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オール電化とは?ガス併用との違いやメリット・デメリットを解説

家選びネット公式 (ie-erabi.net) 2022-05-20
基礎知識

オール電化住宅とはどのような住まいなのか、ガス併用住宅との違いを知りたい方もいるのではないでしょうか。IHや給湯器などの電化設備や、太陽光発電との相性が気になる方もいるでしょう。今回はオール電化住宅の概要やメリット・デメリット、住宅建築時のポイントなどをご紹介します。


オール電化住宅とは?ガス併用との違い


オール電化住宅とは、エネルギー源を電気だけでまかなう家のこと

オール電化住宅とは、家庭で使うエネルギーを電気だけでまかなう住宅のことを意味します。ガスを併用している住宅は、調理に「ガスコンロ」、お湯を沸かすのに「ガス給湯器」、暖房に「ガスファンヒーター」などを使う場合が多いでしょう。しかし、オール電化住宅では、調理や給湯、暖房などに使用する設備のエネルギー源を全て電気でまかないます。


オール電化住宅にある主な設備

オール電化住宅で使用する主な設備の特徴を、ガスを使用する設備との違いを交えてご紹介します。


IHクッキングヒーター

オール電化住宅では、キッチンでの調理に「IHクッキングヒーター」を使用します。IHクッキングヒーターとは、内部の磁力線に電流を流して調理器具自体を発熱させる設備です。ガスコンロを使う場合と比較して「キッチン周りが熱くならない」「天板がフラットなため汚れにくくお手入れが簡単」という特徴があります。


電気給湯器(エコキュートや電気温水器)

給湯には、安い深夜電力を使ってお風呂などで使うお湯をタンクにためる「エコキュート」や「電気温水器」などの電気給湯器を使います。


エコキュートとは、空気の熱を利用して水を温める「ヒートポンプ式」を採用した電気給湯器のこと。電気の熱だけでなく空気の熱も利用するため、効率よくお湯をためることが可能です。一方で電気温水器は、貯水タンクにあるヒーターの熱と水の熱を交換することによりお湯を沸かします。エコキュートとの違いは、電気のみを使ってお湯をためる点です。


床暖房や蓄熱暖房機

電気式の暖房には「床暖房」や「蓄熱暖房機」などを使います。電気式の床暖房は、床下に電気で発熱するヒーターなどを設置し、床を通じて部屋全体を暖めます。蓄熱暖房機は、深夜電力を利用して暖房機内にあるレンガに蓄熱し、日中その熱を放熱して部屋を暖める仕組みです。ガスファンヒーターなどと比べると「部屋全体を足元からじんわりと暖める」「空気が乾燥しづらい」などの特徴があるでしょう。


オール電化住宅の普及率は上昇傾向にある


2021年3月1日~5日にマイボイスコム株式会社が実施した「オール電化住宅」に関するインターネット調査によると、オール電化住宅に住んでいる人の割合は、調査全体で14.3%、一戸建て居住者だけで見ると20%強という結果でした。


2016年4月に電力小売業が全面自由化し、消費者が電力会社や料金プランを自由に選べるようになりました。IHクッキングヒーターや電気給湯器などの性能が向上していることも、近年オール電化住宅の普及が進んでいる理由の一つでしょう。


参考:マイボイスコム株式会社「オール電化住宅に関する調査」


オール電化住宅のメリット


オール電化住宅には、ガス併用住宅と比べてどのようなメリットがあるのでしょうか。


<メリット1>基本料金を1本化でき、節約につながる

オール電化住宅の場合は、光熱費の基本料金を「電気」のみに1本化することができ、光熱費の節約につながります。電気とガスを併用する場合は、双方の基本料金を支払う必要があるでしょう。オール電化住宅なら、ガス代もかかりません。エネルギーを一本化することで、家計管理も容易になるでしょう。


<メリット2>火を使わないため、安全に暮らせる

オール電化住宅は、調理に火を使わないため火災の心配が少ないでしょう。ガス漏れや不完全燃焼による一酸化炭素中毒の心配もありません。小さな子どもや高齢者のいる家庭にとって、安心して暮らせる点がメリットです。


<メリット3>災害時の復旧が早い

電気は災害時の復旧が早いことも、知っておきたいメリットです。地震や台風などの災害が起きた場合、ライフラインが止まることも考えられます。そのような時に、電気の復旧は、ガスと比べて早いと言われています。


ガスの場合は、配管が地中に埋められているため確認作業に時間を要しますが、電気の場合は電柱が地上に露出しているため、復旧作業をスムーズに行えるのです。


<メリット4>災害時にタンク内の水を利用できる

外部にタンクを設置する電気給湯器を利用する場合、災害時にタンク内の水を活用できるというメリットがあります。震災などが起きた場合には、断水する可能性が考えられるでしょう。その際には、洗い物やトイレ利用等の際に使う非常用水として、タンク内の水を利用できます。


オール電化住宅のデメリット


オール電化住宅には、メリットだけでなくデメリットもあります。


<デメリット1>初期コストが高い

オール電化住宅は、ガス併用時に比べて設備の本体費用や設置費用などの初期コストが高くなります。製品により金額に違いはありますが、IHクッキングヒーターやエコキュート、床暖房などを合わせると、300万円ほどかかるケースもあるでしょう。


電気給湯器を設置する場合、タンクはしっかりとしたコンクリートの土台の上に設置する必要があります。蓄熱暖房機を設置する場合も、床の補強が必要になるでしょう。年数が経過すると、設備などに不具合が出る場合もあります。修理費用がかかることも念頭に入れておきたいですね。


<デメリット2>昼間の電気代が高い

オール電化住宅の場合、電気料金プランによっては昼間の電気代が高いこともデメリットです。夜間の時間帯は電気代が安く設定されている一方、昼間の時間帯は一般的な電気料金プランより高めに設定されているケースが多いでしょう。日中家で過ごす時間が多い場合は、電気代が高くなることも知っておきたいポイントです。


<デメリット3>停電時に設備が使えなくなるリスクがある

災害などで停電した場合は、設備が使えなくなる可能性があることもデメリットです。生活する上で必要な調理や暖房などの設備が使えなくなることを想定しておきましょう。ガスコンロや石油ストーブなど、電気が復旧するまでの間に使用できる家電を備えておくのがオススメです。


<デメリット4>お湯切れの場合はお湯をためるまでに時間がかかる

エコキュートなどの電気給湯器は、夜間に一日分のお湯を沸かしておくのが一般的。そのため、お湯切れが起きた場合は再度お湯をためなければいけません


「追い焚き」は時間がかかる上、深夜の時間以外に追い焚きを行うと電気代が高くなってしまうデメリットがあります。お湯が不足しないよう、タンクにためる湯量は季節にあわせてこまめに調整するのがオススメです。


オール電化住宅のデメリットをカバーする3つのコツ


オール電化住宅のデメリットをカバーするには、どのようなことに気をつけるとよいのでしょうか。把握しておきたい3つのコツをご紹介します。


コツ1:ライフスタイルにあった電気プランを選ぶ

オール電化住宅では、ライフスタイルに合わせた電気プランを選ぶことが大切です。日中在宅していることが多い家庭と、日中ほとんど人がいない家庭とでは適した電気プランが異なります。


曜日や時間帯ごとの料金設定も、電力会社によって違います。各電力会社のプランの特徴を把握して、ライフスタイルにあった最適なプランを選択したいですね。


コツ2:安い夜間電力を活用する

オール電化住宅向けの電気料金は、夜間電力を安く設定しているプランが主流です。洗濯機や食洗機などの家電製品は、予約機能を活用して夜間に利用すれば電気代の節約につながります。


コツ3:太陽光発電を取り入れる

オール電化を導入する際に太陽光発電を取り入れると、自家発電によって得られた電気を使用できるため、電気代を抑えられます。災害などの停電が起きた場合も、発電している時間帯であれば電気が使えるため安心です。


太陽光発電システムで発電した電気は、余った電力を電力会社に売電することもできます。どの程度で太陽光発電の設置費用の元が取れるのか、メーカーごとに見積もりを取って検討するとよいでしょう。


関連記事:太陽光発電のメリット・デメリット。売電やマイホームへの設置費用


大手ハウスメーカーでオール電化住宅を建てよう!


大手ハウスメーカーなら、ノウハウや実績を活かしたオール電化住宅が建築可能です。経験豊富な営業担当者が、オール電化住宅の疑問にも親身に相談に乗ってくれるでしょう。エネルギーの自給自足を目指し、大手ハウスメーカーでオール電化住宅を検討してみてはいかがでしょうか。


関連記事:大手ハウスメーカーの特徴を一覧で比較!検討初期に知りたい基本情報まとめ


オール電化住宅の特徴を知り、ガス併用との比較をしよう


オール電化住宅は、家庭で使うエネルギーを電気だけでまかなう住宅のことです。賃貸マンションなどを含めたオール電化住宅は「基本料金を一本化できる」「火を使わないため安全」などのメリットがあります。



一方で、昼間の電気代が高くなるほか、停電時に設備が使えなくなるというデメリットもあります。オール電化を導入する際は、安い夜間電力を使うことや太陽光発電を取り入れることなどを検討するとよいでしょう。ガス併用時との違いや特徴を理解し、家づくりを成功させたいですね。

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