アイランドキッチンのメリット・デメリット。注意点や間取りのポイント
アイランドキッチンに、おしゃれで開放的なイメージを持ち、憧れている方もいるのではないでしょうか。アイランドキッチンとはどのようなものか、間取りやカウンターの配置、収納の工夫などを知りたい方もいるでしょう。
今回はアイランドキッチンのメリット・デメリットに加え、目隠し・油・水はね対策など、快適な住まいづくりのコツをお伝えします。ペニンシュラキッチンとの違いも紹介しますので、あわせて参考にしてみてください。
アイランドキッチンとは、シンクや作業台が独立したキッチンのこと
アイランドキッチンの特徴
アイランドキッチンとは、アイランドが「島」という意味を示す通り、調理台やシンクなどが島のように独立しているタイプのキッチンを指します。
アイランドキッチンは、リビングダイニングと向かい合う「対面キッチン」の一種ですが、「キッチンのどの部分も壁に面していない」ことが大きな特徴と言えるでしょう。
ペニンシュラキッチンとの違いは「片側が壁に面しているかどうか」
アイランドキッチンと似たタイプの対面キッチンに「ペニンシュラキッチン」があります。ペニンシュラとは「半島」を意味する言葉で、キッチンの左右どちらかが壁に面した対面キッチンのことを言います。
つまり、アイランドキッチンとペニンシュラキッチンの違いは「キッチンの片側が壁に面しているかどうか」です。
ペニンシュラキッチンはキッチンの片側を壁に付けるため、スペースを取りません。価格も安い傾向にあることから、多くの家庭で取り入れやすいタイプと言えるでしょう。
アイランドキッチンのメリット5つ
アイランドキッチンには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
<メリット1>開放感があり、調理中の移動がしやすい
アイランドキッチンは、目の前が開けた間取りになるので、開放感を感じられる点が魅力です。四方に壁がないので、キッチンの両サイドから出入りできるなど、効率的な家事動線を確保できる点もメリットと言えます。
<メリット2>調理中でもコミュニケーションを取りやすい
リビングスペースに面した形となるアイランドキッチンは、家族とコミュニケーションを取りやすいこともポイントです。とくに、小さな子どもがいる家庭の場合「調理中に子どもの様子が見えない」「親の姿が見えないと子どもが泣いてしまう」などの心配事がある人も多いでしょう。
アイランドキッチンなら、調理をしながら子どもの様子を見守ったり、コミュニケーションをとったりできるため安心です。
<メリット3>おしゃれな部屋づくりができる
個性のあるスタイリッシュなキッチンを演出することができるのも、アイランドキッチンの魅力です。
おしゃれにこだわりたい場合は、キッチンの近くに観葉植物や食器などを並べた「見せる収納」を配置したり、ダイニングテーブルとして活用できる、こだわりのカウンターを設置したりするのもよいですね。リビングの近くにアイランドキッチンを設置すれば、ゲストをおもてなしする際にも便利です。
<メリット4>複数人で調理しやすい
アイランドキッチンは、複数人でキッチンに立つ場合も自由に動きやすく、スムーズに作業を進められるでしょう。配膳や片づけをする際にもお互いが邪魔になりません。「家族や親子でクッキングをするのが趣味だ」「友人を呼んでパーティーを楽しみたい」という方にオススメです。
<メリット5>生活スタイルに合わせたレイアウトにできる
さまざまな配置が可能であるため、生活スタイルに合わせたレイアウトが可能であることも、アイランドキッチンのメリットです。最近では、キッチンとダイニングテーブルがつながったスタイルや、アイランドキッチンの向かいにカウンターを設置したスタイルなども人気を集めています。
リビングでの過ごし方に合わせて、カウンターやテーブルの配置を決められるのも、アイランドキッチンの大きな魅力と言えるでしょう。
アイランドキッチンのデメリット4つ
アイランドキッチンをいざマイホームに取り入れるとなったら、デメリットにも目を向けておく事も大切です。キッチンは毎日使う場所となるので、デメリットを十分理解した上で検討しましょう。
<デメリット1>サイズ・寸法が大きく、広いスペースが必要
アイランドキッチンを設置する場合は、ほかのキッチンに比べて広いスペースが必要となります。作業台などを壁から離して配置する必要があるためです。
部屋のスペースに余裕がない場合は「リビングが窮屈になってしまった」と後悔することも考えられます。アイランドキッチンを置いた場合に、寛ぐためのスペースが十分確保できるかどうかという点も確認しておきましょう。
<デメリット2>リビングなどからキッチンの様子が丸見えになる
アイランドキッチンは開放的であるがゆえ、キッチン内の様子がリビングやダイニングから丸見えになってしまうこともデメリットです。
ゲストをおもてなししやすく、おしゃれな空間に見せられるメリットはありますが、キッチン周りの整理整頓や片づけが苦手な人は注意が必要でしょう。
<デメリット3>料理中の臭いが広がりやすい
料理中の臭いが広がりやすいのも、アイランドキッチンのデメリットです。臭いを遮るものがないため、臭いや煙が周囲に広がりやすくなるでしょう。吹き抜けにする場合は、リビングだけでなく、上階にも臭いが広がることも考えられるため、間取りに合わせた対策を取り入れたいですね。
<デメリット4>収納に工夫が必要
アイランドキッチンは壁に面する部分がないため、収納スペースを確保しにくいというデメリットがあります。キッチンは料理道具など収納物が多くなりがちです。
暮らし始めて後悔することのないよう、設計時には「必要な収納スペースを確保できているか」という視点でチェックすることを忘れないようにしましょう。
アイランドキッチンの間取りパターン3つ
アイランドキッチンを取り入れた間取りのパターンをご紹介します。
<間取り1>アイランドキッチンの対面にダイニングテーブルを配置
一つ目の間取りは、アイランドキッチンの対面にダイニングテーブルを配置する間取りです。キッチンスペース以外にダイニングテーブルを置けるよう、部屋の広さを確保しましょう。
テーブルが常に視界に入る間取りなので、家族とコミュニケーションを取りやすい点がメリットです。一方で、ダイニングテーブルの大きさによっては、配膳や片づけをする際の動線が長くなってしまいます。
<間取り2>アイランドキッチンの横にダイニングテーブルを配置
二つ目の間取りは、アイランドキッチンの横にダイニングテーブルを配置する間取りです。配膳や片付けをしやすいのが、この間取りのポイントです。ダイニングテーブルが正面ではないため、家族の様子が見えにくいという点がデメリットでしょう。
<間取り3>アイランドキッチンとカウンターテーブルを一体化させて配置
三つ目の間取りは、アイランドキッチンとカウンターテーブルを一体化させて配置した間取りです。家族の人数が少ない家庭向けですが、別途ダイニングテーブルを置く必要がないため、コンパクトな住まいでも取り入れやすい間取りと言えます。
アイランドキッチンづくりで失敗・後悔しない「4つのポイント」
アイランドキッチンをマイホームに取り入れる場合、どのような点を意識するとよいのでしょうか。失敗や後悔を避けるために知っておきたいポイントを4つご紹介します。
<ポイント1>収納スペースを確保する
アイランドキッチンを採用する場合は、収納スペースを確保するための工夫を取り入れましょう。収納スペースの作り方として、収納力に優れた「パントリー」や「背面収納」のほか、「吊り戸棚」を設けるといった方法があります。
とくに、背面収納はおしゃれで機能的なキッチンを作りたい方に人気があり、最近では、使い勝手や好みに合わせてDIYした造作棚を取り付ける家も増えています。
背面収納を取り入れる場合は、使い勝手とデザイン性の両方で満足できる収納づくりを目指しましょう。「見せる収納」と「隠す収納」をしっかり分けることがポイントです。
<ポイント2>目隠し対策をする
周りからキッチンの様子が丸見えとなってしまう「アイランドキッチン」。毎日きれいに使えると良いですが、それが難しいという方は、目隠し対策を上手く取り入れましょう。作業スペースを隠したい場合は、立ち上がりカウンターを設置すれば見えにくくなります。
どうしても周りからの視線が気になる場合は、格子や間仕切りなどを置くのも1つの方法です。簡易的なものを用意しておき、ゲストが来た時にだけ利用するのもよいでしょう。
<ポイント3>換気システムを導入する
臭いが広がりやすいアイランドキッチンの対策として、機能性の高い換気システムを導入することもポイントです。
アイランドキッチンでは安全性の観点からガスコンロではなく、IHクッキングヒーターを採用するケースが多いでしょう。IHクッキングヒーターの場合、上昇気流が弱く、臭いや煙が換気扇まで届きにくいというデメリットがあります。
臭いを気にしたくないという方は、しっかりと臭いを吸い上げる換気システムを選ぶことが大切です。さらには換気しやすい間取りを採用することで、臭いを気にせず過ごせるでしょう。
<ポイント4>水・油はね対策をする
水や油はね対策も考えておきましょう。「油はねガード」を付ければ、油や汚れが飛び散るのを防ぐことができます。油はねガードは、低いものからレンジフードを覆う高さのあるものまで、さまざまな種類から選ぶことができます。デザイン性や使い勝手を考えて選ぶとよいでしょう。