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屋上のある家のメリット・デメリット徹底解説!間取りと後悔しないためのポイント

家選びネット公式 (ie-erabi.net) 2025-04-18
間取り・設備

屋上のある家は、開放感と特別な空間が魅力の一方で、建築コストやメンテナンスなどのデメリットも存在します。注文住宅で理想の屋上を実現するためには、これらの点をしっかりと理解し、対策を講じることが重要です。本記事では、屋上のある家のメリット・デメリットを詳しく解説するとともに、後悔しないための間取りの工夫や、注文住宅ならではの注意点をご紹介します。


屋上のある暮らしを実現するために知っておきたいこと


憧れの屋上のある家。開放的な空間での暮らしに心惹かれる一方で、本当に建てて後悔しないだろうかと悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。屋上を設けて理想の暮らしを実現するために、事前に知っておくべきことを確認しましょう。


一戸建ての屋上パターン

屋上のある家を検討する際、どのような屋上があるのかイメージを持つことは理想の暮らしを実現するための第一歩です。一戸建ての屋上は、その形状やアクセス方法によってさまざまなタイプにわけられます。


【形状による分類】

  • 全面屋上:屋根のほぼ全面が平らなスペースとして利用できるタイプ
  • 一部屋上:屋根の一部が平らなスペースとして設けられたタイプ


【アクセス方法による分類】

  • 屋外階段アクセス:建物外部に設けられた階段を利用して屋上へアクセスするタイプ
  • 隣接居室アクセス:リビングや居室に面しており、掃き出し窓などから直接出入りできるタイプ
  • ペントハウス経由アクセス: 屋上に設けられた小屋状の部屋(ペントハウス)を経由してアクセスするタイプ


これらを組み合わせることで、住まいの個性やライフスタイルに合わせた多様な屋上空間が実現可能です。


一般的には、屋外のリビングのように使えるスペースは「屋上テラス」、下階の屋根部分を活用したスペースは「ルーフバルコニー」、そして空が近くに感じられる開放的な空間は「スカイテラス」などと呼ばれることがありますが、これらはほぼ同じ意味合いで使われることが多いです。


最近では、注文住宅はもちろんのこと、デザイン性の高い建売住宅でも屋上のある家を目にする機会が増えました。これは、限られた敷地を有効活用し、プラスαの快適空間を求めるニーズの高まりの表れといえるでしょう。


屋上設置における構造・法規制の制約

開放的な屋上空間のある暮らしに憧れる方も少なくないでしょう。しかし、全ての住宅に屋上が実現可能というわけではありません。建築予定地によっては、高さ制限や斜線制限といった法令による規制が存在し、屋上のある家を希望しても、建築が難しいケースがあります。


これらの制約を無視してしまうと、建物の安全性に問題が生じたり、建築基準法に違反してしまう可能性があります。これから土地探しを始める段階であれば、屋上を設けることを視野に入れ、土地の形状や法令上の制限を確認しながら土地選びを進めることが大切です。


以前は、木造住宅の屋上バルコニーの設置には面積に関する規制があり、実現が難しい状況でした。しかし、2008年の法改正により、その面積制限は撤廃され、現在では比較的自由に屋上空間を取り入れられるようになっています。


屋上のある家のメリット


念願の屋上のある家を実現したものの、残念ながら後悔の声も少なからず聞かれます。しかし、屋上空間を上手に活用することで、暮らしの質を大きく向上させることができるのも事実です。ここでは、屋上のある家ならではの楽しみ方とメリットについて、実際に屋上のある家に住んでいる方の意見をもとにご紹介します。


自宅にいながらアウトドア気分を満喫できる

屋上は、自宅にいながらにして開放的なアウトドアリビングとして活用できる点が大きな魅力です。


誰にも気兼ねすることなく、家族や友人とバーベキューを楽しんだり、小さなテントを張って、ミニキャンプをしたりするのもよいですね。キャンプ場のように移動の手間もなく、自宅のキッチンやトイレがすぐ利用できるため、小さな子どもがいても安心してアウトドア気分を味わえます。


洗濯物を干す場所として活用できる

空に近い屋上は、日当たりが良く風通しもいいため、洗濯物を干す場所としても非常に適しています。特に、人通りの多い住宅街などでは、庭に洗濯物を干す場合、立地によっては周囲の視線が気になることもあるかもしれません。


屋上のスペースなら、周囲の目を気にせず、プライバシー空間を確保しやすく、気持ちよく洗濯物を干せます。布団などの大物も、広々とした屋上なら楽に干せるでしょう。


開放感あふれる絶景を愉しめる

屋上の一番の魅力と言えるのは、その開放感と眺めの良さでしょう。周囲に高い建物がなければ、遮るもののない空を独り占めでき、時間とともに移り変わる景色を堪能できます。


夕焼け空を眺めながらリラックスしたり、夜には満天の星空を観察したりと特別なリラックス空間が手に入るでしょう。場所によっては、遠くの花火大会を特等席で楽しむこともできるかもしれません。


夏はプール、冬は露天風呂などスカイバスを満喫できる

屋上に、簡易的なプールや露天風呂といったスカイバスを設置すれば、自宅にいながらにしてリゾートのような非日常的な体験が可能です。夏には子どもたちのプールとして、冬には温かいお湯に浸かれる露天風呂として楽しむことができます


お気に入りのテーブルやリクライニングチェアを置いて、自分だけのラグジュアリー空間を演出するのもよいですね。


緑化して屋上庭園をつくれる

敷地内に庭をつくるスペースがない場合でも、代わりに屋上を緑化して手軽に庭づくりをはじめてみてはいかがでしょうか。草花だけでなく、ハーブや野菜、果物を育てて収穫の喜びを味わうのもおすすめです。


芝生や植物を植える本格的な屋上庭園が難しい場合は、メンテナンスの手間が少ない人工芝を敷いたり、ウッドデッキを設置してくつろぎの空間を演出したりするのもおすすめです。


子どもやペットの安心・安全な遊び場として利用できる

土地面積が限られている場合でも、屋上のスペースを子どもやペットの遊び場として活用できます。小さな子どもが家の前の道路で遊ぶ場合、車の通行など安全面が気になりますが、屋上ならその点安心です。周囲の目を気にせず、思い切り走り回ったり、遊具を置いたりすることも可能です。


また、犬を飼っているご家庭では、屋上をプライベートなドッグランとして活用することもでき、愛犬ものびのびと過ごせるでしょう。


延床面積に算入されない

屋上部分は、一般的に建築基準法上の延床面積に算入されないため、家の大きさを制限する容積率に影響がありません。限りのある敷地面積(土地面積)の中で「居住空間を最大限に広げたい」「開放的な新築の家をつくりたい」と考える方にとって、屋上は魅力のある選択肢となるでしょう。



知っておきたい屋上のある家のデメリットと対策


屋上のある家は魅力的な反面、建築する上で考慮すべきデメリットがあります。ここでは、屋上のある家を建てる前に知っておきたい注意点と対策について解説します。


陸屋根が前提、外壁への影響を考慮する必要がある

屋上を設ける場合、一般的に屋根の形状は平らな陸屋根となります。陸屋根は、デザイン性の高いモダンな外観を実現しやすいというメリットがある一方で、傾斜のある屋根に比べて雨水が流れにくく、防水対策が非常に重要になります。


また、雨水が外壁に直接当たりやすいという特性も持ち合わせているため、使用する外壁材の種類によっては、雨水による劣化を早める可能性を考慮する必要があります。特に、レンガやモルタルなど、吸水性の高い外壁材を選択する際には注意が必要です。


【対策】

  • 信頼できる防水工事業者を選ぶ
  • 排水計画をしっかり立てる
  • 耐久性の高い外壁材を選ぶ
  • 定期的なメンテナンスを怠らない


外壁の劣化は、建物の美観を損なうだけでなく、雨漏りの原因にも繋がります。雨水の影響を受けやすい陸屋根の特性を理解し、適切な対策を講じて耐久性を維持しましょう。


建築コストが高くなる

屋上のある家を建てるなら、屋上にかかるさまざまな負荷を考えて、頑丈な家づくりをしなければなりません。特に積雪の多い地域では、雪の重みを想定した強固な構造が求められるため、通常の住宅よりも家の本体価格が高くなる傾向があります。


さらに、屋上を安全かつ快適に利用するためには、防水工事に加え、転落防止のための手すりや、雨水を適切に排出するための排水設備の設置が必要となります。これらの追加工事費用が、屋上のない家に比べて建築費用が高くなる要因です。


【対策】

  • 初期費用と維持費を総合的に考慮する
  • 複数の業者から見積もりを取り比較検討する
  • 本当に必要な設備や仕様に絞る
  • 地域の気候条件を考慮した構造設計にしてもらう


屋上は、暮らしに豊かさをもたらす特別な空間ですが、その実現には相応のコストがかかることを理解しておく必要があります。


雨漏りのリスクがある

先述の通り、屋上をつくる場合の屋根の形状は水平な「陸屋根」となります。陸屋根は屋根に角度がないため雨を自然に排水するのが難しく、雨漏りのリスクが高まるというデメリットがあります。


雨や雪による雨漏りを防ぎ、建物の耐久性を維持するためには、約10年ごとのサイクルで、定期的な防水工事をする必要があります。


【木造一戸建ての屋上で採用される主な防水工事の種類】

  • ウレタン塗膜防水:ウレタン樹脂を塗布し、防水層を形成
  • シート防水:塩化ビニールやゴム製のシートを専用の接着剤や機械で固定
  • FRP防水:ガラス繊維を混ぜたプラスチック樹脂で防水層を形成
  • アスファルト防水:アスファルトルーフィング材を重ねて防水層を形成


中でも、新築時の防水工事として用いられることの多い「アスファルト防水」は、他の工法に比べて費用が高い傾向があります。


防水層の物理的耐用年数は短いもので約10年、長いもので約20年程度とされており、製品のグレードによって異なります。施工費用の相場は、1平方mあたり3000~8000円程度です。屋上のある家を検討する際には、これらの定期的なメンテナンス費用も考慮に入れ、長期的な視点で資金計画を立てることが重要です。


落下防止とプライバシー確保を両立する必要がある

屋上のスペースを安全かつ安心して利用するためには、落下防止とプライバシー確保に配慮した設計と対策が欠かせません。小さな子どもがいる場合には、一人で屋上に登ってしまわないようしっかり対策しておきましょう。


【落下防止対策】

  • 適切な高さと強度のフェンス・柵の設置
  • 小さな子への配慮(階段へのゲート設置、手の届かない高さに鍵を設けるなど)
  • 定期的な点検とメンテナンス


また、周囲に自宅の屋上よりも高い建物がある場合には、プライバシーも気になるところです。特に、友人を招いてバーベキューなどを楽しんでいる際に、近隣住民からの視線が気になったり、場合によっては騒音などでクレームに繋がったりするケースも耳にします。快適なプライベート空間を確保するためには、以下のような対策を検討することが大切です。


【プライバシー確保対策】

  • タープやオーニングテントの設置
  • ラティス(木製の格子状に組まれた柵)の設置
  • 植栽の活用
  • 目隠しフェンスの設置


これらの対策を組み合わせることで、安全性とプライバシーを両立させた屋上空間を実現することができます。設計段階からこれらの要素を考慮し、専門家と相談しながらプランニングを進めましょう。


安全と美観を保つために、維持管理の手間がかかる

屋上空間を安全で快適に使用するためには、日々のこまめな手入れと定期的なメンテナンスが欠かせません。例えば、排水溝にゴミや落ち葉が溜まったままだと雨漏りのリスクが高くなるため、こまめな掃除が必要です。


【日常的な手入れ】

  • 排水溝の清掃
  • 床面の清掃
  • 植物の手入れ(屋上庭園の場合)


屋上にフェンスや柵を設置している場合は、傷んでいる箇所がないか定期的にチェックしましょう。


【定期的なメンテナンス】

  • 防水層の点検
  • フェンス・柵の点検
  • 排水設備の点検
  • トップコートの塗り替え(ウレタン・FRP防水の場合)


屋上のメンテナンス費用は、その範囲や劣化の程度などによって大きく変動しますが、一般的には数万円程度の小規模な補修から、数百万円及ぶ大規模な改修工事までさまざまなようです。これらの手入れやメンテナンスを怠ると、建物の寿命を縮めるだけでなく、安全性も損なわれる可能性があるため、安全な屋上のある家を維持するためには不可欠です。


明確な目的がないとデッドスペースになる

せっかく屋上を設けても、明確な目的や活用方法を事前に計画していないと、次第に使わなくなり、デッドスペースと化してしまう可能性があります。「いつか使うだろう」といった曖昧な考えだけでは、屋上の魅力を十分に活かすことはできません。

【対策】
  • ライフスタイルに合わせた具体的な目的を設定する
  • 必要な設備や家具を配置する
  • 用途に応じてエリア分けする
  • 季節ごとの活用方法を考える


屋上は、単なる「屋根の上のスペース」ではなく、日々の暮らしを豊かにする特別な空間です。せっかくの空間を有効活用するためには、事前に具体的な活用目的を明確にすることが大切です。家族全員が愛着を持って屋上を活用できるような計画を立てられるとよいですね。


後悔しない!屋上のある家づくりで絶対に意識したいポイント


屋上のある家を購入するとき、どのようなことを意識するとよいのでしょうか。ここでは、購入時に特に意識しておきたいポイントを解説します。


屋上のある家づくりが得意な住宅メーカーを選ぶ

屋上は、建物への負荷や防水処理など、専門的な知識と技術が求められる空間です。そのため、屋上のある家の建築実績が豊富な住宅メーカーに依頼するのがおすすめです。


屋上づくりが得意な住宅メーカーの中には、独自の技術やノウハウ、屋上に対する保証制度などを設けているところもあります。住宅メーカーを選ぶ際には、過去の施工事例などを確認できる資料を請求をしたり、住宅展示場を見に行ったりして、安心して家づくりを任せられるパートナーを見つけましょう。


木造住宅よりも鉄骨住宅の方が安心

一般的には鉄骨住宅の方が、構造的な安定性や耐久性の面から、屋上のある家にはより適しているといえます。


木造住宅でも陸屋根を取り入れて、屋上を設けることは可能ですが、使用する木材の性質上、万が一雨水がしみ込むと家が傷みやすいため、鉄骨住宅に比べて雨漏りや腐食のリスクは高まります。どうしても木造住宅で屋上をつくりたい場合は、高性能な防水工事を施せる、実績のある住宅メーカーを探しましょう。


屋上への動線や間取りを工夫する

新築の注文住宅で屋上のある家を検討する際には、屋上の使い方にあわせた「間取り」や「動線」を考えることが、後悔しないための重要なポイントです。屋上へのアクセスが不便で、いつの間にか使わなくなってしまったという失敗談も少なくないためです。


例えば、屋上での食事を楽しみたいのであれば、キッチンやダイニングからの動線を考え、2階にこれらのスペースを配置するのも有効なアイデアです。これにより、食材や食器の持ち運びがラクになり、屋上での時間をより快適に過ごせるのではないでしょうか。


また、将来的なライフステージの変化なども考慮し、誰もが安全で楽に昇り降りできる階段を設置することが大切です。階段幅を広めにしたり、手すりを設けたりするなどの工夫は、長期的に屋上を活用するために必要な工夫といえるでしょう。


中古購入の場合は、防水性と構造の劣化を入念にチェックする

中古の屋上付き住宅の購入を検討されているときは、新築以上に屋上の防水性と建物の構造の劣化を入念に確認することが大切です。特に、防水工事の履歴や現状、過去の雨漏りの有無から、その下の階の天井や壁に雨染みまで徹底的にチェックしましょう。

過去の所有者が適切なメンテナンスを行ってきたかどうかは、今後の住み心地や維持費に大きく影響します。ご自身で確認するのが難しいと感じる場合は、契約前にホームインスペクション(住宅診断)を受けるのもおすすめです。


《実例紹介》大手ハウスメーカーで屋上のある家づくり


大手ハウスメーカーで、夢の屋上のある家を建てたいと考えている方もいるかもしれません。大手ハウスメーカーでは、長年の実績と独自の先進技術を活かした、ワンランク上の屋上空間を提供しています。


例えば、ガーデニングや自家菜園を存分に楽しめるよう、徹底した防水処理はもちろん、保水マットと軽量人工土壌を採用できるハウスメーカーもあります。さらに、デザイン性の高いおしゃれな外観や、万が一の地震にも強い制震住宅など、各社が魅力的な強みを持っています。


まずは、カタログを取り寄せ、あなたの理想を叶えるハウスメーカーを見つけてみてはいかがでしょうか。


【関連記事】大手ハウスメーカーの特徴を一覧で比較!工務店との違いやおすすめポイント


屋上のある家はメリット・デメリットをしっかり理解して賢く決断を


今回は、注文住宅で屋上のある家を実現するメリット・デメリット、後悔しない間取りのポイントなどをご紹介しました。屋上は容積率を気にせず居住空間を広げられるだけでなく、アウトドアリビングや屋上庭園、子どもやペットの遊び場など、暮らしを豊かにする活用アイデアがたくさんあります


初期費用やメンテナンスは考慮すべき点ですが、使い方次第で他にはない特別な暮らしを手に入れることができるでしょう。この記事を参考に、屋上のある理想の家づくりを実現してくださいね。

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