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鉄筋コンクリート造と鉄骨造の違いは?特徴や防音性、耐震性などを解説

家選びネット公式 (ie-erabi.net) 2025-03-10
基礎知識
「鉄筋コンクリート造と鉄骨造は具体的にどう違うの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。どちらも鉄などの金属を材料とするため、同じような構造だと思われがちですが、実はその特徴は大きく異なります。今回は、住宅の住みごこちを大きく左右する建物構造の違いや防音性・耐震性など、それぞれのメリット・デメリットをわかりやすく解説します。


鉄筋コンクリート造と鉄骨造の違いとは?



建物の構造体は、大きく分けて「木造」「鉄骨造」「鉄筋造」の3種類があります。その中でも鉄筋と鉄骨を用いた構造は、「鉄筋コンクリート造」「鉄骨造」「鉄骨鉄筋コンクリート造」に分類されます。ここからは、建物構造の特徴と違いを解説します。


「構造別の特徴一覧」


木造
(W造) 
鉄骨造
(S造) 

鉄筋コンクリート造
(RC造)

鉄骨鉄筋コンクリート造
(SRC造)
防音性  
耐震性  
耐火性
断熱性
耐久性

評価基準(◎:非常に優れている ○:優れている △:やや劣る ✕:劣る)


この表はあくまで目安であり、建物の条件によって性能は大きく変わります。例えば、木造住宅でも最新技術を駆使することで、高層建築や高い耐震性を実現している物件もあります。また、鉄骨造は、軽量鉄骨造と重量鉄骨造で性能が大きく異なるため、注意が必要です。


鉄筋コンクリート造(RC造)の特徴

鉄筋コンクリート造(RC造)は、柱や梁、壁などの主要構造部に鉄筋とコンクリートを用いた建物構造です。太さ1cm以上の鉄の筋を網状に張り巡らせ、コンクリートを流し込んで柱などを作ります。別名「RC造(Reinforced Concrete)」とも呼ばれ、高い強度と耐久性を実現します。

鉄筋コンクリート造の大きな特徴は、設計の自由度の高さです。長い柱や梁、高い天井などを自由に設計できるため、広々としたリビングや大きな窓などの開口部を設けることができます。また、高い強度を誇るため、中高層マンションなどの大型建築物に多く使われています。


鉄骨造(S造)の特徴

鉄骨造(S造)は、柱や梁などの骨組みに鉄の合金である鋼(Steel)を用いた建物構造です。略して「S造」とも呼ばれ、鋼材の種類によって「軽量鉄骨造」と「重量鉄骨造」の2種類にわけられます。それぞれの特徴は以下の通りです。

軽量鉄骨造

軽量鉄骨造は、厚さ6mm未満の薄い鉄骨を使用します。あらかじめ主要な部材を工場で製造し、現場で組み立てる「プレハブ工法」を用いるため、工期を短縮できます。また、材料の軽さや扱いやすさも特徴で、戸建て住宅やアパート、小型店舗などで広く採用されています。



重量鉄骨造

重量鉄骨造は、厚さ6mm以上の厚い鉄骨を使用します。軽量鉄骨に比べて柱や梁の強度が高いため、より少ない部材で住宅を建築できます。そのため、広い空間を確保しやすく、自由な間取り設計が可能です。主に、3階建て以上のマンションや高層ビルなど、大型建築で採用されています。



鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)の特徴

鉄筋コンクリート造と鉄骨造を組み合わせた鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)は、鉄筋と鉄骨を組み合わせた部分にコンクリートを流し込んで一体化させた構造です。略してSRC造(Steel Reinforced Concrete)とも呼ばれます。

基本的な工法は、鉄筋コンクリート造とほぼ同じですが、鉄骨造の要素が入ることで、より耐久性が高くなります。これにより、地震や強風などに対する抵抗力が向上し、より安全性の高い建築物を建てられることから、高層ビルやマンションなどに採用されています。


鉄筋コンクリート造(RC造)のメリット・デメリット



鉄筋コンクリート造(RC造)のメリット・デメリットをくわしく見ていきましょう。


鉄筋コンクリート造(RC造)のメリット

鉄筋コンクリート造(RC造)には、主に以下の5つのメリットがあります。


  • 防音性が高い
  • 断熱性・気密性に優れている
  • 耐久性・耐震性に優れ、安全性が高い
  • デザインの自由度が高い
  • 耐火建築物として認定されている


鉄筋コンクリート造(RC造)は、高い防音性と断熱性・気密性を備えているため、外部からの騒音や温度変化の影響をほとんど受けません。これにより、光熱費を抑えながら、一年を通して快適な居住空間を維持できるといわれています。

また、国税庁が建物の構造や用途によって定める法定耐用年数は、鉄筋コンクリート造(RC造)の住宅の場合47年であり、鉄骨造(重量鉄骨造の場合は34年)や木造(22年)よりも長いです。これは、建物や設備などの固定資産が、一般的な使用状況において利用可能な年数を示しており、税法上の減価償却費を計算するために用いられます。

実際の耐久性は、環境やメンテナンス状況によって左右されますが、メンテナンス次第で法定耐用年数以上に長く住み続けることが可能です。

さらに、建築基準法において耐火建築物として認められているため、地震だけでなく火災にも強いという特徴があります。災害の多い日本において、鉄筋コンクリート造(RC造)の特徴は大きなメリットといえるのではないでしょうか。

参考:国税庁「法定耐用年数」


鉄筋コンクリート造(RC造)のデメリット

鉄筋コンクリート造(RC造)には、以下のようなデメリットも存在します。


  • 建築コストが高い
  • 時期によってカビや結露が発生しやすい
  • 生活空間が狭くなる
  • 地盤の弱い土地には不向き


鉄筋コンクリート造(RC造)の建物を建築するにあたっては、一般的な工法に比べて作業工数が増えるほか、地盤改良工事が必要になるケースが多いようです。そのため、人件費や材料費などの建築コストが高くなる傾向があります。

また、気密性の高さは快適な空間を維持しやすい一方、時期によっては湿気がこもりやすく、カビや結露の原因となることがあります。そのため、適度な換気や、断熱材の使用などの湿気対策が必要になります。


鉄骨造(S造)のメリット・デメリット



鉄骨造(S造)のメリットとデメリットを詳しく見ていきましょう。


鉄骨造(S造)のメリット

鉄骨造(S造)には、主に以下3つのメリットがあります。


  • 建築コストを抑えられる
  • 通気性に優れている
  • 木造に比べて耐久性が高い


特に軽量鉄骨造は、鉄筋コンクリート造(RC造)に比べて大規模な地盤改良工事の必要がなく、工期も短く済むため建築費用を大幅に抑えられます。経済的なメリットが大きいため、コストパフォーマンスを重視する方におすすめです。

また、通気性にも優れているため、梅雨などの湿度の高い季節でも比較的快適に過ごすことができます。適切な換気対策を行うことで、さらに快適性を高めることができるでしょう。

耐久性に関しては、木造よりも優れており、適切な防火・防さび対策がなされた鉄骨が使われていれば、安全性を高めることができます。これにより、火災保険料が安くなる可能性もあります。


鉄骨造(S造)のデメリット

鉄骨造(S造)のデメリットは以下の通りです。


  • 耐火性・防音性が低い
  • 熱の影響を受けやすい


鉄骨造(S造)は、耐久性がある一方で、熱に弱く火災に注意が必要です。特に軽量鉄骨造の場合、適切な耐火被覆材を使用しないと、火災時に倒壊する危険性が高まります。そのため、建築時には適切な耐火対策が不可欠です。

また、鉄筋コンクリート造(RC造)と比べて防音性が低いため、周りの生活音が聞こえやすいというデメリットがあります。



鉄筋と鉄骨どっちがうるさい?防音性を比較



マイホームを建てる際、防音性は重要な要素のひとつです。鉄筋コンクリート造(RC造)と鉄骨造(S造)では、どちらがより防音性に優れているのでしょうか。


防音性を重視するなら鉄筋コンクリート造(RC造)がおすすめ

防音性を重視して住宅を建てる場合は、鉄筋コンクリート造(RC造)を選ぶのがおすすめです。鉄筋造の中でも、特に壁式工法は、柱や梁、壁などが一体化しているため鉄骨造(S造)よりも遮音性が高くなります。静かで安心感のある住まい、プライバシーを重視する方には、鉄筋コンクリート造(RC造)が最適です。


鉄骨造(S造)なら重量鉄骨造の方が防音性に優れている

鉄骨造(S造)にこだわるのであれば、重量鉄骨造がおすすめです。重量鉄骨造は軽量鉄骨造に比べて厚みのある鋼材を使用するため、外部からの騒音や室内からの音漏れを効果的に低減できる傾向があります。


快適な住まいを実現する防音対策



静かで快適な住まいを実現するためには、適切な防音対策が不可欠です。窓の防音対策としては、二重サッシを採用し、空気の通り道(隙間)をなくすことで遮音効果を高める方法が有効です。また、防音複層ガラスや防音合わせガラスなど、遮音性能の高い窓ガラスを選ぶのも良いでしょう。既存の窓を変えるのが難しい場合は、防音・遮音カーテンや吸音カーテンを設置するだけでも、一定の防音効果が期待できます。

床の場合は、防音フローリングや二重床が効果的です。あとから対応したい場合は、遮音マットや防音カーペットを敷くことで、階下への音漏れを軽減できます。

これらの対策に加えて、テレビやスピーカーなどの音響機器をできるだけ壁から離して設置するなど、日頃から防音対策を意識することも大切です。未然に騒音トラブルを回避し、快適な住環境を実現しましょう。


鉄筋と鉄骨。建物構造で迷ったら大手ハウスメーカーに相談



大手ハウスメーカーでは、独自の技術を活かし、地震などの災害に強い丈夫な家づくりを実現しています。快適な暮らしはもちろん、最長60年の長期保証を提供しているメーカーもあります。

資料請求や住宅展示場への訪問を通じて、鉄筋造や鉄骨造の住宅を実際に体感してみてください。理想のマイホームづくりをサポートしてくれるハウスメーカーを見つけ、長く安心して暮らせる住まいを手に入れましょう。



鉄筋と鉄骨それぞれの違いを理解して、最適な住まいづくりを



今回の記事では、住宅建築で用いられる代表的な構造の「鉄筋コンクリート造」と「鉄骨造」の違いについて解説しました。鉄筋コンクリート造は、安全性や防音性に優れ、快適な居住空間を実現できる点が魅力です。一方で、鉄骨造は比較的建築コストを抑えられるというメリットがあります。どちらの構造も、それぞれ良い面と悪い面があるので、ご自身のライフスタイルや予算、優先したい性能などを考慮し、最適な構造を選択できるとよいですね

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