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ウォークスルークローゼットとは?間取り実例や設置パターンの成功例を紹介

家選びネット公式 (ie-erabi.net) 2024-11-24
間取り・設備
限られた空間を有効活用したいと考え、ウォークスルークローゼットの導入を検討している方もいるのではないでしょうか。しかし、配置や広さが家族のライフスタイルにマッチしていないと、使いにくく後悔につながる可能性もあります。

今回は、ウォークスルークローゼットの配置パターンやメリット・デメリット、成功に向けた設置時の注意点を解説します。大手ハウスメーカーの間取り実例もご紹介しますので、家づくりを進める際の参考にしてください。

ウォークスルークローゼットとは?


ウォークスルークローゼットは、家事動線や生活動線の利便性が上がるとして、近年、新築住宅やマンションのリノベーションなどにおいて需要が高まっています。まずは、ウォークスルークローゼットの概要や設置パターンの種類を確認しましょう。


通り抜けられる収納スペースのこと

ウォークスルークローゼットとは、クローゼット内を通り抜けられる収納スペースのこと。家族の衣類などをまとめて収納する、ファミリークローゼットの一種です。基本的に出入り口が2つあるため、移動のついでに服を選んだり、物を収納できたりと回遊性の高さが魅力の収納です。

一方で、ファミリークローゼットには「ウォークインクローゼット」という種類もあります。こちらは出入り口が1つのため通り抜けができませんが、その分壁面が多く収納力が高いことが特徴です。

それぞれの収納を比較すると、以下のような違いがあります。
種類出入り口特徴

ウォークスルー

クローゼット

2つ回遊性が高い

ウォークイン

クローゼット

1つ収納力がある


どちらの収納を採用するかは、「家の面積」や「家族のライフスタイル」「住まいで何を優先したいか」を考慮して選択できるとよいでしょう。


ウォークスルークローゼットの設置の種類

ウォークスルークローゼットには以下の4つの設置パターンがあり、種類によって使い勝手や必要となる広さが異なります。それぞれの特徴をご紹介します。

【設置パターン1】I型

I型とは、通路の片側に収納があるタイプ。広い空間を必要とせず、狭い廊下などにも採用しやすい形です。片側のみの収納のため、収納物も少なくすっきりとした印象を持ちやすいのが特徴。一方で、収納力は少ないため、収納する服や物を厳選する必要があるでしょう。


【設置パターン2】Ⅱ型

Ⅱ型は、通り抜ける通路の両側に収納があるタイプです。配置する場所に広さを必要としますが、収納力があるため、服やバック、アクセサリーなどさまざまなアイテムをまとめて管理できます。ラックや壁面棚などを活用して見せ方にこだわるなど、インテリア性を楽しめるデザインです。


【設置パターン3】L型

L型とは、L字の形に沿って収納を配置するタイプです。デッドスペースとなる壁面の角を有効活用したスマートなデザインが魅力。収納面が多く取れることから、洋服や物の分類がしやすく使い勝手がよい収納です。


【設置パターン4】U型

U型とは、Uの字に沿って折れ曲がるように収納を設置するタイプ。収納面が3箇所取れるため、紹介した4パターンの中で最も収納力が高いです。動線が複雑になる分、配置が難しいですが、プライベートな空間を演出しやすいでしょう。



ウォークスルークローゼットの4つのメリット


ここからは、ウォークスルークローゼットのメリットを見ていきましょう。


〈メリット1〉回遊性が上がる

ウォークスルークローゼットは、基本的に収納スペースと通路を兼ねたつくりのため、家の中の回遊性が向上するのが特徴です。間取りにおける「回遊性」とは、行き止まりがなく、ぐるりと移動できるつくりのこと。家族の生活動線や家事動線を意識して配置すれば、効率的な身支度や家事を実現でき、無駄な動きを減らし時短も叶えられるでしょう。

また、収納スペース内の通路が廊下の役割を果たすため、スペースの節約につながり、住宅内の限られた敷地を有効活用しやすいです。


〈メリット2〉多彩なアイテムをまとめて収納できる

1箇所に広めに収納スペースを確保するという特徴があるため、さまざまな物をまとめて収納できるのも嬉しいポイントです。家族の服を集約できると、洗濯物をしまう際の移動が少なくて済みます。また、季節のアイテムなどをまとめておけると、整理がしやすく、使うときの探す手間も最低限にできるでしょう。


〈メリット3〉おしゃれな空間を演出できる

棚やハンガーラックなどを活用して、自分好みのおしゃれな空間を演出できるのも魅力の1つです。収納の自由度が高いので、アパレルショップのように服を飾ったり、お気に入りのアイテムを間接照明で照らしたりと、「見せる収納」で気分を上げることもできるでしょう。


〈メリット4〉採光や通気性がよい

扉を設置せず2箇所の出入り口があることで、光や空気を取り込みやすくなり、採光や通気性が確保できるのもメリットです。密閉しないことで湿気がこもりにくく、衣類や小物のカビや防虫対策にもつながります。


ウォークスルークローゼットの2つのデメリット



スペースを有効活用でき、動線や採光・通気性など、さまざまなメリットがあるウォークスルークローゼットですが、少なからずデメリットもあります。採用する際は、以下のデメリットも考慮したうえで検討しましょう。


〈デメリット1〉収納スペースが狭くなる

ウォークスルークローゼットには、収納のほかに動線としての役割もあるため、人が通るスペースを確保しなければなりません。通路を設ける分、収納スペースが狭くなる可能性があります。同じ面積のウォークインクローゼットに比べると、どうしても収納量が劣るでしょう。

また、廊下の役割も兼ねているため、収納部分が足りず服や物を床に置きっぱなしの状態にしてしまうと、生活しにくくなることも考えられます。事前に収納物と収納量のバランスをイメージしたり、入居後は整理整頓を意識したりすることが大切です。


〈デメリット2〉配置が難しい

家事や生活のしやすさを意識する場合、動線だけでなく通路幅や収納量、収納スタイルなどさまざまなことを考慮する必要があり、配置が難しいと感じる方も少なくありません。


ある程度のスペースが必要となると「希望の場所に設置できない」「収納スペースに十分な奥行きがなく使いにくい」というケースも出てくるでしょう。収納は家を建てた後からの変更が難しい場所です。ウォークスルークローゼットの設置を希望する場合には、設計の検討段階から施工会社と十分な打ち合わせを行いましょう。


ウォークスルークローゼットを設置するおすすめの場所



ウォークスルークローゼットは設置場所によって使い勝手が変わるため、効率化したい内容によって配置を検討することが大切です。ここでは、おすすめの設置場所をご紹介します。


玄関とリビングをつなぐ場所

玄関とリビングをつなぐ場所に設置すると、外出時に必要なアイテムをまとめて収納できるので便利です。身支度がしやすく、忘れ物防止にもつながるでしょう。

さらに、帰宅後はリビングに入る前にカバンやコートなどを収納できます。家族の集まる場所に、個人の所有物を置くことが減れば、整理された環境を維持しやすくなるのでおすすめです。


寝室とリビングをつなぐ場所

寝室とリビングをつなぐ場所に設置すると、起床後に身支度を整えてからリビングに入れるため、時間を効率的に使えます。扉やロールスクリーンなどを活用してクローゼットの中を来客から見えない仕様にしやすいため、プライバシーを重視したい方にも適しているでしょう。


キッチンと洗面室をつなぐ場所

家事の負担を減らしたいなら、キッチンと洗面室をつなぐ場所に設置するのがおすすめです。洗面室に洗濯機を置くケースが多いため、料理をしながら洗濯機を回すといった行き来も楽に行えるでしょう。乾いた服を収納しつつ、キッチンで使用するタオルやふきんを収納するといったこともでき、時短につながります。

また、キッチンと洗面所近くに収納場所があると、パントリースペースのような使い方も可能です。災害用備蓄品や日用品、調理家電などを幅広くまとめて管理できます。



後悔しない!ウォークスルークローゼットの注意点



ウォークスルークローゼットの設置場所は後から変更ができないので、失敗しないためには、いくつか注意する点があります。家族にとって使いやすいウォークスルークローゼットにするための4つのポイントを解説します。


【注意点1】家族の生活動線を意識した配置にする

ウォークスルークローゼットは、廊下の要素も兼ねるため、家族の生活動線に沿った場所選定が不可欠です。「朝起きたらまず何をするのか」や「帰宅後はどのような動きをしてほしいか」など、現状や悩み、希望を事前に洗い出してみるのもよいでしょう。

そこに、理想の家事動線を組み合わせ、設置によって生活のストレスが少なくなるか確認します。回遊動線でスムーズな移動が可能になれば、家族の行き来もしやすく快適な生活につながるでしょう。


【注意点2】収納する物を考慮して配置を決める

ウォークインクローゼットに比べると、期待した収納量を確保できない可能性があります。後悔を少なくするポイントは、事前に何を収納したいのか把握したうえでスペースと配置を決めることです。

何をどのように収納したいかが明確になると、収納に必要な奥行きが定まります。例えば、服を収納する場所としてハンガーパイプを活用する場合、奥行きが50cm程度あると通路に服が被らず移動がしやすくなります。

柔軟に物を収納したい場合は、棚を可動棚にしておくのもよいでしょう。


【注意点3】水回りの近く配置する際は換気を心がける

通気性のよさがウォークスルークローゼットのメリットですが、湿気が溜まるとカビが発生してしまう可能性もあります。浴室や洗面所、キッチンといった水回りの近くに設置する際は、湿気が溜まりやすい傾向にあるため、換気を心がけることが大切です。


特に出入口に扉をつける場合には、近くに窓や換気扇を設置したり、除湿効果の高い壁紙を導入したりするなど、湿気対策を検討しましょう。


【注意点4】通路も兼ねるため見栄えを意識する

ウォークスルー収納は通路を兼ねるため、気持ちよく使える場所として見栄えも意識しましょう。物を置いたままにしたり、乱雑に使ったりすると回遊動線もうまく機能しません。


アイテムごとの収納グッズを活用するだけでなく、最低限の通路幅を確保することも大切です。収納に必要な幅の目安は、I型なら1.2m以上、II型であれば1.8m以上といわれており、通路幅はおよそ60cmが望ましいとされています。


【大手ハウスメーカー】ウォークスルークローゼットの間取り実例



ここからは、大手ハウスメーカーならではのウォークスルークローゼットの間取り実例をご紹介します。

【実例1】家族で使えるファミリークローゼット

主寝室と子ども部屋の間にファミリークローゼットとして配置した事例では、廊下にもつながる間取りにしたことで、より機能的なウォークスルークローゼットが実現しました。それぞれの個室に収納を設ける必要がなくなり、スペースの節約に貢献。さらに、家族の共有アイテムを1箇所にまとめることで物の管理がしやすい住まいとなっています。


【実例2】寝室と洗面室をつなぎ快適な動線を実現

ウォークスルークローゼットで寝室と洗面室をつなぐことで、スムーズな家事動線を実現した事例もあります。洗濯乾燥機のある洗面室からクローゼットに直接アクセスできるため、乾かした洗濯物を最短で収納できます。また、寝室・クローゼット・洗面室が隣接することで、朝の身支度もスムーズになり機能性抜群です。


【実例3】寝室から廊下へプライベートを重視した平屋

平屋間取りでは、主寝室と廊下をつなぐL字のウォークスルークローゼットを採用した事例もあります。玄関から近く利便性が高くありながら、扉があることでプライベートな空間を維持でき、来客時も安心です


また、子ども部屋には別で収納を設けたことで、個人の所有物はそれぞれで管理し、家族の共有物はウォークスルー収納で管理といった使い分けもできるでしょう。



ウォークスルークローゼットで快適な住まいを実現しよう



2箇所の出入り口があり、高い回遊性が特徴のウォークスルークローゼット。一方で、ウォークスルークローゼットを採用して後悔しないためには、家族の生活動線を意識したり、自分たちに合った収納スペースを確保したりすることが大切とされています。

間取りに悩んだ際は、ハウスメーカーなど設計のプロに相談するのも1つの方法です。今回紹介した間取り実例などを参考に、暮らしに馴染む快適な収納をかたちにしてみてはいかがでしょうか

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