床暖房のフローリング選び。条件やオススメの床材を紹介
床暖房対応のフローリングとは何か、条件や上張り・張り替えなどの補修方法について知りたい方もいるのではないでしょうか。浮きや隙間、剥がれは起きないのか気になる方もいるでしょう。今回は、床暖房用フローリングの概要や選び方、フローリングを張り替える際の注意点などをご紹介します。
床暖房対応フローリングとは?一般的なフローリングとの違い
床暖房とは、床を温めることで生じる輻射熱や熱伝導を利用した暖房方法のこと。足元から部屋全体を均一に暖められるのが特徴で、近年多く採用されている暖房方法です。
床暖房には、どのようなフローリング材が適しているのか知りたい方もいるのではないでしょうか。床暖房に対応するフローリング材の概要や、一般的なフローリング材との違いについてご紹介していきます。
床暖房対応フローリングは、熱や乾燥に強いことが特徴
床暖房対応のフローリングは、熱や乾燥などに強い床材が使われているのが特徴です。急激な温度変化や熱に対応できるよう、膨張・収縮しにくい特殊加工が施されているほか、熱が伝わりやすいことも知っておきたいポイント。
ただし、特殊加工を施すといった理由から、一般的なフローリング材よりも価格はやや高くなるケースが多いでしょう。
一般的なフローリングだと「浮き」「隙間」「剥がれ」が生じる可能性
床暖房を設置する際に一般的なフローリング材を使用すると、「浮き」や「隙間」「剥がれ」などが生じる可能性があります。一般的なフローリングに使われる木は、乾燥すると収縮し、逆に湿っていると膨張する性質があるためです。
例えば、約70℃の温水をパネルに通して床材を温める「温水式」床暖房タイプの場合は、急激な温度・湿度変化により床材が収縮し、床材との間に「隙間」が発生するリスクがあります。
反対に膨張した場合は、床材表面の塗装が剥がれたり、床材そのものが盛り上がる「浮き」が発生したりするケースもあります。このようなリスクを避けるためには、床暖房用のフローリング材を施工するのがオススメです。
フローリング以外に「タイル」も床暖房に使える
床暖房の床材に、フローリングではなく「タイル」を使用することも可能です。タイルは、熱が伝わりやすく冷めにくいため蓄熱効果が高く、長時間に渡り部屋の温度を一定に保つことができます。
収縮や膨張もしにくいため、床暖房に適した素材と言えるでしょう。床暖房の床材にタイルを選ぶ際は「厚みが約1cmのもの」「吸水率が低いもの」などを基準にして選ぶのがポイントです。
床暖房対応フローリングの選び方
床暖房対応のフローリング材には、さまざまな種類があります。ここからは、床暖房フローリングの選び方をご紹介します。
選び方1:表面仕上げの方法
床暖房対応のフローリングは、「無垢フローリング」や「突き板仕上げ」「シート仕上げ」など表面の仕上材で選ぶことができます。それぞれの特徴は以下の通りです。
《無垢フローリング》天然木の一枚板を加工したもの
【特徴】調湿作用や質感、耐久性が魅力。反りや隙間が生じやすく、他の方法に比べて値段が高い。
《突き板仕上げ》合板などの基材の表面に無垢突板を貼り付けたもの
【特徴】品質が安定しており、施工性に優れている。種類やデザインが豊富で、天然木ごとの風合いを楽しむことが可能。
《シート仕上げ》合板などの基材の表面にプリントしたシートを貼り付けたもの
【特徴】品質が安定しており、施工性に優れている。天然木には無い色やテクスチャ-が選べる。
表面仕上げの方法は、それぞれの特徴を理解し、住まいのイメージに合うものを検討するとよいでしょう。
選び方2:床材のカラー
床材は、豊富な塗装カラーから選ぶことができます。床材のカラー選びは、部屋の印象を左右する大事な要素です。例えば、ホワイト系を選んだ場合、部屋が明るく、広く見えます。
ナチュラル系を選んだ場合、建具や家具などとも合わせやすく、暖かみのある空間となるでしょう。また、ブラック系を選んだ場合は、高級感のある落ち着いた雰囲気となります。
部屋をどのような雰囲気にしたいのかを考えて、床材のカラーを選びましょう。
選び方3:木の種類
仕上げ材に「無垢材」や「突き板仕上げ」を選ぶ場合、木の種類で選ぶのも方法の一つです。以下に、代表的な木の種類をご紹介します。
- メープル:乳白色の明るい色味。木目が少ない
- オーク:ナチュラルな色味。虎斑と呼ばれる力強い木目が特徴
- ウォールナット:重厚感のある深い茶色。美しい木肌が魅力
- バーチ:淡い白黄色。柔らかくきめ細やかな木肌 など
木の種類によって色味や木目の出方も違うため、自分好みの木を選ぶとよいでしょう。また、シート仕上げの場合も、理想の雰囲気に合わせた「木目」の商品を選ぶことが可能です。
床暖房対応フローリングを張り替えるときの注意点
一般的に、床の張り替え時期の目安は、10年〜20年程度と言われています。床暖房対応フローリングに浮きや軋み、凹みなどの症状が現れたら、床の張り替えなど補修を検討しましょう。
床暖房対応フローリングを張り替える方法は、「張り替え工法」と「上張り工法」の2種類があります。ここからは、工法ごとの特徴や注意点をご紹介します。
張り替え工法:既存の床を解体するため、リフォーム費用や期間がかかる
「張り替え工法」とは、既存の床材を解体し、新たな床材を設置する施工方法です。張り替え時に「下地のチェックができる」「床の高さがリフォーム前と変わらない」などの特徴があります。
注意点として、既存のフローリングを剥がすときには、暖房マットも一緒に交換するのが一般的です。なぜなら、フローリングと暖房マットは接着剤でくっついており、フローリングを剥がす際に暖房マットが破損してしまうためです。
張り替え工法の場合、既存フローリングの解体費用や暖房マットの交換費用がかかるだけでなく、工事期間もかかることも知っておきましょう。張り替え工法の費用は、1畳あたり6〜12万円程度です。
上張り工法:既存の床に重ねて張るため、床の熱伝導率が下がる
「上張り工法」とは、既存フローリングの上から新たなフローリングを重ねて貼る施工方法です。
既存フローリングを剥がす手間がかからないため、リフォーム費用を安く抑えられるほか、床を重ねる工法のため、床の耐久性を上げられるなどの特徴があります。
注意点として、ほかの居室との間に段差が生まれるほか、熱伝導率が下がる可能性があることを知っておきたいですね。上張り工法の場合、バリアフリーにして床の段差を解消したり、熱の伝導効率を考慮したフローリングを選んだりするなどの工夫を取り入れるとよいでしょう。上張り工法の費用は、1畳あたり4〜8万円程度かかります。
フローリングにラグ・カーペットを敷く場合の注意点
小さなお子さんがいる場合、「子どもが飛び跳ねたり物を落としたりする際に音を吸収する」「子どもが転んだ際に怪我から守ってくれる」などの理由から、フローリングにラグやカーペットを敷きたい、という家庭も多いのではないでしょうか。
床暖房の上にラグやカーペットを敷くことは、基本的には止めた方がよいでしょう。床暖房の熱が伝わりにくく、室温が上がらなくなるためです。
衝撃の吸収性や防音性などのためにどうしても敷きたい場合は、敷く面積を狭くするなどの工夫をした上で、「熱に強い素材」や「薄手のもの」など床暖房専用の商品から選ぶことがポイントです。
床暖房のあるマイホームを大手ハウスメーカーで建てよう!
大手ハウスメーカーで床暖房のあるマイホームを購入したい、という方もいるのではないでしょうか。ハウスメーカーのなかには「建具や収納などとトータルコーディネートで仕上げ材を選べる」「さまざまな種類の中から、インテリアに合わせたフローリング材を選べる」など、床暖房プランが充実しているところも多くあります。
知識豊富な営業担当者が、床暖房に対する不安や疑問なども親身に相談に乗ってくれるでしょう。住宅展示場に足を運んで、床暖房のある家を大手ハウスメーカーで検討してみてはいかがでしょうか。
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