ZEH住宅とは?条件やメリット、申請時の注意点をわかりやすく紹介【2026年最新】
ZEH(ゼッチ)住宅とは、脱炭素社会に向けた地球に優しい住宅として注目されている、エネルギー収支をゼロにする住まいのことです。2025年の省エネ基準適合義務化や電気代の高騰を受け、これから一戸建てを検討する方にとって、ZEHは将来の家計と資産価値を守るための新常識となっています。今回の記事では、ZEH住宅の概要やメリット・デメリット、最新の補助金制度や注意点などをわかりやすく解説します。
ZEH住宅とは「エネルギー収支ゼロ」を目指した最先端の家のこと
ZEH住宅の「ZEH」とは、Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略語です。まずは、ZEH住宅がどのような住宅なのか、最新の動向を交えて説明します。
ZEH住宅の概要
ZEH住宅とは、「断熱」「省エネ」「創エネ」の3要素を組み合わせ、家庭で消費するエネルギーと、自家発電などで生み出すエネルギーの収支をプラスマイナスゼロ(またはゼロ以下)にする住宅を指します。「ゼロエネルギー住宅」と呼ばれることもあります。
現在、日本は「2050年カーボンニュートラル(脱炭素社会)」の実現を目指しており、国はZEH住宅の普及を推進しています。
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参考:経済産業省資源エネルギー庁「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)に関する情報公開について - 省エネ住宅」
ZEH住宅の認定基準
ZEHとして認められるには、具体的にどのような基準や条件をクリアする必要があるのでしょうか。家づくりにおいて重要となる「4つの柱」を解説します。
1.断熱性能(強化外皮基準)
ZEHに認定されるためには、外気の暑さや寒さに影響されにくい「高い断熱性能」が不可欠です。高性能な断熱材や複層ガラスの窓を使用することで、冷暖房エネルギーを最小限に抑え、夏は涼しく冬は温かい家を実現します。
2.省エネ性能(20%以上の一次エネ削減)
LED照明や高効率給湯システム(エコキュートなど)、省エネ稼働の高い換気システムを導入し、従来の住宅に比べ消費エネルギーを20%以上削減することが求められます。また、エネルギーを「見える化」する管理システム「HEMS(ヘムス)」を設置する場合もあります。
【関連記事】【HEMS入門まとめ】HEMSの概要からハウスメーカーの選び方まで
3.創エネ性能(太陽光発電システムの導入)
再生可能エネルギーを創り出す、太陽光発電システムなどの設置が必須です。断熱と省エネで減らした分のエネルギー量を自家発電で補うことで、年間の消費量を実質ゼロにすることが目的です。
4.エネルギー収支ゼロ(プラスマイナスゼロの達成)
ZEHのゴールは、高性能な設備で「使うエネルギー」を減らし、太陽光などで「創るエネルギー」を増やすことで、その収支を実質ゼロ(あるいはそれ以下)にすることです。ZEH基準では100%の削減が必要ですが、立地や地域特性に合わせて、以下のような基準も用意されています。
| 種類 | 基準 |
|---|---|
| Nearly ZEH (ニアリー・ゼッチ) | 75%以上100%未満の削減。太陽光発電があまり見込めない寒冷地や多雪地帯で活用される |
| ZEH Oriented (ゼッチ・オリエンテッド) | 都市部の狭小地など、太陽光パネルが設置できない地域向けの基準。パネルがなくても高い断熱・省エネ性能を備えることで認定される |
| ZEH+(ゼッチ・プラス) / 次世代ZEH+ | 通常のZEHよりさらに厳しい「25%以上の省エネ」が求められる高性能モデル。EV(電気自動車)充電設備など、より先進的な機能が必要に |
このように、ZEHにはいくつかの種類があるため、土地の条件や希望する性能に合わせて、最適な基準を検討しましょう。
参考:資源エネルギー庁「ZEHの定義(改定版)<戸建住宅>」
ZEH住宅のメリット
ZEH住宅を選ぶことは、単に「環境に優しい」だけでなく、日々の暮らしや家計を楽にするメリットがあります。
一年中、快適に過ごせる
ZEH住宅の最大の特徴は、高い断熱性能です。「リビングは温かいのに、廊下や脱衣所は寒い」といった部屋ごとの温度差がほとんどなくなります。
これにより、冬場のヒートショックのリスクを大幅に軽減できるほか、結露の発生を抑えてカビやダニの繁殖を防ぐ効果も期待できます。小さな子どもや年配の方がいる家庭でも、一年中快適に過ごせる住まいが実現するでしょう。
光熱費を大幅に削減できる
昨今の電気料金の値上がりは、家計にとって大きな負担です。ZEH住宅なら、高性能な省エネ設備で使う電気を最小限に抑え、さらに太陽光発電で自給自足ができるため、毎月の光熱費を大幅にカットできます。
また、2026年現在の税制では、ZEH住宅は一般住宅よりも住宅ローン控除の借入限度額が手厚く設定されており、光熱費と税金の両面から長期的なランニングコストの削減が期待できます。
災害時用でも「電気が使える」という安心感
地震や台風などの自然災害で停電が起きた際も、備蓄しておいた電力を非常用電源として活用できます。
さらに蓄電池を組み合わせていれば、夜間でもスマートフォンの充電や冷蔵庫の稼働を維持でき、在宅避難を力強くサポートします。近年普及が進んでいる電気自動車(EV)への充電も可能なため、エネルギーを無駄なく使い切れるのもうれしいポイントです。
最新の補助金制度を活用できる
国はZEH住宅を推進しており、活用できる補助金制度が充実しています。
子育て世帯や若者夫婦世帯がZEH住宅を新築する場合、補助金が交付される事業をはじめ、自治体独自の助成金を受けられるケースも少なくありません。 ZEH住宅は建築費こそ一般住宅より高くなりますが、これら補助金と入居後の光熱費削減分を合わせることで、トータルコストで見れば非常にお得な選択となります。
【関連記事】【2025年最新】新築時に活用できる補助金・減税制度をわかりやすく解説|もらえるお金はいくら?
ZEH住宅のデメリット
メリットが多いZEH住宅ですが、初期コストや維持管理の面で注意すべきポイントもあります。後悔しない家づくりのために、デメリットもしっかり把握しておきましょう。
天候や立地によって発電量が左右する
太陽光発電は、天候によって生み出せる電力量が大きく変わるという特性があります。雨や曇りの日はもちろん、日照時間が短い地域や周囲に高い建物がある立地では、思うように発電できず十分な電力を賄えない可能性があります。
設置前には、建築予定地域の日照時間や天候などのシミュレーションを施工会社に依頼し、納得した上で導入を検討することが大切です。
初期の設備投資や将来のメンテナンス費用がかかる
ZEH住宅には、太陽光パネルや高性能な省エネ機器、高断熱材などの導入が不可欠なため、一般住宅に比べて建築費が高くなる傾向があります。また、効率的に稼働するためには定期的なメンテナンス費用も必要なため、将来的なメンテナンス費用の積み立ても考えておく必要があります。
ただし、ZEH住宅は光熱費を安く抑えられ、かつ売電収入なども発生する場合があるため、「初期投資を何年で回収できるか」という長期的な視点でコストを比較することが重要です。
ZEH住宅の補助金制度と税制優遇
ZEH住宅は、金銭的な支援が非常に手厚いのが特徴です。現在、家づくりを検討中の方が活用できる主な制度を整理しました。
最大40万円が交付される「子育てグリーン住宅支援事業」
現在、子育て世帯や若者夫婦世帯がZEH住宅を新築する場合、「子育てグリーン住宅支援事業」を活用することで補助金が受けられます。
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この補助金は予算の上限に達し次第、受付終了となります。ZEHビルダーである施工会社を通じて申請を行う必要があるため、早めに相談するのがオススメです。
参考:国土交通省「子育てグリーン住宅支援事業【公式】」
【関連記事】【2025年度最新】子育てグリーン住宅支援事業とは?補助金最大160万円を徹底解説
自治体独自のZEH支援事業
国とは別に、多くの自治体が独自のZEH支援事業を行っています。主な支援内容は、太陽光パネルや蓄電池、給湯機などのスマートエネルギー機器の導入費用に対する助成です。
地域によっては数十万円単位の上乗せになることもあるため、インターネットで「お住まいの自治体・都道府県名 ZEH 補助金」と検索し、併用できる制度がないか確認しておきましょう。
住宅ローン控除(2026年度)
住宅ローン控除は、年末のローン残高の0.7%が所得税と住民税の一部から最大13年間控除される制度です。現在のルールでは、「ZEH以上の省エネ性能」がない住宅は、原則として住宅ローン控除が受けられません(控除額0円)。
| 住宅の環境性能 | 借入限度額(2024・2025年入居) |
|---|---|
| 長期優良住宅・低炭素住宅 | 4,500万円 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円 |
| 省エネ基準適合住宅 | 3,000万円 |
| その他の住宅 | 0円 |
※子育て世帯・若者夫婦世帯には限度額の維持などの優遇措置があります。
このように、ZEH住宅を選ぶことは「補助金がもらえる」だけでなく、数百万円規模の税控除を逃さないための必須条件となっています。
参考:国土交通省「住宅ローン減税」
【関連記事】住宅ローン控除(減税)とは。適用条件や計算方法、手続きの流れを解説
ZEH住宅の補助金制度を利用する場合の注意点
ZEH住宅の補助金を確実に受け取るためには、押さえておくべき3つの重要なポイントがあります。
1.「ZEHビルダー」に登録されている建築会社を選ぶ
ZEHの補助金を申請するためには、国に登録された「ZEHビルダー」または「ZEHプランナー」である施工会社に依頼することが必須条件です。
現在、多くのハウスメーカーや工務店が登録されていますが、すべての建築会社が対象ではありません。検討している会社が登録されているか、またZEH住宅の建築実績が豊富かどうかを事前に確認しましょう。実績の多い会社であれば、複雑な申請手続きのサポートもスムーズに受けられます。ZEHビルダーは、以下Webサイトで確認できます。
参考:一般社団法人 環境共創イニシアチブ「ZEHビルダー/プランナー一覧検索」
2.申請後の「設計変更」は原則できない
ZEH住宅の申請は、エネルギー消費量や断熱性能を緻密に計算した設計プランに基づいて行われます。そのため、一度受理されると、その後に「窓を大きくしたい」「間取りを変えたい」といった変更はできません。
変更が必要になった場合、補助金の交付が取り消されるリスクもあるため、設計段階で入念に話し合っておくことが大切です。
3.「先着順」と「予算上限」に注意して早めに動く
ZEH関連の補助金制度は、公募期間内であっても申請金額が予算に達した時点で打ち切られます。
特に、制度の名称や条件が変わるタイミング、年度の後半などは駆け込み申請が増え、予定より早く終了してしまうことも少なくありません。管最新の情報をハウスメーカーの担当者と共有しながら、ゆとりを持ったスケジュールで着工準備を進めていくことが安心です。
大手ハウスメーカーが提案する「次世代のZEH住宅」
大手ハウスメーカー各社は、ZEHを単なる省エネ基準としてだけでなく、家族がより豊かに暮らすための「次世代の住まい」として進化させています。例えば、エネルギーの使用量をリアルタイムで確認できる「HEMS」と蓄電池を連携させ、ZEH基準をクリアするだけでなく、家計のさらなる節約と、災害時の安心感を両立させています。
また、独自の断熱技術や将来の間取り変更にも対応できる耐久性など、それぞれの個性を活かした家づくりを提案しています。住宅展示場に足を運んだり、気になるメーカーの資料請求をしたりして、各社のZEHへの取り組みを比較してみるのがおすすめです。
【関連記事】大手ハウスメーカーの特徴を一覧で比較!工務店との違いやおすすめポイント
ZEH住宅を理解してこれからの住まいを検討しよう
ZEH住宅には、建築コストが一般住宅より高めというデメリットはありますが、一年中快適に過ごせる住環境や、光熱費を削減できるなど、それを上回る多くのメリットがあります。現在は、住宅ローン控除の基準強化や補助金制度の拡充により、ZEH住宅は「選べたら良い家」ではなく、後悔しない家づくりのための「必須条件」となっています。
「断熱」「省エネ」「創エネ」の条件を満たし、国や自治体の補助金制度を賢く活用すれば、将来にわたって資産価値の高いマイホームを実現できます。まずはZEH実績の豊富な大手ハウスメーカーのカタログを比較して、自分たちにとっての「最適解」を見つけていきましょう。