
「一戸建てvsマンション」どっちを選ぶ?メリット・デメリットで比較
「一戸建てかマンション、住宅購入するならどっちが良い?」と悩んでいる方もいるでしょう。購入費用や売りやすさなど、双方を比較した違いや、それぞれのメリット・デメリットを知りたいと思う方もいるかもしれません。今回は一戸建てとマンションの特徴と違いについて、ポイントを解説します。
<一戸建てvsマンション>購入価格で比較
一戸建てとマンションでは、購入価格にどのような違いがあるでしょうか。一昔前までは「一戸建ての方がマンションに比べてお金がかかる」というイメージがありました。しかし、一戸建て住宅の価格が十数年以上ほぼ横這いであるのに対し、近年はマンション価格が上昇傾向にあります。一戸建てもマンションも条件によって購入価格はさまざまですので、色々な物件を比較検討してみるのがおすすめです。
<一戸建てvsマンション>購入後の費用で比較
一戸建てやマンションを購入したら、生活していく上でどのような費用がかかるのでしょうか。購入後のポイントとなる費用について解説します。
固定資産税は共通の費用
固定資産税や都市計画税などの税金は、一戸建て・マンションに関わらず毎年支払わなければなりません。毎年1月1日時点の所有者に対し、4月ごろから納税通知書が送られ、そこに書かれた期日までに納税するのが一般的です。支払い方法は、一括払いのほか、年4回の分納も可能です。新築住宅の場合は、軽減措置があるので確認しておくとよいでしょう。
関連記事:一戸建てにかかる固定資産税。計算方法やマンションとの違いとは
マンションは管理費や修繕積立金、駐車場代などの維持費が毎月かかる
マンションの場合は、税金に加えて管理費や修繕積立金、駐車場を借りる場合には駐車場代を毎月支払う必要があります。修繕積立金は、マンションの大規模修繕などに使うお金で、一定の年数が経過すると支払金額が増えることもあります。
一戸建ての場合は、5年や10年といったスパンで修繕費用がかかりますが、毎月の支払いは必要ありません。マンション購入後の資金計画は、住宅ローンの返済だけでなく、維持費用の支払いも想定しておくことが大切です。
<一戸建てvsマンション>将来の資産価値・中古での売りやすさを比較
住まいの「資産価値」も比較したいポイントの一つです。ここでは、一戸建てとマンションの資産価値や売りやすさについて解説します。
一戸建ては土地の価値が残り続ける
資産価値とは、建物と土地の価値を合算したものです。一戸建ての場合、建物の価値は築年数に応じて下がりますが、土地の価値が大きく減ることはありません。子どもが成長してからリフォームを検討する際も、土地がある状態からスタートできるのは大きなメリットです。
マンションは建物の価値で資産価値が決まる
マンションの場合、土地の持分は専有部分の面積に応じた割合で敷地権を持つことになります。一戸建て住宅の土地に比べると、マンションを購入する場合の土地の持分は、ごくわずかと言えます。
そのため建物の価値によってマンションの資産価値は変動しますが、一戸建てに比べると資産価値の下がり具合は緩やかです。ある程度築年数の経過した中古マンションでも、人気のある物件なら中古市場で売りやすいでしょう。
一戸建てのメリット
<メリット1>騒音トラブルのリスクが少ない
一戸建ては家が独立しているため、騒音トラブルになるリスクが少ないでしょう。常識的な範囲での配慮は必要ですが、日常的な生活音のほか、小さな子どもの泣き声や思いっきり走り回る足音などがご近所への迷惑にならないか、心配しなくて済みます。
<メリット2>駐車場を持つことができる
敷地内に駐車場を持つことができるのも、一戸建てのメリットの一つです。マンションでも駐車場を借りればよいですが、毎月駐車場代を支払わなければならないほか、条件によっては玄関を出てから駐車場までの距離が遠く不便なこともあります。一戸建てに駐車場をつくる場合は、将来「乗り換える予定があるのか」「台数は増えるのか」といったことも検討してくと安心です。
<メリット3>プライバシーを保ちやすい
一戸建ての家は独立性が高く、土地に余裕のある郊外に建てるケースも多いため、マンションと比較してプライバシーを保ちやすいと言えるでしょう。「人の目を気にせず、毎日を穏やかに過ごしたい」という方には一戸建てがおすすめです。
一戸建てのデメリット
<デメリット1>維持費・修繕費にまとまったお金が必要
一戸建ての場合は、ご自身で修繕計画を立て、5年後、10年後といった単位で定期的にメンテナンスをする必要があります。そのときには、維持費としてまとまったお金を用意する必要があることを覚えておきましょう。マンションの修繕積立金のように、毎月決まった金額を貯金しておくのも一つの方法です。
関連記事:一戸建ての維持費用はどのくらい?維持費の種類や年間の平均費用、節約のポイントを知っておこう
<デメリット2>防犯面がやや心配
空き巣など侵入窃盗の被害が最も多いのが、一戸建て住宅です。セキュリティのしっかりしたマンションに比べて、防犯面にやや不安があるかもしれません。「夫婦そろって会社員のため、家を開けている時間が長い」など、空き巣に対する心配の声も聞かれます。
しかし近年では、窓ガラスの強化や性能の高い錠前の設置など、一戸建て住宅にさまざまなセキュリティ対策を施せるようになりました。間取りや内装だけに目を向けるのではなく、防犯対策もしっかり考えておくと安心して暮らせるでしょう。
関連記事:新築一戸建ての防犯対策をチェック!空き巣被害から家を守る方法とは
<デメリット3>マンションのような共用施設がない
一戸建ての場合は、マンションのような共用施設がありません。大規模なマンションであれば、ジムやプール、ゲストルームといった共用施設が整っていてサービスが充実している場合もあります。一戸建ての場合は、間取りの検討時に必要なスペースをしっかり確保したいですね。
マンションのメリット
<メリット1>良い立地を選べる
マンションは駅や繁華街の近くなど、立地条件の良い物件が多いでしょう。「駅まで10分圏内が良い」など利便性を重視したい方には、マンションがおすすめです。また、立地条件の良いマンションは資産価値が落ちにいくいとも言われています。例えば「将来は家を賃貸に出したい」「夫が転勤のある会社員なので、売りやすい方が良い」などと考える場合には、立地の良さを条件としたマンション選びをするとよいでしょう。
<メリット2>セキュリティ面が安心
マンションのセキュリティ対策は物件によってさまざまですが、近年ではセキュリティの高い物件が増えてきました。例えばエントランスがオートロックであったり、防犯カメラを設置していたりするほか、管理人が常駐しているマンションもあります。マンション選びの際には、ぜひ防犯対策についても確認してみてください。
<メリット3>コミュニティを形成しやすい
マンションには多くの人が住んでいるため、人同士のコミュニティを形成しやすいと言えるでしょう。「多くの人と知り合いたい」「人脈を広げたい」という方にとっては大きなメリットです。
マンションのデメリット
<デメリット1>騒音トラブルに注意しなければならない
マンションは上下左右と住居が隣接していることから、騒音トラブルに悩まされているという声も聞かれます。最近では、防音性が高い建築構造のマンションもあるようなので、営業担当者に相談してみるとよいかもしれません。
<デメリット2>管理組合などへの参加が必要
マンションに暮らす場合には、管理組合への参加が必須となっているケースがほとんどです。管理組合とは、分譲マンションを購入した人たちで組織する団体で、マンションの維持・管理が主な目的です。多くの場合は抽選や輪番で理事を選び、定期的に話し合いの場を持って運営します。家族だけでなく、そこで暮らす人々と一緒に住まいを管理する必要があるため、デメリットと感じる方もいるでしょう。
<デメリット3>リフォームは管理規定によって制約がある
マンションをリフォームする際には、物件独自の管理規定によって制約を受けます。例えば、水回りのリフォームは床下の構造によって、どこまでリフォームできるかが異なります。リフォームを計画するときは、必ず管理規定を確認し、のちにトラブルとならないよう注意しましょう。
一戸建てとマンションで悩む場合は、求める条件やライフスタイルにあわせて検討
「一戸建てかマンションを選ぶなら、どっちが良い?」と悩む方に向けて、双方を比較した違いやメリット・デメリットをご紹介しました。一戸建ての場合は、騒音トラブルのリスクが少なく、プライバシーを保ちやすいですが、防犯面がやや心配です。
マンションの場合は、良い立地を選べ、セキュリティの高さにも安心感がありますが、購入後は住宅ローン以外にも維持費の支払いが毎月あり、一戸建てに比べ負担感が大きいと感じる方もいるかもしれません。一戸建てとマンションについて十分比較し、満足のいく住宅購入できるとよいですね。