
中古注文住宅のメリット・デメリット。新築一戸建てと比較して家選び
中古の注文住宅を購入するメリット・デメリットはなんでしょう。「将来売れないこともある?」「リノベーションはできる?」など気になることもあるかもしれません。今回の記事では、中古の注文住宅に注目し、新築一戸建てと比べてお得なことや、選ぶときのポイントなどを解説します。
中古の注文住宅を購入するメリット
メリット<1>新築住宅に比べて価格が安く、お得に購入できる
中古の注文住宅は、新築の注文住宅に比べて割安で購入できるのがメリットです。新築住宅の場合は、販売広告費用などが価格に上乗せされているため、中古住宅よりも割高となってしまうのです。同じ予算であれば、中古の注文住宅のほうが「駅が近く立地がよい」など、条件面の優れた家を選ぶことができるでしょう。
メリット<2>周辺環境が完成しているため、暮らしをイメージしやすい
新築が多く建ち並ぶ新たな開発エリアとは異なり、中古の注文住宅はすでに周辺環境が完成しているケースが多いのも特徴です。そのため、物件見学で入居後の暮らしをイメージしやすいでしょう。住宅周辺の雰囲気や交通量をチェックしたり、近隣住民の方に直接話を聞いてみたりすると安心できそうですね。
メリット<3>建売住宅に比べて、間取りやデザインにこだわった家を購入できる
中古の注文住宅なら、建売住宅よりもこだわりのある戸建て住宅を購入できます。建売住宅の多くは、万人に受け入れられやすい間取りやデザインが採用されますが、注文住宅は工法や設備、間取りなどを自由に選択できるためです。さまざまな中古の注文住宅を比較検討すれば、理想的な住まいが見つかるかもしれません。
メリット<4>すぐに住み始めることができる
新築の注文住宅を建てる場合には、平均12か月ほどの建築期間がかかると言われています。中古住宅の場合は、契約がスムーズにいけば、すぐに住み始めることが可能です。「できるだけ早く入居したい!」という方にとっては大きなメリットではないでしょうか。
中古の注文住宅を購入するデメリット
デメリット<1>内覧時に物件を細かくチェックしづらい
中古住宅の場合、内覧時点で売主が入居中のケースも多く、物件を細かくチェックしづらいというデメリットがあります。例えば、使用中の大きな家具などを置いている場合には、動かして確認することが難しいでしょう。収納スペースなどは奥までチェックするのがためらわれるかもしれません。スムーズに内覧を進めるためには、あらかじめ確認したいポイントを整理しておくとよさそうです。
デメリット<2>修繕やメンテナンスなどの維持費にお金がかかる
築年数の長い中古住宅の場合は、住居での不具合が起きやすく、住み始めてすぐに修繕が必要となる場合もあります。構造がしっかりした物件など、新築と同様、長く快適に住むことができる中古住宅もあり、維持費にどのくらいのお金がかかるかはケースバイケースと言えます。必要に応じて購入前に住宅診断(ホームインスペクション)を受けるのもおすすめです。
デメリット<3>新築に比べて税制のメリットが少ない
中古の注文住宅は、新築住宅に比べて税制面でのメリットが少なくなります。例えば、住宅購入時に必要な諸費用として、所有権移転登記などする際にかかる「登録免許税」や、不動産の所有権を取得した際にかかる「不動産取得税」などがあります。
登録免許税には軽減措置が設けられていますが、新築住宅の方が軽減措置の割合が大きいほか、中古住宅だと築20年以内または、現在の耐震基準(新耐震基準)に適合していることを証明する必要があります。
不動産取得税も、一定の金額を控除する特例がありますが、中古住宅の場合は、築年月に応じて控除額が変わります。また、不動産取得後に毎年支払う「固定資産税」も、建物については新築にのみ軽減措置が適用されます。
デメリット<4>瑕疵担保責任が免責になる可能性もある
中古の注文住宅の場合、購入時に瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)の権利がない可能性もあります。瑕疵担保責任とは、シロアリ被害や雨漏りなど、住宅に欠陥や不具合(瑕疵)があった場合は売主が修復の責任を持つという、責任の所在を明らかにしたものです。
築年数が経過した中古住宅は、すでに経年劣化していることも考えられるため、住宅によっては、売主が「瑕疵担保責任を負わない」という契約となっている場合があります。中古住宅を選ぶ際には、契約書に瑕疵担保責任の条項があるかを確認し、検討材料の一つとしましょう。
中古の注文住宅を選ぶときのポイント
中古の注文住宅を選ぶときには、どのようなことを意識するとよいのかポイントを解説します。
長く安心して暮らせるか、地盤や環境の調査をしよう
中古住宅だからといって、安心して暮らせる地盤や環境が整っているとは限りません。新築住宅を購入する際と同様に、地盤の安全性や周辺環境をしっかり確かめたうえで、購入しましょう。
関連記事:地盤保証とは?地盤保証制度に伴う義務や保証の受け方を解説
リノベーションはしやすい?間取りや工法を確認しよう
リノベーションは、既存の基礎や柱をそのまま利用できるため、更地に新築を建てるよりも、建築費用を安く抑えられると言われています。しかし、中古住宅の間取りや工法によっては、理想通りのリノベーションを行えない可能性もあります。自分が行いたいリノベーションが可能かどうかを確認した上で購入できるとよいのではないでしょうか。
購入した中古住宅は売れる?売れない?物件の将来性をチェック
購入した中古の注文住宅をいずれ売却したいと考えている場合には、物件の将来性もチェックすることが大切です。資産価値が落ちにくいと言われる注文住宅の特徴は、「立地や周辺環境がよい」「日当たりが良い」「こだわり過ぎていない間取り」などと言われています。家選びの際には、それらのチェックポイントも押さえておきましょう。
新築住宅のメリットは?中古住宅と比較して家選びを
中古の注文住宅か、それとも新築住宅を購入するか悩んでいる方もいるかもしれませんね。新築住宅の場合は「誰も住んだことがなく、設備などがすべて新品」ということが最大のメリット。住宅展示場へ行けば、最新の設備や間取りを確かめられるでしょう。
このほか、中古住宅に比べて税制面の優遇が大きいのもポイントです。中古住宅と比較して、それぞれの家庭にぴったりマイホームを選べるとよいのではないでしょうか。
関連記事:新築一戸建てのメリット、デメリット。中古住宅との違いについて
中古の注文住宅はメリット・デメリットを理解して購入
今回は中古の注文住宅を購入するメリット・デメリットをご紹介しました。中古の注文住宅は、新築に比べて安くお得に購入できるほか、すでに環境が完成しているケースが多いため、暮らしをイメージしやすいでしょう。一方で、新築に比べると内覧時に細かくチェックしづらいことや、修繕費用が多くかかるケースもあることなどがデメリットと言えます。新築住宅のメリット・デメリットと比較をして、ご自身の理想にぴったりのマイホームを選べるとよいですね。