床下換気扇や床下換気口の必要性。除湿方法や換気扇設置時に知っておきたいポイント
床下換気扇や床下換気口を使うなど床下換気の方法を知りたい方もいるのではないでしょうか。床下換気扇の設置にデメリットはあるのかやDIYできるのかが気になる方もいるでしょう。今回は、床下換気の必要性やメリット、床下の除湿方法や床下換気扇を設置する際に知っておきたいポイントなどを解説します。
床下換気扇・床下換気口の必要性。床下換気のメリットとは
床下に湿気がこもりやすいと、住宅やそこで暮らす人に悪い影響が生じます。まずは、住宅にとってなぜ床下換気が必要となるのかを見ていきましょう。
床下換気は法律(建築基準法)で義務付けられている
床下を換気することは、建築基準法という法律で義務付けられています。建築基準法とは「国民の生命や健康、財産の保護をするために、建築物の敷地・構造・設備及び用途に関して設けた最低限の基準のこと」です。法律で定められている通り、床下換気は住む人の健康や財産を守るために重要になります。
建築基準法施行令第22条では、建物の防湿に対する基準を次のように定めています。
- 地面から床の上面まで、45cm以上床の高さを確保すること
- 布基礎の場合、壁の長さ5m以下ごとに面積300㎠以上の床下換気孔(換気口)を設け、その換気孔にねずみの侵入を防ぐための設備を付けること
ただし、床下に防湿するための施工などを行っている場合や、住宅の基礎として、床下全体を鉄筋コンクリートで覆う「ベタ基礎」を採用した場合は、当該基準が適用外となります。
近年の住宅は、上記の理由などから基礎を「べタ基礎」にした上で、基礎と土台の間に基礎パッキンという緩衝材を挟む工法が多く採用されています。一方、基礎に柱や壁の下など必要な部分のみにコンクリートを打ち込む「布基礎」を採用した場合は、基礎に床下換気口を設けるケースが多いでしょう。
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床下換気をする効果やメリット
床下換気を行うことは、住宅にとってどのような効果やメリットがあるのでしょうか。
土台が腐食するのを防ぐ
温度変化が激しい床下は、年間を通して結露やカビが発生しやすい場所ですが、床下換気をすることで家の土台が腐食するのを防げるメリットがあります。
例えば、床下に結露が生じると、土台が湿り、腐ってしまう原因となります。カビが木材に付着すると「木材腐朽菌」という菌が繁殖し、木材に穴が空いたり亀裂が生じたりする原因となります。床下から湿気を取り除くことは、住宅の寿命を長く保つために有効でしょう。
シロアリから住宅を守る
シロアリから住宅を守ってくれることも、床下換気を行うメリットです。シロアリは、高温多湿な環境を好む性質があります。床下換気をすることで、シロアリが発生しにくい環境をつくることができるでしょう。
カビやダニから家族の健康を守る
床下の湿気が、室内環境に影響を及ぼすこともあります。湿気があるとカビやダニが繁殖しやすくなりますが、床下換気をすれば、アレルギー症状を引き起こす原因になるカビやダニから家族の健康を守ることができるでしょう。
床下に湿気がこもりやすい家の特徴とは?
床下に湿気がこもりやすい家には特徴があります。以下で詳しく見ていきましょう。
湿気が多い土地に建っている
特徴の1つは、住宅が湿気の多い土地に建っていることです。湿気の多い土地とは、以下のような土地です。
- 造成前は水田や湿地だった土地
- 台風や洪水などで浸水したことのある土地
- 周囲の土地と比べて低い場所にある土地
水田や湿地だった造成地や過去に浸水したことがある土地の場合、土に水分が多く含まれていることが考えられます。坂の下など周囲の土地と比べて低い場所にある土地も雨が溜まりやすく日当たりもよくないため、湿気が多い土地と言えるでしょう。
風通しが悪い
風通しが悪いことも、床下に湿気がこもる原因です。例えば、以下のようなケースが考えられます。
- 住宅が密集地に建っている
- 住宅の基礎部分の高さが低い
- 床下換気口がエアコンの室外機などで塞がれている
住宅が隣家などの建物に囲まれているような密集地に建っている場合、風が通り抜けにくくなります。床下に人が入れないほど基礎の高さが低い場合も、空気の流れが悪くなりがちです。床下換気口を設置した場所にエアコンの室外機などが置かれている場合も、風通しを妨げる原因となります。
床下の除湿方法とは
床下の湿気を取るためには、どのような方法があるのかをご紹介します。
床下換気扇を設置する
除湿方法の1つは、床下に床下換気扇を設置することです。床下換気扇とは、モーターでファンを回しながら床下の空気を循環させ湿気を排出するもので、「排出型」と「拡散型」があります。風の通り道を考えながら、基礎の周囲に排出型、真ん中に拡散型を配置するとよいでしょう。
防湿シートを敷く
防湿シートを敷くのも、床下の除湿をする方法です。防湿シートとは、地面から上がってくる湿気を防ぐもので、一般的に「布基礎」で施工した場合に採用します。
防湿シートを敷く際は、半永久的に使用できるものではないため、定期的に状態を確認しましょう。
床下に調湿剤を撒く
除湿方法として、調湿剤を使用するのもよいでしょう。調湿材には、湿度が高いと湿気を吸収し、湿度が低いと湿気を排出する特徴があります。DIYでも施工可能で、布基礎の場合は防湿シートを施工した上に、ベタ基礎の場合はコンクリートの上に敷くようになります。
調湿材は種類によって加湿効果が違うため、調湿剤を購入する際には、しっかり製品の内容を確認してから購入しましょう。