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長期優良住宅とは?認定基準やメリット・デメリット、ZEHとの違いを解説

家選びネット公式 (ie-erabi.net) 2026-03-16
基礎知識

「長期優良住宅がお得って聞くけど、結局いくら安くなるの?」「ZEH(ゼッチ)と何が違うの?」と疑問に思っている方もいるかもしれません。特に2024年以降では、認定の有無で住宅ローン控除額が数百万円単位で変わるなど、家づくりにおいて知らないと損をする重要なポイントが増えています。


今回は、長期優良住宅のメリット・デメリットから、ZEHとの違い、認定を受けるべき人の判断基準まで、家づくりを始めたばかりの方にもわかりやすく解説します。


長期優良住宅とは?2026年版の最新基準と概要


長期優良住宅とは、一言でいえば国が定めた厳しい基準をクリアした、将来にわたって価値が下がりにくい家のこと。かつての「建てては壊す」使い捨ての時代から、メンテナンスをしながら「良いものに長く住む」社会へ転換するために作られた認定制度です。近年では大手ハウスメーカーを中心に標準仕様とする会社も増えています。


国が認めた「長く・安心・快適に」住み続けられる家

長期優良住宅に認定されるためには、単に丈夫なだけでは足りません。数世代にわたって構造が維持できる「劣化対策」、地震時の損傷を抑える「耐震性」、さらに配管の掃除や補修がしやすい「維持管理の容易性」など、多岐にわたる項目で高いハードルを越える必要があります。


参考:国土交通省「長期優良住宅のページ」


【2022年改正】ZEHレベルの省エネ性能が「必須基準」に

2022年10月の法改正により、長期優良住宅の認定基準に「高い省エネ性能(ZEH水準)」が追加されました。具体的には、断熱性能等級5以上、一次エネルギー消費量等級6以上という、従来の基準よりも一段上のスペックが求められます。


長期優良住宅を建てることは、自動的に夏は涼しく冬は暖かい、光熱費を抑えられる家になるということ。今や、長寿命であることと省エネであることは切り離せないセットの基準になっています。


2024年以降、長期優良住宅にしないと「住宅ローン控除」で損をする?

2024年1月以降、住宅ローン控除のルールが厳格化され、家の性能によって税金が戻ってくる上限額に大きな格差がつくようになりました。


極端なケースでは、認定がないばかりに戻ってくるはずの税金が数百万円も少なかったという事態にもなりかねません。具体的な減税額の差については、後ほどメリットの章で詳しく解説しますが、知らないと損をする仕組みになっていることを覚えておきましょう。


長期優良住宅のメリット。一般住宅やZEHとの違いは?


長期優良住宅は、一般住宅と比べて金銭面や資産価値において多くの優遇があります。特にZEH住宅よりも優遇期間が長い項目がある点は大きなポイントです。


1.住宅ローン控除額の最大額が増える

長期優良住宅を建てる際に住宅ローンを利用する場合、住宅ローン控除の控除対象となる借入限度額が大幅に増えるのが大きなメリットです。


住宅ローン控除とは、年末時点のローン残高に応じて、所得税や住民税が戻って来る制度です。2026年現在、住宅の種類によって以下のように控除対象となる借入額に差がついています。


住宅の種類借入限度額
長期優良住宅4,500万円(※5,000万円)
ZEH水準住宅3,500万円(※4,500万円)
一般住宅(省エネ適合)3,000万円(※4,000万円)

※若年・子育て世帯


この「借入限度額」の差が、手元に戻ってくる金額に直結します。現在の制度では控除率0.7%・期間13年間となっており、4,500万円のフルローンを組む場合、長期優良住宅なら最大約410万円もの税金が戻ってきます。一般的な省エネ住宅(上限3,000万円)と比べると、手元に残るお金が約136万円※も増える計算です。(※単純計算による目安。実際の控除額は所得税・住民税の納税額により異なります。


共働き世帯などで借入金額が大きくなる傾向にある方にとっては、数十万円の申請費用を払ってでも、十分すぎるほどの節税メリットがあるといえるでしょう。


参考:財務省「住宅税制に関する資料」

【関連記事】住宅ローン控除(減税)とは。適用条件や計算方法、手続きの流れを解説

【関連記事】長期優良住宅とZEHの違い|補助金・住宅ローン控除などメリットと注意点


2.固定資産税の減額期間延長など、税制面での優遇がある

長期優良住宅として認定されると、固定資産税だけでなく、家を建てた際にかかるさまざまな税金が軽減されます。特に、固定資産税の優遇期間が一般住宅やZEH住宅よりも2年長い点は見逃せません。


固定資産税

新築住宅には、家にかかる固定資産税が一定期間「2分の1」に減額される措置があります。長期優良住宅なら、その期間が大幅に延長されます。


  • 長期優良住宅:5年間
  • 一般住宅(ZEH含む):3年間


一般の省エネ住宅(ZEHなど)は3年で減額が終わってしまいますが、長期優良住宅ならプラス2年分、税金が半分で済むということです。


登録免許税・不動産取得税

また、入居後にかかる税金だけでなく、家を建てた際の初期費用も抑えることができます。


例えば、家を自分の名義にする登記にかかる「登録免許税」は、一般住宅の0.15%から0.1%へと税率が引き下げられます。さらに、不動産を取得した際にかかる「不動産取得税」についても、税金計算の元となる金額から差し引ける控除額が一般住宅の1,200万円から1,300万円へと拡大されます。


参考:国土交通省「認定長期優良住宅に関する特例措置」


3.「フラット35」や民間ローンの金利優遇が受けられる

金銭面のメリットは税金だけではありません。借入金利についても、長期優良住宅は一般住宅より優遇されるケースが多くあります。代表的なのが、全期間固定金利で人気の「フラット35」です。長期優良住宅であれば、一定期間金利を引き下げる「フラット35S」が利用可能となり、借入金利を大幅に抑えることができます。


また、こうした優遇は公的なフラット35に限った話ではありません。多くの民間銀行においても、長期優良住宅などの認定住宅専用の特別金利を設けており、一般の省エネ住宅よりもさらに低い金利が適用されることがあります。


参考:住宅金融支援機構【フラット35】


4.地震保険の割引が受けられる

家を建てた後のランニングコストにおいて、意外と見落とせないのが「地震保険料」の割引です。


長期優良住宅は、高い耐震性能が公的に証明されているため、地震保険料が大幅に割引されます。保険料は建物の耐震性能に応じて割引率が異なりますが、「耐震等級3」の長期優良住宅であれば一律で50%割引となります。これから何十年と続く固定費を確実に抑えることができるため、一般住宅よりも保険料を安くすることが可能です。


5.資産価値が落ちにくい

長期優良住宅は、国が指定する維持保全計画に基づいて点検記録を残す必要があります。これにより、将来もし売却することになっても適切に管理された高品質な住まいとして評価され、一般住宅より価値が落ちにくくなります。将来の住み替えや相続を見据えた際にも、資産を守る強い武器になるでしょう。


参考:国土交通省「長期優良住宅に」


6.補助金が受けられる

長期優良住宅は、国が実施する補助金制度において、最高ランクの優遇枠に設定されることが多いのが特徴です。


例えば2026年度に実施される「みらいエコ住宅2026事業」では、1戸あたり最大75万円の補助金が交付されます。年度によって名称や金額は変わりますが、認定を取得することで、建築費のアップ分を補助金で賢く相殺できる点は、予算を重視する方にとって大きな後押しとなるでしょう。


参考:国土交通省「1.みらいエコ住宅2026事業について」


長期優良住宅のデメリットと後悔しないための対策


長期優良住宅には多くのメリットがある一方で、コストや手間に関するデメリットも存在します。ここからは、後悔しないために知っておきたいデメリットをご紹介します。


1.申請費用と建築費用がアップする

長期優良住宅の認定を受けるためには申請費用がかかります。一般的には、行政への手数料や書類作成の代行費用として数万〜数十万円のコストがかかります。


また、高い耐震性や断熱性を確保するために、一般住宅よりも建築費用が割高になる傾向があります。ただし、最初から「長期優良住宅が標準仕様」のハウスメーカーを選べば、追加の建築コストを最小限に抑えられるケースも多いでしょう。


2.メンテナンスや点検を継続的に行う必要がある

家を建てた後も、あらかじめ作成した「維持保全計画」に沿って、少なくとも10年ごとの点検が義務付けられています。もし点検や必要な補修を怠ると、認定が取り消され、それまでに受けた税金優遇や補助金の返還を求められるリスクもあります。


3.建築期間が長くなることも

長期優良住宅は、一般住宅とは異なり、着工前に所管行政庁での審査期間が必要となります。


審査には数週間から1カ月程度かかるケースが多く、書類作成の時間を含めるとさらに余裕を見る必要があります。住宅ローンの実行時期や仮住まいの契約期間にも影響するため、スケジュールにはあらかじめ余裕を持たせておきましょう。


【補足】マンションの長期優良住宅は少ない

一戸建てに比べ、マンション(共同住宅)は認定基準のクリアや手続きにさらに多くの時間とコストがかかります。そのため、現状では「長期優良住宅認定マンション」の数はまだ少ないのが実情です。


【関連記事】長期優良住宅で後悔しない!メリット・デメリットや注意点を紹介


認定を受けるための主な基準|2026年版チェックリスト


長期優良住宅として認定を受けるには、国が定めた以下の基準をすべてクリアする必要があります。難しい専門用語も多いですが、一戸建ての場合は主に7つのポイントを押さえておきましょう。


1.耐震性

大規模な地震が起きても、建物の損傷を最小限に抑え、補修して住み続けられる性能が求められます。具体的には「耐震等級2以上」が必要ですが、現在の注文住宅では最高ランクの「耐震等級3」を目指すのが一般的です。


2.省エネ性

2022年の改正で最も重要になった項目です。「断熱等性能等級5以上」かつ「一次エネルギー消費量等級6以上」という、ZEHレベルの高い省エネ性能が必須となっています。


3.維持管理

内装や配管の点検・清掃・補修がしやすい構造かどうかがチェックされます。例えば、将来水漏れが起きても床を壊さずに修理できるよう、専用の点検口や掃除口が設けられている必要があります。


4.劣化対策

数世代にわたって、土台や骨組みが腐らずに維持できる工夫が必要です。湿気対策やシロアリ対策、換気性能などが厳しく審査されます。


5.住戸面積

豊かな暮らしを確保するため、一戸建ての場合は床面積の合計が75㎡以上であることが条件です。また、少なくとも1階の床面積が40㎡以上必要となります(※地域により一部例外あり)。


6.居住環境

地域の景観を壊さないルール(地区計画など)を守っているかに加え、2022年からは災害リスクのチェックも加わりました。土砂災害特別警戒区域など、安全性が低い場所では認定が受けられない場合があります。


7.維持保全計画

建築時には、30年以上にわたる点検・補修の計画を立てることが義務付けられています。入居後も少なくとも10年ごとに点検を行い、その記録を保存していく必要があります。


※このほか、マンションなどの共同住宅では「可変性(間取りの変えやすさ)」や「バリアフリー性(高齢者等対策)」の基準も審査対象となります。


長期優良住宅の申請手続き。必要書類や失敗しない流れ


長期優良住宅の申請は、専門的で煩雑なため、施工会社に代行してもらう方が多いです。ただし、施主として絶対に知っておくべきタイミングの注意点を確認しておきましょう。


【重要】必ず「着工前」に申請を完了させる

最大の注意点は、工事が始まる前に申請(または認定)を済ませる必要がある点です。家が完成した後や、工事が始まってからやっぱり長期優良住宅にしたいと思っても、後から申請することはできません。長期優良住宅を検討している場合は、設計の初期段階で必ず担当者に伝えましょう。


申請の一般的な流れ

手続きは、以下の3ステップで進むのが一般的です。


  1. 技術的審査
  2. 適合証の発行
  3. 所管行政庁への認定申請


まず、登録住宅性能評価機関に書類を提出し、基準を満たしているか審査を受けます。そこで審査に通ると適合証が交付されます。交付された適合証と認定申請書を、お住まいの市区町村などの窓口へ提出します。


申請に必要な書類(例)

自分ですべてを用意する必要はありませんが、主に以下のような書類が作成されます。


  • 認定申請書
  • 設計内容説明書
  • 各種図面・計算書


費用の内訳(行政手数料と代行費用)を確認

申請にかかる費用は、大きく分けて2つあります。


  • 行政手数料:自治体や審査機関に支払う公的な費用(数万円程度)
  • 代行手数料:複雑な書類作成や申請を代行するハウスメーカー等に支払う費用(10万〜20万円程度)


施工会社によっては、この代行費用が当初の見積書に含まれていないケースもあります。最終的な支払い金額が予算を超えてしまったとならないよう、契約前の段階で長期優良住宅の申請に関わる全ての費用を提示してもらうようにしましょう。


参考:国土交通省「長期優良住宅のページ」


大手ハウスメーカーで長期優良住宅を建てよう


「長期優良住宅にしたいけれど、手続きが難しそう…」と不安に感じるなら、大手ハウスメーカーを検討するのが近道です。


大手ハウスメーカーの多くは、長期優良住宅の認定を前提とした標準仕様のプランを展開しています。最初から基準をクリアした設計になっているため、建築費が後から大きく跳ね上がるリスクが少なく、煩雑な書類作成や行政への申請もすべてプロに一任できるのが大きなメリットです。


また、入居後の定期点検を確実にサポートしてくれる体制があるのも心強いポイント。まずは気になるメーカーの資料を請求し、長期優良住宅が標準仕様かどうかを確認することから始めてみてはいかがでしょうか。


【関連記事】大手ハウスメーカーの特徴を一覧で比較!工務店との違いやおすすめポイント


長期優良住宅の条件やメリット・デメリットを理解して最高の家づくりを


長期優良住宅は、初期費用や手間がかかるものの、住宅ローンを組む世帯や補助金を賢く使いたい世帯にとってはとてもお得な選択肢です。高い省エネ性と耐震性を備えた家は、日々の光熱費を抑え、将来売却する際も価値ある資産として認められます。


まずは、検討中のハウスメーカーに自分たちの借入額なら、認定を取ることでいくら税金が戻るかを試算してもらうことから始めるのがオススメ。目先の建築費だけでなく、30年、50年先までのトータルコストで考え、最高の家づくりをはじめましょう。

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