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気密性とは?高気密住宅のメリット・デメリット。家づくりのポイントを解説

家選びネット公式 (ie-erabi.net) 2023-07-27
基礎知識

気密性とは、外と室内の空気の出入りを防ぐ性能のことです。気密性が高い家は、外気の影響を受けにくく、快適な室内環境を維持できるという特徴があります。今回は、新しい家づくりで高気密住宅が気になる人のために、気密性が高い家のメリットやデメリット、建てるときのポイントなどを紹介します。高気密住宅についてよく知って、快適なマイホームづくりに役立てましょう。


住宅における気密性とは



「気密性」とは、外と室内の空気の出入りを防ぐ性能をいいます。住宅における気密性は、家の隙間の少なさを意味します。隙間をできるだけ少なくして家の密閉性を高め、屋外の空気が入りにくく、屋内の空気が外に漏れにくい家が「気密性の高い家」ということになります。


気密性能は「 C値」で表される



住宅の気密性能は、「隙間相当面積」を表す「C値」を参考にします。家にどのぐらいの隙間があるのかについて、建物が完成したあとに専用の機械で気密測定を行った、実測値です。C値は、以前は「建築物省エネ法」により基準が定められていましたが、現在は基準が撤廃されており、国が定めた明確な基準値はありません


気密性が低い家はどうなるのか

まずは、気密性が低い家ではどのようなことが起きるのか、考えてみましょう。


夏は暑く、冬は寒い

気密性が低い家は、隙間が多い家ということです。エアコンなど冷暖房を使用していても、隙間から屋外の空気が入り込み、家の中の空気と入れ替わってしまいます。結果として、家にいるのに夏は暑くて冬は寒いという、あまり快適ではない状態になります。


光熱費が高くなる

上記の冷暖房に関連しますが、気密性が低いと隙間からの空気で家の中の空気が入れ替わってしまうので、冷暖房の効率は悪くなります。部屋がなかなか冷えない(温まらない)ため、エアコンを強風で長時間動かすなど、多くのエネルギーを消費します。そのため、冷暖房にかかる電気代やガス代などが、高くなってしまいます。


家が傷みやすい

すき間が多い状態の家は、湿気を含んだ外気が屋根や壁の内部に入り込むため、結露が発生しやすくなります。結露が繰り返されて壁が湿ったままの状態が長く続くと、壁の内部にカビが生える、断熱材の劣化が早い、床や柱の木材が腐るなど、建物が傷みやすくなります。カビが健康被害を引き起こす可能性もあるでしょう。

かつて北海道の木造住宅で、築2年程度で床が腐朽して抜け落ちる被害が相次いだことがありました。断熱材は使われていても気密性が低かったため、壁や床下の内部に結露が侵入して、構造の木材にキノコが生えたためです。


高気密住宅のメリット



気密性の高い家には、暮らしていく上でさまざまなメリットがあります。ここでは、5つの主なメリットを紹介します。


一年を通して快適な温度で過ごせる

気密性が高い家は、室温が外気の影響を受けにくいのがメリットです。室内の空気が外に出てしまうこともないので、部屋の温度を一定に保つことができます。年間を通して室内の寒暖差が少ないので、夏は涼しく冬は暖かい家が実現します。


結露が発生しにくい

高気密住宅は、隙間から入る外気での自然換気はできないため、24時間換気システムの設置がとても重要です。換気扇が付けられている部屋には、空気の取り入れ口として給気口が必ずつくられます。計画的な換気が行われるため、室内に湿気を含んだ空気が溜まりにくく、結果として結露の発生が抑制されます。結露がないことで、カビが生えるリスクも軽減できます。


冷暖房費を節約できる

冷暖房の効率が良いのも、気密性が高い家の利点です。外気が室内に侵入しにくく、部屋の冷気・暖気が隙間から外に漏れることもないからです。エアコンなどの冷暖房にかかる電気代を節約できるのは、長く暮らしていく中での大きなメリットでしょう。


花粉や砂などの侵入を防げる

気密性の高い家は、花粉や砂ボコリなどが侵入しにくいため、花粉症の症状の緩和が期待できます。24時間換気システムによって計画換気を行うため、窓を開けなくても給気口から外の空気を取り入れることができます。家の中に入るのはフィルターを通して花粉を除去した空気なので、花粉症に悩む方には嬉しいメリットですね。


防音性がアップする

防音性が高いことも、気密性が高い家の特徴です。気密性の高いサッシや窓ガラスを採用しており、家の中の音が外に漏れる、あるいは外の騒音が入ってくるような隙間がないからです。音楽鑑賞を楽しみたい人や小さい子どもがいるなど、家の防音性能も気になる人は、気密性の高い家を検討してみるといいでしょう。


高気密住宅のデメリット



高気密住宅は、メリットだけではなくデメリットもあります。気密性が高いことで生じる主なデメリットは、次の3つです。


建築コストがかかる

気密性の高い住宅は、一般的な住宅と比べると、建築コストが高くなる傾向にあります。高気密住宅は同時に高断熱住宅でもあることがほとんどで、使われる資材は高価なものが多いからです。精度の高い設計と施工技術が必要なことも、費用が高額になる要因です。家づくりの初期費用と、建てた家の光熱費を考えてマイホーム計画を立てられるとよいでしょう。


部屋が乾燥しやすい

家の気密性が高いと、隙間から外の空気が入ってこなくなります。空気中に含まれている水分も家に入らなくなるため、部屋の湿度が下がり、乾燥しやすくなります。加湿器を使う、観葉植物など水気のあるものを置く、洗濯物を部屋干しにするなど、工夫するとよいでしょう。


使える暖房器具が限られる

気密性が高いことで、使える暖房器具が限られるのもデメリットです。高気密住宅には24時間換気が設置されますが、石油ストーブやファンヒーターの使用による二酸化炭素や燃焼ガスを換気するような設備ではありません。一般の住宅と同じように、1時間ごとに1回〜2回、窓を開けて換気する必要がありますが、これでは高気密住宅のメリットを活かしているとはいえません。


空気の出入りが少ない高気密住宅で、換気をすることなく石油ストーブやファンヒーターを長時間使うと、酸欠や一酸化炭素中毒などの危険もあります。暖房器具は、空気を汚さないエアコン・こたつ・ホットカーペットなどがおすすめです。建築の際に、床暖房や全館空調なども検討するとよいでしょう。


気密性の高い家づくりで気をつけるポイント



気密性の高いマイホームづくりには、いくつか気を付けてほしいポイントがあるので、ご紹介します。


計画的な換気が重要

2003年の建築基準法改正によって、すべての新築住宅で、24時間換気システムの設置が義務付けられました。きっかけとなった要因に、住宅の高気密化と、新しい建材の普及があります。住宅に使われている建材や家具などから発散される化学物質が、高気密な家の室内で充満して、「シックハウス症候群」と呼ばれる体調不良が引き起こされたのです。結果として、家の中の空気を入れ替えるために、換気の必要性が高くなりました。


シックハウス対策は換気だけではありませんが、気密性の高い家では、計画換気を行い、室内の空気をきれいに保つことが重要です。



高気密は高断熱とセットでさらに効果的

気密性能と断熱性能は、密接な関係にあります。どちらか片方が備わって入ればいいというものではなく、両方がセットになることで効果が高まるためです。


断熱性能とは、外気が室内に入らないよう遮断する能力のことです。高断熱であるほど、家の中の温度が外気温に左右されず快適な室温を保てるという特徴があります。高気密高断熱住宅を実現することで、より省エネ性能が高く、快適な住まいになるでしょう。



大手ハウスメーカーで気密性の高いマイホームを実現



「大手ハウスメーカーで、気密性の高いマイホームを建てたい」と考えている人もいるのではないでしょうか。大手ハウスメーカーは、気密性や断熱性に優れた、高性能住宅を数多く手がけています。高気密高断熱で、デザイン性にも配慮している注文住宅も実現可能でしょう。カタログを取り寄せたり、モデルハウスを見に行ってみるのも良いですね。



気密性の高い家づくりで、快適な暮らしを



今回は、気密性の高い住宅についてご紹介しました。高気密住宅には、メリットもデメリットもあります。気密性について気になることがあれば、ハウスメーカーの営業担当者に相談してみるのもいいでしょう。住宅展示場でモデルハウスを体験したり、カタログを取り寄せたりして、満足のいく家づくりができるといいですね

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