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ツーバイフォー工法とは?概要やメリット・デメリット、価格相場を紹介

家選びネット公式 (ie-erabi.net) 2022-07-21
基礎知識

ツーバイフォー工法(木造枠組壁工法)の構造やメリット・デメリットを知りたい方もいるのではないでしょうか。在来工法(木造軸組工法)との違いについて気になる方もいるかもしれません。今回は、ツーバイフォー工法の特徴やメリット・デメリット、価格相場などをご紹介します。


ツーバイフォー工法(木造枠組壁工法)とは?特徴や在来工法との違い


木造住宅の主要な工法には、在来工法(木造軸組工法)・ツーバイフォー工法(木造枠組壁工法)・木質プレハブ工法があります。その中でも「ツーバイフォー工法」と「在来工法」が、主流の建築工法となるでしょう。ここではツーバイフォー工法に注目し、在来工法との違いを含めて解説します。


床・壁・天井の各面で、建物を支える工法のこと

ツーバイフォー工法とは、建築基準法上においては「木造枠組壁工法」と呼ばれる、床・壁・天井の6面体で建物を支える工法のことです。一般的に、寸法が約2インチ×約4インチ(ツーバイフォー)の構造用製材(木材)を組んで作った枠組に、構造用面材(合板など)を接合した六面体構造で形成されます。ツーバイフォー工法は、アメリカやカナダなどの北米から輸入され、現在日本でも普及している工法です。


構造用製材は規格材を使用する

ツーバイフォー工法で使用する構造用製材は、2×4材などの「規格材」です。名前でもわかるように、構造用製材として多く使われているのは2×4材(ツーバイフォー材)ですが、使用する部分や用途によっては2×6材や2×8材、2×10材や2×12材などの規格材も使用します。


例えば、約2インチ×約6インチ(ツーバイシックス)の規格材を使用した工法は「ツーバイシックス工法」と呼びます。ツーバイシックス工法は、ツーバイフォー工法と規格材のサイズは異なりますが、木造枠組壁工法である点は同じです。ツーバイシックス工法の方がツーバイフォー工法より壁の厚みがあるため、断熱性や省エネ性が高くなります。


樹種はSPF材を使用する

ツーバイフォー材で使われる樹種の多くには、SPF(エスピーエフ)材を使用します。SPF材とは、スプルース(トウヒ)、パイン(マツ類)、ファー(モミ類)などの常緑針葉樹から切り出された木材のことで、3樹種の頭文字を取って「SPF」と読ばれています。成長が早く加工がしやすいという特徴から、ツーバイフォー材に適している樹種です。


在来工法(木造軸組工法)との違い

在来工法(木造軸組工法)とは、日本で昔から用いられてきた伝統的な工法で、土台・柱・梁・桁・筋かいなどの軸組で建物を支える工法のことです。ツーバイフォー工法が面で建物を支えるのに対して、在来工法は枠組で建物を支えるという点に違いがあります。在来工法の特徴は以下の通りです。


  • 比較的自由な間取りを実現できる
  • 開口部を取りやすい
  • リノベーションやリフォームしやすい
  • 施工可能な業者が多い


在来工法は柱と梁を組み合わせた構造のため、壁を自由に動かすことができます。規格化されているツーバイフォー工法と比べて、比較的間取りの自由度が高くリノベーションやリフォームも行いやすいでしょう。


また、注文住宅を建てる際、ツーバイフォー工法は施工できる業者が限られますが、在来工法は取り扱う業者が多いことも特徴です。


ツーバイフォー工法のメリット


ここからは、ツーバイフォー工法のメリットを見ていきましょう。


<メリット1>耐震性・耐風性があるため災害に強い

ツーバイフォー工法は耐震性や耐風性に優れ、地震や台風などの災害にも強い構造です。地震や風の力を6つの面で受け止めるため、建物にかかる力が分散されやすくなるためです。建物が倒壊しにくく、家具の倒壊など屋内の被害も抑えることができるでしょう。


<メリット2>耐火性があるため火災に強い

ツーバイフォー工法の家のほとんどが、一般的な木造住宅より火災に強く、万が一火災が発生した場合でも被害を抑えることができる「省令準耐火構造」の基準を満たしています。厚みのある木材を使用することで火災が起きた場合でも火が内部まで進行しにくく、構造材が火の通り道を塞ぐファイヤーストップ材となり、燃え広がりを防いでくれます。


省令準耐火構造の場合、新築住宅の火災保険価格を安く抑えられることもメリットです。


<メリット3>断熱性・気密性があるため省エネ効果がある

ツーバイフォー工法は、断熱性や気密性に優れていることもメリットです。気密性の高い六面体構造により断熱効果を高められるため、年間を通して快適な住環境で過ごすことができます。冷暖房効率もよいため、省エネ効果が期待できるでしょう。


<メリット4>工期が短い

工程の多くがマニュアル化されているツーバイフォー工法の場合、工期が短くなることもメリットです。作業に関わる人件費や経費なども減るため、その分のコスト削減も叶います。作業者の腕に品質が左右されることも少なく、一定の住宅品質を維持できるでしょう。


<メリット5>小屋裏空間を有効活用できる

ツーバイフォー工法では小屋裏に柱が立たないので、小屋裏空間を有効活用できる点もメリットです。小屋裏空間は、収納スペースや書斎、趣味の部屋として利用することができます。快適なスペースにするためには、屋根下に断熱材を敷き詰めたり天窓を設けたりするのがポイントです。


ツーバイフォー工法のデメリット


ツーバイフォー工法にはさまざまなメリットがありますが、デメリットもいくつかありますのでご紹介します。


<デメリット1>間取りの自由度が低い

建物を壁で支えるツーバイフォー工法は、壁を自由に動かすことができないため、間取りに制約が生じます。開口部を広くとることが難しく、リフォームなどをしにくくなる点がデメリットです。実現したい間取りがある場合は、設計時にハウスメーカーとしっかり確認するとよいでしょう。


<デメリット2>湿気がこもりやすい

ツーバイフォー工法の家は、気密性が高い反面、湿気がこもりやすい空間となります。施工時には、24時間換気を設けたり、壁内に通気ルートを確保したりといった対策が必要となるでしょう。


<デメリット3>構造体はコスト削減ができない

ツーバイフォー工法の場合、構造体に使用する部材は「JAS」または「JIS基準」をクリアしたものを使用する必要があります。そのため、構造体はコスト削減できないと考えましょう。住宅の価格を抑えたい場合は、構造体以外の部分で調整するとよさそうです。


ツーバイフォー住宅の価格相場


ツーバイフォー住宅はマニュアル化されていて作業の手間がかかりにくい工法のため、木造住宅の中でも比較的価格を抑えることができます。


大きさやグレードなどによっても異なりますが、一般的な住宅の坪単価(1坪あたりの建築費)は60〜80万円程度です。一方で、ツーバイフォー工法の坪単価は、50〜60万円程度で収めることも可能です。


ツーバイフォー工法を採用するハウスメーカーもある


ハウスメーカーには、今まで培ってきたノウハウや実績があります。経験豊富な営業担当者が、家づくりの不安や疑問についても親身に相談に乗ってくれるでしょう。


ハウスメーカーの中には、ツーバイフォー工法を採用しているところもあります。住宅展示場へ出掛けたりカタログを取り寄せたりして、ハウスメーカーでの家づくりを検討してみてはいかがでしょうか。


関連記事:大手ハウスメーカーの特徴を一覧で比較!検討初期に知りたい基本情報まとめ


ツーバイフォー工法の特徴を把握し、家づくりを成功させよう


ツーバイフォー工法(木造枠組壁工法)は、床・壁・天井の6面体構造で建物を支える工法のことで、在来工法(木造軸組工法)とは構造上の違いがあります。耐震性や断熱性に優れ、小屋裏を有効活用できることなどがメリットである一方、間取りの自由度が低くリフォームしにくい、構造体の価格は削減できない点などがデメリットとして挙げられるでしょう。


ツーバイフォー住宅はマニュアル化されている工法のため、比較的建築価格を抑えることができます。特徴をしっかり把握した上で、理想の家づくりができるとよいですね。

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