
平屋と二階建て、どちらがいい?メリット・デメリットを徹底比較!
マイホームを検討している人の中には、平屋と二階建てのどちらにするかでお悩みの方もいるのではないでしょうか。平屋にも二階建てにもそれぞれメリット、デメリットがあります。
今回は、ライフスタイルに合わせた家選びができるよう、それぞれの建築費や固定資産税、生活の利便性など、比較検討したいポイントについて解説します。
平屋と二階建ての割合
平屋とは、一階建ての家のことで、日本に古くからある住宅の形です。現在では、土地を有効活用するため、二階建てや三階建ての住宅、あるいはマンションといった集合住宅が主流となっています。
総務省が公表しているデータによると、2023年時点の一戸建ての総数のうち、平屋が約11.4%、二階建てが約84.4%となっていることから、平屋よりも二階建てが多く選ばれていることがわかります。
参考:e-Stat「住宅・土地統計調査 令和5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計」
平屋のメリット・デメリット
統計的には平屋よりも二階建ての方が主流ですが、近年は平屋の魅力が再評価され、平屋の人気が上昇しています。ここでは、平屋のメリット・デメリットについて見ていきましょう。
平屋のメリット
平屋の主なメリットには、以下のものが挙げられます。
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まず、生活のしやすさが大きなポイントです。ワンフロアに全ての間取りがあるため、掃除や洗濯といった家事がしやすい生活動線をつくることができます。階段がないので、子どもや年配の方が躓いたり転倒したりするリスクも低く、フラットな空間にしておけばバリアフリー化もしやすくなるでしょう。
また、平屋は一階建てで支える重量が軽く、安定しやすい構造のため、耐震性が高いといえます。地震や台風に強い構造で家を建てることができるのは大きなメリットですね。
平屋のデメリット
逆に、平屋にはどのようなデメリットがあるでしょうか。具体的に見ていきましょう。
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平屋のデメリットとしては、二階建てよりも基礎や屋根の面積が広くなるため、建築費などの費用が高くなりやすいことが挙げられます。後述しますが、二階建てと同じ坪数でも、平屋のほうが固定資産税が高くなりやすいことにも留意が必要です。
費用だけでなく、ワンフロアのため個人のスペースを確保しにくいというデメリットもあり、プライベート空間を確保できる間取りや工夫が必要になるでしょう。さらに、採光のとりにくさや水害時における浸水のリスクなども、平屋の考慮すべき点と言えます。
二階建てのメリット・デメリット
次に、二階建てにおけるメリット・デメリットについて見ていきましょう。
二階建てのメリット
二階建てのメリットとしては、以下のポイントが挙げられます。
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二階建ては、平屋に比べると費用が安くなる傾向にあり、土地が狭くても延床面積を確保することができるのがメリットと言えるでしょう。また、二階建てということでプライバシーを確保しやすく、年齢の変化や二世帯での生活にも対応することが可能になります。
二階建てのデメリット
二階建てのデメリットにはどのようなものがあるでしょうか。
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第一に、平屋と同じ延床面積の場合、外壁面積が広くなるケースが多いため、外壁のメンテナンス費が高くなるといった金銭面での負担が考えられます。
また、プライバシーが確保しやすい一方で、コミュニケーションが取りにくいという点も挙げられます。洗濯や掃除などの家事動線についても、熟考する必要があるでしょう。
平屋と二階建てで悩んだら!比較ポイントを解説
平屋と二階建てにおける主なメリット・デメリットをご紹介しました。ここからは、どちらかを選ぶ上で、比較したい6つのポイントについて解説していきます。留意したいポイントは、以下の通りです。
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それでは、各ポイントごとに詳しく見ていきましょう。
1.建築費等
平屋と二階建てについて比較したいポイントとして、建築費等が挙げられます。建築費は、基礎工事と屋根工事が大きな割合を占めています。平屋は二階建てと比べると基礎や屋根の建築面積が広くなるため、建築費も二階建てより高くなる傾向があります。
ただし、建築費は間取りや内装、断熱性能といった住宅設備によって変わってくるため、一概にどちらが安いとは言えません。また、同じ広さの場合は、二階建ての方が外壁面積が広くなることから、メンテナンス作業用の足場の費用まで考慮すると、二階建ての方がメンテナンス費用が高くなるといえます。
そのため、建築費やメンテナンス費を含めた費用については、ライフスタイルを想像しながら十分に比較することをおすすめします。
2.固定資産税
平屋と二階建てを比較するうえで、注意したいのが固定資産税です。同じ広さで家を建てる場合、二階建てよりも平屋の方が固定資産税の負担額が大きくなると言えます。
これは、二階建てよりも平屋の方が屋根や壁の面積が広くなることが理由です。固定資産税評価額は、立地や広さだけでなく、使用する建材の量や施工の度合い等によって変動します。そのため、同じ広さの場合、平屋の方が高く評価される傾向にあり、固定資産税も高くなるのです。
建築費だけでなく、その後継続して払う必要のある固定資産税についても十分に考慮して、平屋もしくは二階建てを選択することをおすすめします。
3.必要となる土地の広さ
同じ延床面積で建てるとした場合、平屋は二階建ての倍の広さの土地が必要です。
また、建築基準法では、土地と建築面積との割合が「建ぺい率」によって制限されています。建ぺい率とは、「その土地に対してどのくらいの規模の建物が建築できるのか」を定めたもので、都市計画法の用途地域によっても異なります。併せて、その土地に建築できる建物の延床面積を定めた「容積率」についても注意が必要です。
建ぺい率や容積率によって家を建てるために必要となる土地の広さが異なることに留意し、土地選び含めて比較・検討を行いましょう。
4.利便性
利便性の観点からも検討してみましょう。平屋であれば上下階の移動がなく、掃除や洗濯などの家事がしやすい動線が確保できるでしょう。反対に二階建てであれば、年齢の変化や二世帯での生活に対応しやすいといった利点があります。
ライフスタイルによって求める利便性は異なるので、大切にしたい暮らしやすさとは何かを念頭に置いたうえで検討することをおすすめします。
5.安全性
安全性の観点から検討するのもおすすめです。例えば家の中の安全性を考えたとき、平屋は階段がない分、転落や転倒のリスクが低くなります。一方で、家の外からの安全性を考えたときには、二階建ての上階は、通行人の視線や不審者の侵入を防ぎやすくなります。
また、災害時の安全性において、平屋は地震や台風に強い構造で建てられる一方、津波や洪水が起きた場合、家の外に避難しなければなりません。一方、水害の場合、二階建てであれば、二階部分に避難できますが、地震など家の外に避難すべき災害が発生した場合、逃げ遅れる可能性もあります。事前にハザードマップを参照し、どのような災害リスクが想定されるのかを確認しておきましょう。
6.家族構成
その家で暮らす家族の人数や世代も検討すべきポイントです。子どもがいる場合、成長に合わせて自室を設けることを検討する必要もあるでしょう。その場合、部屋数を確保しやすい二階建てがおすすめです。
反対に、「高齢者との同居」「年配の夫婦」「自身の老後の生活」などを想定すると、階段や転倒のリスクを減らすためにバリアフリーの観点が必要になってきます。これらのケースが想定される場合は、平屋建てをおすすめします。
平屋と二階建て、どっちがいい?向いてるケースをご紹介
ここまで解説したポイントを踏まえて、平屋と二階建て、それぞれに向いているケースをご紹介します。
平屋が向いてるケース
一階建てでワンフロアでの生活を送る平屋が向いているケースとしては、以下が挙げられます。
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二階建てが向いてるケース
土地の広さが限られていても居住スペースを確保しやすい二階建てが向いているケースは、以下の通りです。
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平屋と二階建てで悩んだら大手ハウスメーカーに相談しよう
平屋と二階建てのどちらがいいか悩んだら、大手ハウスメーカーの担当者に相談しましょう。豊富な知識と経験を活かしたノウハウで、ライフスタイルに合った家選びのサポートをしてくれることでしょう。
例えば、プライバシーの確保しにくさを改善した平屋の間取りや、家事動線が確保された二階建ての家づくりなど、さまざまな提案をしてくれるでしょう。
ライフスタイルに合った家の階数を選ぼう
平屋と二階建てのメリット・デメリット、選ぶ際の比較ポイントについてご紹介しました。平屋には平屋の、二階建てには二階建ての良さがあります。家選びや家づくりにおいて大切なことは、ライフスタイルを想像し、生活にあった家の階数を選ぶことです。今回ご紹介した内容を参考に十分に検討し、納得のいく家づくりができるといいですね。