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角地のメリット・デメリット。方角別の特徴や角地購入時の注意点を解説

家選びネット公式 (ie-erabi.net) 2025-04-09
選び方

土地探しをしている方のなかには、「角地」という立地に興味を持つ方もいるのではないでしょうか。実際、角地は人気が高い傾向にあります。一方で、注意すべきデメリットを把握しておらず、購入してから後悔するケースも少なくありません。


今回は、角地の定義やメリット・デメリット、方角別の特徴など、角地でのマイホームづくりで後悔やトラブルを避けるためのポイントを解説します


角地(かどち)の定義とは



角地とは、交差する2方向の道路に接した角にある土地のこと。つまり、上記の図のように、交差点やT字路の角にあり、正面と側面に道路が面している土地が角地となります。


2方向が道路と接するため、開放的で風通しや日当たりのよい家が建てられるほか、建ぺい率が加算されるメリットもあり、人気の高い土地の1つです。


なお、角地には類似する土地の種類として「準角地」や「角敷地」と呼ばれる土地もあります。以下の図で角地との具体的な違いを確認しましょう。




「準角地」とは、L字に屈折する1本の道路の角にある土地を指します。

また、「角敷地」とは、敷地の2方向以上が、道路と河川、道路と公園などに、一定の割合以上で接している敷地のこと。特定行政庁(原則、人口25万人以上の市長)が指定する土地の形態です。

土地の購入を検討する際は、角地の定義を明確に理解しそれぞれの特徴を把握していくことが大切になるでしょう。


角地に家を建てるメリット


まずは、角地のメリットを確認しましょう。


<メリット1>日当たりがよく、開放感がある

角地は、2方向が道路と接するため、日当たりや風通しがよく開放感のある家が建てられることが大きなメリットです。太陽の光を感じられることで、明るい住環境を実現でき、冬でも暖かいでしょう。


また、光と風を取り込みやすいことから、湿気がこもりにくく、洗濯物なども乾きやすいといった特徴もあります。


<メリット2>条件を満たせば角地緩和が適用される

角地に家を建てる場合、条件を満たせば角地緩和と呼ばれる建ぺい率が10%緩和する措置が適用され、通常よりも建物の建築面積を増やせることも嬉しいポイントです。


建ぺい率とは
土地の広さに対してどれくらいの面積の住宅を建ててよいかを定めたもの


なお、角地緩和が適用される角地の指定条件は、自治体によって異なります。詳細については、お住まいの自治体で確認しましょう。東京都の角地緩和の条件については、下記ホームページも参考にできます。


参考:東京都都市整備局「よくある質問」

角地緩和について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にして下さい。

【関連記事】角地緩和の条件とは?建ぺい率や容積率との関係をわかりやすく解説


<メリット3>設計・間取りの自由度が高い

角地は2方向が道路に接していることから、玄関位置を選べるなど設計や間取りの自由度が高くなるのも魅力の1つです。


日当たりのよい場所を選んでリビングやベランダにするなど、立地を活かした快適に暮らせるさまざまなプランが検討しやすいでしょう。


<メリット4>立地が良いため資産価値が高い

角地は立地のメリットが多くあるため、同じ住宅街・面積であるほかの土地と比べて資産価値が高くなります。人気のある土地のため、将来売却する場合も比較的売れやすいでしょう。


<メリット5>防犯性が優れている

道路に接する面が多いことから、人目に付きやすく防犯面に優れているというメリットもあります。土地の3方向を建物に囲まれているケースでは、どうしても死角ができやすく、空き巣や車上あらしといった犯罪に巻き込まれやすい傾向にあります。


その点、角地であれば人通りもあることから、周囲からの視線が気になり防犯性は高まるでしょう。


角地に家を建てるデメリット。トラブルを避けるための注意点


メリットが多い角地ですが、家を建てる際のデメリットを知っておかないと失敗したと感じるケースも少なくありません。ここでは、デメリットとともに建築後のトラブルを回避する方法や注意点をご紹介します。


<デメリット1>日差し対策として遮熱・断熱対策が大切

角地で日当たりがよすぎると直射日光の影響を受け、夏場に室内が暑くなりやすいため、日差し対策が必要となります。設計時に、遮熱・断熱を意識した方法を取り入れるのがオススメでしょう。


具体的には、断熱構造以外にも、「庇の設置」や「窓の種類や位置の工夫」など、さまざまな方法があります。、ハウスメーカーに依頼し、日照のシミュレーションを含めた対策を検討できるとよいでしょう。


<デメリット2>人目に付きやすく、プライバシーへの配慮が必要

角地の住宅は、人目に付きやすい立地のため、住まいのプライバシーにも配慮が必要です。採光のために大きな窓を設置しても、外からの視線が気になりカーテンを開けられないといったことも出てくるかもしれません。


設計時には、外からの視線を防ぎつつ採光と通風に配慮した窓の配置やサイズの検討が不可欠です。さらに、フェンスやブロック塀などで周囲を覆うなど、外構にも注目し安心して暮らせるプライベート空間を確保したいですね。


<デメリット3>道路斜線制限による建物の高さ制限に注意

建築基準法による規制で、建物の高さを制限する「道路斜線制限」があります。角地は2方向に道路が接するため、2つの道路斜線制限を気にしなければならないことにも注意が必要です。


道路斜線制限とは、道路やその周辺の採光や通風を確保するために、道路に面している建物の高さに制限がかかること。制限の限度は、指定されている土地の条件などによって異なりますが、場合によっては3階建ての建物が建てられないということも考えられます。そのため、早めに建築条件を確認しておくことが大切となるでしょう。


【関連記事】日照権とは?トラブル事例や日当たりの良い家を建てる工夫


<デメリット4>土地代や家づくりにコストがかかる

角地の土地代は、近隣の土地に比べて好条件であり資産価値が高いことから割高となります。そのため、住み始めてから毎年の支払いが必要となる固定資産税や都市計画税の負担もその分高くなることを覚えておきましょう。


家づくりにかかる費用も、プライバシーや安全面に配慮した設備などを確保する必要があるため、外構づくりにコストがかかるケースが多いです。


【東西南北】角地の方角による日当たりの特徴



角地は、ほかの建物との接する面が少なく、日当たりのよい家が建てられるのがメリットです。しかし、角地が位置する方角によっては、日当たりのよさを十分に享受できない場合も。ここでは、角地の方角で日当たりがどう変わるのか解説します。


【1】南東角地:朝日が差し込み、日中の日当たりがよい

南東角地とは、土地の南側と東側が道路に面している角地のこと。朝日が入り込みやすく、日中も日当たりが良好で特に人気の高い角地です。西側に建物があれば強い西日が遮られ、さらに快適に過ごせるでしょう。


南東角地は、方角の中でもっとも日当たりがよいため、ほかの角地よりも価格が高くなる傾向にあります。


【2】南西角地:昼~夕方の日当たりがよい

南西角地とは、土地の南側と西側が道路に面している角地のこと。東側に建物がある場合、朝は陽ざしが遮られてしまいますが、昼から夕方にかけての日当たりは良好です。


夏場においては、「暑さが厳しい日中の日差しが入り込む」「西日が入りやすい」といった特徴から、室内気温の上昇に向けた対策が必要かもしれません。


【3】北東角地:朝は日差しを取り入れやすい

北東角地とは、土地の北側と東側が道路に面している角地のこと。東側に建物がないため、朝の陽ざしが入り込みやすいです。


一方で、南側に高い建物があると、日中の日当たりが悪くなることもあります。南側に庭などを配置してスペースを作るなど、日中の日当たりを確保できる工夫が重要となるでしょう。


【4】北西角地:日当たりの確保に工夫が必要

北西角地とは、土地の北側と東側が道路に面している角地のこと。朝や日中の日差しが入り込みにくい一方で、西日は入りやすいです。ほかの角地と比較すると、日当たりが期待しにくいことから、土地の価格が抑えられる傾向にあるでしょう。


日当たりにおいては「隣家との距離を離す」など工夫をすることで、日中の日差しを確保したいですね。


角地を購入する際に確認するポイント


角地といっても立地によっては、後悔につながるケースも考えられます。ここでは、角地を購入する際に抑えておきたい確認ポイントをご紹介します。


土地に関する制限を確認する

土地には、立地によって「建物の高さや大きさ」などに対するさまざまな制限があります。角地の場合、自治体によって異なる制限や緩和基準があるため、きちんと理解してから購入することが大切です。土地の制限を把握しておかないと、希望の間取りや設備を導入できない可能性も出てくるでしょう。


角地における確認するべき土地の制限と、確認ポイントは以下の通りです。


道路斜線制限
  • 建築可能な高さ
    (周辺環境や土地条件によって制限緩和がある)
建ぺい率
  • 角地緩和の適用の有無
    (自治体が指定する角地であると角地緩和が適用される)
隅切り
  • 隅切りが必要か否か
    (周辺状況や土地の条件によって必要性は異なる)


特に「隅切り」には、注意が必要です。隅切りとは、土地の角を切り取って道路にすることで、通行時に曲がり角を通りやすくしたり、見通しを確保したりする目的で設置されます。




隅切り部分は、一般的に空地にしておく必要があるため、間取りに制約が生まれる可能性も考えられます。ほかの制限と合わせて活用できる敷地面積を早めに確認しておくことが大切です。


隅切りが必要かどうかは各自治体によって判断はさまざまなため、土地のある自治体窓口で確認しましょう。


周辺の道路状況を調べる

敷地の2方向が道路に面する角地では、道路の交通量や人通りは、入念なチェックが大切です。交通量が多いと、騒音や安全面以外にも、車の出し入れがしにくいといったことが考えられます。また、人通りが多いと、プライバシーに配慮した対策も必要になってくるでしょう。


道路状況は、時間帯や曜日によって変わる可能性があります。朝や夜、平日と休日といったように異なるタイミングに複数回に分けて、実際に足を運んで確認してみましょう。


角地の方角による特徴を把握する

角地の最大のメリットは日当たりのよさですが、角地が位置する方角によって日当たりは異なるため、それぞれの方角の特徴を理解して購入することが重要です。方角によっては最適な間取りも異なるため、希望の間取りを実現できるかも含めて検討しましょう。


外構を含めた見積もり検討をする

角地は交差点に面していることから、「交通事故等のリスクを抑える」「通行人からプライバシーを確保する」という視点が必要となります。


通常の宅地に比べると、外構を必要とする面積や設備も増えると予想されるため、外構費を含めた見積もりを検討することが重要です。


外構は後回しにしがちなため、土地の検討時に外構を含めた費用を試算することで、後悔を少なくできるでしょう。


なお、安全面を意識すると高い塀の設置が有効ですが、目隠ししすぎると泥棒に狙われやすくなります。フェンスの高さなど防犯面も意識した外構の工夫ができるとよいでしょう。


【間取りプラン紹介】大手ハウスメーカーで角地に家を建てよう


大手ハウスメーカーに依頼して、角地に注文住宅を建てたいと考えている方もいるかもしれません。ここでは、大手ハウスメーカーでどのような家が建てられるのか、実際の間取りプランとともにご紹介します。


隅切り角地など形状に合わせた柔軟な設計プラン

敷地に制約があっても、土地の形状に合わせた柔軟な設計プランを提供しているハウスメーカーがあります。仮に隅切りが必要な場合でも、家の外壁を斜め45度にすることで土地を最大限に活用した家づくりが可能です。


厳しい制限に適応できるシステムが整っていることで、角地のよさを十分引き出した注文住宅を実現できるでしょう。


プライバシーに配慮した中庭のある設計プラン

車や人通りの多い角地では、プライバシーに配慮した家づくりを検討したいですよね。他人の視線が気にならないよう、角地のマイホームに中庭を作った間取りプラン例もあります。


大手ハウスメーカーなら、近隣の窓の高さを検証して中庭の塀の高さを決めるなど、細部にまでこだわりを持った注文住宅の建築も可能です。


【関連記事】大手ハウスメーカーの特徴を一覧で比較!工務店との違いやおすすめポイント


角地のメリット・デメリットを理解して、住み心地良いマイホームを建てよう


角地の定義や、角地に家を建てるメリット・デメリットをご紹介しました。角地は開放感があり、設計・間取りの自由度が高いといったメリットがあります。一方で、道路斜線制限や隅切りといった建築制限が設けられる土地があることも覚えておきましょう


大手ハウスメーカーでは、角地を最大限に活かした設計・間取りプランを提供しており、理想のマイホームを実現できるでしょう。角地のメリット・デメリットを理解して、後悔やトラブルのない家づくりができるとよいですね。

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