土地の名義変更は自分でできる?費用や必要書類、手続きの流れを解説

基礎知識 2022-05-02
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土地の名義変更の必要性や費用、必要書類が知りたい方もいますよね。「自分でやるのは大変」「相続登記や財産分与など事由ごとにかかる税金は?」など気になることもあるのではないでしょうか。今回は、土地の名義変更時の手続きや事由別でかかる税金など名義変更の概要をご紹介します。


土地の名義変更とは。なぜ必要?


土地の名義変更とは、土地の所有者を変更する際に「登記簿上の名義を変更すること」です。この手続きを所有権移転登記と言い、「法務局」で登記申請を行います。


そもそも、土地の名義変更はなぜ必要なのでしょうか。ここからは土地の名義変更が必要な理由や手続きの流れを詳しく紹介していきます。


土地の名義変更をすることで、第三者に所有権を主張できる

土地を手に入れたとき、土地の名義変更を行わなければ、第三者に対して所有権を主張できません。つまり、移転登記手続きをしないままでいると、次のようなトラブルに巻き込まれるリスクがあります。


  • 土地の売買契約が済んでいるのに関わらず、土地の所有権は売主のままだったため、ほかの人と売買契約を結ばれてしまった
  • 親から受け継いだ土地の所有者が自分ではなく親のままだったため、売却したくてもできない


土地の名義変更は、法律で義務化されているわけではなく任意です。しかし、このような問題を引き起こさないためにも、土地の所有者が変更になる場合は、迅速に土地の名義変更手続きを行うのがオススメです。


土地の名義変更における4つのケース

ここからは、土地の名義変更が必要になる4つのケースについてご説明します。


売買|住宅購入時に土地を買ったときなど

住宅購入時に土地を買ったときなど不動産の「売買」を行った場合が、1つ目のケースです。その土地が誰の所有に変更されたのか証明するために、名義変更を行いましょう。


名義変更の手続きは、基本的に売り主と買い主が共同で申請します。しかし、土地の売買は不動産会社が仲介してくれるケースも多く、不動産会社が司法書士を紹介するなど手続きのサポートをしてくれるでしょう。


相続|所有者が死亡したとき

土地の所有者が死亡したときの「相続」で土地を受け継いだ場合が、2つ目のケースです。遺産相続した土地は、自動的に名義人が変更される訳ではありません。そのため、土地を受け継いだ人(相続人)が名義変更の手続きを行う必要があります。


遺産相続の登記をする場合、トラブルに発展しないためにも兄弟間で誰の名義にするのかよく話し合うことが大切です。兄弟間の話し合いがこじれる場合などもあるため、司法書士に手続きの相談・依頼するケースが多いようです。


贈与|親から子への場合も含む

所有者がまだ生存しているうちに土地を「贈与」する場合が、3つ目のケースです。親から子へ土地を譲る場合などが該当するでしょう。


この場合、基本的に土地を贈与する人と贈与される人が、共同で名義変更の申請を行います。当事者間でどちらが主体的に動くのか話し合っておくと、手続きがスムーズに進むでしょう。


財産分与|夫婦の離婚時など

夫婦の離婚時など、夫婦間で土地を分け合う「財産分与」が、4つ目のケースになります。夫婦間で築いてきた共同の財産を、離婚時に清算し、お互いに分配する場合などが想定されます


財産分与でも、一般的に共同で申請を行うため、当事者間でよく話し合ってどちらが主体的に動くのか決めておくと良いでしょう。


自分でできる?土地の名義変更の手続き


土地や建物など不動産の名義変更を行う場合、司法書士に依頼するケースが多くありますが、自分で手続きすることも可能です。法務局によっては、手続きの詳細を丁寧に教えてくれる場合もあるので相談してみるとよいでしょう。


ただし、名義変更の手続きは普段見慣れない書類を扱うことから、時間や手間がかかってしまうケースが多いようです。


「土地が多く名義変更が複数にわたる」「遠方に土地があるため手続きが大変」「名義変更のためには相手との協議が必要である」といったケースでは、さらに手続きが煩雑になってしまうでしょう。


これからご紹介する名義変更の流れを参考にして、手続きを自分でできるかどうか検討してみてはいかがでしょうか。


名義変更の流れ

<1>法務局に行き、登記申請書を貰う

まずは、土地を管轄する法務局へ行き、土地の名義変更に必要な「登記申請書」をもらいましょう。手続きを行う法務局は、原則平日のみの営業となりますが、法務局から郵送で書類を送ってもらうこともできます。


<2>必要書類を集める

次に、名義変更の申請に必要な書類を集めます。必要書類は、相続なのか贈与なのかなど、名義変更のケースによって異なるため、最初に名義変更の事由を確認してから必要書類を集めるとよいでしょう。


必要となる主な書類は、以下の通りです。


  • 住民票
  • 印鑑証明書
  • 戸籍謄本
  • 登記識別情報
  • 固定資産評価証明書 など


このほか、申請者が未成年や精神障害のある方など「意思決定や判断能力が低い」と判断された場合、代理人が名義人に代わり手続きを行うための「委任状」が必要となります。


<3>法的書類を作成する

不動産の名義変更の手続きには、名義変更の事由に応じた法的書類の作成が必要です。


売買の場合:売買契約書

相続の場合:遺産分割協議書

贈与の場合:贈与契約書・贈与証書

財産分与の場合:財産分与契約書・離婚協議書


契約書類ごとに記載内容は異なるため、自分で作成するには、ある程度法的な知識を得ておく必要があります。


<4>管轄の法務局へ申請する

全ての書類が整ったら、添付書類と申請書を揃えて、土地を管轄する法務局で申請を行いましょう。申請が受理されると、登記完了を通知する「登記完了証」が発行されます。


参考:法務局「不動産登記申請手続」


土地の名義変更にかかる「費用」


土地の名義変更にかかる費用は、ケースによって異なります。ここからは、土地の名義変更にかかる各種費用についてご紹介します。


必要書類を揃えるための費用

名義変更時に添付する、必要書類を揃えるための費用がかかります。主な必要書類の取得費用は以下の通りです。


  • 住民票:300円
  • 印鑑証明書:300円
  • 戸籍謄本:450円
  • 登記識別情報:300円
  • 固定資産税評価証明書:300円 など


必要書類は名義変更の事由ごとに異なりますが、合計で数千円程度となるケースが多いようです。


登録免許税

土地の名義変更を申請する場合、必ずかかるのが「登録免許税」です。法務局へ申請する際に収入印紙を購入して申請書に添付し納める税金で、自分で手続きする場合にもかかります。


登録免許税の支払額は、土地や建物など不動産の固定資産評価額に、一定の税率を掛けて算出した金額となります。


計算に使用される「税率」は、名義変更の事由によって軽減措置が適用されるケースもあるため、対象となるのか事前に確認しておくとよいでしょう。登録免許税の計算方法を、名義変更の事由ごとにご紹介します。


【売買の場合】

  • 税率:2.0%→1.5%(軽減税率適用、令和5年3月31日までに登記したもの)
  • (計算例)固定資産評価額2,000万円の場合:2,000万円×1.5%=30万円


【相続の場合】

  • 税率:0.4%(特例によって免税となるケースあり)
  • (計算例)固定資産評価額2,000万円の場合:2,000万円×0.4%=8万円


【その他(贈与・交換・収用・競売等)の場合】

  • 税率:2.0%
  • (計算例)固定資産評価額2,000万円の場合:2,000万円×2.0%=40万円


参考:国税庁「No.7191 登録免許税の税額表


名義変更の理由別に課税される税金

土地の名義変更を行う際には、登録免許税以外にもその理由ごとに税金がかかります。ケースごとの税金について確認していきましょう。


売買のとき|譲渡所得税(土地の売主)

譲渡所得税とは、資産を譲渡することで得た所得にかかる税金のことを指します。土地を売った場合は、土地の売主が土地を売却して得た利益が「譲渡所得」であり、そこにかかる「所得税」や「住民税」を総称して譲渡所得税と言います。


譲渡所得税は、譲渡所得に一定の税率を掛けて計算されます。このとき使われる譲渡所得は、土地の売却価格から「購入価格」や「購入時・売却時の費用」を差し引いたものです。


税率は、その不動産を所有していた期間に応じて、異なる税率で計算されることを把握しておきましょう。


参考:国税庁「No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)」


相続のとき|相続税(土地の取得者)

相続税とは、親などの死亡時に土地などの財産を受け継いだ際にかかる税金です。相続税は相続登記の際に必ずかかる税金ではありません。相続した土地の額から借金や葬式費用などを差し引いた額が一定の額を上回る場合に、相続税がかかります。


参考:財務省「相続税について教えて下さい」


贈与のとき|贈与税(土地の取得者)

贈与税とは、個人から土地など財産をもらった際に、その取得した財産に課税される税金です。贈与を受けた相手が親の場合のほか、配偶者の場合でも課税対象となります。土地の名義変更時にかかる税金の中でも、課税額が高いものとなります。


売買・贈与のとき|不動産取得税(土地の取得者)

不動産取得税は、土地や建物などの不動産を取得した場合にかかる税金で、土地の取得者に対してかかります。土地購入時のほか、親から子へ不動産を引き継ぐ「生前贈与」などがこれに該当しますが、「相続」の場合は課税されません。


不動産取得税は、不動産の取引が有償・無償なのか、登記されているのかにかかわらず課税される税金であることを覚えておきましょう。


(司法書士へ依頼する場合)司法書士への報酬

司法書士に名義変更手続きを依頼した場合には報酬を支払う必要があります。報酬の相場は名義変更の事由によって異なりますが5〜10万円程度が相場です。


依頼する事務所によっても報酬額が異なるため、司法書士へ依頼する場合は、事前に金額について問い合わせてみるとよいでしょう。


土地の名義変更にかかる「期間」は事由によって異なる


土地の名義変更にかかる「期間」は、売買・相続などの事由や、必要書類の整備にかかる時間などにより異なります


名義変更は、法務局へ申請後、通常1〜2週間ほどで完了しますが、書類上の不備などが生じた場合、さらに手続きに時間がかかるでしょう。手続きの進捗具合によっては、1ヶ月ほどかかるケースもあります。


大手ハウスメーカーは家づくりの全てを安心サポート


大手ハウスメーカーは、豊富な知識とノウハウで、一人一人に合わせた家づくりをサポートしてくます。土地を取得した際の名義変更に関しても、営業担当者が親身に相談に乗ってくれるので安心でしょう。


理想の住まいのために、住宅展示場に足を運んだりしながら、大手ハウスメーカーでの家づくりを検討してみてはいかがでしょうか。


関連記事:大手ハウスメーカーの特徴を一覧で比較!検討初期に知りたい基本情報まとめ


土地の名義変更の手続きや費用を知って事前準備を


土地の名義変更は、売買や相続など事由ごとでかかる費用や必要書類、税金などが異なります。名義変更は自分でやる事も可能ですが、手間や時間がかかるため、司法書士への依頼も検討するとよいでしょう。事前準備をしっかりと行い、土地の名義変更手続きをスムーズに行えるとよいですね。

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