
建売住宅を購入するまでの流れを徹底解説!かかる期間や注意点も
建売住宅の購入を検討されている方の中には、「何から始めたらよいかわからない」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。建売住宅を取得する時は、購入までの流れだけでなく、必要な手続きやポイントを押さえておくことが大切です。
今回は、建売住宅を購入するまでの流れを段階ごとに解説。あわせてかかる期間や注意点もご紹介していますので、参考にしてみてください。
建売住宅とは?
購入の具体的な流れを解説する前に、まずは「建売住宅」についての基本的な知識を押さえましょう。
建売住宅とは、土地と建物がセットになっている物件のこと。ハウスメーカーや不動産会社が自社で仕入れた土地に住宅を建てて、販売を行っています。間取りや内装、工法や設備などを自分好みに設計して建築する「注文住宅」とは異なり、建物が完成した状態で販売されているのが建売住宅の特徴です。
近年では、着工前や建築中など未完成の状態で販売する物件もみられますが、どの場合においても、設計プランが確定した状態で販売されています。
建売住宅を購入するまでの流れ
建売住宅を購入するまでの流れを、土地・建物の「売買契約前」と「売買契約後」に分けて解説します。
【売買契約前】6つのステップ
売買契約前には、次のような6つのステップがあります。
1.資金計画を立てる 2.物件を探す 3.物件の見学に行く 4.物件購入を申し込む 5.住宅ローンの事前審査を受ける 6.売買契約を結ぶ |
一つひとつ詳しく見ていきましょう。
1.資金計画を立てる
建売住宅を購入する際、最初にすべきことは資金計画を立てることです。建売物件は、販売価格が決まっているので、注文住宅より予算を立てやすいでしょう。
マイホームの購入は、とても大きな買い物です。住宅購入後の生活などを踏まえて無理のない予算を決め、予算内で購入できる物件を探しましょう。なお、住宅の購入価格は年収の6倍〜7倍程度が無理のない価格と言われています。
また、資金計画には、引っ越しや新しく購入する家具にかかる費用も含めておくとよいでしょう。
2.物件を探す
資金計画ができたら、次は物件探しです。この時に注意したいのは、やみくもに物件を探すのではなく、事前に大切にしたい条件を整理すること。「譲れないもの」「妥協できるもの」など優先順位を明確にしてから物件探しを始めましょう。
なお、物件を探す時は、「ハウスメーカーのサイトで調べる」「不動産情報サイトで検索する」「モデルハウスを見学する」など、さまざまな方法があります。どれか一つの方法で探すのではなく、複数の方法を組み合わせながら探すと、自分に合う物件と出会える確率が上がるでしょう。
3.物件の見学に行く
条件に合う物件を見つけたら、実際に内覧してみましょう。建売住宅には、完成済みの物件を実際に、事前に見学できるというメリットがあります。暮らすことをイメージしながら実際に物件を見てみると、想像と違う部分や気になることも出てくるでしょう。懸念点がある場合は、担当者に確認することをおすすめします。
4.物件購入を申し込む
見学を経て、購入したい物件が決まったら、購入申し込みを行います。ただし、この時点で購入が確定したわけではなく、あくまで「購入したい」という意思表示にすぎないという点に注意が必要です。
また、物件によっては、申し込みの際に約10万円程度の予約金あるいは申込金が求められる場合があります。ただし、購入に至らなかった場合は全額返金されます。申込金などについては、事前に担当者に確認しましょう。
5.住宅ローンの事前審査を受ける
住宅ローンを利用する場合、購入申し込みと並行して住宅ローンを申し込み、金融機関による事前審査(仮審査)を受ける必要があります。住宅ローンの事前審査を受ける場合、下記の書類が必要になります。
・本人確認書類(運転免許証や健康保険証など)
・収入証明書類(源泉徴収票、課税証明書など)
・物件確認書類(物件の概要書や価格表など)
なお、事前審査の結果は、3日〜7日程度で出るケースが多いです。
6.売買契約を結ぶ
住宅ローンの事前審査が通ると、売買契約を結ぶことができます。物件の担当者に、事前審査を通過した旨を連絡し、契約書類を準備してもらいましょう。
売買契約を結ぶにあたり、宅地建物取引士から事前に重要事項説明を受けます。これは土地や建物を契約するうえでの重要事項として、「物件に関する事項」や「インフラの整備状況」「法令に関連事項」「取引条件に関する事項」などが説明されるものです。説明を聞き、わからないことや不安点、懸念点があれば、その場で確認しましょう。
重要事項と売買契約の説明を受けたら、書類に署名・捺印をし、売買契約が結ばれる形になります。この時、「手付金」や「仲介手数料」「契約印紙代」などが発生しますので、事前に担当者に金額を確認し、用意しておきましょう。また、契約時には実印も必要になるので、忘れずに持参してください。
【売買契約後】5つのステップ
売買契約を締結してから入居するまでには、以下の5つのステップがあります。
1.住宅ローンの本審査を受ける 2.登記申請の準備をする 3.引渡し前の最終確認として立ち会いをする 4.物件の引き渡しを受ける 5.入居・引っ越しをする |
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
1.住宅ローンの本審査を受ける
売買契約締結後は、住宅ローンの本審査に進みます。本審査では事前審査よりもさらに厳密な審査が行われ、「住宅ローン申込書」「住民票」「源泉徴収票」「登記事項証明書」などの書類が必要となります。
書類に関しては、事前に担当者に確認し、抜けや漏れがないようしっかりと用意しましょう。なお、本審査には、7日~10日程度かかるのが一般的とされています。
2.登記申請の準備をする
引き渡し、および入居の前に登記の手続きが必要になります。建売住宅の購入に必要な登記は以下のとおりです。
・建物表題登記
・所有権移転登記
・所有権保存登記
・抵当権設定登記
登記は自ら行うことも可能ですが、手間や時間がかかる複雑な手続きのため、司法書士に依頼する場合が大半です。
3.引渡し前の最終確認として立ち会いをする
物件の引き渡しの前に、最終確認としてハウスメーカーもしくは不動産会社と買い主双方で、物件の状態を確認する立会検査を行います。すみずみまでしっかりと確認し、気になる点は確認しましょう。また、設備などに不備があれば、補修も依頼しましょう。
立会検査時には、建物内の寸法チェックをしておくこともおすすめです。家具の配置や場所や搬入経路の寸法を計測しておくことで、引っ越し時に家具が入らないといったトラブルを防ぐことができます。
4.物件の引き渡しを受ける
立会検査や、必要に応じた補修工事を終え、問題がなければハウスメーカーもしくは不動産会社から買い主へ物件の引き渡しが行われます。住宅ローンを利用する場合は、融資を受ける金融機関の店舗に、買い主と売り主であるハウスメーカーもしくは不動産会社の担当者が集まって、手続きを行います。
住宅ローンの融資が実行され、決済の確認が取れたら、物件の鍵が売り主から買い主に渡されます。鍵の受け渡しをもって引き渡しの完了です。
5.入居・引っ越しをする
引き渡しが終わったら、いよいよ引っ越しを行い、入居となります。引っ越しをはじめ、家具や家電の購入には、余裕を持ったスケジュールを組むことをおすすめします。特に家具・家電は、納品に時間がかかる場合もありますので、注意しましょう。
建売住宅の購入から入居までにかかる期間
建売住宅の購入までにかかる期間の目安は、物件を探し始めてから契約するまでに約1年、契約後入居までが約3カ月ほどです。
完成済みの住宅かつ、売買契約および住宅ローンの手続きがスムーズに終われば、契約から約1カ月程度で入居できる場合もあります。
建売住宅を購入する時の5つの注意点
建売住宅を購入する際に注意したい5つのポイントをまとめました。
1.物件価格に含まれる内容を確認する 2.周辺環境や立地をチェックする 3.重要事項に関する説明をしっかり聞く 4.立ち会い時に物件の状態を把握する 5.アフターサービスの内容を確認する |
それでは、上記のポイントについて一つひとつ解説していきます。
1.物件価格に含まれる内容を確認する
建売住宅を購入する時の注意点として、「物件価格」があります。物件価格に含まれる内容や項目はメーカーによって異なるため、事前にしっかりチェックしておきましょう。
例えば、エアコンやカーテンレールなど必要な設備が価格に含まれていない、オプションとして追加費用がかかるといったケースもあります。見積もりに記載されている項目を確認したうえで購入を検討しましょう。
2.周辺環境や立地をチェックする
物件見学時には、物件だけでなく近隣住民の様子や車通り、学校・病院・スーパーといった周辺環境もチェックしましょう。物件周辺を実際に歩き、自分の目で確かめるのがおすすめです。その際は、昼間だけでなく時間帯を変えて歩いてみましょう。
また、その物件があるエリアのハザードマップを確認し、災害時についてシミュレーションしておくことも重要です。
3.重要事項に関する説明をしっかり聞く
前述の売買契約時における宅地建物取引士からの重要事項説明は、しっかりと聞きましょう。文字通り、重要事項であり、今後の生活においても大切な事柄が説明されます。
説明の中には、聞き馴染みのない言葉もあるかもしれませんが、わからないこと、気になること、懸念点などは、そのままにせず素直に質問、あるいは確認を行いましょう。
4.立ち会い時に物件の状態を把握する
引き渡し前の立会検査は、物件の状態をすみずみまで確認できる最後のチャンスです。設備や構造の不具合、内装・外装の仕上げの様子など、細かく丁寧にチェックしましょう。
住み始めてからでは補修が実費になる可能性もあるため、気になることがある場合は些細なことでもその場で担当者に共有し、確認や必要に応じて補修工事を実施してもらいましょう。
5.アフターサービスの内容を確認する
アフターサービスの内容を確認することも、注意点の1つです。長く住み続けられるよう、売り主であるハウスメーカーもしくは不動産会社のアフターサービスの内容を事前に確認しておきましょう。
サービスの内容だけでなく、どれくらいの期間に渡ってアフターサービスが受けられるのかも確かめておくことも大切です。
大手ハウスメーカーなら購入までの流れをしっかりサポート
大手ハウスメーカーで販売している建売住宅なら、購入から入居までの流れをしっかりサポートしてくれます。営業担当者に相談すれば、豊富な知識と経験から適切なアドバイスをしてくれるでしょう。
快適な住まいの提供はもちろんのこと、住宅ローンの申し込みから審査など必要な手続きと流れについて相談できるので、安心して初めてのマイホームの購入を進められますよ。
購入までの流れを把握して、自分に合った建売住宅を選ぼう
今回は建売住宅における購入までの流れをご紹介しました。建売住宅は、すでに建てられた物件、あるいは決まったプランで販売されているため、「暮らしをイメージしやすい」「資金計画を立てやすい」といったメリットがあります。
物件探しから入居までは、おおよそ1年ほどかかりますが、購入までの流れを把握して、自分に合った建売住宅を選べるとよいですね。