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木造住宅のメリットとデメリットは?気になる寿命と防音性や耐震性

家選びネット公式 (ie-erabi.net) 2024-12-02
選び方

木造住宅にはさまざまなメリット・デメリットがあります。鉄骨や鉄筋コンクリート構造と比べて、寿命や防音性、耐震性にどのような違いがあるのか気になる方もいるのではないでしょうか。今回は、木造住宅の基本である工法や特徴を、その他の構造と比較しながら分かりやすく解説します。


木造住宅とは、主要な構造体に木が使われた住まいのこと


木造住宅とは、その言葉通り「木で作られた住まい」のこと。土台や壁、柱など建築物の強度を支える構造体に、木材が使われている住宅構造を指します。


一戸建ての建築構造としては「木造」のほかに「鉄骨造」や「鉄筋コンクリート造」などがありますが、その中で木造住宅(耐火構造を含む)は、戸建住宅全体の5割程度を占めています(総務省統計調査による)。


近年は「非木造化」が進んでいると言われており、1993年から2023年までの30年間において、木造住宅の割合が68.1%から54.0%へと年々減少。一方で、脱炭素社会の実現に向けて、木材の利用を促す取り組みが政府だけでなく、地方自治体でも広がっています。


参考:総務省「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計(確報集計)結果」


木造住宅の建築工法


日本には歴史的な建築物も木造建築が多く、木造はポピュラーな建築工法として知られています。


木造の代表的な工法として、従来からの伝統的な工法である「木造軸組工法(在来工法)」や、アメリカから伝わった「ツーバイフォー(2×4)工法」が挙げられ、それぞれ次のような特徴があります。


木造軸組工法(在来工法)

木造軸組工法とは、柱と梁を組み合わせて枠組みをつくり、そこに屋根や壁を取り付ける建築方法です。日本で最も多く用いられている工法で「在来工法」とも呼ばれます。壁ではなく軸組で支える工法のため、壁を設ける場所の選択肢が多く、多様な間取りに対応できるほか、大きな窓も設けやすいという特徴があります。


ツーバイフォー(2×4)工法

ツーバイフォー工法は、建築基準法上の名称を「枠組壁工法」と言います床や壁などの「面」で建物を支える「面構造」であり、約2インチ×約4インチ(2×4)材を主な構造材としているのが特徴です。木造軸組工法と比べて間取りの自由度は低くなりますが、耐震性が高くなるほか、規格化されているため短期間で建築できます。


木造以外の建築工法


木造以外の代表的な建築工法には、「鉄骨造」と「鉄筋コンクリート造」が挙げられます。それぞれどのような特徴があるのか見ていきましょう。


鉄骨造(S造)

鉄骨造とは、「S造」と呼ばれることもある、構造材料に鉄骨を使い家を建てる工法です。使用する鉄骨の厚みによって「軽量鉄骨」と「重量鉄骨」に分類され、一戸建て住宅は一般的に軽量鉄骨が多いです。耐久性や耐震性に優れており、腐食などの痛みが発生しないため、劣化しにくい特徴があります。


【関連記事】軽量鉄骨造とは?メリット・デメリットや木造・RC造との違いを解説


鉄筋コンクリート(RC)造

鉄筋コンクリートは、柱や梁などの主要構造部を、コンクリートに鉄筋を埋め込んだ部材により建築された建物のことを指します。Reinforced Concreteを略して「RC造」と呼ばれることもあり、中高層住宅で多く採用されている工法です。耐震性や気密性の高さがメリットとして挙げられますが、費用が高くなりやすいといった特徴があります。


【関連記事】鉄骨住宅のメリット・デメリット。特徴や木造住宅との違いとは


木造住宅の寿命


どの構造においても、設計や暮らし方により建物の寿命は大きく変わります。耐用年数という視点でみると、木造住宅の法定耐用年数は「22年」と定められています。


鉄骨造は鉄骨の厚さごとに「19年〜34年」、鉄筋コンクリート造は「47年」と定められているため「木造住宅は耐久性がなく、寿命が短い」と思われるかもしれません。


しかし、実際には築40年を越える木造住宅も多く見られるように、木造住宅であっても適切なメンテナンスやリフォームを行うことで、耐用年数以上に長く住み続けることが可能です。


【関連記事】【軽量鉄骨・木造】住宅の寿命はどのくらい?耐用年数の違いや長く住むためのコツを解説


木造住宅に使われる木材の種類


木造住宅を建てるときには、木材の種類にもこだわりたいですよね。住まいの土台となる木材としては「ヒノキ」「ケヤキ」「杉」などが多く使われています。また、建物内部の仕上げや家具などを作るための木材として知られているのは「ブナ」「アカマツ」「ミズナラ」などが挙げられます。


「ヒノキは耐水性があり害虫に強い」「ケヤキは耐久性に優れているが、非常に硬いことから扱いにくい」など、木材の種類によってそれぞれ特徴があり、価格も異なります。木造住宅を建てることに決まったら、使用する木材についてもじっくり検討する時間を持ちましょう。


木造住宅のメリット5つ


メリット①建築費用を抑えられる

木造住宅は、鉄骨造や鉄筋コンクリート造の住宅に比べて材料費が安価のため、建築コストを抑えられというメリットがあります。ただし、依頼先によって建築にかかる坪単価は異なるほか、木材自体の価格も木の種類によってさまざまであることも理解しておきましょう。


見積もりを取るなど、予算との兼ね合いを考えながら家づくりを進められるとよいですね。


メリット②設計の自由度が高くリフォームしやすい

木造住宅は、基本的にとてもシンプルな構造をしており、基礎、土台、柱、梁の構造体が法律の基準を満たしていれば、そのほかの設計は自由に決めることができます。自分好みの家づくりをしたい場合に、自由設計ができることや将来リフォームがしやすいことがメリットと言えるでしょう。


メリット③耐火性に優れている

木造住宅は耐火性に優れているのもメリットの一つです。薪に火をつけるのに手間取った経験のある方もいるかもしれませんが、住宅に使う木材にも同じことが言えます。


建築などに使う太い木は、熱伝導率が低く、木の内部まで燃えるのに時間がかかるため、火災が起きても構造体の中心は残り、家の形はそのまま保たれることが多いです。


一方で、鉄は熱伝導率が非常に早く、温度が急速に上がってしまいます。その結果、住宅を支える鉄骨が熱に耐えきれず折れ曲がってしまい、家そのものが崩れてしまうことも考えられるのです。


メリット④断熱性が高い

木造住宅に用いられることの多いスギやヒノキ、ブナなどの木材は、コンクリートや鉄と比較して高い断熱性を持っています。しかし、どれほど丁寧に建てたとしても、壁や天井などのちょっとした隙間から空気が出入りしてしまいます。


どのような工法であっても、精度の高い建築部材や断熱材などを用いて、高気密・高断熱の住まいを建てることが大切です。


メリット⑤調湿性や通気性が良く快適に過ごせる

木材は調湿性があるため、木造住宅は日本の気候に適した通気性のある快適な空間にしやすいといった特徴があります。空気が乾燥する時期は、木の中の水分が空気中に放出され乾燥を防いでくれる効果が期待できるでしょう。逆に、湿気の多い時期は、木が空気中の水分を吸収し、湿気を緩和してくれます。


一戸建て木造住宅のデメリット4つ


デメリット①耐震性が他の建築工法と比べて劣る

鉄骨造や鉄筋コンクリート造の住宅に比べ、木造住宅は地震に弱い傾向にあることが、よくデメリットに挙げられます。


しかし、建築基準法の新耐震基準によると、住宅を建築するにあたっては構造種別や工法に関係なく、震度6強~7に達する程度の大規模地震でも倒壊・崩壊するおそれのない建築物とするように定められており、木造でも十分な耐震性を備えることができます。


木造建築時には、火打梁(天井などの四隅で斜めにかける梁のこと)を配置することで、耐久性を高めることも可能です。火打梁を取り入れる場合、建築コストが上がるほか、工期が長くなるデメリットはありますが、強度を高めたり、デザインの一つとして取り入れたりすることも可能です。近年では制震システムの性能向上により、さらに耐震性を強化した家づくりも可能になりました。


デメリット②防音性が低い

木造住宅では使用する木材の性質上、遮音性能が低く、音を通しやすいという特徴がデメリットになり得ます。大きな道路に面していたり、家で楽器を演奏したいと考えていたりする場合には、床や壁、天井などの構造体を二重構造にするなど防音対策を考えておくとよいですね。


デメリット③品質にばらつきが生じやすい

木造の一戸建ては、他の工法に比べて品質にばらつきが生じやすいことがデメリットの一つです。木材の管理体制によって品質が変わるほか、建築現場では職人が木材を加工する場合もあるため、職人たちの力量が仕上がりに大きく影響します。ハウスメーカーや工務店などの営業担当者としっかり話し合うなどして、信頼できる依頼先を選びましょう。


デメリット④害虫による被害を受けやすい

木造住宅は、木材を好んで食べるシロアリの害虫被害を受けやすいというデメリットがあります。床下にコンクリートを敷き詰める手法のベタ基礎を取り入れる住宅が増えていますが、坊蟻処理された木材の利用や、定期的な防蟻薬剤の散布実施といった対策を検討していけると安心でしょう。


大手ハウスメーカーが手がける一戸建て木造住宅の魅力


木造住宅は、大手ハウスメーカーも手がけており、それぞれこだわりのある木造の一戸建てを提供しています。例えば、地元の国産材や世界の銘木を使った家づくりが可能なハウスメーカーや、木の住まいならではの空間づくりが得意なハウスメーカーなどがあります。


資料請求をしたり、住宅展示場に足を運んだりして、自分の理想を叶えられるハウスメーカーを探してみてはいかがでしょうか。


【関連記事】大手ハウスメーカーの特徴を一覧で比較!工務店との違いやおすすめポイント


木造住宅のメリット・デメリットを知って家づくりをしよう


今回は木造住宅の工法や寿命についてのほか、メリットやデメリットなどをご紹介しました。木造住宅とは主要な構造体に木材を使った家のことで、設計の自由度が高く、建築費用を安く抑えられるなどのメリットがあります。一方で、耐震性や防音性は、鉄骨造や鉄筋コンクリート造の家に比べて劣る傾向にあることがデメリットとして挙げられます。


大手ハウスメーカーには、それぞれ独自のこだわりを持った木造住宅のプランがあるので、興味のある方は検討してみてはいかがでしょうか。依頼先を十分検討し、理想のマイホームを建てられるとよいですね。


【関連記事】【鉄骨と木造】ハウスメーカーで建てるならどちら?比較やメリット・デメリット

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