新築と中古はどちらを選ぶべき?メリット・デメリット
住宅購入を考えたとき、「新築」か「中古」の物件のどちらを選ぶべきか悩む方もいるのではないでしょうか。今回は、新築物件と中古物件に注目し、それぞれのメリット・デメリット、悩んだときに考えるとよいポイントなどをご紹介します。
新築一戸建てと中古住宅どちらを選ぶ?
住宅の購入を検討するとき、新築物件以外にも、中古物件を選択肢に入れる方もいるでしょう。新築と中古物件を比べた場合、「新築の方が新しくてきれい」「中古の方が安くてお得」とメリットだけに目が行きがちです。しかし、住宅選びにおいては、それぞれの特徴を理解しておくことが重要です。
今回は「新築」と「中古」それぞれのメリット・デメリットや検討時のポイントなどをわかりやすくご紹介します。それぞれの特徴を理解し、物件選びの際の参考にしてください。
新築物件を購入する4つのメリット
まずは、新築ならではの具体的なメリット4つをご紹介します。
<メリット1>新品の新しい家に住める
新築物件の一番のメリットは、誰も使っていない新しい家に住めることです。住宅の性能は年々進化しているため、断熱性や気密性、耐震性などの基準も高く、住みやすく安心できる環境を手に入れられるでしょう。
また、注文住宅の場合には、一から家づくりがスタートするため、自分の希望通りの間取りを叶えられることも魅力のひとつです。新築マンションの場合も、近年は個人の趣味嗜好に合わせた空間や、家族構成の変化に合わせて間取りを変えられるなど、柔軟に暮らしやすい物件が増加しています。
<メリット2>税制面の優遇を受けやすい
新築住宅の購入においては、住宅ローン控除や固定資産税、不動産取得税などに関して税制優遇措置があります。これらの税制優遇は中古住宅でも受けられますが、新築の方がより手厚い内容になっています。また一定の条件を満たした住宅を新築する場合、国や自治体から補助金制度を受けられる場合もあります。
近年では、環境に考慮した性能の良い住宅への支援が多い傾向にあるため、制度を活用してより長く快適に過ごせる住宅を手に入れることも可能でしょう。
【関連記事】新築時にかかる税金はいくら?控除制度や税金対策について解説
<メリット3>住宅の維持費が安い
新築住宅の場合、設備が新しく故障しにくいため最初のうちは修繕費がかかりません。また、最近の新しい住宅は気密性や断熱性能が高いため、光熱費が抑えられるなど、住宅の維持費用を安くすることが可能です。
ランニングコストは生涯かかる費用なので、購入費用だけでなく生涯にわたって発生する費用を考慮することも大切でしょう。
<メリット4>瑕疵担保責任の権利がある
瑕疵担保責任とは、新築住宅の柱や壁、給排水管などに欠陥や不具合などの瑕疵があった場合に、売主が買主に対して負わなければいけない責任のことです。新築後10年間はこの権利が認められ、雨漏りなどが発生した場合に、販売した業者に無償で補修してもらうことができます。
一方で、中古物件でも新築後10年未満の築浅である場合はどうなのか、気になる方もいるかもしれません。中古物件の場合、瑕疵担保責任が適用になるかは、不動産会社などの売主の保証内容によって異なります。瑕疵担保責任の権利がない場合もあるため注意が必要です。
新築物件を購入する3つのデメリット
新築には魅力的なメリットがある反面、気をつけなければならない点もあります。新築の3つのデメリットを確認しておきましょう。
<デメリット1>価格が高い
新築は中古物件に比べると、価格の高さがデメリットです。新築住宅の場合、販売広告費用などの販売経費が物件価格に上乗せされているため、中古住宅よりも割高になってしまうのです。さらに近年は、建築資材や住宅設備の価格が高騰していることや、建築需要の増加により、新築戸建ての価格は上昇しています。
<デメリット2>エリアが限定される
駅の近くや人気のエリアはすでに建物が立っており、新しく建築できるスペースは限られる傾向にあります。そのため、人気のエリアで希望の条件に沿った土地を探すのは難しく、あっても価格が相場よりも高くなるでしょう。新築住宅を検討する際、土地選びの段階で難航するケースも多いようです。
<デメリット3>イメージとのギャップがあり後悔するケースも
注文住宅を新築する場合、完成したらイメージと違ったというケースも少なくありません。こだわって考えた住宅だからこそ、うまく希望が反映されていないと失敗したと感じる場合もあるでしょう。購入後のイメージをしっかり掴んでから購入したい場合には、建売住宅などの新築を購入するのも一つの方法です。
中古物件を購入する3つのメリット
ここからは、中古物件を購入する3つのメリットを紹介します。
<メリット1>価格が安い
同じエリアに建つ新築と比較して物件価格が安いことが、中古物件のメリットです。住宅は完成後、時間の経過とともに資産価値が下がるからです。ただし、築浅の中古住宅の場合は、仲介業者の手数料がかかってしまうため、新築との差が発生しないこともあります。
<メリット2>建物の現物を見て判断できる
中古物件は、建物や間取りの状況を確認してから、購入するか判断できるのも魅力です。壁のひび割れの有無や内装に気になる箇所はないかなどを確認しましょう。適切に管理されている中古物件かを見極めることで、購入後の修繕費用も予測できます。
<メリット3>リフォームやリノベーションで自分好みにアレンジできる
新築に比べると、中古物件は設備が古く、経年劣化している箇所もあります。しかし、リフォームやリノベーションをすることで、新築同様の環境を作ることも可能です。最近は、中古物件の良さを活かしつつ、リノベーションによってこだわりの空間を作ることに魅力を感じる方も多いです。
また、国や自治体による、リフォームやリノベーションに対する補助金制度もあります。制度を上手に活用することで、費用を抑えた修繕も可能になっています。
中古物件を購入する3つのデメリット
中古ならではのメリットがある一方で、注意点も意識しておく必要があります。中古物件の3つのデメリットを紹介します。
<デメリット1>設備や仕様が古い
中古物件のデメリットとして、新築に比べ、設備や仕様が古いことが挙げられます。特に、キッチンやお風呂、トイレなどの水回りが老朽化している場合、気になるかもしれません。リフォームやリノベーションによって最新の設備に交換することは可能ですが、変更できない箇所も存在するため、注意が必要でしょう。
また、家の性能を左右する気密性や断熱性向上のために工事を行う場合、大がかりになるケースが多く、想像以上の費用になる場合もあります。中古物件を購入する場合は、自分が行いたいリフォームやリノベーションにどのくらいの費用がかかるのか、きちんと計算した上での購入が不可欠となるでしょう。
<デメリット2>税制面の優遇が少ない
中古物件は、税制面の優遇が少ないことを理解しておきましょう。例えば、所有権を登記する場合に必要な登録免許税の税率は、新築よりも中古のほうが高くなっています。また、不動産を取得した人に課税される不動産取得税は、個人の住宅に対して軽減措置はあるものの、中古の方が新築より控除額が低いです。
また、住宅ローンの利用に関しても注意が必要です。中古物件購入時にローンを組めない、または、希望金額を融資してもらえない可能性があることを知っておきましょう。住宅ローンの審査では、借入者の年収や属性以外にも、購入予定の家の評価額に応じて融資額が決定します。そのため、築年数があまりにも古いと住宅ローンの審査で承認を得られないなどのトラブルが生じるケースがあるのです。
<デメリット3>耐震性能に注意が必要
1981年6月に建物の耐震基準が見直され、それ以降に建設された建物は基本的に「新耐震基準」に則った設計になっています。そのため、1981年以前に建てられた中古物件の購入を検討している場合には注意が必要です。不動産の重要事項説明書の「建物の耐震診断の結果」という項目において、新耐震と旧耐震どちらでつくられた建物か、耐震診断は行われているのか、など耐震性について確認しましょう。