建売住宅のデメリットとは?「売れ残り」物件の注意点と後悔しない選び方
マイホームを検討中、相場よりぐっと安い物件を見つけて「売れ残っている理由は何だろう?」と気になったことはありませんか。
値引きによるお得感に惹かれる一方で、「何か重大な欠陥があるのでは?」「購入後に後悔しないだろうか」と不安を感じる方も多いはず。本記事では、建売住宅の基本的なデメリットに加え、「売れ残り物件」ならではの注意点とメリットを徹底解説します。
検討前にチェック!建売住宅の基本的なデメリット
建売住宅とは、土地と建物がセットで販売される新築一戸建て住宅のことです。 一般的には、不動産会社やハウスメーカーがあらかじめ決められた設計に基づいて建築し、完成前または完成後に販売します。
注文住宅と比べ、コストパフォーマンスに優れた建売住宅ですが、特有のデメリットも存在します。まずは建売住宅全般に言える共通の注意点を確認しましょう。
間取りやデザインの自由度がない
建売住宅はすでに設計が確定している、あるいは完成しているため、注文住宅のように自分のこだわりを反映させることはできません。そのため、物件によっては「自分たちのライフスタイルを家に合わせる」という我慢が必要になります。
特に売れ残り物件の場合、以下のような「リフォームや修繕では解決しにくい要素」が原因となっているケースがあります。
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これらに納得して購入できれば良いのですが、1年、2年と暮らすうちに住みにくさを感じてしまう方もいます。「価格が安いから」という理由だけで妥協せず、将来の暮らしを冷静にシミュレーションすることが大切です。
工事の過程を自分の目で確認できない
建売住宅の多くは、すでに完成した状態で販売されます。そのため、基礎工事や柱の組み方、断熱材の充填といった「家の性能を左右する、完成後には見えなくなる部分」を自分の目で確認することができません。
「手抜き工事が行われていないか」「設計図通りに施工されているか」を建築プロセスでチェックできない点は、一生に一度の大きな買い物をするうえで、不安要素になりやすいといえるでしょう。
同じような外観の家が並び、個性を出しにくい
建売住宅は、一定のエリアに似たデザインの住宅を複数棟建てることでコストを抑えています。そのため、近隣と外観や外構が酷似し、街並みに「個性」を出しにくい傾向があります。
「自分たちだけのオリジナリティある家に住みたい」という希望が強い方にとっては、どこか物足りなさを感じたり、友人や知人に「いかにも建売」という印象を与えてしまったりするかもしれません。
【関連記事】【建売住宅を徹底解説】購入のメリット・デメリット、分譲住宅との違い
なぜ「売れ残り」の建売住宅が発生するのか?
家探しをしているとき、売れ残りとなっている建売住宅を見つけることもあるかもしれません。その物件が魅力的に見える物件でも、売れ残っているのには必ず何らかの理由があります。主な原因と、売れ残った物件がたどる経緯について見ていきましょう。
価格設定が相場より高かった
最も多い理由は、販売価格が周辺の相場やニーズと噛み合っていないケースです。「大手ブランドの住宅で設備が豪華すぎる」「土地の仕入れ価格が高騰していた」などの事情により、当初の価格設定がターゲット層の予算を超えてしまうと、買い手がつかずに残ってしまいます。
販売開始のタイミングや周辺環境の変化
物件自体に問題がなくても、販売時期の悪さが影響することもあります。たとえば、近隣でより大規模な分譲地が同時に売り出されたり、景気や金利の変動で購入検討者が一時的に減ったりするケースです。
また、立地や敷地の広さ、日当たり、近隣建物との位置関係といった「周辺環境」も、完売までの期間を長引かせる要因となります。
売れ残りの建売住宅はどうなる?
建売住宅は、新築一戸建てとして価値を保つために「完成後1年以内」の完売を目指すのが一般的です。仮に売れ残った場合は、まず、3カ月、半年といった節目ごとに価格を改定し、完売を目指します。
建築から1年が経過すると「中古・未入居物件」となり、法律上「新築一戸建て」と表記できなくなるため、人の目にも触れにくくなります。そのため、ハウスメーカー側としても新築のうちに売り切りたいという強い動機があります。
最終的には別の不動産業者に転売されたり、稀に賃貸住宅として運用されたりすることもあります。つまり、売れ残っているからといって必ずしも「重大な欠陥」があるわけではなく、多くは価格やタイミングのミスマッチが原因と言えます。
「売れ残り」の建売住宅を購入するメリット
デメリットが目につきやすい売れ残り物件ですが、見方を変えれば「賢く家を建てるチャンス」でもあります。具体的にどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
大幅な値引き交渉がしやすい
建売住宅の最大のメリットは、値引き交渉しやすいという点です。建物を所有するハウスメーカー側は、新築表記ができなくなる1年が経過する前に売りたいと考えている場合が多く、通常では難しい金額の値引きに応じてもらえる可能性があります。
値引き交渉は、仲介会社がいる場合、担当者が間に入って売主(ハウスメーカー)と交渉してくれます。一方、仲介会社が間に立っておらず、売主となる分譲会社から直接購入する場合は、自分で直接値引き交渉する必要がありますが、仲介手数料がかからない分、より踏み込んだ値引きを引き出せる可能性があります。浮いた費用を家具家電の購入や住宅ローンの繰り上げ返済に充てるなど、資金計画にゆとりが生まれるのは大きな魅力です。
完成後の状態を細かくチェックしてから購入できる
建売住宅の意外なメリットが「経年変化を確認できる」点です。建てた直後ではわからない不具合(クロスの隙間や壁の小さなひび割れ、建具の建付けなど)は、時間が経過したからこそ表面化します。
売れ残り物件なら、完成から数カ月〜1年経った「現在の状態」をプロの目や自分の目で厳しくチェックできます。内覧時に感じた不安点や問題点は、入居前の段階で修繕してもらうよう交渉できるため、むしろ新築直後の物件よりも安心して住み始められる側面があるのです。
即入居が可能で、新生活のスケジュールが立てやすい
注文住宅のように打ち合わせに数カ月を費やす必要がなく、契約から入居までが非常にスピーディーです。転勤や子どもの新学期に合わせて急いで家を探している人や、多忙で家づくりのために何度も打ち合わせる時間が取れない人にとって、即入居できる点は大きなメリットです。
また、実際の日当たりや生活動線を確認したうえで、家具やカーテンを新調できるため、「サイズが合わなかった」という失敗も防げます。
【要注意】「売れ残り」の建売住宅に見られる特有のデメリット
「安さ」だけに目を奪われると、入居後に予期せぬ出費が発生する恐れがあります。売れ残り期間が長い物件ならではの「3つのリスク」を正しく把握しておきましょう。
長期間の空き家状態で物件が傷んでいる可能性がある
窓が閉め切られた状態で放置されている売れ残りの期間が長い物件は、建物に傷みが生じている可能性があります。日本は湿気が多くクロスや水回りが傷みやすい環境であるため、「人が住んでいないからキレイな状態」とは限らず、かえって建物が急速に劣化しているケースもあります。
建築後の管理が甘い会社の物件には、新築物件とは思えない即特のこもった臭いやカビが発生しているものもあるようです。検討の際は、信頼できるハウスメーカーの営業担当者と共に、隅々まで内見でチェックすることが大切です。
「新築」の定義から外れ、保証や税制優遇が変わるリスク
不動産の世界では、新築と呼べるのは「完成から1年未満、かつ未入居」の物件に限られます。1年が経過した売れ残り物件は、法律上「未入居の中古物件」という扱いとなり、新築物件では保証されていた、構造部の「瑕疵(かし)担保責任保険」と「品確法」が適用されなくなります。
新築の場合、売主には「品確法」に基づき、住宅の主要な構造部や雨漏りに関して10年間の無料修理保証が義務付けられています。しかし、1年を超えた物件はこの義務がなくなるため、独自の保証を設けていない会社から購入すると、万が一の際に自己負担で修理するリスクが生じます。
住宅ローン控除や登録免許税の軽減措置が制限されるケースも
建売住宅の売れ残り期間が1年を超えると、税制面でも大きな違いが生じます。通常、新築物件であれば「所有権移転の登録免許税」の軽減や、建物の「固定資産税の減免措置」といった手厚い税制優遇を受けることができます。
しかし、完成から1年を経過して「未入居の中古物件」扱いになると、これらの優遇措置の適用から外れてしまうケースが少なくありません。固定資産税は地方税なので地域差がありますが、一般的には新築物件と同様の減免は期待できないのが現状です。
さらに、住宅ローン控除の借入限度額や控除率が「中古住宅」の基準に引き下げられることもあるため、販売価格の安さだけで判断せず、入居後の実質的な税負担についても事前によく確認しておく必要があります。
【関連記事】建売住宅のメリット・デメリットは?注文住宅との違いや後悔しない選び方
建売住宅で後悔しないための「売れ残り」判断基準
売れ残り物件は、デメリットを正しく理解し、対策を講じれば「お買い得な物件」に変わります。購入を決める前に、以下の3つのポイントをチェックしましょう。
ハウスメーカーの信頼性とアフターサポートを確認する
大手ハウスメーカーが販売している建売住宅で、特定の区画だけが売れ残っているケースがあります。このような場合、建物自体に問題があるのではなく、価格設定や敷地の形状、日当たりなどの条件がたまたま買い手の希望と合わなかっただけの可能性も高いです。
もし売れ残りの理由が自分たちにとって許容できる範囲であれば、ハウスメーカーならではのハイセンスな住宅やワンランク上の充実した設備を備えた物件を、相場よりお得に購入できる絶好のチャンスとなります。家探しをするときは、新築の最新物件だけでなく、こうした「掘り出し物」にも目を向けてみるのがおすすめです。
【関連記事】ハウスメーカーの建売住宅を購入するメリット・デメリットは?注文住宅との比較も
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ホームインスペクション(住宅診断)を活用して見えない不備を防ぐ
「工事の過程が見えない」「空き家期間の劣化が心配」という建売住宅最大の不安を解消する有効な手段が、ホームインスペクション(住宅診断)です。
これは、第三者の専門家(住宅診断士)が建物のコンディションを客観的にチェックするサービスです。売れ残り期間が長い物件でも、基礎のひび割れ、雨漏りの跡、床下の湿気などをプロの目で確認してもらうことで、納得感を持って契約に進められるでしょう。診断費用は戸建てで5万~7万円程度かかりますが、入居後の大きなトラブルを未然に防げることを考えれば、検討する価値は十分にあります。
「建売」と「注文住宅」どちらが自分たちに向いているか比較する
最後に立ち返るべきは、「自分たちが何を優先したいか」です。建売住宅の中でも特に売れ残り物件は、コストを抑えてスピーディーに住み始めたい方には最適ですが、間取りや設備に強いこだわりがある場合は、後悔してしまうかもしれません。
「多少の不便はあっても、立地や予算を優先したい」なら建売住宅、「一から自分たちの理想を形にしたい」なら注文住宅と優先順位を整理しましょう。こだわりが捨てきれない場合は、無理に売れ残り物件を選ばず、注文住宅という選択肢も含めて検討し直すことが、後悔しない家づくりの第一歩です。
まとめ:建売のデメリットと「売れ残り」の理由を正しく理解しよう
建売住宅のデメリットや「売れ残り」の理由はさまざまですが、一概に「悪い物件だから残っている」とは言いきれません。物件によっては値引き交渉がしやすいだけでなく、完成から時間が経っているからこそ建物の状態を冷静に見極められるというメリットもあります。建築から1年以内の物件であれば、建物保障や税制優遇も新築同様に受けられるため、条件さえ合えば非常にお得な選択肢となります。
まずは、売れ残っている理由やメリット・デメリットを確認し、自分たちにとって許容できるものかどうかを話し合ってみましょう。売れ残り物件のリスクを理解したうえで、納得のいく住まい探しを進めてくださいね。