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造成地とは。盛土や切土は危険?地盤を確認し安全な家づくり

家選びネット公式 (ie-erabi.net) 2020-05-25
基礎知識

「造成地とは?」「盛土や切土で地盤に危険は生じないか」「擁壁工事や地盤改良は必要?」など、家づくりの土台となる造成地の土地について気になることもあるのではないでしょうか。今回の記事では、造成地の定義や規制法についてのほか、安全な地盤の土地を購入するための確認方法などをご紹介します。


造成地とは、住宅などを建築する目的で整備された土地のこと


造成地の読み方や定義

造成地(ぞうせいち)とは、住宅などを建てるために整備された土地のことを指します。整備の対象となるのは、部分的に変形している土地や斜面など高低差のある土地、浸食により地盤が軟弱な土地などで、これらの土地を整備することを「宅地造成」と呼びます。


また、大規模(3,000㎡以上)に造成した土地や、傾斜が大きな地盤の上に高く盛土して造成した土地を「大規模盛土造成地」と言います。大規模盛土造成地は、大地震などの際に盛土が滑り出す「滑動崩落」など大きな被害が起きる恐れがあるため、大規模盛土造成地の位置や規模を示したマップを公表している自治体もあります。


宅地造成を規制する宅地造成等規制法とは

宅地造成は、「宅地造成等規制法」という法律によって規制されています。宅地造成等規制法とは、調査をもとにがけ崩れや土砂の流出するおそれが高い区域(宅地造成工事規制区域)を把握し、、災害を防止するために工事等の規制をする法律です。


都道府県知事によって宅地造成工事規制区域に指定されると、工事を行う際に都道府県知事の許可が必要となります。また、工事完了時には検査を受ける必要があり、検査基準に適合していれば「検査済証」が交付されます。


造成地によっては地盤補強や擁壁工事が必要

造成地であれば、すぐに住宅を建てられるわけではありません。造成地の地盤強度によっては、さらに地盤補強工事が必要であったり、土砂崩れなどの危険を回避するために擁壁工事が必要となったりする場合もあります。傾斜や工事の内容によって費用は異なりますが、安心して住めるよう徹底しておくことが大切でしょう。


造成地は切土や盛土によって造成される


住宅を建てる目的で作られる土地の造成方法は、大きく分けて2種類あります。具体的にどのような造成方法なのか解説します。


切土(きりど)とは

切土とは、山地や丘陵地など高い地盤や斜面がある土地に家を建てる際、土を切り取って低くし、平らな敷地を造成する方法です。切土の場合は地面を削るだけなので、地盤の強度が保たれやすく、盛土と比較して地盤の安全性は高いと言えるでしょう。


盛土(もりど)とは

盛土とは、沼地や田んぼ、畑など低い地盤や斜面がある土地に家を建てる際に、土砂を盛り上げて高くし、平らな敷地を造成する方法を言います。一定の規模がある宅地造成の場合は、切土で出た土が盛土をする際に使用されます。盛土は、十分に締め固めておかないと、地盤が軟弱となるほか、建物が斜めに傾いて沈む「不同沈下」や、地震や盛土の自重による「地滑り」が起こりやすくなります。


盛土の造成地には滑動崩落防止対策が必要な場所もある

現在、滑動崩落の可能性が高い盛土造成地に対し、国土交通省は滑動崩落防止工事の支援を行うなど、安全な宅地造成に向けた対策を進めている状況です。大規模盛土造成地の滑動崩落対策の流れや、全国の地方公共団体の滑動崩落対策の進捗状況を掲載することで、防災意識を高めることに努めているようですが、今後も調査や対策が必要だということです。


参考:国土交通省|大規模盛土造成地の滑動崩落対策について


造成地を購入する際に地盤の安全性を確かめる方法


住宅を建てるための土地が造成地である場合、安全な地盤かどうか気になるところではないでしょうか。ここでは、土地の安全性を確かめるための方法をご紹介します。


《方法1》ハザードマップで液状化リスクの有無をチェック

地震発生時の被害のひとつに、地盤沈下や陥没の要因となる「液状化」があります。液状化は、埋立地などの比較的新しい土地や、もともと沼や池であった土地に起こりやすいと言われています。


検討している土地の液状化リスクは、各自治体がホームページなどで公表している「液状化ハザードマップ」で知ることができます。造成地の土地を購入するときは、契約前に確認しておくとよいでしょう。


《方法2》どのような地盤対策を行ったのかを不動産会社に確認

盛土で造成された土地は、地盤が軟弱なケースも多いと言われています。不動産会社から土地を購入する際には、地盤対策の補強工事を行ったかどうかなど、住宅を建てる上での安全性が担保されているかどうか、しっかり確認しましょう。


《方法3》地盤調査を依頼

造成地に家を建てる場合は、地盤調査を行って土地の基礎となる部分の安全性に問題がないかを確かめておくと安心です。地盤調査によって必要とされた地盤対策をしっかり講じておけば、安心して家づくりを進められるはずです。


ハウスメーカーでの家づくりは地盤調査から始めよう


ハウスメーカーで理想の家を建てたいと考えている人もいるのではないでしょうか。この先何十年も暮らす家を建てるなら、土地の地盤の安全性もしっかり確かめておきたいですよね。


ハウスメーカーによっては、費用をかけずに敷地調査を行えるサービスがあります。地盤の強さだけでなく、敷地の魅力を最大限引き出すための特徴や性質を調べてくれるので、安心して家づくりを任せられるのではないでしょうか。


造成地とは何かを理解し、安心安全な家づくりをしよう


造成地とは、住宅を建てられるように整備された土地のことを言います。造成方法には切土や盛土があり、それぞれに土地の特徴があります。安心して家づくりをするためには、ハザードマップで液状化リスクの有無を確かめたり、地盤調査を依頼したりして、地盤の安全性を確かめておくことが大切です。造成地で安心安全な家づくりを進められるとよいですね。


分譲地について知りたい方はこちら。

関連記事:分譲地の区画の選び方。人気の土地や選ぶときに大切にすると良いこと

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