整形地・不整形地とは?違いやメリット・デメリット、不整形地で建築する際のポイント
整形地とはどのような土地を指すのかや、不整形地との違いを知りたい方もいるのではないでしょうか。双方のメリット・デメリットが気になる方もいるでしょう。今回は、整形地・不整形地の特徴や種類、メリット・デメリットや不整形地で建築する際に気をつけるべきポイントをご紹介します。
整形地・不整形地とは?その種類や特徴
土地は「整形地」と「不整形地」の大きく2つに分類されますが、どのような点に違いがあるのでしょうか。まずは、双方の土地の特徴について見ていきましょう。
整形地とは|正方形や長方形に整形された土地
整形地とは、正方形や長方形に整形された土地を意味します。形が整っているため家が建築しやすく、分譲地で多く見られる土地となります。戸建ての注文住宅を検討している人に、人気がある土地です。
不整形地とは|正方形や長方形に整形されていない土地
不整形地とは、正方形や長方形に整形されていない土地のことで、整形地以外の土地を指します。形が整っていないため、購入検討時に敬遠されがちな土地となるでしょう。土地に無駄なスペースが生まれやすく、建物を建てるスペースが小さくなるという特徴があります。
形状の違いで分かれる土地の種類
整形地と不整形地には、形状の違いによりさまざまな種類があります。ここからは、種類ごとの名称と特徴をご紹介します。
角地(整形地・不整形地)
角地(かどち)とは、2つの道路が交差する角にある土地のことです。角にある土地であれば、整形地でも不整形地でも角地と呼ばれます。道路と接する面積が大きいため、風通しや日当たりがよく、開放感のある家が建てられるという特徴があります。土地としての人気があるため、資産価値も高くなるでしょう。
一方、角地は人目につきやすい土地となるため、防犯面が心配となります。建築時には、道路から距離をとるなど住宅の位置を工夫したり、庭に木やフェンスを設けるなど外構づくりも十分考慮するとよいでしょう。
関連記事:角地のメリット・デメリット。後悔しない外構・トラブルを避けるポイントを解説
旗竿地(不整形地)
旗竿地(はたざおち)とは、道路に接する細い敷地の先に、奥まった敷地がある土地のことです。その土地を上から見た時の形状が「竿のついた旗」に似ていることから「旗竿地」と呼ばれています。道路から奥まった場所に家が建つため家のそばを車や人が通ることがなく、プライバシーを確保しやすい土地です。細い敷地部分は、駐車スペースとして有効活用することもできます。
ただし、周囲が他の土地に囲まれているため、採光や通風については配慮が必要となります。
関連記事:旗竿地のメリット・デメリット。購入前の土地選びの注意点
関連記事:旗竿地の評価は低い?評価方法や売却しやすい旗竿地の選び方を解説
三角地(不整形地)
三角地(さんかくち)とは、三角形の形をした土地のことです。敷地の角部分がデッドスペースとなりやすいため、一般的には使いにくい土地とされています。間取りに制約が生じやすく家具の配置などに気をつけなければいけない点が、デメリットとなるでしょう。
一方、設計のアイデア次第では、土地の形を活かしながら他にはない個性的な家を建てることも可能です。デッドスペースを活かし、庭や倉庫などを作ってもよいでしょう。
台形地(不整形地)
台形地(だいけいち)とは、台形の形をした土地のことです。台形と言っても、四角に近い形から角が鋭角の形までさまざまあります。土地に無駄なスペースができてしまうほか、三角地と同様に、建物の大きさが制限されるなど間取りに制約が出ることがデメリットです。一方で、設計次第で個性的な家が建築できるというメリットがあるでしょう。
傾斜地(不整形地)
傾斜地(けいしゃち)とは、傾斜のある土地のこと。傾斜地は、土地の高低差を埋めるために「盛土」や「切土」など宅地造成をしてから家を建築する必要があります。また、斜面の崩壊を防ぐために、擁壁が必要となる場合も多いでしょう。同じ広さの土地の場合、傾斜地は整形地と比べて土地の価格は安くなりますが、土地の造成や擁壁工事に費用がかかる分、高額となってしまうケースがあるため注意が必要です。
傾斜地のメリットとしては、土地の高低差を活かし、家からの眺望を楽しめることが挙げられます。住宅が密集していないため採光や通風が得られるだけでなく、外部の視線も気にならないでしょう。
関連記事:傾斜地に家を建てるメリットとリスク回避のポイント、費用を解説
整形地のメリット・デメリット
家を建築しやすいとして人気の整形地ですが、どのようなメリット・デメリットがあるかご紹介します。
整形地のメリット
土地を有効活用できる
整形地は建築時の制約が少ないため建物を建てやすく、土地を有効活用できる点がメリットです。設計プランも立てやすいため、希望の間取りが叶いやすいでしょう。ハウスメーカーに多い規格住宅も、問題なく建てられます。
土地の売却がしやすい
土地の資産価値が高いため、売却しやすいことも整形地のメリットとなるでしょう。土地としての需要も多く、流動性が高い土地と言えます。
整形地のデメリット
整形地は非整形地に比べて土地としての評価や需要が高い土地であるため、土地代が高くなります。土地代には、整形地にするための造成費用などが含まれているケースもあるでしょう。人気エリアの場合、購入しようか迷っている最中に土地が売れてしまうこともあります。
不整形地のメリット・デメリット
不整形地は整形地と比べてデメリットが多くなりますが、メリットもあります。不整形地のメリットとデメリットをご紹介しますので、土地購入時の参考にしてください。
不整形地のメリット
整形地より土地を安く手に入れられる
不整形地は整形地と比較すると、土地を安く手に入れられることがメリットです。扱いにくい土地であるため、地価が低くなる傾向があるからです。手が届かないと思っていた人気エリアの土地が予算内で購入できることもあるでしょう。
税金を抑えられる
不整形地は、固定資産税や相続税などの税金を抑えられることもメリットの1つです。同じ面積であれば整形地より固定資産税や相続税の評価額が低くなるため、納める税金も少なくなるでしょう。
不整形地のデメリット
土地の資産価値が低い
不整形地は需要が低く売却時に買い手がつきにくいため、資産価値が低いことがデメリットです。土地としての評価が低く、一般的に扱いにくい土地となります。
希望の間取りが実現しにくい
不整形地で注文住宅を新築する場合、希望の間取りが実現しにくいこともデメリットです。法律上の建築制限がある場合など、理想通りの家が建てられないケースもあります。土地に無駄なデッドスペースが生じやすい点も、デメリットとなるでしょう。
整形地にしないと住宅が建てられない場合がある
不整形地は、傾斜地など形状によっては整形地にしないと住宅が建てられないケースがあります。また、住宅を建築しやすくしたり売却しやすくするために、不整形地を整形地にするケースもあります。そういった場合には隣接地を購入しなければならない場合があることも、把握しておきたいですね。
相続する場合、土地の評価方法が複雑である
不整形地を相続する場合、相続税の申告に関わる不整形地評価額は、整形地としての価額に、かげ地割合と地積区分で決まる「不整形地補正率」をかけて計算します。減額補正されるため、不整形地にかかる相続税は整形地に比べて少なくなるのです。
ただし、この評価額の計算方法は非常に複雑で、相続人が自分で計算することは難しいでしょう。土地の評価を計算する際は、税金に詳しい税理士に依頼する必要があることも覚えておきたいですね。