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【鉄骨と木造】ハウスメーカーで建てるならどちら?比較やメリット・デメリット

家選びネット公式 (ie-erabi.net) 2022-10-05
選び方

鉄骨住宅と木造住宅のどちらを選ぶとよいのか、ハウスメーカー検討時に違いを知って比較したいと考える方もいるかもしれません。今回の記事では、鉄骨住宅と木造住宅について、それぞれの特徴やメリット・デメリットをご紹介します。ぜひ家づくりの参考にしてみてください。


鉄骨住宅と木造住宅の特徴


ハウスメーカーでの注文住宅の購入を検討するとき、その家の骨組みとなる「構造」選びに悩む人もいるのではないでしょうか。現在、家づくりで採用されている主な住宅構造は次の通りです。

  • 木造(W造)
  • 鉄骨造(S造)
  • 鉄筋コンクリート造(RC造)
  • 鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)

一戸建てはさまざまな箇所を修繕・リフォームしながら何十年と暮らしていくもの。しかし、構造自体はあとから変えることができないため、後悔のない選択をしたいものです。


今回は、構造の中でも比較的多く採用されている「鉄骨造」と「木造」にスポットを当て、それぞれの家づくりにおける特徴をご紹介します。


鉄骨住宅とは、鉄を使って建てられた住宅のこと

鉄骨住宅とは、住宅の主要な部分に「鉄骨」を使っている住宅のことです。使用する鉄骨は「軽量鉄骨」と「重量鉄骨」の2種類に分けられます。


・軽量鉄骨の特徴

軽量鉄骨造とは、家の柱や梁などに厚さが6ミリ未満の鋼材を用いた構造のこと。一般的にハウスメーカーの一戸建て住宅では、軽量鉄骨造が採用されています。建て方としては、鉄骨で骨組みを作ったあと、対角線をつなぐ筋交(ブレース)で補強し、ボルトで連結して組み立てる「軽量鉄骨ブレース工法」が多く用いられます。


軽量鉄骨造を詳しく知りたい方はこちら
軽量鉄骨造とは?メリット・デメリットや木造・RC造との違いを解説


・重量鉄骨の特徴

重量鉄骨造とは、鋼材の厚さが6ミリ以上の鋼材を使った構造のこと。マンションや大型デパートの建設には、主に重量鉄骨が用いられます。また、重量鉄骨造の建設にあたっては、筋交いや耐震壁が不要の「鉄骨ラーメン工法」が多くのケースで採用されています。柱と梁を溶接して枠を作り組み立てていくため、広い空間を作り出すのに適しているのです。


木造住宅とは、木を使って建てられた住宅のこと

木造住宅とは、住宅の主要な部分に「木」を使っている住宅のことです。総務省の住宅構造の統計データによると、日本の住宅の9割以上が木造住宅を占めており、馴染みのある方も多いでしょう。木造住宅で主に使用される工法は、主に「木造軸組(在来)工法」と「2×4(木造枠組壁)工法」の2種類に分けられます。


・木造軸組(在来)工法の特徴

木造軸組(在来)工法は、日本古来の「伝統工法」を現代的に簡略化した工法となり、柱と梁で骨組みを築き、筋違いや合板で組み上げます。日本の新築住宅は、木造軸組工法を用いるケースが多いです。


・2×4(木造枠組壁)工法

2×4(木造枠組壁)工法は、北米由来の工法で、柱や梁を基礎にするのではなく、2インチ×4インチのパネル状になった木材を組み立てて建築する方法となります。柱などの線ではなく、面で建物を支える構造体です。


参考:総務省 統計局「平成30年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計 結果の概要」


鉄骨住宅のメリット


メリット①品質が安定しやすい

鉄骨は、工場で生産されるため、品質にバラつきが生じにくいという特徴があります。建築時も、ハウスメーカーの多くは、工場であらかじめ組み立てる「プレハブ工法」を用いているため、現場での加工が少なく作業員の技術で品質が左右するといった心配もありません。


メリット②大空間の間取りをとりやすい

鉄骨住宅の場合、強度の高い鉄を使用するため、柱と柱の距離を大きくとることができます。同じ延べ床面積であっても、開放的に感じられる間取りが実現できるでしょう。間仕切り壁を設けることなく、開口部を大きく取れば、太陽の光が取り込みやすくなります。そのため、日当たりの悪い土地であっても、工夫次第で明るい空間を作れるのです。


メリット③地震に強い丈夫な家づくりができる

耐震性に関しては、鉄骨の建物は鉄や鋼の「粘り」によって地震に耐える構造になっています。地震で力が加わったとしてもその粘りによってしなり、変形するため地震のエネルギーを吸収し、倒壊しにくいと言われています。


鉄骨住宅のデメリット


デメリット①建築コストがかかる

鉄骨造の注文住宅は、建築コストが高くなる傾向があります。鉄骨造は木造住宅に比べて材料費が高く、工場で一邸ごと加工する必要があるため、その分費用もかかります。将来、リフォームや増改築を行うことになった場合も、同様に費用が高くなるケースが多いでしょう。


デメリット②地盤改良が必要なケースが多い

鉄骨は木材と比較してかなり重いため、土地の地盤が弱い場合は地盤を強化しなければなりません。立地条件や地盤形状によっては、この地盤改良工事で費用がかかることがあるため、物件価格だけでなく工事費用なども十分考慮して検討しましょう。


デメリット③断熱対策が必要

鉄骨住宅は、木造住宅に比べると熱伝導率が高く熱を通しやすいという特徴があるため、断熱対策が必要です。鉄骨住宅の場合、断熱効果の高い外断熱を用いたほうが良いとされていますが、外断熱は柱の外側に断熱材を敷き詰める方法となるため、コストが高くなる傾向にあります。鉄骨住宅を検討する際は、ハウスメーカーのパンフレットやホームページで、断熱性を確認してみましょう。


鉄骨住宅のメリット・デメリットを詳しく知りたい方はこちら鉄骨住宅のメリット・デメリット。特徴や木造住宅との違いとは


木造住宅のメリット


メリット①鉄骨住宅に比べコストが安い

ハウスメーカーにもよりますが、鉄骨住宅と比較すると材料費が安く、工期も短いため建築コストが安い傾向にあります。ただし、木材にはさまざまな種類があるため、質のよい木材を多く使う場合は、費用も高額となる可能性があります。予算に合わせて、使用する木材を検討するとよいでしょう。


メリット②環境に優しい

木材は、環境に優しい資源です。森林から再生産し使い続けることができるほか、建設や加工工程においてCO2の排出量が少ないことなどが特徴として挙げられます。


さらに、木は大気中の二酸化炭素を吸収固定するため、温室効果ガス削減にも貢献できるでしょう。現在、多くの業界が脱炭素化を図っており、建設業界も例外ではありません。今後は、木材住宅の環境負担軽減の観点から、木造住宅の果たす役割は大きくなると予想されます。


メリット③断熱性能や調湿性能が優れている

木は断熱性や調湿性が高いため、四季のある日本の風土にも適した家が建てられます。夏は涼しく、冬は暖かく過ごせるでしょう。また、優れた調湿性は結露やカビの発生も抑える効果が期待できるため、湿度の高い夏でも安心して過ごせる家づくりが可能です。


木造住宅のデメリット


デメリット①腐朽や蟻害への配慮が必要

木材は鉄鋼に比べると、腐朽菌やシロアリのダメージを受けやすいです。日本の高温多湿な環境においては、木造住宅の寿命を延ばすために、通風や通気性の確保も重要になってくるでしょう。木造住宅を検討する場合には、ハウスメーカーのシロアリ予防対策や保証内容を十分に確認しておくことが重要です。


デメリット②性能や品質にバラつきが生じやすい

木造住宅は、職人の技量や木材の品質にばらつきが生じやすいということも理解しておきましょう。ハウスメーカーや工務店などの営業担当者としっかり話し合い、信頼できる施工会社を選ぶことが大切です。選ぶ際は、耐震性は耐震等級、気密性はC値、断熱性はUA値やQ値が客観的な数値として参考になります。


デメリット③柱や壁が多く必要とな自由度が低い

木造住宅の耐震性を担保するため、鉄骨造の住宅に比べて、使用する柱や壁の数が多くなることで間取りの自由度が低くなる傾向にあります。広いワンフロアや壁一面の窓など、鉄骨住宅では可能な間取りであっても、木造住宅だと難しい場合があることを知っておきましょう。


木造住宅のメリット・デメリットを詳しく知りたい方はこちら
木造住宅のメリットとデメリットは?木造一戸建ての気になる寿命と防音性や耐震性


鉄骨住宅・木造住宅を比較するときに気になること


<比較したい点1>地震・台風などの自然災害に対しては、どちらが強い?

地震や台風といった自然災害の多い日本では、災害による住宅被害が気になる方も多いのではないでしょうか。


大手ハウスメーカーで住宅を建てる場合、耐震性や耐久性など住宅性能面において、木造と鉄骨造の違いはなくなってきています。近年では、企業努力により住宅性能表示制度「最高等級」の商品が主流となっているためです。


その上で、さらに安心安全な住まいづくりに欠かせないのが、「土地選び」。地震や台風などの被害を避けるためには、地盤の強い土地を見極めることが重要となります。自治体のHPなどで確認できるハザードマップ等を参考にして、土地探しを行いましょう。


ハザードマップの見方を詳しく知りたい方はこちら
ハザードマップの見方。色付けで分かる災害リスクと使い方のポイント


<比較したい点2>防火地域や準防火地域に住宅を建てる場合の選び方は?

自治体で指定される「防火地域」や「準防火地域」では、火災が起きた際の住宅被害を最小限に食い止めるため、耐火性を高めた住宅(耐火建築物)を建てる必要があります。


これらのエリアでは、鉄筋コンクリート造や鉄骨造の住宅が多く見られますが、木造でも耐火構造を施すことで耐火建築物を建てることは可能です。木造住宅は、鉄筋コンクリート造や鉄骨造に比べて重量が軽く、建築費用も安いため、防火地域や準防火地域などでも徐々に増えてきています。


防火地域と準防火地域を詳しく知りたい方はこちら
防火地域・準防火地域とは?木造でも大丈夫?調べ方や建築制限について解説


木造住宅と鉄骨造住宅、どちらを選ぶべき?


鉄骨住宅が向いている人

鉄骨住宅は、以下の方に向いています。

  • 建築コストがかかっても頑丈な家に住みたい
  • 初期費用が高くても長期的に見たときにコストが抑えられる家に住みたい
鉄骨住宅は、建築コストが高くても頑丈な家に住みたいと考えている方に適しているでしょう。また、木造住宅に比べると耐用年数が長いため、初期費用が高くても長期的に見ると費用を安く抑えられる傾向にあります。


木造住宅が向いている人

一方の木造住宅は、以下の方に向いています。

  • できるだけコストを抑えて家を建築したい
  • 環境に優しい家を建てたい
  • 快適な住環境に住みたい

木造住宅は、鉄骨住宅に比べるとコストを抑えられるため、できるだけ費用を抑えて建築したい方にオススメです。また、地球への負担が少ない快適な環境を家づくりで実現したい場合にも適しているでしょう。


鉄骨造と木造のどちらが向いているのかは人それぞれ異なります。それぞれのメリット・デメリットを比較して検討しましょう。


ハウスメーカーが手掛ける注文住宅


大手ハウスメーカーは、それぞれ独自の特徴を持った住まいを提供します。住宅展示場やモデルハウスなどで、実際に確かめてみるのがオススメですが、ここでは鉄骨住宅や木造住宅でどのような注文住宅を建てられるのか、一部をご紹介します。


【鉄骨住宅】強度があり高い品質を保ち続ける住宅

鉄骨住宅に関して独自の研究を重ねた結果、建物を支える鉄骨などが耐用年数60年以上を実現しているハウスメーカーがあります。またデザイン設計の自由度が高く、開放感あふれる大空間などダイナミックな空間づくりが可能なハウスメーカーもあります。


【木造住宅】銘木を使ったこだわりの住宅

ハウスメーカーのなかには、地元の国産材や世界の銘木を使った、こだわりのある家づくりを提案してくれるところがあります。木造住宅で気になる耐火性に関しては、外壁建材を独自の技術で施工することにより、優れた耐火性能をもった家を実現しているハウスメーカーもあります。


ハウスメーカーの注文住宅が気になる場合には、資料請求をしたり住宅展示場へ足を運んだりして比較検討してみてはいかがでしょうか。


大手ハウスメーカーの特徴を詳しく知りたい方はこちら

大手ハウスメーカーの特徴を一覧で比較!工務店との違いやおすすめポイント


鉄骨住宅と木造住宅の特徴を比較してハウスメーカー選びを


今回は、鉄骨住宅と木造住宅の特徴や、それぞれを比較したときのメリット・デメリットをご紹介しました。同じ資材を使っていても、ハウスメーカーや工務店などの施工会社によって違いがあります


鉄骨と木造のどちらにするのかこだわるよりも、住宅展示場へ足を運んでメーカーごとの特徴を知り比較して、信頼できる施工会社を選ぶことが大切かもしれません。あなたや家族が理想とする一戸建て住宅を建てられるとよいですね。

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