には、掃除しやすさに配慮するほか、汚れが付きにくい性能のトイレを選ぶなど工夫をするとよいでしょう。
<デメリット2>排水音が階下に響く場合がある
トイレの設置場所によっては、生活する中で排水音が気になる場合もあるでしょう。「音が気になってゆっくりできない」と後悔することのないよう、トイレの設置場所や、排水管の位置を事前に相談できるとよいですね。
2階トイレの設置費用は50~100万円。配管の繋ぎやすさでコストが変わる
2階トイレの設置費用は、一般的に50~100万円が相場だといわれています。1階のトイレの真上であれば配管が短く済むため費用を抑えられる傾向にありますが、部屋の西側と東側にトイレを設置するなど配管が長くなってしまう場合は、その分費用も上がるでしょう。
リフォームによって2階トイレを増設することもできます。増設工事期間の目安は5~7日程度です。工事の工程が増えるため、新築時に設けるよりもコストは高くなりやすいでしょう。
2階トイレを設置する場合の「間取り」は3パターン
2階トイレを設置する場合の間取りは、どのように選ぶとよいでしょうか。3つのパターンに分けてご紹介します。
間取りパターン1:廊下に隣接した場所に設置
間取りに余裕がある場合は、室内の一部を利用して廊下に隣接する形でトイレを設置するとよいでしょう。一般的にはこのパターンが多く、2階にトイレが設置されている建売住宅でもこの配置は多く採用されています。
間取りパターン2:ベランダなどを利用して設置
間取りに余裕がない場合は、ベランダなど2階の一部を増設して設置する方法もあります。建ぺい率や容積率などを踏まえ、2階の空間を狭めることなくトイレスペースを確保できるのが特徴です。設置位置によって外観が大きく変わってしまう場合もあるため、相談しながら決めていくとよいでしょう。
間取りパターン3:部屋の内部に設置
高齢者がいる場合などは、利便性を考えて、寝室など部屋の中にトイレを設置することも可能です。その場合は、防音や防臭などの対策もあわせて検討するとよさそうです。
トイレに必要な広さは、1.1畳~1.6畳が目安
トイレに必要な広さの目安とは、どのくらいでしょうか。一般的には、トイレ自体の大きさや移動スペース、扉の大きさを考慮し、1.1畳~1.6畳といわれています。
一戸建てでは1.1畳で設計されることが多く、広めの一戸建てでは1.6畳程度が目安となります。1.3畳以上あると十分なゆとりがあるトイレになるでしょう。
トイレに必要な広さは1.15畳~1.3畳
厚生労働省の「住生活基本計画における居住面積水準」によると、トイレに必要な面積は「1.8平米~2平米(約1畳)」と定められています。トイレを設置するには、使いやすさにも配慮して、必要な広さを検討しましょう。
参考:厚生労働省「住生活基本計画における居住面積水準」
2階トイレのスペースを検討する際のポイント
2階トイレのスペースを検討する際、後悔や失敗を減らすには、どのようなことをポイントに考えるとよいでしょうか。
タンクレストイレなら、省スペース化が可能
最近よく見られるようになった「タンクレストイレ」は、タンクがない分、トイレの省スペース化が可能となります。トイレ内のスペースに余裕ができれば、洗面所がなくても収納や手洗い場のスペースをトイレ内に確保することができますよ。
扉の種類によって、必要な広さが変わる
トイレの出入口の扉は「内開き」「外開き」「引き戸」の3種類があります。扉の種類によって、トイレスペースに必要な広さが異なることを覚えておきましょう。
ドアが内開きの場合は、扉を空けて人が行き来できるだけの広さが必要です。外開きの場合は、廊下など入口部分に扉が開くだけの一定のスペースが必要となるでしょう。省スペース化を図るには、引き戸が最も適しています。