ファミリークローゼットとは。間取り実例や失敗・後悔しないためのポイントを紹介
ファミリークローゼットのある間取りの実例や、失敗や後悔しないためのポイントを知りたい方もいるのではないでしょうか。ファミリークローゼットに必要な広さが気になる方もいるでしょう。今回は、ファミリークローゼットの概要やメリット・デメリット、後悔や失敗しないために気をつけたいことや間取り実例をご紹介します。
ファミリークローゼットとは。種類や必要な広さは？
家づくりで収納スペースを計画する際に、ファミリークローゼットを検討する方もいるでしょう。ファミリークローゼットのある間取りは、工夫次第で生活動線や家事動線を短くできることから、近年人気を集めています。まずは、ファミリークローゼットの概要をご紹介します。
家族の衣類などをまとめて収納するクローゼットのこと
ファミリークローゼットとは、家族の衣類や小物などをまとめて収納するクローゼットのことです。ファミリークローゼットを設ければ、洗濯物をしまったり衣替えをしたりする場合に便利で、家事を効率よく行えます。収納場所としてだけでなく、着替えをしたり洗濯物を干したりするスペースとしても活用できるでしょう。
ファミリークローゼットと混同されやすい言葉に「ウォークインクローゼット」がありますが、誰のための収納スペースなのかという点に違いがあります。ファミリークローゼットは家族全員が使う収納スペースなのに対して、ウォークインクローゼットの多くは居室とつながっているため、その居室を使う人のための収納スペースです。
動線タイプは2種類。それぞれのメリット・デメリット
ファミリークローゼットは、動線の違いで2種類のタイプに分けることができます。ここからは、タイプごとのメリットやデメリットを見ていきましょう。
ウォークイン
ウォークインは、出入り口が1つです。クローゼット内に人は入れますが、通り抜けることはできません。ウォークインには、以下のようなメリット・デメリットがあります。
【メリット】
- 個室として利用できる
- 収納力がある
【デメリット】
- 衣類にカビや臭いがつく場合がある
ウォークインクローゼットは、収納スペースとして使うだけでなく、一部分を書斎などのスペースとして利用することもできます。現状は収納スペースとして使い、将来的に子供部屋にすることも可能です。また、壁面が多いため、その分収納力も上がります。
ただし、ウォークインは風通しがあまりよくないため、湿気や臭いがこもりやすい空間となることに注意しましょう。
ウォークスルー
ウォークスルーは出入り口が2か所あるため、人が通り抜けられるスペースになります。メリットやデメリットは以下の通りです。
【メリット】
- 通路として利用できる
- 他の部屋との動線が短くなる
- 採光が取れ、通気性がよい
【デメリット】
- 壁面が少ない分、収納力が落ちる
ウォークスルーにすれば、クローゼットとしてだけでなく通路としても利用できます。スペースを有効活用でき、他の部屋からの動線もよくなるでしょう。また、ウォークインと比べて、自然光や風も取り込みやすくなります。
一方、動線を確保することでその分収納スペースが減ってしまう点が、デメリットとなるでしょう。
設置タイプは4種類
ファミリークローゼットは、以下のような4種類のレイアウトがあります。
- Ⅰ型：壁の一辺に収納部分がある
- Ⅱ型：向かい合った壁の二辺に収納部分がある
- L型：L字（壁の2辺）に収納部分がある
- U型：U字（壁の3辺）に収納部分がある
ウォークインなのかウォークスルーなのか、場所がどのくらいの大きさなのかによって設置できるタイプは異なるため、スペースに応じてレイアウトを決めるようにしましょう。
必要な広さは家族構成により異なる
ファミリークローゼットに必要な広さは、何人家族でそのうち子供は何人なのかなど、家族構成により異なります。例えば、3〜4人家族で2〜3畳程度、家族の人数や収納量によっては4畳以上の広さが必要となるでしょう。
また、何を収納するのかによっても必要な広さは異なります。間取り検討時には、クローゼット内で着替えをするのかなど、クローゼットの使い方についても考えるとよいでしょう。
失敗・後悔しない！ファミリークローゼットのある間取りで気をつけたいポイント
ファミリークローゼットのある間取りでは、気をつけるべきポイントがいくつかあります。ここからは、失敗や後悔しないためのポイントを見ていきましょう。
生活動線や家事動線などに配慮する
ファミリークローゼットは、生活動線や家事動線を考えて配置するのがポイントです。「畳んだ洗濯物を各部屋に運ぶのが面倒で、リビングなどに置きっぱなしになる」「着替えをする際、1階と2階とを行き来するのが面倒だと感じる」といったケースもあります。家族が暮らしやすい動線を具体的にイメージした上で間取りを考えると、後悔や失敗が少なくなるでしょう。
リビングや玄関近くに配置した場合は来客時に気になることもあるため、ファミリークローゼットの入口にはドアや目隠しをつけるのがポイントです。
用途に合わせて広さや収納方法を検討する
「家族が増える」「子供が巣立つ」など、ライフステージは変化します。思春期の女の子がいる場合などは、家族と一緒のクローゼットを嫌がるケースもあるでしょう。そのため、「将来も含めてどのような使い方をしたいのか」「各部屋ごとの収納スペースは確保するのか」といった、ファミリークローゼットの用途を考えて広さを決めるのが重要です。
また、限られたスペースを有効活用するには、収納方法も大切です。衣類の出し入れや整理整頓がしやすいように、壁面に可動式の収納棚やハンガーパイプを取り付けるなどのアイデアを取り入れられるとよいですね。
脱衣室の近くに配置する場合は湿気対策をする
ファミリークローゼットをランドリールームや洗面所などの近くに設けたり兼用したりする場合は、湿気対策を行うこともポイントです。以下のような対策を行うと、後悔しないでしょう。
- 窓を設置する
- 24時間換気システムを設置する
- 扇風機やサーキュレーターを回す
- 除湿機や除湿剤を置く
ファミリークローゼット内をカビから守るためにも、こまめに換気することを心がけたいですね。
【実例紹介】ファミリークローゼットのあるオススメの間取り
＜実例1＞ランドリールームとつなげた平屋の間取り
洗濯関連の家事をまとめて行える「ランドリールーム」の横にファミリークローゼットを配置すれば、家事動線がよくなります。「洗う、干す、収納」という一連の作業が、効率よく行える実例です。
平屋にすれば、1階に全ての部屋をまとめられるため、各部屋との動線が短くなり、より暮らしやすい家を実現できるでしょう。
＜実例2＞玄関収納と併設した間取り
コートや帽子、カバンなどの外出時に身につけたものは、できるだけ室内に持ち込みたくない方もいるでしょう。玄関近くにファミリークローゼットを配置すれば、帰宅時にすぐ荷物を片付けたり着替えたりすることができます。
ウォークスルータイプにして洗面所や脱衣所ともつなげれば、脱いだ衣類を洗濯機に入れたり手洗いができたりするので便利です。
＜実例3＞寝室と子供部屋の間に配置した間取り
寝室と子供部屋を2階に設置するケースは多いですが、朝起きた際に1階まで着替えを取りに行くのが面倒だと感じる場合もあるのではないでしょうか。ファミリークローゼットを寝室と子供部屋の間に配置すれば、起きてすぐに着替えることができます。
衣類などを片付けやすく、家族全員分の布団などをしまう収納場所としても活用できる間取りと言えそうです。