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定期借地権付き住宅のメリット・デメリット。後悔しないためのポイントも

家選びネット公式 (ie-erabi.net) 2024-10-15
基礎知識

家づくりについて調べる中で「定期借地権付き住宅」もしくは「定借」という言葉を見かけることはありませんか。今回は定期借地権付き住宅の基礎知識からメリット・デメリット、向いてる人の特徴や、やめた方がよい場合までをわかりやすく解説します。ぜひ家づくりの参考にしてみてください。


定期借地権付き住宅の基礎知識



まずは「そもそも定期借地権とは何か」「定期借地権付き住宅は一般的な建売住宅と何が違うのか」といった、定期借地権付き住宅に関する基礎知識を見ていきましょう。


そもそも定期借地権とは?

定期借地権とは、他者が所有している土地を期間を定めて借りる権利のこと。1992年8月1日施行の借地借家法によって定められた借地権のひとつです。

借地権とは、建物を建てる目的で土地を貸し出すときに、契約に組み込まれる権利です。借地権には、契約の存続期間に定めのない「普通借地権」と、期間が限定される「定期借地権」があります。

1992年以前の旧借地法では、借地人(土地を借りる人)のメリットが強く、「一度土地を貸すと、半永久的に戻ってこない」と言われるほどでした。しかし、新しく定期借地権が設けられたことで、貸す人・借りる人双方にメリットのある借地供給が行われるようになりました。


定期借地権付き住宅と一般的な建売住宅の違い

定期借地権付き住宅は、期限付きで地主から借りた土地に建てる住宅のこと。定期借地権付き住宅と一般的な建売住宅との大きな違いは、土地の所有権の有無です。

定期借地権付き住宅の場合、建物の所有権は建築主(借地人)ですが、土地の所有権は地主が保持します。対して一般的な建売住宅は、土地と建物の所有権をセットで購入することができ、双方の所有権は建築主にあります。



定期借地権付き住宅
一般的な建売住宅
土地の権利者
地主
建築主
建物の権利者
建築主(借地人)
建築主


住宅が建てられる定期借地権の種類と期間


定期借地権には、「一般定期借地権」「建物譲渡特約付借地権」「事業用定期借地権」の3種類があります。それぞれの概要を表にまとめました。



一般定期借地権

建物譲渡特約付借地権

事業用定期借地権

契約の存続期間
50年以上
30年以上
10年以上50年未満
利用目的
制限なし
制限なし

事業用建物所有に限る

(居住用は不可)

契約終了時
建物を取り壊して土地を返還する

1)建物は地主が買取る

2)建物は収去せず土地を返還する

3)借地人または借家人は継続して借家として住まうことができる

建物を取り壊して土地を返還する


3種類のうち、住宅を建てられる「一般定期借地権」「建物譲渡特約付借地権」の2つの借地権について解説します。


一般定期借地権

一般定期借地権は、契約の存続期間が50年以上ある借地権です。「契約の更新をしない」「建物再築による期間の延長をしない」「期間満了による建物の買取請求をしない」という3つの条件を公正証書などの書面にて契約することで成立します。


契約更新をしないため、契約満了後に建物を取り壊し、更地にして土地の所有者に返還する必要があります。


建物譲渡特約付借地権

建物譲渡特約付借地権とは、契約の存続期間が30年以上に設定されている借地権のこと。契約満了後は、土地の所有者が借地人から建物を買い取ることで借地権が消滅するため、建物が将来的に残る点が特徴です


契約方法に制限はなく口頭でも成立するとされていますが、30年後に譲渡される建物について所有権移転の仮登記などを行う必要があります。


参考:国土交通省「定期借地権の解説」


定期借地権の地代の相場



定期借地権の地代(土地を借りる時に払う費用)は、都道府県や地域によって異なり、最終的には地主と借地人との合意によって決まります。


一般的に、地代は、更地にした状態の価格が基準となります。更地の価格は、固定資産税評価額か時価、もしくは路線価で計算されたのち、不動産鑑定士の査定によって決定します。なお、一般定期借地権の地代相場は、土地価格の2~3%程度となっています。


定期借地権付き住宅を購入するメリット



定期借地権付き住宅を購入するメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。3つのメリットについて解説していきます。


土地の購入費用を抑えられる

定期借地権付き住宅を購入するメリットのひとつは、土地の購入費用を抑えられることです。定期借地権付き住宅では、地主に月々の地代を支払うことになります。


保証金など一時金は発生するものの、土地のレンタル料は購入代金ほどかからないため、初期投資を抑えながら家を建てることができます


固定資産税の負担を軽減できる

税負担を軽減できる点も、定期借地権付き住宅のメリットです。マイホームを購入すると、土地と建物、それぞれに固定資産税などを支払う必要があります。


定期借地権付き住宅であれば、土地に関する税金は地主が負担することになるため、土地を借りる側は固定資産税などを負担する必要がありません。


【関連記事】一戸建てにかかる固定資産税の計算方法。減税措置やマンションと税額の違いはある?


期限が決まっているのでライフプランを立てやすい

定期借地権付き住宅は、一般定期借地権で50年以上、建物譲渡特約付借地権で30年以上とそれぞれ期限が決まっています。


例えば「将来的に親の土地を相続する」「子どもが巣立ったらコンパクトな家に住み替えたい」など、一定の期間のみ住めればよいと考えている人にとっては、ライフプランを立てやすい仕組みといえます。


定期借地権付き住宅を購入するデメリット



定期借地権付き住宅の購入には、メリットがある一方、デメリットもあります。ここではデメリットについて見ていきましょう。


契約期間に制約がある

定期借地権付き住宅には種類に応じた契約期間があります。一般定期借地権では、契約満了時に建物を取り壊し、更地にして土地を返還しなければなりません。また、建物譲渡特約付借地権の場合は、契約満了時に住宅を地主に譲渡する必要があります。


契約の継続期間に制約があるため、生涯に渡ってその土地・住宅で暮らしたいという方にとっては使いにくい仕組みといえるでしょう。


再建築やリフォームの際には地主の同意が必要である

定期借地権付き住宅では、大規模な改修や再建築などを行う場合に、地主の同意が必要となることがあります。建物内の間取りや設備、内装をリフォームする程度であれば、難しくないと考えられますが、借地条件に具体的な利用条件などが定められている場合は、あらかじめ地主に相談しましょう。


権利関係が複雑になりトラブルが発生する可能性も

定期借地権付き住宅は、借地権と建物所有権の権利者が異なります。そのため、権利関係が複雑となり、不動産取引や相続の際に問題が生じる可能性もあります。


特に、借地権は相続財産の対象となり、相続が可能とされています。よくある相続トラブルとして、「両親が借地に建てた家を相続したが、地主から一代限りの約束で貸していたと退去を求められた」といったケースもあります。


定期借地権付き住宅購入で後悔しない!向いている人の特徴は?


定期借地権付き住宅のメリットとデメリットをご紹介しました。定期借地権付き住宅を購入して後悔しないためにも、この制度を利用するのに向いてる人の特徴を抑えておきましょう。


下記に該当する方は、定期借地権付き住宅の購入がおすすめです。


  • 土地の所有権にこだわらない人
  • 将来的に実家に戻るなど住む期間が決まっている人
  • 住宅ローンで借りる額を抑えたい人
  • アパートの支払いをもったいないと感じてる人
  • 広い土地や建物で暮らしたい人


定期借地権についてハウスメーカーに相談しよう



大手ハウスメーカーには、家づくりのプロが長年積み重ねてきた実績やノウハウをもった営業担当者がいます。定期借地権付き住宅の実例も豊富なので、定期借地権付き住宅について悩んだら、まずはハウスメーカーに相談してみてはいかがでしょうか。


【関連記事】大手ハウスメーカーの営業マンの特徴を知る!豊富な知識と提案力がポイント

【関連記事】大手ハウスメーカーの特徴を一覧で比較!工務店との違いやおすすめポイント


ライフプランに合わせて定期借地権を活用しよう



定期借地権付き住宅には、土地を所有しないしないことで家を建てる費用が抑えられるといったメリットがある一方、期限が決まっているなどのデメリットもあります。定期借地権付き住宅について購入を検討する際は、ライフプランや予算とあわせて考えられるとよいですね。

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