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【軽量鉄骨・木造】住宅の寿命はどのくらい?耐用年数の違いや長く住むためのコツを解説

家選びネット公式 (ie-erabi.net) 2025-12-22
基礎知識

「軽量鉄骨造は寿命が短いって本当?」「自宅のメンテナンス費用はいくらかかるの?」新築一戸建てを検討し始めた夫婦にとって、マイホームに「何年住めるのか」は切実な問題です。特に、木造住宅と比較して、軽量鉄骨造の「耐用年数」が税務上短いと聞くと不安になるかもしれません。


本記事では、軽量鉄骨造と木造住宅の法定耐用年数と実際の寿命の違いを解説し、築年数ごとの具体的なメンテナンス費用の目安、大切なマイホームの寿命を延ばすためのコツをご紹介します。


新築一戸建て住宅の耐用年数


家づくりを具体的に検討し始めると、カタログや資金計画の場面で「耐用年数」という言葉を目にする機会が増えます。この言葉には複数の定義があり、それぞれの意味を正しく把握しておくことが大切です。ここではまず、耐用年数の基本的な考え方と、実際の寿命との違いについて整理していきましょう。


一戸建ての耐用年数は寿命を指すわけではない

住宅の「耐用年数」は、建物の寿命そのものを指すわけではなく、目的や視点によって以下のような複数の種類が存在します。


種類内容
法定耐用年数    不動産の減価償却費を計算するために、税法で一律に定められた一律の年数(経済的な価値の評価基準)
物理的耐用年数建物の躯体や構造材が物理的、化学的な劣化により、限界性能を下回るまでの年数(実際の建物の寿命)
経済的耐用年数物理的・機能的視点だけでなく、立地や市場価値を含め、市場で売買価値があると認められる期間のこと
期待耐用年数通常の維持管理の範囲内で、建物を安全に使用可能な期間


一般的によく聞かれる「法定耐用年数」は、不動産価値を公平に算出し、税金を計算するために国が設定したものです。そのため、「住宅に住めなくなる」「修繕やメンテナンスが必要になる」といった、住宅の物理的な寿命を指すわけではありません


軽量鉄骨造の法定耐用年数は鉄骨の厚さで異なる

前述の通り、法定耐用年数は税法上の減価償却のためのルールであり、建物の寿命ではありません。将来的な市場価値の評価や住宅ローンの審査期間に影響する可能性があるため、知っておくべき重要な指標です。


軽量鉄骨造の法定耐用年数は、使用されている骨格材(鉄骨)の厚さによって、以下のように細かく分類されています。


骨格材(鉄骨)の厚さ法定耐用年数
3mm以下19年
3mmを超え4mm以下27年
4mmを超え34年


法定耐用年数を計算に使う機会は少ないかもしれませんが、将来的な資産計画を立てる上で必要になる可能性があるのでしっかりと押さえておきましょう。


参考:国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表」

【関連記事】軽量鉄骨造とは?メリット・デメリットや木造・RC造との違いを解説


【比較】軽量鉄骨造と木造、どちらを選ぶべきか



軽量鉄骨造と木造は、どちらを選ぶべきなのでしょうか。


木造住宅の寿命と耐久性

木造住宅は、日本の気候風土に適した伝統的な建築様式です。


  • 法定耐用年数(税法上の価値): 22年
  • 物理的耐用年数(実際の寿命): 約80年


木造住宅の骨組みや基礎、軸組に使用される木材は、適切に乾燥が保たれ、腐食やシロアリの被害がなければ、80年以上の耐久性を持つと言われています。法定耐用年数(22年)を超えたからといってすぐに住めなくなるわけではなく、適切なメンテナンスがなされていれば、長期にわたって安心して住むことができます。


よく「木造住宅の平均耐用年数は30年」といった声も聞かれますが、これは築30年ほどで建て替えや住み替えのために取り壊す人が多いことが原因だと考えられます。特に、築30年以上経過した家は現在の耐震基準を満たしていないケースが多いため、安全性を確保するために建て替えを選択する人が多いのです。


【関連記事】木造住宅のメリットとデメリットは?気になる寿命と防音性や耐震性


鉄骨鉄骨造の「実際の」寿命(物理的耐用年数)

軽量鉄骨造は、法定耐用年数が木造に比べて細かく設定されていますが(19年または27年)、実際の物理的寿命は木造よりも長いのが特徴です。


  • 法定耐用年数(税法上の価値): 19年または27年
  • 物理的耐用年数(実際の寿命): 50~60年以上


建物を支える鉄骨躯体は、木材のように腐食やシロアリ被害の心配がほとんどありません。そのため、適切な防錆処理と外壁・屋根などのメンテナンスを行えば、法定耐用年数よりも大幅に長く住み続けることができるでしょう。


初期費用とランニングコストの比較

新築一戸建てを検討する際、構造ごとの「初期費用」と「ランニングコスト」の違いを把握しておくことが大切です。



軽量鉄骨造木造住宅
初期費用(建築コスト)高額になりやすいコストを抑えやすい
必要なメンテナンス     鉄骨の防錆処理、外壁・屋根の塗装   シロアリ対策(10年ごと)、外壁・屋根の塗装


一般的に、建築費用は「軽量鉄骨造 > 木造」となる傾向がありますが、近年は工法の効率化により、木造と大きく変わらないケースも増えています。また、建物の寿命を延ばすために必要なメンテナンス費用は、構造によって異なります。


一戸建ての寿命を短くする要因


木造、軽量鉄骨造といった工法に関わらず、建物の寿命は日頃の扱い方や手入れの仕方によって大きく変わってきます


まず、物理的に寿命を短くする最大の要因は、メンテナンス不足による構造材の劣化です。屋根や外壁からの雨漏りや結露の放置は、木造では腐食を、軽量鉄骨造では鉄骨のサビを発生させ、躯体の強度を急速に低下させます。また、木造住宅におけるシロアリ被害や、基礎のひび割れを放置することも、建物の耐久性を著しく損なう原因となります。


一方で、建物がまだ住める状態でも、老朽化による建て替えや住み替えが選ばれることで、結果的に建物の寿命が短く見えている側面も。新築から30年ほどが経過すると、子どもの独立や老後に備えたバリアフリーへの対応、旧耐震基準による安全性への懸念から、大規模なリフォームよりも建て替えを選択する人が多いのです。


さらに、自然災害や都市開発といった外的要因により、建て替えを余儀なくされるケースもあります。建物そのものの寿命は、注文住宅か建売住宅かに関わらず、使用材料の品質と日頃のメンテナンス次第で決まることを覚えておきましょう。


【関連記事】家の資産価値を決める要素とは。家づくりの前に押さえておきたいポイント


一戸建ての寿命を延ばすためのコツ


せっかく手にした理想のマイホーム。住宅ローンを払い終える築30年に寿命を迎えてしまうのは非常にもったいないことです。マイホームに長く住み続けるために押さえておきたいポイントをご紹介します。


こまめな手入れや点検

日頃の掃除で住まいを快適に保つのはもちろんですが、「外回り」と「水回り」のチェックを習慣化しましょう。外回りでは、外壁のひび割れや雨どいの詰まり、割れがないかを確認します。これらを放置すると、雨水が建物内部に浸入し、木造なら腐食、軽量鉄骨造ならサビを発生させる原因になります。


また、浴室やキッチンなどの水回りは、サビ・カビを防するためにこまめに掃除することで、配管の漏水といった小さな不具合にも気づきやすくなります。フローリングも、傷みを防ぐためにワックスがけを定期的に行うことをおすすめします。


メーカー保証を活用した定期的なメンテナンス

住宅の寿命を最大限に延ばすには、プロの手による定期的な点検と、必要に応じたメンテナンスが欠かせません。屋根の上や床下、構造体の内部など、自分では判断が難しい箇所こそ、ハウスメーカーのアフターサービスや保証制度を積極的に活用しましょう。


何か不具合があったとしても、早期に対処することで被害やメンテナンスやリフォームといった修繕費を最小に抑えることができるので、結果的に住宅の寿命を延ばすことができます。


築年数別!軽量鉄骨造のメンテナンス費用と周期


一戸建ての維持にかかる修繕費は、30年間で約500万円前後が目安と言われています。この金額は一括で必要なものではなく、不具合の場所や状況によって段階的に発生します。


築年数メンテナンス内容費用の目安
10〜15年外壁・屋根の塗装、バルコニー防水100万〜200万円
20〜25年給湯器・水回り設備の交換、防蟻処理150万〜250万円
30年〜  屋根の葺き替え、大規模な内装リフォーム200万〜400万円


特に軽量鉄骨造では、外壁の防水性能を維持することが、内部の鉄筋をサビから守り寿命を延ばす鍵となります。これらの費用をその都度家計から捻出するのは大変です。マンションの修繕積立金のように、早い段階から毎月1.5万円〜2万円程度を計画的に積み立てておくと、将来の修繕時にも慌てずに対応できるでしょう。


ハウスメーカーなら一戸建ての寿命を延ばすアフターサービスも充実


長く安心して住み続けるためのパートナーとして、ハウスメーカーを選ぶメリットは、引き渡し後の手厚いサポート体制にあります。大手ハウスメーカーでは、独自の「長期保証制度」を設けていることが多く、初期保証の終了後も有償メンテナンスを行うことで、保証期間を30年、60年と延長できる仕組みが整っています。


また、24時間365日体制の相談窓口や定期点検が充実しているため、生活の中で生じた些細な疑問や不具合もすぐに相談できます。点検時には、住まいを長持ちさせるための日常のお手入れ方法をアドバイスしてもらえるだけでなく、リフォームに最適な時期についてもプロの視点で提案を受けることが可能です。


【関連記事】大手ハウスメーカーの特徴を一覧で比較!工務店との違いやおすすめポイント


新築一戸建ての寿命は日頃の手入れとメンテナンスで変わる!


新築一戸建て住宅の寿命は、木造や鉄骨造といった工法に関わらず、日々の手入れや適切な時期のメンテナンス次第で大きく変わります。「法定耐用年数」という数字だけに縛られる必要はなく、建物の物理的な寿命を延ばすためには日頃からお手入れを行い、将来の修繕費用を計画的に備えておくことが大切です。


これから注文住宅や建売住宅を購入する方は、お気に入りの家で長く住み続けられるよう修繕費用をしっかり積み立て、信頼できるハウスメーカーのアフターサービスを賢く活用しながら、メンテナンスを重ねていきましょう。

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