防火地域・準防火地域とは?木造でも大丈夫?調べ方や建築制限について解説

基礎知識 2020-09-11
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「防火地域、準防火地域とは?調べ方は?」「木造でも建てられる?」など、防火地域における家づくりで気になることもありますよね。今回の記事では、防火地域、準防火地域、法22条区域といった地域の役割や建築制限、建ぺい率の緩和規定などについて解説します。


防火地域・準防火地域とは「火災の危険を防除するため定める地域」


家を建てるとき「防火地域」や「準防火地域」といった言葉を耳にすることもあるでしょう。これらの地域には一体どのような役割があるのでしょうか。


防火地域・準防火地域の役割

防火地域や準防火地域とは、「火事の延焼を防ぐ」「緊急車両の通行を妨げない」など、火災が起きた際の被害を最小限に食い止めるために指定される地域のことです。これらのエリアで家を建てるときには、地域ごとに指定されている建築制限に従わなければなりません。


防火地域・準防火地域・法22条区域とは

防火地域は、都市計画法により「市街地における火災の危険を防除するため定める地域」として自治体で指定をします。火災の被害が大きくなりやすい建築密度の高い駅前や、幹線道路沿いなどが対象となる場合が多いようです。


準防火地域とは、火災を防ぐために予防をしなければならない地域のことです。一般的に、防火地域の周りが準防火地域として指定されるようです。さらに、建築基準法によって定められた「22条区域」というエリアもあります。22条区域とは、防火地域や準防火地域以外の木造建築物の多い住宅街を対象としたもので、準防火地域の周辺部が指定される傾向にあります。


このほか、東京都や大阪府などの自治体単位で、独自の制限区域を設けている場合もあります。それ以外の延焼の恐れが少ないエリアは「防火指定なし」という地域になります。


防火地域・準防火地域の調べ方


家を建てる土地が、防火地域や準防火地域に指定されていないか調べておくことは大切です。防火地域・準防火地域の調べ方は、不動産会社やハウスメーカーに依頼して調べてもらうほか、役所へ行って調べることも可能です。


最近では各自治体がインターネット上に都市計画マップを公開しているケースも多く、手軽に防火地域を調べられるようになりました。


防火地域・準防火地域では耐火建築物・準耐火建築物にする必要がある


防火地域や準防火地域に指定されているエリアに家を建てる場合、条件によって耐火建築物または準耐火建築物を建てなければなりません。ここでは、耐火建築物や準耐火建築物とはどのような建築物なのか解説します。


耐火建築物と準耐火建築物の違い

耐火建築物とは「柱や梁など建物の主要構造部に耐火性能のある材質などを使用した耐火構造の建物」または「火災が終了するまでに耐えられることが確認された建物」のことで、建築基準法により基準が定められています。鉄筋コンクリート造やレンガ造、鉄鋼モルタル造などの建物が一般的です。


準耐火建築物とは、耐火建築物の条件を満たしていない建築物のうち、準耐火性能の基準をクリアした建築物のことを言います。火災に対して、耐えられる時間に違いがあります。


木造住宅でも耐火建築物にすることは可能

防火地域での家づくりは、鉄筋コンクリート造や鉄骨造しか建築できないのではと思われがちですが、木造でも耐火構造を施すことで耐火建築物を建てることは可能です。しかし、木造の耐火建築は施工が難しいこともあるため、その分野が得意なメーカーを探して相談するとよいかもしれません。


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防火地域・準防火地域での建築制限は、階数や延べ面積によって変わる


防火地域や準防火地域では、何階建て建築物であるかや延べ面積の大きさによって、建築制限に違いがあります。具体的にどのような建築制限があるのか、地域ごとにご紹介します。


防火地域の建築制限

防火地域での建築制限は以下のようです。

  • 「3階以上の建物」及び「2階以下で延べ面積が100㎡超の建物」:耐火建築物
  • 「1~2階で延べ面積が100㎡以下の建物」:耐火建築物または準耐火建築物


準防火地域の建築制限

準防火地域での建築制限は以下のようです。

  • 「4階以上の建物」及び「1~3階で延べ面積が1500㎡超の建物」:耐火建築物
  • 「1~3階で延べ面積が500㎡超1500㎡以下の建物」:耐火建築物または準耐火建築物
  • 「3階建てで500㎡以下の建物」:耐火建築物または準耐火建築物または法令で定める一定の技術基準に適合した建物
  • 「1~2階で延べ面積が500㎡以下の建物」:木造建築物の場合は、延焼のおそれがある外壁、軒裏などに一定の防火措置を施す


防火地域と準防火地域がまたがる場合の対応

土地が防火地域と準防火地域をまたがる場合には、厳しい方の規制を建物全体に適用させなければなりません。「面積が広い方に合わせる」といった判断をしないように注意をしましょう。


防火地域に家を建てるときに知っておきたいこと


耐火建築物・準耐火建築物は建ぺい率が緩和される

防火地域や準防火地域で、一定基準を満たした耐火建築物を建てる場合には、建ぺい率が10%緩和されます。建ぺい率の緩和は、延焼防止性能が高い建物への建て替えを促進することが目的で、建築基準法により定められています。


防火地域では「耐火建築物」及び「耐火建築と同等以上の延焼防止性能を有する建築物」が、準防火地域では「耐火建築物」「準耐火建築物」及び「これらと同等以上の延焼防止性能を有する建築物」が対象です。


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耐火建築物や準耐火建築物は火災保険の割引を受けられる

耐火建築物や準耐火建築物は一般的な住宅と比較して火災保険料が割安になるケースが多いでしょう。なぜなら、耐火構造により火災のリスクが低いと判断されるためです。場合によっては保険料が半額以下に抑えられることもあるでしょう。


防火地域内での家づくりはハウスメーカーに相談


家を建てたい場所が、防火地域や準防火地域である場合も考えられるでしょう。建築制限がある場合には、家の仕様や使う建材などを考慮する必要があるほか、建築費用も気になるところではないでしょうか。家づくりのプロであるハウスメーカーなら、これまでの実績や経験に基づく適切なアドバイスをしてくれるはずです。分からないことや気になることがあれば、気軽に相談してみるとよいでしょう。


防火地域・準防火地域を理解し家づくりを